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論文執筆の極意 研究作法 研究の世界の「心・技・体 ... - インターネット

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研 究 の 世 界 の「 心 ・ 技 ・ 体 」<br />

論 文 執 筆 の 極 意<br />

研 究 作 法<br />

学 習 ノート<br />

長 谷 川 明 弘<br />

1<br />

• 心<br />

– 研 究 に 赴 く 姿 勢<br />

• 技<br />

– 調 査 ・ 分 析 ・ 考 察 など 一 連 の 論 文 化 作 業 で<br />

必 要 となる 個 々のスキル<br />

• 体<br />

– 研 究 者 としての 研 究 発 表 や 論 文 発 表 の 経<br />

験 的 蓄 積<br />

2<br />

目 次<br />

• アイデアの 産 み 方<br />

• 思 考 法 ・ 論 理 的 思 考 : 知 性 と 感 性 を 磨 き、 伝 える 道 具<br />

• 読 み 書 きの 技 法 : 図 解 を 身 につける・パラグラフの 理 論<br />

• 論 証 とは<br />

• 文 献 ・ 資 料 について・ 論 文 とは<br />

• 研 究 とは・ 共 同 研 究 のために<br />

• 読 み 方<br />

• 書 き 方<br />

• 口 頭 発 表 ・ 著 書<br />

• 英 文 読 解 にあたって<br />

• 参 考 ・ 引 用 文 献<br />

論 文 執 筆 の 全 過 程<br />

1. 文 献 を 集 める<br />

2. 文 献 を 批 判 的 に 読 む<br />

3. 新 しいアイデア・ 主 張 が 生 まれる<br />

4. その 主 張 について 論 文 を 書 く<br />

5. 論 文 を 投 稿 する<br />

3<br />

4<br />

優 れた 論 文 を 作 成 する 過 程 ・ 研 究 のポイント<br />

• 考 え 方<br />

着 眼 点 ・ 発 想 法<br />

• データとのつき 合 い 方<br />

材 料 の 集 め 方<br />

整 理 法<br />

• 文 章 作 成<br />

構 成 力<br />

説 得 術<br />

• 発 表<br />

論 文<br />

口 頭 発 表 ・パワーポイント<br />

図 ・ 表<br />

議 論 の 仕 方<br />

アイデアの 産 み 方<br />

5<br />

6<br />

1


アイデアの 作 られる 全 過 程 ・ 方 法<br />

ジェームス・W・ヤング 「アイデアのつくり 方 」<br />

1. 資 料 を 集 める<br />

2. 資 料 を 心 の 中 で 加 工 する<br />

3. 資 料 を 咀 嚼 する<br />

4. アイデアが 生 まれる<br />

5. アイデアを 具 体 化 ・ 現 実 適 応 ・ 展 開 する<br />

資 料 を 集 める<br />

アイデアの 作 られる 全 過 程 ・ 方 法 第 1 段 階<br />

• 当 面 の 課 題 のための 資 料 ( 特 殊 知 識 )<br />

– 特 殊 知 識 とは、 専 門 論 文 などである<br />

1. 項 目 をカードを 作 成 して 記 録 すると 良 い<br />

2. カードを 分 類 できる<br />

3. 最 終 的 にあらゆる 項 目 を 網 羅 したファイルボックスになる<br />

• 一 般 的 知 識 を 蓄 えるための 資 料<br />

– 一 般 的 知 識 とは、 小 説 や 音 楽 、 絵 画 など 芸 術 作 品 に 触<br />

れることで 養 うこともできる。 日 々のニュースや 自 ら 体 験<br />

することからも 抽 出 できる。 人 生 のすべての 事 象<br />

• スクラップブックを 作 成 することをすすめている<br />

7<br />

8<br />

資 料 を 心 の 中 で 加 工 する<br />

アイデアの 作 られる 全 過 程 ・ 方 法 第 2 段 階<br />

• 資 料 と 資 料 の 関 係 を 探 す<br />

– 集 めた 資 料 にひとつひとつ 触 れる<br />

– ひとつの 事 実 を 取 り 上 げる<br />

– 様 々な 観 点 から 資 料 を 読 み 込 む<br />

– 2つの 事 実 を 一 緒 に 並 べて、 噛 み 合 うか 調 べる<br />

– 事 実 の 意 味 に 耳 を 傾 ける<br />

• 部 分 的 なアイデアが 生 まれたら 書 き 留 める<br />

– カードに 書 き 込 むなどすることが 息 詰 まったら<br />

次 の 段 階 に 移 る 兆 し<br />

資 料 を 咀 嚼 する<br />

アイデアの 作 られる 全 過 程 ・ 方 法 第 3 段 階<br />

• 直 接 は 努 力 をしないで 待 つ<br />

• まずは 課 題 を 忘 れる<br />

• 意 識 の 外 に 出 す<br />

• 勝 手 に 無 意 識 が 働 くのを 待 つ<br />

• 無 意 識 を 刺 激 する<br />

– 想 像 力 や 感 情 を 刺 激 するものに 心 を 移 す<br />

• 音 楽 鑑 賞 、 観 劇 、 映 画 鑑 賞 、 小 説 など<br />

9<br />

10<br />

アイデアが 生 まれる<br />

アイデアの 作 られる 全 過 程 ・ 方 法 第 4 段 階<br />

• アイデアを 求 める 緊 張 状 態 から 解 放 された<br />

ときに-<br />

• 突 然 アイデアが 訪 れる<br />

• アイデアが 突 然 生 まれるように 感 じる<br />

• メモを 忘 れないこと<br />

アイデアを 具 体 化 ・ 現 実 適 応 ・ 展 開<br />

アイデアの 作 られる 全 過 程 ・ 方 法 第 5 段 階<br />

• 生 まれたアイデアを 現 実 場 面 に 適 用 できる<br />

ようにする<br />

– 多 くのアイデアが 陽 の 目 を 見 ないこともある<br />

• 理 解 ある 人 々の 批 判 を 仰 ぐ<br />

– 良 いアイデアは 自 分 で 成 長 していく<br />

• 人 々を 刺 激 するので、 良 いアイデアならば、 自 分 で<br />

見 落 として 部 分 に 手 を 貸 してくれる<br />

11<br />

12<br />

2


既 存 の 要 素 の 再 構 築 過 程<br />

• アイデアとは<br />

– 既 存 の 要 素 の 新 しい 組 み 合 わせでしかない<br />

• 新 しい 組 み 合 わせを 作 り 出 すには<br />

– 事 物 と 事 実 の 間 の 関 連 性 を 探 すこと<br />

ジェームス・W・ヤング 「アイデアのつくり 方 」<br />

• 身 につけてきた 知 識 を 組 み 直 すこと<br />

I. 情 報 収 集 する<br />

II. 知 識 を 蓄 える<br />

1. 左 脳 を 通 過 させる。 左 脳 は、 情 報 に 意 味 づけをする 働 き<br />

2. 一 旦 入 力 された 情 報 を「 言 葉 にする」ことで 意 味 づけできる<br />

III. 蓄 えた 情 報 を 要 素 に 分 解<br />

IV. 新 しい 要 素 と 組 み 合 わせる<br />

1. 左 脳 に 蓄 えられた 情 報 が 増 えると 右 脳 に 情 報 が 自 然 に 移 される<br />

2. 右 脳 で 要 素 と 要 素 が 組 み 合 わせされてアイデアがひらめく<br />

V. 新 しい 事 柄 になる<br />

1. ひらめきを「 言 葉 にする」ことでアイデアが 自 覚 できる<br />

2. ひらめいたらメモに 残 す<br />

思 考 法 ・ 論 理 的 思 考<br />

知 性 と 感 性 を 磨 き、 伝 える 道 具<br />

13<br />

14<br />

全 体 を 俯 瞰 する・ 深 く 掘 り 下 げる<br />

俯 瞰 と 掘 り 下 げを 交 互 に<br />

1. 全 体 を 俯 瞰 する<br />

– 俯 瞰 思 考 : 広 く 浅 く 全 体 を 把 握<br />

