報告書 - 京都大学国際交流推進機構

平 成 19 年 度 国 際 交 流 推 進 機 構 基 盤 強 化 経 費 に 基 づく
教 職 員 等 の 海 外 派 遣 事 業 実 施 報 告 書
所 属
看 護 部
職 名
看 護 師
氏 名
水 本 由 美
日 程 研 修 先
2 月 24 日 ( 日 )
関 西 空 港 発 デトロイトで 乗 り 継 ぎトロント 着
2 月 25 日 ( 月 )~27 日 ( 水 )
Toronto General Hospital にて 研 修
2 月 28 日 ( 木 )
研 修 先 医 師 と 研 修 者 によるカンファレンス
2 月 29 日 ( 金 )
トロント 発 デトロイト 乗 り 継 ぎ
3 月 1 日 ( 土 )
関 西 空 港 着

調 査 ・ 研 修 の 概 要
< 目 的 >
1. 術 前 ・ 中 ・ 後 の 患 者 と 家 族 に 対 するケア( 情 報 提 供 、 精 神 的 フォロー)について 知 る。
2. 長 時 間 、 状 態 の 悪 い 患 者 に 対 して、 身 体 の 保 護 を 考 えた 体 位 固 定 の 方 法 を 知 る。
3. 担 当 する 手 術 室 スタッフのスペシャリティーを 知 る。
< 研 修 概 要 >
2 月 24 日 ( 日 )19:00 現 地 着
2 月 25 日 ( 月 ) 8:00 Dr shaf Keshavjee より、 全 体 オリエンテーション
9:00 呼 吸 器 内 科 Dr より、 肺 移 植 一 連 の 関 わり 方 について
10:00 肺 移 植 前 担 当 コーディネータより、 肺 移 植 前 の 患 者 との 関
わりについて
11:00 肺 移 植 担 当 の SW より、 社 会 福 祉 に 関 して
12:00
13:00 肺 移 植 後 患 者 の 外 来 を 見 学
15:00 栄 養 士 より、リスト 登 録 前 より 患 者 との 関 わりについて
16:00 終 了
2 月 26 日 ( 火 ) 8:00 ICU・ステップダウン 病 棟 (ICU から 病 棟 へのつなぎ)・ 呼
吸 器 、 肺 移 植 病 棟 見 学
10:00 肺 移 植 リスト 登 録 ~ 移 植 後 担 当 コーディネータより
11:00 リストに 乗 った 患 者 が 通 うエクササイズルーム 見 学 。 理 学
療 法 士 よりエクササイズ 内 容 について
12:00
13:00 精 神 科 コーディネータより、
14:00 OPE 室 ・ICU・ 呼 吸 器 肺 移 植 病 棟 へ 翌 日 の 見 学 について、
打 ち 合 わせ
16:00 終 了
2 月 27 日 ( 水 ) 7:00 OPE 室 ・ICU・ 呼 吸 器 肺 移 植 病 棟 へ 各 自 見 学
11:00 肺 移 植 前 後 の 患 者 家 族 会 を 見 学
12:00 胸 部 外 科 病 棟 の 見 学
13:00 肺 移 植 前 患 者 の 外 来 を 見 学
15:00 終 了
2 月 28 日 ( 木 ) 8:00 研 修 先 医 師 と 研 修 者 によるカンファレンス

2 月 29 日 ( 金 ) 6:00 帰 国 へ
3 月 1 日 ( 土 ) 20:00 関 西 空 港 着
調 査 ・ 研 修 の 成 果
Toronto General Hospital について
Toronto General Hospital は、 病 床 数 600 床 をこえる 大 学 病 院 で、オンタリオ 州 で
唯 一 の 脳 死 肺 移 植 を 行 う 最 先 端 の 病 院 である。
オンタリオ 州 では、ドナー 提 供 は、 患 者 の 意 思 が 確 認 できなくても、 家 族 の 意 思 確 認 で 行
う 事 が 出 来 る。また、 宗 教 柄 、 本 人 が 亡 くなっても、 最 後 まで 他 人 の 力 になれたという 事
が 幸 せな 事 と 考 えられる 事 もあり、 脳 死 のドナー 提 供 は 多 い。
