卒業論文 - 桜美林大学

設 立 された 9 。1935 年 に「Committee」を「Council」と 改 め、「ブリティッシュ・カウン
シル」を 正 式 名 称 とし、 外 郭 公 共 団 体 、チャリティ 10 として 認 可 され、 現 在 にいたっている。
設 立 の 目 的 は、 英 国 の 対 外 交 易 を 優 位 にし、 教 育 、 文 化 、 科 学 技 術 の 諸 外 国 への 伝 播 ・ 提
供 を 図 ることである。
設 立 当 初 の 目 的 は 現 在 と 違 い、 第 2 次 世 界 大 戦 初 期 の 独 伊 枢 軸 勢 力 による「 文 化 プロパ
ガンダ(cultural propaganda)」に 対 抗 し、 海 外 における 英 国 に 対 する 高 い 評 価 を 勝 ち 取 る
ことと 英 語 教 育 の 普 及 であり、 諸 国 との 文 化 的 、 商 業 的 つながりを 発 展 させることであっ
た。 当 時 は、 教 育 、 財 務 、 商 業 、 産 業 関 係 者 と 外 務 省 、 連 邦 省 、 貿 易 評 議 会 、 教 育 評 議 会 、
海 外 貿 易 省 からの 代 表 者 で 構 成 されていた。 資 金 に 関 しても、 前 身 であった 外 務 省 情 報 部
の 資 金 を 引 き 継 いでいたが、その 多 くは 民 間 による 寄 付 であり、 海 外 活 動 自 体 は 外 務 省 の
スタッフによって 行 われていた。
その 後 、カウンシルは 1940 年 に「 国 王 による 設 立 許 可 状 (Royal Charter)」を 授 与 さ
れ、 意 思 決 定 機 関 は、カウンシルの 執 行 委 員 会 に 置 かれ、 構 成 役 員 の 一 部 は、 政 府 の 大 臣
によって 任 命 されるという 現 在 のシステムが 確 立 した。そして 1941 年 には、 外 務 省 内 に、
カウンシルの 政 策 や 資 金 管 理 をする「ブリティッシュ・カウンシル・セクション(British
Council Section)」―のちの「 文 化 交 流 部 」―が 設 立 された。
1942 年 には、 当 時 の 教 育 評 議 会 会 長 であったバトラー(R.A.Butler)が、 連 合 教 育 大 臣
会 合 を 設 立 し、1942 年 から 1945 年 11 月 にかけて、カウンシルは 事 務 局 、 執 行 局 、 専 門 家
委 員 会 、 書 籍 および 定 期 刊 行 物 委 員 会 を 設 立 した。さらに 1945 年 11 月 に、カウンシルの
幹 部 は、 当 時 設 立 された UNESCO と 関 係 をもつ 協 力 団 体 の 代 表 を 務 めた。1948 年 には、
Royal Charter が 一 部 改 正 された。その 後 、 戦 後 を 通 じて、ブリティッシュ・カウンシルは、
数 々の 財 政 難 を 乗 り 越 えながら、 海 外 事 務 所 を 増 設 しつづけ、 英 語 教 育 、 海 外 の 教 育 機 関
における 英 語 研 究 、 海 外 の 図 書 館 や 文 化 センターの 維 持 管 理 、 教 育 、 科 学 の 専 門 機 関 に 関
する 事 業 をこなしてきた。
活 動 内 容
カウンシルの 主 な 事 業 は 6 つの 分 野 に 分 かれている 11 。その6つの 分 野 とそれらの 分 野 別
シェアは 以 下 ( 図 2)のとおりであり、ここでは 各 分 野 の 目 的 や 具 体 的 内 容 などについて 述 べ
ていく。
図 2、ブリティッシュ・カウンシルの 事 業 分 野 別 シェア
8%
22% 1、 英 語 教 授
2、 教 育 ・ 訓 練
9 本 項 は、 主 として、 渡 辺 愛 子 (2003) 「Ⅳ 英 国 」 国 際 交 流 3、 基 芸 金 術 『・ 文 主 学 要 ・デザイン 先 進 国 における 国 際 交
8% 38%
4、 科 学 と 保 健 衛 生
流 機 関 調 査 報 告 書 』、190 頁 、234-235 頁 を 参 照 。 5、ガバナンスと 社 会
5%
10 チャリティとは、 活 動 の 目 的 が、1 貧 困 の 救 済 、2 宗 6、 教 情 の 報 振 提 興 供 、3 教 育 の 振 興 、4 地 域
社 会 に 対 する 利 益 をもたらすその 19% 他 の 活 動 、とチャリティ 委 員 会 で 認 められた 法 的 資 格 。
11 本 項 は、 主 として、 渡 辺 愛 子 (2003)、 同 上 、193-199 頁 を 参 照 。
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