2. 部 分 的 なところを 見 る<br />

– 直 下 思 考 : 深 く 掘 り 下 げて 分 析<br />

「 考 える 力 」とは「 対 話 する 力 」<br />

対 話 は 対 等 な 立 場 が 必 要<br />

• 自 分 との 対 話<br />

• 歴 史 との 対 話<br />

歴 史 とは「 現 在 と 過 去 とのつきない 対 話 」<br />

• 繰 り 返 される 事 象 を 今 の 状 況 で 考 えてみる<br />

歴 史 とは 解 釈 のこと<br />

• 解 釈 の 仕 方 について 考 えてみる<br />

威 張 る、ふんぞり 返 る、はしゃぐことは 思 考 停 止 を 招 く<br />

• 他 者 との 対 話<br />

15<br />

16<br />

「 考 えること」とは「 生 きること」<br />

自 分 との 対 話<br />

• 情 報 や 資 料 を 自 分 の 意 識 や 感 性 で 読 み 取 り、 整 理 すること<br />

• 情 報 や 資 料 には、いくつもの「 問 い」を 発 すべき 発 端 がつまっ<br />

ている。はじめに「 問 い」がなければ、 考 えることが 始 まらな<br />

い。 問 いかける 相 手 は 自 分 自 身 である<br />

• 情 報 が 発 信 されていることに 気 づく 感 性 を 鍛 える<br />

• 自 分 自 身 の 観 察 に 基 づく 実 感 や 直 感 を 大 切 にする<br />

• 日 頃 意 識 的 に 行 動 して 入 手 した 素 材 を、 頭 の 中 の 引 き 出 し<br />

にしまい 込 んでいく<br />

• 考 えることや 発 信 することを 求 められたときに 頭 の 中 の 引 き<br />

出 しから 取 り 出 す<br />

「 考 える 力 」とは、「 感 動 する 力 」<br />

自 分 との 対 話<br />

• 子 どもの 頃 のように 素 直 に 感 動 し、 疑 問 を 持<br />

つことから 考 えることが 始 まる<br />

• 知 識 量 が 考 える 力 とは 比 例 しない<br />

科 学 的 知 見 が 少 ない100 年 前 の 人 が 考 える 力 が<br />

乏 しくなる。 大 発 見 をしていることはなぜか<br />

• 知 識 量 を 増 やすことは 大 切 である<br />

• 考 えることから 自 分 を 発 見 することがある<br />

• 考 える 力 は 楽 しむ 力 でもある<br />

17<br />

18<br />

3


バンカラのすすめ<br />

アイデア 産 出 のヒント<br />

• 規 範 からの 脱 出<br />

• 型 にはまった 考 え 方 ・ 行 動 からの 解 放<br />

• 精 神 的 に、 既 成 の 考 え 方 にとらわれずに、 他<br />

人 と 違 った 考 え 方 ができる 態 度 ・ 性 格 のこと<br />

こざね( 小 札 ) 法<br />

考 えをまとめる 方 法<br />

• 紙 切 れを 用 意 する<br />

• 主 題 に 関 係 ある 事 柄 を 記 入 する<br />

単 語 、 句 、 短 い 文 章<br />

一 枚 に1 項 目 ずつ<br />

思 いつくまま、 順 序 かまわず<br />

• 書 かれた 紙 を 見 ながらつながりのあるものを 探 していく<br />

論 理 的 なつながりがあるように 並 べること<br />

分 類 しない<br />

• 論 理 的 にまとまりのある「こざね」を 並 べて 構 成 を 考 える<br />

• 知 的 生 産 の 基 礎 技 術 としての 文 章 は、 物 事 と 思 想 とを 分 かり<br />

易 く、 間 違 いなく 伝 達 できる 機 能 的 な 文 章 のこと<br />

19<br />

20<br />

考 える 力 を 鈍 らせる5つの 症 状<br />

1. すねること<br />

2. ひがむこと<br />

3. ひねくれること<br />

4. いじけること<br />

5. ふてくさること<br />

「 考 える 力 」を 促 進 するには<br />

• 「われ、 日 にわが 身 を 三 省 す」<br />

1. 人 の 相 談 にのってあげながら、その 人 に 対 して 忠 実 であるか<br />

2. 友 人 との 交 際 に 信 義 を 欠 いていることはないか<br />

3. 古 典 を 勉 強 しているか<br />

– 論 語 孔 子 の 弟 子 曽 参 (そうしん)の 言 葉<br />

• 自 問 自 答 する( 内 向 き)<br />

• 他 人 と 交 流 し、 連 帯 する( 外 向 き)<br />

すねることは 一 人 相 撲 にすぎない。 余 計 相 手 にされな<br />

くなる。すねないで、「それ、 面 白 いね」といって 議 論 や<br />

仲 間 の 提 案 に 加 わる<br />

21<br />

22<br />

設 問 はできるだけ 具 体 的 にする<br />

• 具 体 的 な 問 いかけ 方<br />

「 小 野 小 町 は 何 で 体 を 洗 っていたか 知 っているかい?」<br />

• 曖 昧 な 問 いかけ 方<br />

「 石 鹸 の 歴 史 を 知 っているかい?」<br />

• 上 記 問 いの 答 えは「 灰 汁 (あく)」<br />

戦 時 中 に 石 鹸 がなくなった 時 期 がありそのころ 疎 開 先 で<br />

稲 や 麦 のわらを 燃 やして 作 った 灰 汁 で 手 足 を 洗 った 経 験<br />

がある 人 ならば 具 体 的 な 問 いかけ 方 から 回 答 できた。 曖<br />

昧 な 問 いかけでは 回 答 できなかったであろう<br />

考 え 方 の 癖 と 口 癖 を 知 る<br />

• 自 分 の 型 を 知 る<br />

– 多 視 点 法 。みんながどれに 投 票 するのかを 予 測 する。 自<br />

分 の 好 みで 決 めるのではない<br />

• 視 点 を 変 える<br />

– 少 数 意 見 の 立 場 を 取 ってみる。 賛 成 の 立 場 で 回 答 する。<br />

反 対 の 立 場 で 回 答 する<br />

– 「いつも」、「みんな」という 言 葉 をなるべく 使 わない<br />

– 飛 躍 を 防 ぐ。「いっそ」、「どうせ」と 結 論 に 飛 躍 した 思 考 を<br />

しないこと。 思 考 中 絶 、 思 考 放 棄 現 象 である<br />

23<br />

24<br />

4


考 えがまとまってからの 手 続 き<br />

「あたためる」<br />

• 考 えが 一 つになるまでいろいろとする<br />

ノートに 箇 条 書 き<br />

KJ 法 の 図 形<br />

図 表<br />

落 書 きを 見 ながら 講 義 をするようにして 録 音 して<br />

聞 き 直 す<br />

• 他 者 に 理 解 してもらうための 戦 略 を 練 る<br />

– 知 的 レベルと 情 動 的 レベル<br />

GREP 検 索 を 用 いた 発 想 支 援<br />

• 過 去 に 書 いた 文 書 を 検 索 対 象 にして 論 文 テーマに<br />

関 するキーワードでGREP 検 索 をしてみる<br />

• 一 覧 することができるので、そこから 新 しい 考 察 を 深<br />

めることができる<br />

• GREP 検 索 は、 文 書 間 の 検 索 機 能 。<br />

複 数 のファイルから 検 索 対 象 が 含 まれる 行 を 見 出 す 機 能 のこと。 検<br />

索 結 果 は、リスト 形 式 で 示 される。リストから 任 意 のものをクリックす<br />

ると、 元 のファイルが 開 かれる。<br />

• GREP:Global Regular Expression Printの 略 語 。<br />

• Regular Expression( 正 規 表 現 )<br />

25<br />

26<br />

論 理 的 思 考 はレッスンで 身 につく<br />

• 情 報 が 多 くなった 現 代 では、 情 報 や 記 述 が 間 違 ってい<br />

ないか 見 分 ける 力 が 求 められる。<br />