Toronto General Hospital は、 脳 死 肺 移 植 と 同 時 に、 他 の 臓 器 移 植 も 平 行 して 行 われ
る 事 も 日 常 的 という 事 で、 病 院 規 模 の 大 きさ、 連 携 やマニュアルの 素 晴 らしさ、スタッフ
の 技 術 レベルの 高 さに 驚 かされた。
外 来 患 者 も 多 く 訪 れる 病 院 の 正 面 玄 関 フロアは、 天 井 も 高 く、 患 者 やスタッフ 問 わずにゆ
っくりと 時 間 を 過 ごせる 素 晴 らしい 空 間 であった。
医 療 費 に 関 しては、 州 内 に 居 住 している 患 者 に 対 しては、 公 費 負 担 。 処 方 箋 代 は 患 者 負 担
ということも 事 情 の 一 つにあり、 平 均 在 院 日 数 は、 呼 吸 器 術 後 の 患 者 の 場 合 、 約 3 日 ~4
日 と 日 本 に 比 べて 非 常 に 短 い。 退 院 後 の 外 来 フォローシステムや、ファミリードクターと
の 連 携 、なにより、 患 者 への 教 育 システムが 充 実 していていた。
――リストに 載 るまで――
コーディネータの 役 割
トロント 総 合 病 院 には、 年 間 約 400 人 の 移 植 リスト 候 補 の 患 者 が 紹 介 されてくる。その
患 者 の 情 報 を、 先 ず 移 植 前 コーディネータがチェックする。 栄 養 士 や SW の 判 断 も 含 め、
検 査 データや 喫 煙 の 有 無 などから、 移 植 リストの 候 補 としてピックアップした 患 者 が、 医
師 の 診 察 を 受 けることになる。そして 最 終 的 に 約 150 人 が、リストにのる 為 の 検 査 を 受
けることとなる。 年 間 約 100 人 の 脳 死 肺 移 植 がおこなわれている。
コーディネータの 段 階 で、まだ 移 植 の 適 応 では 無 い、 又 は 喫 煙 ・ 体 脂 肪 率 などのチェック
項 目 にひっかかり 改 善 の 余 地 がある、と 判 断 された 患 者 に 対 しても、コーディネータは、
先 々 訪 れる 可 能 性 のある 肺 移 植 に 向 け 患 者 との 関 わりを 続 ける。
リストにのる 為 に 検 査 を 受 ける 患 者 には、2 冊 の 本 が 渡 される。1 冊 には、 受 けるべき 検
査 が 順 番 に 書 かれており、 検 査 前 の 絶 飲 時 間 や 検 査 時 の 持 参 物 、 検 査 場 所 、 所 要 時 間 、 検

査 後 の 注 意 点 が 書 かれたもので、 患 者 は、 検 査 の 度 にこのような 説 明 を 医 師 や 看 護 師 から
受 けることなく、 患 者 や 家 族 の 管 理 の 元 、 検 査 を 進 めていく。 州 外 から 来 た 患 者 は、 医 療
費 も 自 費 の 為 、 検 査 の 度 に 長 距 離 移 動 をしてくる 必 要 が 無 いよう、コーディネータが 持 っ
ている 特 別 枠 を 利 用 し、1 週 間 の 滞 在 で 検 査 を 終 了 する 事 が 出 来 る。1 冊 全 ての 検 査 が 終
わった 所 で、リストにのることとなる。もう1 冊 は、 移 植 前 ・ 入 院 ・ 移 植 ・ 移 植 後 の 流 れ
がとても 詳 しく 分 かりやすくかかれており、 患 者 はイメージをすることが 出 来 る。
日 本 の 感 覚 だと、 患 者 は 常 に 受 身 的 で、ともすれば、 検 査 の 時 にそのような 事 は 聞 いて 無
い。など、 何 度 説 明 をしても、 理 解 してもらえて 無 いこともある。Toronto General
Hospital に 来 る 患 者 は 自 分 の 事 は 自 分 が 一 番 把 握 しているという、その 点 からも 患 者 教
育 の 素 晴 らしさだと 感 じた。
