卒業論文 - 桜美林大学

はじめに
私 たちは、 普 段 の 生 活 の 中 で、 海 外 の 文 化 に 触 れることが 多 い 時 代 を 生 きている。 例 え
ば 海 外 旅 行 に 行 ったとき、 海 外 の 食 品 や 日 本 に 住 む 外 国 人 と 出 会 ったときなど、 私 たちは
自 国 とは 違 う 文 化 に 触 れる。 私 たち 日 本 人 は、 日 常 的 に 国 際 文 化 交 流 を 行 っていると 言 え
る。
筆 者 はそのような 時 代 だからこそ、 今 以 上 に 海 外 の 文 化 を 理 解 する 機 会 が 必 要 であり、
どのようにすれば、より 深 く 海 外 の 文 化 を 理 解 することができるのだろうと 考 えた。もし
少 しでも 多 くの 日 本 人 が 海 外 の 文 化 に 興 味 、 関 心 を 持 ち、その 違 いを 分 かることができた
ら、 日 本 に 住 む 外 国 人 も 安 心 して 暮 らせ、 日 本 人 も 自 国 の 文 化 を 見 直 し、 同 時 に 海 外 の 文
化 の 素 晴 らしさも 知 り、より 充 実 した 日 々が 送 れるのではないかと 考 えた。
筆 者 は、 日 本 は 今 後 どのような 国 際 文 化 交 流 事 業 の 対 策 をとっていくべきなのかについ
て 考 えたい。 本 論 では、 日 本 は 第 二 次 世 界 大 戦 後 から 現 代 に 至 るまで、どのような 国 際 文
化 交 流 活 動 をしてきたのか、その 中 で、どのような 活 動 を 目 指 し、 実 際 にどういった 活 動
をしてきたのかを 考 察 していく。そして 今 後 、さらに 他 国 との 連 携 が 必 要 不 可 欠 となって
くる 時 代 にむけ、 日 本 における 国 際 文 化 交 流 は 何 を 目 的 とし、どのように 展 開 すべきなの
かを 述 べていきたい。
第 1 章 では 国 際 文 化 交 流 の 定 義 、そして 戦 後 から 現 在 にかけての 日 本 の 国 際 文 化 交 流 活
動 の 歴 史 を 取 り 上 げる。 本 章 では、それら 通 じ、 国 際 文 化 交 流 が 必 要 とされ 始 めた 歴 史 的
背 景 や、 多 様 化 していく 過 程 を 考 察 する。 第 2 章 では、 国 際 文 化 交 流 活 動 の 事 例 として 政
府 の 機 関 を2つ 取 り 上 げ、その 活 動 内 容 を 比 較 する。 日 本 の 主 な 国 際 文 化 交 流 機 関 である
国 際 交 流 基 金 と 同 様 の 機 関 であるイギリスのブリティッシュ・カウンシルを 事 例 に 挙 げる。
第 3 章 では 今 後 の 日 本 の 国 際 文 化 交 流 活 動 の 課 題 や 対 策 について 論 じる。 本 章 では 実 際 に
筆 者 が 行 った 国 際 交 流 基 金 での 就 業 体 験 からの 意 見 と、 第 2 章 で 取 り 上 げた 2 者 を 比 較 し
た 結 果 の 意 見 を 合 わせ、 主 に 市 民 参 加 増 加 への 具 体 的 な 改 善 策 について 論 じていく。
筆 者 は、 本 論 を 通 じて、 現 代 の 国 際 文 化 交 流 を 見 直 し、 国 際 文 化 交 流 事 業 への 市 民 参 加
増 加 への 新 たな 対 策 を 考 え 出 すことで、 今 後 の 国 際 社 会 における 日 本 や 日 本 人 一 人 ひとり
の 発 展 につなげていきたいと 考 えている。
第 1 章 日 本 の 国 際 文 化 交 流 の 概 要 と 課 題
第 1 節 国 際 文 化 交 流 とは
ここではまず、 国 際 文 化 交 流 というものはどのようなものであり、どういった 目 的 、 特
徴 があるのかを 述 べていきたい。
現 代 では、 観 光 や 貿 易 など、ヒトやモノ、 情 報 の 国 境 を 越 えた 移 動 にともない、 異 なる
文 化 の 接 触 が 自 然 に 起 こっている。 国 際 文 化 交 流 というのはそういった 異 文 化 接 触 を 意 図
的 に 行 う 事 業 ・ 活 動 であり、 現 代 の 日 本 において、 必 要 不 可 欠 となっている。
国 際 文 化 交 流 の 目 的 には、 異 なる 文 化 をもつ 人 たちがふれあい、 協 力 し 合 って 平 和 で 豊
かな 世 界 を 築 き、ともに 調 和 して 生 きていける 社 会 をつくることが 掲 げられている[ 毛 受
2003:218]。
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