批 判 的 な、 科 学 的 な、 点 検 的 な、 熟 考 的 な 思 考 力 を 身 に<br />

つけるには、レッスンが 必 要<br />

• 論 理 的 思 考 法<br />

• クリティカルシンキング(critical thinking)<br />

• メディアリテラシー(media literacy)<br />

• 問 題 点 を、 論 点 (issue)に 分 けて 妥 当 性 の 有 無 を 問 い 続<br />

けること<br />

• 論 点 をどのように 特 定 するかが 要 点<br />

論 点 は、「 主 語 + 述 語 +?」と 疑 問 文 の 形 をとる<br />

論 点 は、 今 、 考 えようとしていることである<br />

論 点 は、 解 決 すべきことではない<br />

論 点 は、 良 い、 悪 いのか 価 値 を 含 まない<br />

27<br />

思 考 が 迷 子 になる 場 合 ・・・<br />

• 論 点 を 捕 まえきれないで 目 移 りした<br />

• 誤 った 前 提 ・ 隠 れた 前 提 に 気 づかない<br />

• 事 実 の 誤 認 、 事 実 の 過 大 / 過 小 評 価<br />

• 公 平 な 判 断 ができない<br />

28<br />

考 えるべき 点 を 常 に 手 放 さない<br />

• 論 点 を<br />

確 認 し 続 ける<br />

はずさない<br />

手 放 さない<br />

既 に 前 提 を 持 っている 危 険 性<br />

• 何 を 基 に、 今 これを 考 えているのかと 問<br />

い 続 けること<br />

• 考 えている 事 象 の 根 拠 を 自 覚 すること<br />

• 疑 ってみる 点<br />

無 意 識 にルールあるいは 前 提 を 持 っている<br />

ことはないか<br />

思 考 を 別 の 方 向 に 向 けていることはないか<br />

29<br />

30<br />

5


統 計 的 な 数 値 を 疑 え<br />

• 統 計 が 客 観 的 ではない<br />

数 値 になると 明 確 な 印 象 を<br />

受 ける<br />

統 計 も 異 なる 解 釈 が 可 能<br />

である<br />

考 えていることに 対 して<br />

思 い 入 れが 強 くないか<br />

• 個 人 的 な 思 い 入 れが 強 いと、 同 じ 情<br />

報 でもその 状 況 によって 結 論 が 変 わ<br />

りやすい<br />

• 何 に 自 分 が 思 い 入 れを 持 ちやすいか<br />

を 自 覚 せよ<br />

31<br />

32<br />

道 を 逸 れたときの 修 正<br />

• 結 論 がでるまでの 正 しい 道 のり<br />

を 覚 えるのではない<br />

• 正 しい 道 のりから 逸 れたときの<br />

「 修 正 の 仕 方 」を 身 につけること<br />

33<br />

手 法 から 道 具 へ<br />

• 道 具 を 使 うためには 手 法 になれておくこと<br />

• 手 法<br />

So What?(それっていったい 何 ?)<br />

True?( 本 当 に?)<br />

Why?(なぜ?)<br />

How?(どうやって?)<br />

• 道 具<br />

帰 納 法<br />

演 繹 法<br />

発 想 法<br />

MECE<br />

ロジックツリーならびにマトリックス<br />

ピラミッドストラクチャ<br />

34<br />

手 法<br />

• So What?(それっていったい 何 ?)<br />

• True?( 本 当 に?)<br />

• Why?(なぜ?)<br />

• How?(どうやって?)<br />

それっていったい 何 ?<br />

(So What? )<br />

• 目 の 前 にある 情 報 から 意 味 を 見 いだし、<br />

価 値 ある 情 報 を 引 き 出 していく 思 考 のこと<br />

経 験 や 知 識 を 組 み 合 わせて 判 断 すること<br />

判 断 結 果 の 可 能 性 を 複 数 考 えること<br />

矛 盾 する 結 果 がいくつも 羅 列 されることが 欠 点<br />

• 「だからいったい 何 がどうなのか?」<br />

主 語 と 述 語 のある 文 章 で 記 述 できること<br />

ピラミッドストラクチャではSo What? と True?を 交 互 に 用 いて 活 用<br />

35<br />

36<br />

6


本 当 に? (True?)<br />

• So What?で 導 いた 結 果 、どれが 適 切<br />

かと 妥 当 性 を 判 断 する 思 考 法<br />

• 観 察 事 項 や 目 の 前 にある 情 報 以 外 の 知<br />

見 や 事 実 を 取 り 入 れて 考 えることがある<br />

どんな 知 見 や 事 実 を 使 ったか 自 覚 すること<br />

ピラミッドストラクチャではSo What? と True?を 繰 り 返 し 用 いる<br />

「なぜ?」と「どうやって?」<br />

• 具 体 的 な 戦 術 を 決 めるときの 思 考 法<br />

• どんな 戦 術 を 設 定 すべきかという 目 的 に<br />

は 使 えない<br />

• ロジックツリーで 用 いる 手 法<br />

ピラミッドストラクチャによってビジョンや 戦<br />

略 を 設 定<br />

「なぜ?」と「どうやって?」と 考 えながらロ<br />

ジックツリーを 作 っていく<br />

37<br />

38<br />

道 具<br />

• 帰 納 法 (induction)<br />

• 演 繹 法 (deduction)<br />

• 発 想 法 ( 仮 説 生 成 :abduction)<br />

• MECE<br />

• ロジックツリーならびにマトリックス<br />

• ピラミッドストラクチャ<br />

39<br />

帰 納 法 (induction)<br />

• 実 例 を 何 件 もあげて、その 実 例 が 正 しいと 結 論<br />

結 論<br />

づけること。 類 似 性 を 取 り 出 すこと<br />

• Yes set<br />

実 例 実 例 実 例<br />

• 蓋 然 性 (がいぜんせい)・・・ 正 しさの 度 合 い<br />

• 帰 納 法 は、 蓋 然 性 の 高 い 推 論 ( 結 論 )が 導 き 出<br />

せることができればよい。 仮 説 生 成<br />

• 反 論 がひとつでもあると 成 立 しない<br />

• 発 言 者 と 受 け 手 の 間 での「 納 得 」があればよい<br />

40<br />

演 繹 法 (deduction)<br />

結 論<br />

• A. 大 前 提 →B. 小 前 提 →C. 結 論<br />

A.B.が 正 しければ 必 ずCは 正 しい。 大 前 提<br />

• ただしA.B.がそれぞれ 正 しいとするのは 帰 納 法 を<br />

使 って 導 き 出 している。<br />

• 一 般 的 な 法 則 から 特 殊 な 事 実 を 導 く 「それゆえに」<br />

• 仮 説 検 証<br />

( 帰 納 法 の 論 理 思 考 が 背 景 にある)<br />

• 論 理 は 適 切 であるが、 正 しくない 結 論 が 導 かれるこ<br />

とがある<br />

• 結 論 がわかっている 場 合 、 大 前 提 を 発 見 するために<br />

活 用 できる<br />

小 前 提<br />

41<br />

発 想 法<br />

( 仮 説 生 成 :abduction)<br />

• 特 殊 な 事 実 から、それを 説 明 しそうな 仮 説 を<br />

作 り 出 すこと<br />

• 事 実 レベルだけでは 導 き 出 せないレベルへ<br />

の 飛 躍 が 加 わる<br />

帰 納 法 では、 事 実 レベルからの 一 般 化 をする<br />

42<br />

7


MECE ( 互 いに 矛 盾 なく、 集 約 しても 余 すところない-モレなく、ダブりなく-)<br />

(Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive)<br />

• 分 類 にモレがないような 枠 組 み(フレームワーク)がある<br />

3C(Customer/Competitor/Company)<br />

「 市 場 ・ 顧 客 」、「 競 合 」、「 自 社 」<br />

4P(Product/Price/Promotion/Place)<br />

「 製 品 」、「 価 格 」、「プロモーション」、「 流 通 」<br />

バリューチェーン<br />

「 開 発 」、「 生 産 」、「マーケティング」、<br />

「 販 売 」、「 物 流 」、「サービス」の6 段 階 で<br />

ビジネスパフォーマンス 分 析<br />

• 厳 密 にモレのない 枠 組 みは 存 在 しない。<br />

• MECEな 枠 組 みで 切 り 口 ( 仮 説 )を 示 し、 現 実 を 枠<br />

組 みに 当 てはめて 考 える<br />

• 分 類 不 足 を 補 うのに 適 している<br />

ロジックツリー<br />

ならびにマトリックス<br />

1. 問 題 ・ 課 題 を 提 起 する。 下 位 の 概 念 におろしていく。<br />

2. 抽 象 度 を 上 げたり 下 げたりして 階 層 で 考 える。<br />

3. 同 じ 抽 象 度 ( 階 層 )の 中 で 他 に 例 がないか 考 える。このとき<br />

MECEを 活 用 することも 可 能 。<br />

• 「なぜ?」、「どうやって?」<br />

• 枝 を 増 やすには「そもそも~?」という 問 いを 出 す。<br />

• ほどよい 抽 象 度 の 表 現 にするのがコツ<br />

• 上 位 概 念 の 階 層 から 具 体 的 なものへと 網 羅 できる。<br />

• マトリックス 法 もセルに 書 き 込 みながら 考 える 手 法 。<br />

• どちらも 解 決 法 の 発 見 や 状 況 分 類 に 活 用 できる<br />

• 実 行 可 能 性 と 動 機 の 高 さに 注 目 しないと 現 実 から 遠 ざかる<br />

危 険 性 がある。<br />

43<br />

44<br />

ピラミッドストラクチャ<br />

1. 具 体 的 な 情 報 や 観 察 事 項 を 問 題 提 起 する。<br />

2. そこから 上 位 概 念 に 向 けて 推 論 を 進 めて 構 造 化 する。<br />

「それっていったい 何 ?」、「 本 当 に?」<br />

「メインメッセージ」は 主 張 ( 主 題 ) のこと<br />

• 「○○すべきである」<br />

「キーラインメッセージ」は 主 張 を 直 接 理 由 づけるメッセージ<br />

• 「○○である」<br />

「サポート(パーツ)メッセージ・」はキーラインメッセージを 補 強 する<br />

• 論 文 での 主 張 や 提 言 について 構 造 的 な 理 解 が 促 される<br />

• 上 位 概 念 を 適 切 に 作 ることが 難 しい。<br />

• 起 承 転 結 や 箇 条 書 きではない。 主 張<br />

サ<br />

ポ<br />

ー<br />

ト<br />

キー<br />

ライン<br />

サ<br />

ポ<br />

ー<br />

ト<br />

キー<br />

ライン<br />

キー<br />

ライン<br />

45<br />

So What?とTrueを 交 互 に 用 いる<br />

ピラミッドストラクチャでの 思 考 の 仕 方<br />

1. サポートメッセージ(パーツメッセージ)から 言 えるこ<br />

とを「 主 語 + 述 語 」の 形 で 羅 列 する(これが 論 点 )<br />

2. 羅 列 されたパーツメッセージをSo What?の 手 法 で<br />

チェックする<br />

パーツの 情 報 をまとめて 要 約 するだけでなく、 意 味 が 抽<br />

出 されているかチェックする<br />

チェックを 繰 り 返 して 適 切 なものを 残 す( 一 つに 絞 る 必 要<br />

なし)<br />

3. メインメッセージに 対 して 意 味 あるメッセージか 否<br />

かをTrue?の 手 法 でチェックする<br />

メインメッセージの 主 張 が 納 得 できる 理 由 になること<br />

46<br />

確 実 に 言 えることを 押 さえる<br />

論 理 思 考 を 鍛 える<br />

• 与 えられた 情 報 から 言 えることだけを 押 さえ<br />

る。つまり 適 切 な 結 論 を 選 ぶこと<br />

結 論 が 非 常 識 な 内 容 でも 合 理 的 に 受 け 入 れる<br />

• 例 題 : 組 織 が 硬 直 化 し、セクショナリズムが<br />

はびこっているので、 社 内 のコミュニケー<br />

ションを 強 化 するべきだ<br />

日 本 語 の「し、」を 接 続 詞 として 使 う 表 現 は、<br />

しばしば 意 味 が 曖 昧 になる。 構 文 上 の 問 題<br />

47<br />

言 葉 の 意 味 を 吟 味 し、 論 点 を 整 理<br />

論 理 思 考 を 鍛 える<br />

• 単 語 は 複 合 的 な 意 味 ( 多 様 性 )を 持 っている<br />

中 心 的 な 意 味 ( 内 包 )、 中 心 から 派 生 した 周 辺 的 な 意 味<br />

( 外 延 )が 含 まれる<br />

• 「 携 帯 」は、ものを 携 帯 するという 意 味 と 携 帯 電 話 の 意 味 がある。<br />

単 語 を 無 理 に 定 義 づけて 論 理 を 構 成 するとチグハグにな<br />

り 現 実 社 会 の 中 では 妥 当 性 が 不 十 分 になることがある<br />

• ここで 言 っている○○は、つまりどういう 意 味 か?<br />

So what?<br />

• □□と 言 いたいが、その 言 葉 で 本 当 に 良 いのか?<br />

True?<br />

• 議 論 されていることの 概 念 が 整 理 できたら・・・<br />

論 点 に 即 して 改 めて 自 分 の 考 えを 整 理 してみる<br />

48<br />

8


論 理 的 思 考 を 身 につけて 行 くには<br />

• 考 える 習 慣 を 身 につける<br />

• 図 式 化 したり、ピラミッドストラクチャで 考<br />

えて 相 手 の 主 張 を 的 確 に 理 解 し、 論 点<br />

を 整 理 する<br />

• 具 体 的 に 考 えることで 論 理 構 造 が 理 解<br />

できることもある<br />

読 み 書 きの 技 法<br />

図 解 を 身 につける・パラグラフの 理 論<br />

49<br />

50<br />

研 究 = 読 むこと+ 書 くこと<br />

図 解 で 両 輪 を 身 につける<br />

読 むこと・ 書 くこと<br />

↓<br />

研 究<br />

• 研 究 は、この 世 界 ( 真 実 )を 知 るための 手 段<br />

• 読 むことは、 知 ることであり 聴 くことでもある<br />

• 書 くことは、 意 見 を 述 べることでもあり、 多 くの<br />

人 に 知 ってもらうための 手 段 でもある<br />

• 読 むことと 書 くことを 身 につけることは、 生 活<br />

に 張 り 合 い 生 まれる。 人 生 を 豊 かにする<br />

• 図 解 は、 読 むことと 書 くことを 同 時 に 行 う<br />

51<br />

52<br />

図 解 での 理 解 と 表 現<br />

• 図 解 はキーワードのかたまり<br />

• 大 胆 に、そして 細 心 に<br />

• ○と→を 使 うだけで 十 分 ( 構 造 関 係 を 知 る)<br />

– ○は 位 置 関 係 を 表 す<br />

• 包 括 ・ 隣 接 、 交 差 ( 重 なり)、 分 離 、 並 列<br />

– →は 物 事 の 関 係 や 流 れを 表 す<br />

• 連 続 性 、 場 面 の 展 開 、 思 考 の 流 れ、 対 立<br />

双 方 向 性 、 拡 散 のパターン、 収 縮 のパターン<br />

図 解 作 成 の 手 順<br />