――リストに 載 ってから――
患 者 は 移 植 のチャンスが 訪 れるまで、 様 々な 不 安 と 期 待 を 持 ちながら 過 ごす。リストにの
った 患 者 は、 突 然 の 脳 死 肺 移 植 呼 び 出 しを 心 待 ちにし、しかしそれがいつになるか 分 から
ないストレスを 抱 えている。リストに 載 ってからも、 最 短 で2 日 で 脳 死 肺 移 植 を 受 けられ
たという 患 者 もいれば、 数 回 呼 ばれたけど、 検 査 の 結 果 、 移 植 が 見 送 られた 患 者 もいた。
コーディネータはその 患 者 にさまざまな 関 わりを 続 け、 必 要 な 情 報 や 場 所 を 提 供 する。 栄
養 士 、SW、 精 神 科 コーディネータ、 理 学 療 法 士 、 医 師 等 への 橋 渡 しもする。
栄 養 士 の 役 割
リストにのる 前 の 患 者 から 関 わりを 続 け、 栄 養 状 態 や 体 脂 肪 をチェックする。 体 脂 肪 に 関
しては、BMI が17 以 下 の 患 者 に 関 しては、 放 射 線 科 で 腸 ろうチューブを 挿 入 し、 高 カロ
リー 栄 養 を 注 入 し、 逆 に27 以 上 の 人 は、 移 植 時 のリスクが 正 常 範 囲 の 人 に 比 べ5 倍 にも
あがるので、 落 とすようにかかわっていく。 食 事 療 法 は、 在 宅 でおこなわれる。 日 本 のよ
うに、 管 理 入 院 というものはない。 減 量 しなければいけない 患 者 も 家 族 で 楽 しく 食 事 が 取
れるように、 時 には 脂 肪 をカットオフする 薬 を 使 用 する。 患 者 一 人 でストレスを 抱 えない
ように 家 族 とともに 指 導 していく。
SW の 役 割
一 番 大 きな 役 割 は、「その 患 者 全 体 の 人 生 を 見 て、 問 題 を 探 る」である。 処 方 箋 代 が 自 費 の
為 、 月 額 約 35 万 かかる。しかも、 個 人 で 加 入 している 保 険 会 社 によっては、 規 約 によっ
て 処 方 箋 代 が 負 担 されないなど、 一 概 に 何 かしらの 保 険 に 入 っているから 安 心 、とは 言 い
切 れない。 必 ずカバー 範 囲 を 確 認 する。その 様 な 細 かいことの 確 認 や、 患 者 自 体 にこれか
ら 訪 れるストレスにどれくらい 耐 えられるかを 判 断 し、 精 神 科 コーディネータに 紹 介 した
りもする。 地 域 によっては、 人 間 性 から 患 者 家 族 の 移 植 に 対 する 期 待 度 も 違 ってくるため、
患 者 サイドと 医 療 者 サイドの 意 識 統 一 の 調 整 もおこなう。SW とコーディネータの 仕 事 は

患 者 教 育 の 点 で 重 なっている。 患 者 は、 様 々な 医 療 者 から 同 じことを 繰 り 返 し 言 われるこ
とによって、 理 解 を 深 めることが 出 来 る。 患 者 会 などのサポートグループも 開 催 する。 家
族 からの 質 問 に 関 してはキーパーソンが 持 って 来 た 質 問 に 関 してのみ、しっかりと 答 える
ことにしている。
精 神 科 コーディネータ
SW から 紹 介 された 患 者 に 対 して、 精 神 科 コーディネータは、ゆっくりと 時 間 を 使 いその
患 者 の 問 題 を 探 っていく。 精 神 科 コーディネータに 限 らず、コーディネータは 自 分 の 部 屋
を 持 っており、 患 者 や 家 族 はその 部 屋 を 訪 れ、 問 題 解 決 に 取 り 組 んでいく。 精 神 科 コーデ
ィネータの 部 屋 は、 照 明 も 暗 めで、 絵 画 が 飾 ってあるなど、リラックスできる 雰 囲 気 であ
った。 患 者 から 得 た 情 報 は、 必 要 なものであれば、 医 療 者 全 体 に 周 知 するが、 患 者 と2 人
