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卒業論文 - 桜美林大学

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法 人 横 須 賀 国 際 交 流 協 会 が 平 成 9 年 から 実 施 している、 国 際 スポーツ 交 流 が 挙 げられる。<br />

事 業 内 容 は 日 本 といくつかの 海 外 のチームが、 国 別 でサッカーの 試 合 を 行 うという 内 容 で<br />

ある。この 協 会 ではとくに、 試 合 後 に 行 われるパーティーで、 各 国 がそれぞれの 伝 統 の 歌<br />

や 舞 踊 を 披 露 し 合 い、スポーツ 以 外 でも 交 流 を 深 められる 機 会 が 作 られている。<br />

知 的 交 流 というのは、 国 境 を 超 えて 知 識 人 を 結 集 させ、 現 実 にある 問 題 ・ 課 題 の 解 決 の<br />

ために 優 れた 才 能 、 知 恵 を 集 めるような 交 流 である。 様 々な 共 同 研 究 や 国 際 会 議 、など 人<br />

類 が 共 通 して 抱 える 課 題 5、アジア 地 域 に 共 通 の 問 題 が 話 し 合 われている。この 交 流 では、<br />

国 の 枠 にとらわれずに 政 策 提 言 することができ、より 現 実 社 会 に 目 に 見 えるかたちで 貢 献<br />

できる 事 業 として 期 待 されている。<br />

第 4 節 現 状 と 今 後 の 課 題<br />

最 後 に、 日 本 の 国 際 文 化 交 流 の 現 状 がどうなっているのか、そして、 今 後 の 課 題 として<br />

何 が 問 われているのかについてみていきたい。<br />

日 本 の 国 際 文 化 交 流 の 主 な 現 状 としては、「 共 同 作 業 」という 形 態 が 注 目 されてきている<br />

ということが 挙 げられる。 今 までは、 国 際 文 化 交 流 といえば 日 米 、 日 中 などでお 互 い 文 化<br />

紹 介 を 行 う「 二 国 間 」の 交 流 が 基 本 であった。しかし、 最 近 では、いくつかの 国 が 一 つの<br />

事 業 を 通 し、 同 じ 目 的 にむかい、 共 同 で 作 業 し、 一 つの 作 品 を 作 り 上 げたり、 問 題 解 決 を<br />

していったりするという「 多 国 間 」の 交 流 が 注 目 されてきている。この 事 業 はとくに 芸 術<br />

交 流 、 知 的 交 流 などの 分 野 において、 重 視 されている。 例 としては、 国 際 交 流 基 金 アジア<br />

センター 主 催 の 演 劇 「リア」が 挙 げられる。この 演 劇 は 当 センターで、これまでに 培 って<br />

きたアジアの 演 劇 人 との 共 同 作 業 による 国 や 劇 団 を 超 えた 作 品 である。アジア 6 ヵ 国 ( 中<br />

国 、タイ、インドネシア、シンガポール、マレーシア、 日 本 )からスタッフ・ 俳 優 を 集 め<br />

ての 演 劇 であり、 高 い 評 価 を 得 ている 事 業 である[ 国 際 交 流 基 金 HP 2006,11.21]。<br />

その 他 、 国 内 におけるアジア・ブームからくるアジア 諸 国 に 対 する 事 業 が 主 に 展 開 され<br />

てきているという 現 状 がある。とくに 芸 術 交 流 の 分 野 にいえることであるが、 地 方 自 治 体<br />

レベルでは 福 岡 市 が 1999 年 に 福 岡 アジア 美 術 館 を 設 立 し、アジア 地 域 に 特 化 した 事 業 が 活<br />

発 化 し、 映 画 祭 や 文 化 賞 なども 展 開 されてきている[ 平 野 2005:26-27]。<br />

今 後 の 課 題 としては、 各 民 間 市 民 団 体 は、 他 団 体 とのネットワークを 構 築 する 必 要 があ<br />

る。それぞれ 団 体 ごと 別 々に 活 動 しているので、 情 報 交 換 などの 相 互 協 力 を 円 滑 に 行 うこ<br />

とのできるようなネットワーク 構 築 を 確 立 し、 各 団 体 の 活 動 の 質 を 向 上 させていく 必 要 性<br />

が 問 われている。 地 方 自 治 体 レベルについては、 市 民 レベルと 分 業 化 した 上 での 事 業 展 開<br />

が 課 題 となっている。 地 域 社 会 の 多 様 化 にともない、 地 方 自 治 体 主 導 の 事 業 に 加 え、 市 民<br />

による 国 際 交 流 事 業 の 活 性 化 のための 動 きも 必 要 となってくる。つまり 地 方 自 治 体 が、 資<br />

金 、ノウハウの 面 で 協 力 し、 実 際 の 活 動 を 市 民 が 率 先 して 行 っていくという 分 業 化 が 必 要<br />

となってくるということである[ 榎 田 1997:124]。<br />

最 後 に 民 間 、 市 民 レベルに 対 しての 課 題 としては 主 に 人 材 育 成 が 挙 げられる。 市 民 団 体<br />

の 大 半 がプログラム・オフィサー6などの 専 門 家 をおいていないので、 今 後 は 活 動 の 企 画 、<br />

5 ここで 言 う 課 題 というのは、 環 境 問 題 、 民 族 問 題 、 貧 困 、ジェンダーなどの 世 界 が 共 通 し<br />

て 持 つグローバルな 問 題 のこと。<br />

6 事 業 団 体 の 目 的 を 果 たすために、 文 化 交 流 のプログラムを 企 画 、 運 営 、 実 践 する 専 門 家 。<br />

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