• 全 体 像 を 把 握 すること<br />

• 何 を 伝 えたいのか 明 確 にする 必 要 がある<br />

1. キーワードの 抽 出 ( 情 報 把 握 )<br />

2. 全 体 像 の 明 確 化<br />

3. 構 成 要 素 の 確 定<br />

53<br />

54<br />

9


キーワードの 抽 出 ( 情 報 把 握 )<br />

図 解 作 成 の 手 順<br />

1. キーワードに 下 線 を 引 く<br />

2. キーワードは3つに 分 類 する<br />

分 類 例 (これを 考 えることが 要 ): 中 核 、 対 立 、その 他<br />

時 間 軸 ( 過 去 、 現 在 、 未 来 )、 事 実 ( 情 報 )、 意 見 、その 他<br />

3. キーワードを 楕 円 で 囲 む<br />

色 分 けしたり、 囲 みを 四 角 や 丸 にしたりする<br />

4. 紙 に 書 き 出 す<br />

似 たもの 同 士 を 近 くに 寄 せて 書 く<br />

文 章 の 場 合 は、10 字 以 内 、25 字 前 後<br />

5. キーワード 間 の 相 互 関 係 を 矢 印 でつなぐ<br />

論 理 が 繋 がる 場 合 は、 矢 印<br />

意 味 が 背 反 する 場 合 は、 両 矢 印<br />

論 理 関 係 がわからない 場 合 は 直 線<br />

55<br />

矢 印 が 集 まるものが 結 論 となること 多 い<br />

情 報 を3つに 分 けて 理 解 する<br />

-3 色 ボールペンの 使 い 方 -<br />

• 赤<br />

主 観 的 に 大 切 なところ<br />

重 要 な 箇 所<br />

• 青<br />

客 観 的 に 大 切 なところ<br />

やや 重 要 なところ<br />

• 緑<br />

面 白 いところ<br />

イメージが 湧 きやすいところ<br />

56<br />

全 体 像 の 明 確 化<br />

図 解 作 成 の 手 順<br />

• 新 しい 紙 で 作 成 するかパワーポイントで 清 書<br />

1. タイトルを 決 めて 記 入<br />

伝 えたいことは 何 か、その 方 向 性<br />

10 字 以 内 、 最 大 20 字 (では24-28ポイント)<br />

2. 全 体 配 置 と 使 用 する 図 形 をイメージ<br />

タイトルの 下 に2~3 行 のスペース( 要 旨 を 書 く)<br />

その 下 に 大 まかな 図 形 や 文 字 の 配 置 を 考 える<br />

• 上 から 下 、 下 から 上 、 左 から 右 、 左 右 分 割 など<br />

3. 図 形 を 先 に 記 入<br />

配 置 と 内 容 を 考 えて 図 形 を 書 く<br />

文 字 を 先 に 書 くと 全 体 像 を 見 失 うことになる<br />

57<br />

構 成 要 素 の 確 定<br />

図 解 作 成 の 手 順<br />

1. 図 形 内 にキーワードを 入 れて 矢 印 でつなぐ<br />

キーワードや 短 い 文 章 を 入 れる<br />

矢 印 でつなぐ<br />

2. メッセージを 簡 潔 な 文 章 で 記 入 する<br />

伝 えたいことをメッセージとして 記 入 (タイトルの 下 のス<br />

ペースに)<br />

タイトルより 小 さめで 他 の 文 字 より 大 きめのポイント<br />

3. 必 要 に 応 じて 情 報 を 補 完 する<br />

文 字 を 大 きくしたり、 強 調 文 字 、 色 文 字 、フォント 変 更<br />

図 形 の 配 置 や 形 状 の 調 整 、 網 掛 け、 影 、 矢 印 の 太 さ<br />

イラストを 入 れて 完 成 させる<br />

58<br />

文 章 の 構 造 を 図 解 する<br />

• 共 通 の 要 素 をグループ 化 する<br />

• 各 項 目 をツリー 構 造 にして 描 く<br />

メイン 項 目 はツリーの 上<br />

サブ 項 目 はツリーの 下 に 位 置 させる<br />

• ツリー 図<br />

• ベン 図<br />

• マトリックス<br />

• 点 グラフ<br />

5つの 基 本 図<br />

• フロー 図<br />

59<br />

60<br />

10


ツリー 図<br />

• 枝 分 かれする 線 で 構 造 を 表 す 方 法<br />

• 必 要 事 項 を 過 不 足 なくチェックできる<br />

ベン 図<br />

• 重 なる 円 で 集 合 関 係 図 のように 表 す 方 法<br />

• 事 項 の 相 互 の 関 係 を 知 りたいときに 活 用 する<br />

61<br />

62<br />

マトリックス<br />

• マス 目 で 分 類 し、 行 と 列 で 構 成 される 複 数 の<br />

マス 目 が 並 べてマス 目 で 分 類 する 方 法<br />

• マス 目 をすべて 埋 めることによって、 状 況 の<br />

把 握 や 分 析 ができる<br />

点 グラフ<br />

• 縦 軸 と 横 軸 で 位 置 を 示 す 方 法<br />

• 数 量 で 把 握 し、 定 量 的 に 分 析 ができて、 客 観<br />

性 の 高 い 把 握 や 分 析 ができる<br />

• (マトリクスは 項 目 を 把 握 する)<br />

63<br />

64<br />

フロー 図<br />

• 矢 印 と 囲 みで 変 化 を 表 現 する 方 法<br />

• 複 雑 な 問 題 を 解 きほぐすことができる<br />

• 使 いこなすまでには 慣 れが 必 要 ですが、 最 初<br />

は 見 本 をもとに 自 由 に 書 いていくと 上 達 する<br />

図 解 の 基 本 パターン<br />

• 対 等 関 係<br />

• 上 下 関 係 (メイン-サブ、 包 含 )<br />

• 因 果 関 係<br />

• 対 立 関 係<br />

65<br />

66<br />

11


夢<br />

現<br />

実<br />

7つの 概 念<br />

対 立 概 念 : 相 反 する 概 念<br />

AとBは 全 く 異 なる<br />

要 素 と 要 素 の 関 係 が 示 されること<br />

7つの 概 念 の 解 説<br />

夢<br />

夢<br />

夢<br />

現 実<br />

夢<br />

現<br />

実<br />

因 果 関 係 : 夢 が 現 実 となるという 変 化 AはBとなる<br />

現 因 果 関 係 2: 現 実 と 思 っていたものが 実 は 夢 だった BはAとなる<br />

実<br />

現 対 等 関 係 : 等 しい AはBである<br />

実<br />

包 含 関 係 : 夢 が 現 実 の 一 部 AはBに 含 まれる<br />

• 要 素 の 数 が 増 えてくると 階 層 という 概 念 が 必 要 !<br />

• いくつかの 要 素 が 集 まって 一 つの 概 念 となる<br />

• この 概 念 もまた 一 つの 要 素 としてより 大 きな 概 念<br />

を 形 成 することになる<br />

夢<br />

現<br />

実<br />

包 含 関 係 2: 現 実 のほうが 夢 の 一 部 BはAに 含 まれる<br />

夢<br />

現 実<br />

日 本<br />

金 メダル<br />

日 本<br />

銅 メダル<br />

夢<br />

現 実<br />

重 複 関 係 : 一 部 分 に 重 なっている 部 分 がある AとBには 共 通 部 分 がある<br />

67<br />

68<br />

全 体 の 構 造 を 理 解 すること<br />

必 ず 大 きな 概 念 を 先 に 書 く<br />

• より 細 かな 概 念 は、あとから 書<br />

き 足 すようにする<br />

• 部 分 的 な 構 造 は 全 体 での 位 置<br />

付 けが 分 からなければ 意 味 をな<br />

さない<br />

• 細 かな 概 念 は、 大 きな 概 念 の 説<br />