だけで 共 有 し、 問 題 解 決 の 道 を 探 ることもある。 様 々な 不 安 を 抱 える 患 者 がいる 中 、どこ
からが 病 的 なものなのかを 探 り、 投 薬 治 療 を 進 めていく 事 も 関 わりの 一 つである。
理 学 療 法 士
リストにのった 患 者 は、いつか 訪 れる 移 植 の 日 まで、 病 院 で 週 3 回 のエクササイズを 行 う。
呼 吸 筋 や 全 身 の 筋 力 の 維 持 向 上 の 為 である。 内 容 は、その 患 者 に 合 わせて、 理 学 療 法 士 と
相 談 しながら 決 めるが、それを 実 行 していくのは、 患 者 の 意 思 である。 移 植 後 も、エクサ
サイズを 行 いながら、 筋 力 を 維 持 していく。 患 者 は 自 分 の 意 思 で 行 っている 為 、とても 楽
しそうであった。
―― 移 植 後 ――
移 植 前 もであるが、 外 来 では 医 師 が 診 察 する 前 に、まず、コーディネータが 患 者 と 話 し、
最 近 の 状 態 、 投 薬 のチェックを 行 う。 患 者 は、 自 分 が 一 日 何 回 どの 薬 を 何 ミリグラム 飲 ん
でいる、という 答 え 方 をすることが 出 来 る。これも 患 者 指 導 の 成 果 であり、 日 本 では 見 る
ことの 出 来 ない 光 景 であった。
また、 患 者 の 血 液 データをチェックし、 薬 の 継 続 、 増 減 等 の 判 断 をし、 医 師 にパソコンの
カルテ 上 でメモを 残 す。 患 者 には、 医 師 の 診 断 結 果 を、コーディネータが IP 電 話 で 留 守 電
に 残 し、 管 理 していく。
様 々なコーディネータの 方 にお 話 を 聞 いていく 上 で、コーディネータという 立 場 の 素 晴 ら
しさを 感 じた。ここで 働 くコーディネータは、 高 度 な 知 識 経 験 を 積 んだ 方 々であり、 看 護
師 の 立 場 でここまで 深 く 患 者 に 接 し、 医 師 と 同 等 に 患 者 の 治 療 にかかわれる 役 割 を 持 って
いるという。 患 者 に 対 して 高 いレベルで 看 護 をすることが 出 来 る。 現 在 の 日 本 では、この
ような 立 場 で 患 者 と 接 する 看 護 師 はいない。しかし、 常 に 患 者 の 近 くにいる 看 護 師 は、 患
者 に 接 するスタッフ 全 員 と 密 に 連 携 を 図 ることによって、 小 さな 変 化 も、 情 報 としてあげ

ることが 出 来 る。
手 術 室 にて
研 修 中 に 肺 移 植 が 行 われることが 無 く、 見 学 することは 出 来 なかった。しかし、 手 術 室 見
学 をさせていただき、 実 際 の 手 術 の 流 れを 見 学 することができた。 日 本 と 違 う 所 は、 完 全
に 分 業 制 になっており、 患 者 の 入 室 は、 入 室 担 当 のスタッフが、 数 人 でストレッチャーを
押 してくる。 入 室 後 、 患 者 確 認 を 行 い、 麻 酔 導 入 は、 麻 酔 医 師 が3 人 ほどでスムーズに 導
入 。 体 格 の 良 い 患 者 だった 為 、 体 位 変 換 時 も、 入 室 担 当 スタッフが 手 伝 いに 来 て、 体 位 変
換 を 行 っていた。 体 位 の 最 終 チェックは 外 回 り 看 護 師 であるが、 完 全 に 分 業 されていた。
その 間 、 器 械 出 し 看 護 師 と 外 回 り 看 護 師 は 器 械 を 二 人 で 目 視 し、 数 があっているか、ネジ
があるかガーゼ、スポンジの 数 など、 確 実 に 器 械 カウントをしていた。また、 外 回 り 看 護
師 が、 指 揮 をとり、タイムアウトを 行 っていた。これらはとても 素 晴 らしい 事 あり、 取 り
入 れて 行 きたいと 感 じた。

