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「民法(債権関係)の改正に関する中間的な論点整理」に対して ... - 法務省

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○ 時 効 の 効 果 を 履 行 拒 絶 権 が 発 生 するものとすると 被 担 保 債 権 について 時 効の 効 果 が 発 生 しても 被 担 保 債 権 は 消 滅 せず, 担 保 権 や 保 証 債 務 も 消 滅 しない 結果 が 生 じる。これは 債 務 者 のみならず 保 証 人 や 物 上 保 証 人 について 現 民 法 での法 的 状 況 を 大 幅 に 変 更 するものである。 確 かに 時 効 が 訴 権 の 消 滅 という 沿 革 を持 つということから 諸 外 国 の 多 くが 履 行 拒 絶 権 を 採 用 しており,また 時 効 の 効果 発 生 後 に 債 務 者 が 債 務 を 弁 済 した 場 合 履 行 拒 絶 権 で 構 成 すれば 債 権 者 に 給付 時 保 持 力 は 残 るため 債 務 者 からの 返 還 請 求 を 認 めない 根 拠 として 説 明 しやすい。しかしたとえ 履 行 拒 絶 権 が 時 効 の 本 質 であったとしても 我 が 国 ではこれまで 時 効 の 効 果 は 消 滅 するものとして 実 務 が 積 み 重 ねられてきており, 現 状 において 効 果 を 変 更 すべき 弊 害 は 生 じていない。また, 時 効 の 効 果 発 生 後 の 弁 済の 取 扱 いについて 債 務 者 からの 取 戻 しを 認 めないことに 異 論 はないのであるから, 別 途 債 務 者 の 返 還 請 求 を 封 じる 規 定 を 置 くことで 対 応 すれば 十 分 である。したがって, 特 に 担 保 権 や 保 証 債 務 について 現 民 法 と 全 く 異 なる 結 果 を 導 いてまで 履 行 拒 絶 権 を 採 用 する 必 要 性 も 合 理 的 理 由 もない。なお, 担 保 権 等 に 関 する 弊 害 の 対 処 として 履 行 拒 絶 権 の 採 用 に 合 わせて 時 効 により 担 保 権 や 保 証 債務 が 消 滅 する 旨 の 規 定 を 置 くことも 提 案 されているが,このような 規 定 を 設 けるとすれば 複 雑 な 規 定 となり, 国 民 にとって 分 かりづらいものとなるので 賛 同できない。( 大 司 書 )○ 現 在 の 実 務 において「 債 権 の 消 滅 」 構 成 に 特 段 の 不 都 合 はなく, 理 論 的 な 一貫 性 等 についてはともかく, 安 定 的 な 構 成 である「 債 権 の 消 滅 」 構 成 を 敢 えて変 更 して, 必 ずしもわかりやすいとは 言 い 難 い「 履 行 拒 絶 権 の 発 生 」 構 成 を 採るべき 必 要 性 はない。それゆえ, 時 効 期 間 の 満 了 の 効 果 を 主 張 することができるのは 基 本 的 に 債 務 者 に 限 られるという 考 え 方 を 採 る 必 要 性 もない。なお,これらの 考 え 方 が 採 られた 場 合 に 親 和 的 な 提 案 として, 保 証 人 や 物 上 保 証 人 等( 以 下 「 保 証 人 等 」という)に,「 債 権 者 が 主 債 務 者 に 対 して 履 行 拒 絶 権 を 行使 するかどうかの 催 告 をするよう 求 める 権 利 」( 以 下 「 催 告 権 」という)を 付与 すること 等 も 提 案 されている。 現 民 法 であれば, 端 的 に 保 証 人 等 による 時 効の 援 用 により 債 権 者 と 保 証 人 等 との 権 利 義 務 関 係 を 直 截 に 処 理 できるのに 対し,この 提 案 では, 保 証 人 等 からの 請 求 に 基 づいて 債 権 者 が 主 債 務 者 に 上 記 催告 を 行 った 上 での 主 債 務 者 による 確 答 や「 催 告 後 の 相 当 の 期 間 の 経 過 」を 待 ってはじめて 債 権 者 と 保 証 人 等 との 権 利 義 務 関 係 が 処 理 されることになるという, 現 民 法 と 比 べ 多 くの 手 続 と 時 間 がかかることとなるところ, 現 民 法 における 規 律 を 変 えて 敢 えてこのような 規 律 を 採 る 実 務 上 の 必 要 性 に 疑 問 を 感 じる。また,この 考 え 方 の 下 における, 債 権 者 が 主 債 務 者 に 対 して 催 告 しなかった 場合 の 効 果 として, 保 証 人 等 が 履 行 を 留 保 できることになるというだけなのか,477

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