明 としてあとから 書 き 足 す<br />

• 必 ず 短 く 単 純 化 、 記 号 化 する<br />

• 必 ず 単 語 にする<br />

人 間<br />

共<br />

通<br />

感 染 症<br />

家 畜<br />

69<br />

ピラミッドストラクチャを 作 る<br />

1. メインメッセージ・ 主 張 ( 主 題 )を 探 すこと<br />

「○○すべきである」 主 語 + 述 語<br />

構 造 化 する 際 に、 否 定 文 は 肯 定 文 に 直 すこと<br />

2. キーラインを 探 すこと<br />

メインメッセージの 理 由 づけをしていること 主 語 + 述 語<br />

3. サポートメッセージを 探 すこと<br />

キーラインの 根 拠 となっている 事 実 ・ 情 報 のこと<br />

• 構 造 化 してみて、サポートされていない 箇 所 が 論 理 の 弱 い<br />

部 分 となる。 反 論 材 料 として 活 用 する。<br />

主 張<br />

サ<br />

ポ<br />

ー<br />

ト<br />

キー<br />

ライン<br />

サ<br />

ポ<br />

ー<br />

ト<br />

キー<br />

ライン<br />

キー<br />

ライン<br />

70<br />

ピラミッド 原 則<br />

1. 頭 の 中 にある 情 報 をグループ 化 する<br />

2. グループ 化 されたものを 要 約 する<br />

3. グループ 内 で 概 念 の 関 連 性 を 並 べ 替 える<br />

– 上 位 概 念 から 下 位 概 念 へ<br />

– 上 のレベルにある 考 えからは 下 のレベルのも<br />

のを 連 想 することができるようにする<br />

– 同 じ 事 象 を 示 す 名 詞 でくくれるか 否 かで 確 認<br />

• いくつかの 提 案 、いくつかの 理 由 、いくつかの 問 題<br />

• 章 立 てと 文 章 の 構 造 を 考 える 際 に 役 立 つ<br />

• 演 繹<br />

順 序 づけの 原 則<br />

– 大 前 提 、 小 前 提 、 結 論<br />

• 時 間<br />

– 1 番 目 、2 番 目 、3 番 目 ・・・<br />

• 構 造<br />

– 右 から 左 、 上 から 下 、 北 から 南 、 東 から 西 など<br />

• 比 較<br />

– 最 重 要 項 目 、2 番 目 に 重 要 な 項 目 ・・・<br />

71<br />

72<br />

12


パラグラフの 理 論<br />

小 松 原 ,1996<br />

パラグラフの 理 論<br />

読 むこと・ 書 くこと<br />

• 文 章 には 構 造 がある<br />

• この 構 造 は、「 構 造 明 示 子 」と 呼 ばれる 特 定 の 語 句 や<br />

文 によってしるしづけられている<br />

• 構 造 明 示 子 とは<br />

文 章 全 体 の 中 でどのような 位 置 を 示 しているのかを 示 す 標<br />

識 としての 機 能 を 持 つもの<br />

単 語 、 句 、センテンス、 改 行 、 一 字 下 げ、 空 白 行 の 挿 入 など<br />

• パラグラフ( 段 落 )といった 文 章 の 最 小 単 位 においても<br />

構 造 を 考 えることが 可 能 であるという 考 え 方<br />

73<br />

74<br />

• 書 籍<br />

– 部<br />

• 章<br />

– 節<br />

» パラグラフ<br />

» 単 語<br />

» 文 字<br />

文 章 の 単 位<br />

パラグラフを 構 成 するもの<br />

• トピック・センテンス<br />

• サポーティング・センテンス<br />

• 論 理 関 係 明 示 子<br />

• 締 めくくり 文<br />

• パラグラフのベクトル<br />

75<br />

76<br />

トピック・センテンス<br />

何 が 論 じられるのかを 示 す 文 のこと<br />

• トピックを 限 定 する<br />

• パラグラフ 全 体 に 対 するある 程 度 の 見 通 し<br />

( 予 感 )を 与 える<br />

• 読 者 の 注 意 を 引 きつける・ 逸 らさない<br />

• 書 き 手 の 主 張 が 簡 潔 に 盛 り 込 まれている<br />

• パラグラフの 最 初 に 位 置 することがほとんど<br />

• 効 果 をねらって 省 略 されたり 末 尾 に 位 置 する<br />

ことがある<br />

77<br />

サポーティング・センテンス<br />

トピック・センテンスを 肯 定 的 ・ 否 定 的 に 支 える 文<br />

• 例 を 挙 げる<br />

• 事 実 関 係 を 指 摘 する<br />

• 因 果 関 係 を 説 明 する<br />

• トピックを 拡 張 する<br />

• 目 的 - 手 段 の 関 係 を 述 べる<br />

• 時 間 的 順 序 関 係 を 指 摘 したり、 整 理 する<br />

• トピックセンテンスを 補 強 したり、 説 明 したり、<br />

言 い 換 えたり、 様 々な 方 向 に 展 開 する<br />

78<br />

13


論 理 関 係 明 示 子<br />

文 と 文 の 間 の 論 理 関 係 や 相 互 関 係 を 示 す 言 葉 や 文<br />

• 理 由 :なぜなら、というのは<br />

• 時 間 的 な 順 序 : 最 初 に、ついで、 最 後 に<br />

• 重 要 性 の 度 合 い: 第 1 番 目 に、2 番 目 に<br />

• 論 理 的 な 順 序 :<br />

• 結 論 へと 続 く:それで、だから<br />

しかしながら、ところで、つぎに、これに 反 して、<br />

このように 考 えてくると、これに 対 して、そして、<br />

これは、たしかに、しかし、また<br />

79<br />

締 めくくり 文<br />

パラグラフを 締 めくくる 文 ・ 結 論 を 述 べる 文<br />

• パラグラフにまとまりを 与 える 文<br />

• パラグラフを 締 めくくり、 結 論 が 書 いてある 文<br />

• サポーティング・センテンスを 踏 まえて 書 かれ、<br />

トピックセンテンスを 繰 り 返 すつもりで 書 く<br />

• 他 のセンテンスに 書 かれている 内 容 と 同 じな<br />

ので、 省 略 されることもある<br />

80<br />

パラグラフのベクトル<br />

• トピック・センテンスを 基 点 にして 締 めくくり 文<br />

の 方 向 に 矢 印 を 引 いたときにできるもの<br />

• 次 のパラグラフの 展 開 を 限 定 する<br />

• 目 に 見 える 形 では 示 されていない<br />

読 み 書 きの 過 程 を 自 覚 化 すること<br />

センテンスとアイデア<br />

• アイデアは、 様 々なセンテンスで 表 現 可 能 である<br />

「 真 実 は 一 つだ」というアイデアは、「どこからたどっても 一<br />

つの 答 えにたどり 着 く」というセンテンスで 表 現 可 能 である<br />

• 要 約 は、センテンスに 表 現 されているアイデアを 抽<br />

出 して 自 分 の 文 章 になおしてみること<br />

• 読 みの 過 程<br />

センテンス→(アイデア)→ 自 分 の 文<br />

• 書 きの 過 程<br />

自 分 の 文 -(アイデア)-センテンス<br />

81<br />

82<br />

要 約 ・ 抄 録 の 作 り 方<br />

書 き 方 の 型 を 見 破 る<br />

ピラミッド 型 か 逆 ピラミッド 型<br />

• センテンスとアイデアを 区 別 し、 自 分 の 文 章 で 表<br />

現 することが 望 ましい<br />

1. トピック・センテンスと 締 めくくり 文 に 注 目 してつくる<br />

2. 難 解 なパラグラフの 場 合 は、サポーティング・セン<br />

テンスの 要 約 もいれる<br />