本 調 査 ・ 研 修 により 得 られた 成 果 を、 本 学 の 施 策 あるいは 業 務 のためにどのように 活 用 す
るか。( 具 体 的 に 記 述 )
1. 長 時 間 、 全 身 状 態 の 悪 い 患 者 に 対 して、 身 体 の 保 護 を 考 えた 体 位 固 定 の 改 善 を 行 う。
基 本 的 に 肺 移 植 に 臨 む 患 者 の 状 態 が 違 っており、 日 本 で 対 象 となるような 寝 たきりで、 栄
養 状 態 の 悪 いような 患 者 は、 移 植 対 象 外 である。 肺 移 植 対 象 者 は、 酸 素 マスクをして 自 分
でウォーカーを 押 しながら 移 動 のできる 患 者 。そして、 移 植 前 の 準 備 の 段 階 で、 栄 養 状 態
BMI などをコントロールしてから 脳 死 肺 移 植 のリストに 載 る。 患 者 の 状 態 が 違 う 事 もあり、
術 中 の 体 位 固 定 などに 対 する 考 え 方 は、 私 達 のものとは、 異 なっていた。
今 、 京 大 手 術 室 で 行 われているものを 基 に、 肺 移 植 に 望 む 患 者 の 体 位 固 定 を 考 えていく。
2. 知 識 技 術 のベースアップを 図 るために、 指 導 方 法 を 見 直 し 学 習 会 の 積 極 的 に 実 施 する。
Toronto General Hospital には、 手 術 室 スタッフにも、 手 術 室 担 当 の 移 植 コーディネー
ターがいた。 経 験 のある 看 護 師 が、 知 識 ・ 技 術 を、 看 護 師 の 育 成 の 為 に 的 確 に 指 導 され、
若 い 看 護 師 が 生 き 生 きと 手 術 介 助 に 臨 んでいた。
手 術 室 看 護 師 全 ての 知 識 技 術 のベースアップを 図 る 為 にも、 各 々が 今 以 上 に 専 門 性 を 追 求
し、その 専 門 知 識 や 技 術 を 看 護 師 間 で 共 有 できるように、 積 極 的 に 勉 強 会 を 行 っていく。
3.チーム 医 療 に 関 わる 手 術 室 看 護 師 として、 術 前 ・ 中 ・ 後 の 患 者 家 族 へのケアを 充 実 さ
せる
上 記 に 述 べたように、 様 々な 専 門 分 野 のスタッフが 連 携 をとりながら、 一 人 ひとりの 患 者
家 族 に 深 く 関 わっている。 患 者 は 自 分 の 病 気 をしっかりと 把 握 し、 自 分 にとってのプラス
もマイナスも、 自 分 の 言 葉 で 表 現 出 来 る 程 、 心 の 中 で 整 理 がつき、 自 分 の 意 思 で 治 療 しよ
うという 意 欲 を 持 ち 続 けていた。チーム 医 療 を 円 滑 に 行 い、 患 者 に 関 わる 全 てのスタッフ
が 専 門 性 を 活 かしながら、コミュニケーションをとり 続 ける 事 が、 最 終 的 には 患 者 個 々を
考 えたケアにつなげることが 出 来 る。
現 在 、1 科 ではあるが、 手 術 前 日 迄 に 担 当 科 医 師 、 麻 酔 医 師 、 病 棟 看 護 師 、 手 術 室 看 護 師
で、 手 術 進 行 の 確 認 を 行 うカンファレンスが 行 われている。このカンファレンスを 肺 移 植
で 取 り 入 れていくことも 必 要 と 感 じた。
手 術 室 看 護 師 として 日 々を 過 ごしていると、 手 術 の 直 前 直 後 だけに 目 が 向 いてしまいがち
である。 京 大 での 肺 移 植 一 連 の 流 れの 中 での 専 門 分 野 のスタッフの 関 わり 方 を 知 る 機 会 を
定 期 的 に 設 ける。また、 手 術 室 看 護 師 として、 患 者 に 直 に 接 して、 情 報 ・ 信 頼 関 係 を 得 、
ケアの 充 実 につなげられるよう、 新 たに 術 前 ・ 後 の 訪 問 を 行 っていく。