摘 要 、summary、digest、abstractは 論 文 完 成 後 に 作<br />

成 するもの<br />

outlineは 執 筆 前 に 構 成 するもの<br />

83<br />

パラグラフの 始 まりと 終 わりを 探 せば 型 が 掴 める<br />

• ピラミッド 型<br />

– 冒 頭 に 重 要 でないこと<br />

– 文 の 終 わりに 重 要 な 記 述<br />

• 逆 ピラミッド 型<br />

– 文 のはじめに 重 要 な 記 述<br />

– 先 に 進 むにつれて 重 要 度 の 少 ないものが<br />

出 てくる<br />

84<br />

14


文 末 の 癖 と 文 章 の 癖 を 探 す<br />

自 分 なりにルールを 探 すことを 勧 める<br />

理 解 してもらうための 戦 略 を 練 る<br />

• 文 末 の 結 び 方 には 筆 者 の 癖 が 表 れやすい<br />

• 読 み 始 めの1、2 頁 を、 句 点 だけに 注 目 して 読 む<br />

• 文 末 に 変 化 をつける 人 の 文 章 は 読 む 価 値 あり( 小 説<br />

は 例 外 )<br />

「・・・と 思 う」<br />

「ではなかろうか」<br />

「・・にちがいない」<br />

「・・・かもしれない」<br />

• 「・・・ 的 」、「・・・ 性 」がたくさん 出 る 日 本 語 の 論 文 は<br />

読 むことをすすめない<br />

筆 者 が 念 入 りに 考 えていない 可 能 性 が 大 きい<br />

85<br />

• 情 動 的 レベル<br />

1. 読 者 を 自 分 の 味 方 に 引 きずり 込<br />

む(だきこめ)<br />

2. 読 者 の 信 頼 ・ 尊 敬 を 得 る(なめら<br />

れるな)<br />

3. 読 者 を 自 分 のリズムに 乗 せる<br />

(のせろ)<br />

86<br />

1. 読 者 を 自 分 の 味 方 に 引 きずり 込 む<br />

理 解 してもらうための 戦 略 を 練 る<br />

• 日 本 語 には 聞 き 手 と 話 し 手 の 皮 膚 感 覚<br />

的 な 関 係 を 作 り 出 す 性 質 が 強 い。 仲 間<br />

意 識 を 作 り 上 げる。 私 小 説 アプローチ<br />

• ただし 学 術 論 文 では 使 えない<br />

2. 読 者 の 信 頼 ・ 尊 敬 を 得 る<br />

理 解 してもらうための 戦 略 を 練 る<br />

• 難 しすぎず、 簡 単 すぎない 内 容 に<br />

する<br />

• 90%は 分 かる 話 にして10%は 難 し<br />

い 話 にする(5%は 自 分 も 解 らない<br />

内 容 )。<br />

• 故 事 ・ 古 語 を 主 題 に 合 わせて 引 用<br />

する。 数 字 を 示 す<br />

87<br />

88<br />

3. 読 者 を 自 分 のリズムに 乗 せる<br />

理 解 してもらうための 戦 略 を 練 る<br />

• いろいろな 形 で 表 現 にリズムを<br />

つけて、 自 分 の 話 術 に 引 きずり<br />

込 んでいく<br />

読 者 を 自 分 のリズムに 乗 せる<br />

のせろ<br />

• ひとつの 話 題 は、400 字 詰 め 原 稿 用 紙 でだ<br />

いたい 三 枚 以 内 に 収 まる<br />

• 声 を 出 して 読 む 場 合 は、1 分 間 に250 字 くら<br />

いが 普 通 。 原 稿 用 紙 3 枚 だと5 分 くらい<br />

• 内 容 の 抽 象 度 を 変 化 させる<br />

私 小 説 的 アプローチで 具 体 的 に<br />

数 量 化 することで 抽 象 度 を 高 くする<br />

比 喩 を 用 いる<br />

89<br />

90<br />

15


論 証 とは<br />

論 証 の3 要 素<br />

議 論 の 活 性 化 のために<br />

• 根 拠 (supporting data)<br />

経 験 しうる 事 実 、データのこと<br />

• 論 拠 (warrant)<br />

根 拠 と 主 張 を 論 理 的 な 結 合 させるために 必 要 と<br />

なる 隠 れた 根 拠<br />

論 拠 の 変 動 により 主 張 が 変 わってくる<br />

• 主 張 ( 結 論 ) (claim)<br />

根 拠 から 推 測 して 導 いた 結 果<br />

自 分 が1 番 言 いたい 内 容 を 表 現 したもの<br />

91<br />

92<br />

論 証 とは<br />

• 論 証 とは、 何 らかの 根 拠 をもとに、<br />

結 論 や 主 張 を 引 き 出 すこと<br />

「A( 根 拠 )。だから、B( 結 論 ・ 主<br />

張 )」<br />

93<br />

議 論 とは 論 拠 を 推 定 する 過 程<br />

論 拠 の 崩 し 方<br />

• 何 が 主 張 されているのか<br />

• 主 張 の 裏 付 けとなる 根 拠 は 何 か<br />

• 主 張 も 根 拠 も 不 明 確 であれば<br />

論 証 における 論 拠 を 質 問 することで 議 論 できる<br />

• 論 拠 は、 根 拠 ・ 事 実 について 類 似 ・ 差 違 を 元 に 推 測 ・ 解 釈 し<br />

ていることである<br />

• 根 拠 の 解 釈 の 仕 方 を 議 論 することで 論 拠 が 明 らかになってく<br />

る。キーラインメッセージを 否 定 ( 反 論 )できる 論 点 を 探 すこと。<br />

• 「 結 局 、これまで 話 していたことは〈 主 語 + 述 語 〉と 言 うことか<br />

なぁ」と 論 点 を 整 理 して、 議 論 を 続 けていく<br />

94<br />

建 設 的 な 批 判<br />

(constructive criticism)<br />

• 発 表 者 の 主 張 や 論 拠 の 中 の<br />

論 理 的 な 弱 点 を 指 摘 し、どうし<br />

たら 発 展 させられるか、 何 を<br />

すべきかと 助 言 すること<br />

• 人 格 や 能 力 を 否 定 することとは 異 なる<br />

研 究 とは<br />

95<br />

96<br />

16


臨 床 心 理 学 における 研 究 の 意 義<br />

1. 臨 床 実 践 の 中 で 生 じた 疑 問 ・ 発 見<br />

2. 研 究 によって 一 般 化<br />

個 別 性 から 一 般 化 へ<br />

守 秘 義 務 と 情 報 公 開 ( 説 明 責 任 )<br />

3. 発 表 ・ 教 育 によって 他 の 専 門 家 と 共 有 することで 貢 献<br />

臨 床 心 理 学 は 実 践 科 学 をモデルにして 発 展<br />

実 践 科 学 は、 自 然 科 学 でもなく 人 文 科 学 でもない<br />

実 践 科 学 の 要 素<br />

対 象 性<br />

関 与 性<br />

関 係 性<br />

個 別 性<br />

研 究 に 求 められること<br />

• feasibility( 実 現 可 能 性 )<br />

• 言 語 化<br />

• 客 体 化<br />

• 概 念 化<br />

• 抽 象 化<br />

97<br />

98<br />

創 造 性 とは<br />

抽 象 性 ( 概 念 )+ 具 体 化 ( 検 証 )<br />

• concept<br />

– 概 念 ; 思 想 ; 発 想 (conception)<br />

– 構 想 されたもの; 構 成 概 念 (construct)<br />

• vision<br />

– 将 来 を 見 越 すこと[ 力 ], 見 通 し, 先 見 (の 明 ); 洞 察 力 , 想 像 力<br />

• feasibility<br />

– 実 現 可 能 性<br />

• concretion<br />

– 具 体 [ 実 体 ] 化 , 具 象 作 用 ; 具 体 性<br />

I. 論 文 の 収 集<br />

II. 論 文 を 熟 読<br />

研 究 とは<br />

III. 研 究 計 画 を 立 案<br />

IV. 実 験 や 調 査 を 実 施<br />

V. 論 文 としてまとめる<br />

VI. 論 文 を 発 表 する<br />

99<br />

100<br />

研 究 の 世 界 で 行 われていること<br />

• 研 究 成 果 の<br />

交 流 と 共 有 化<br />

提 案 と 普 及<br />

• 研 究 テーマ<br />

注 目 されている 主 題<br />

明 らかになったこと<br />

誤 っていたこと<br />

公 認 の 手 順 が 重 要<br />

共 有 化 を 意 図 した<br />

研 究 成 果 へのアプローチ<br />

1. 研 究 成 果 への 接 触<br />

2. 研 究 成 果 の 内 容 チェック<br />

3. 研 究 成 果 の 発 信<br />

101<br />

102<br />

17


1. 研 究 成 果 への 接 触<br />

共 有 化 を 意 図 した 研 究 成 果 へのアプローチ<br />

• 文 献 検 索 と 入 手<br />

研 究 方 法 の 理 解 と 活 用 能 力<br />

専 門 用 語 の 理 解<br />

研 究 成 果 の 到 達 点 を 把 握<br />

研 究 成 果 の 課 題 と 問 題 点 の 把 握<br />

103<br />

2. 研 究 成 果 の 内 容 チェック<br />

共 有 化 を 意 図 した 研 究 成 果 へのアプローチ<br />

• 関 連 研 究 群 の 中 に、これから 着<br />

手 する 研 究 計 画 を 位 置 づける<br />

• 着 手 する 研 究 と 先 行 研 究 の 相 互<br />

関 係 を 規 定<br />

• 研 究 を 実 施<br />

• 実 施 した 研 究 結 果 と 先 行 研 究 と<br />

の 相 互 関 係 を 再 点 検<br />

104<br />

3. 研 究 成 果 へ 発 信<br />

共 有 化 を 意 図 した 研 究 成 果 へのアプローチ<br />

• 研 究 の 位 置 づけ、 手 続 きや 結 果<br />

を 正 確 に 記 述<br />

• 成 果 を 発 表 する<br />

• 発 表 した 成 果 について 学 会 や 類<br />

似 領 域 の 研 究 者 、 発 表 後 に 判 明<br />

した 他 の 研 究 成 果 からのフィード<br />

バックに 基 づき、 次 の 研 究 計 画<br />

研 究 の 類 型<br />

独 創 性 とは<br />

• データや 理 論 の 実 証 - 実 証 研 究<br />

• 先 行 研 究 の 追 試 - 再 チェック<br />

• 時 代 差 チェック-コホート 差<br />

• 地 域 差 ( 国 内 間 、 国 別 )を 検 討 - 異 文 化 で 一 般 化<br />

• 異 領 域 への 拡 張 - 別 領 域 、 別 ジャンルで 一 般 化<br />

• 条 件 の 拡 張 - 同 一 パラダイム 内 で 一 般 化<br />

• 適 用 年 齢 の 拡 張 - 対 象 年 齢 を 一 般 化<br />

• 実 証 研 究 の 統 合 - 知 見 の 矛 盾 を 実 証 的 に 解 消<br />

を 立 案 • 技 術 的 な 改 良 - 新 技 術 によりチェック<br />

105<br />

106<br />

臨 床 心 理 学 研 究 の 進 め 方<br />

1. 問 題 意 識 が 芽 生 える<br />

臨 床 実 践 での 疑 問 が 生 じる<br />

新 しい 方 法 の 手 応 えがある<br />

2. 文 献 を 集 めて 読 む<br />

文 献 を 読 んでは 臨 床 実 践 を 続 ける<br />

問 題 意 識 が 明 確 化 してくる<br />

3. 研 究 計 画 を 立 てて 実 施 する<br />

先 行 研 究 の 中 でどこに 位 置 づけられるのかを 明 確 にする<br />

データを 集 める<br />

4. 研 究 結 果 を 分 析 する<br />

5. 研 究 成 果 を 共 有 する<br />

口 頭 発 表<br />

学 会 誌 への 投 稿<br />

107<br />

臨 床 心 理 学 研 究<br />

大 まかに 二 類 型 に 分 類<br />

• 量 的 研 究<br />

質 問 紙 調 査<br />

• 質 的 研 究<br />

事 例 研 究 (case study)<br />

• a case method for teaching / training<br />

• a case study for assessment / planning<br />

• a case study for research<br />

グランド・セオリー・アプローチ<br />

108<br />

18


文 献 収 集 の 目 的<br />

• 研 究 テーマの 学 問 的 な 位 置 づけ<br />

(mapping)をすること<br />

概 論 書 、 展 望 論 文 (review paper)<br />

心 理 学 評 論 、 教 育 心 理 学 年 報 、 児 童 心 理 学 の 進 歩<br />

Psychological Review, Psychological Bulletin,<br />

Annual Review of Psychology<br />

国 立 情 報 センターの 電 子 図 書 館 サービス<br />

研 究 のアウトライン( 研 究 計 画 )<br />

A4サイズから 始 める<br />

• 研 究 ( 案 )<br />

• タイトル<br />

• 目 的 ・ 意 義 ( 研 究 背 景 )<br />

• 方 法 と 仮 説<br />

• 調 査 対 象<br />

• 調 査 予 定 時 期<br />

• 調 査 項 目<br />

• 分 析 手 法<br />

アメリカ 心 理 学 会 のPsycINFO 109<br />

110<br />

グループでアイデア 創 出<br />

おおざっぱなテーマから 始 め、 論 点 を 定 めて、 深 める<br />

共 同 研 究 のために<br />

• 新 しいアイデアは、 既 にある 要 素 を 新 しく 組 み 合 わせたもの<br />

• 複 数 の 人 でアイデアを 出 し 合 えば、 新 しいアイデアが 生 まれや<br />

すい。 意 見 の 批 判 をしないルールを 決 めておく<br />

• 適 正 人 数 は5 人 。 円 卓 で 模 造 紙 を 使 ってまとめること<br />

• 口 火 を 切 る 役 ・・ 議 題 に 関 連 したことを 最 初 に 話 題 にしてもらう<br />

• 盛 り 上 げ 役 、まとめ 役 、 専 門 家 としてのコメント 役 がそれぞれ<br />

出 来 るメンバーを 含 めること<br />

• 自 分 は 一 番 知 っているという 態 度 、 昔 やってダメだったから 無<br />

理 といった 発 言 、 新 しい 意 見 を 出 すこともない 人 が 参 加 すると<br />

アイデア 創 出 が 阻 害 されるので 参 加 させないこと。 適 材 適 所 と<br />

いう 視 点 からアイデア 創 出 には 不 向 きと 考 えればよい<br />

111<br />

112<br />

会 議 は 何 でも 言 える 空 気 を 作 る<br />

1. 意 見 ・アイデアの 良 いところをまず 評 価<br />

– どんな 意 見 やアイデアでも、 良 いところは 必 ずあるはず。その 良 い 点 を 見 つけて 評<br />

価 することから 始 める<br />

2. リーダーがあえてくだけた 話 ・ 外 した 話 をする<br />

– 部 下 が 自 由 に 話 しやすい 雰 囲 気 をつくることになる<br />

– 羞 恥 心 や 照 れくささを 取 り 払 うことも、 会 議 の 重 要 なポイント<br />

3. 会 議 で 出 たアイデアをホワイトボードに 書 き 出 す<br />

– これは 記 録 のためだけではない。アイデアを 全 員 で 見 直 して、 無 関 係 なアイデアを<br />

組 み 合 わせたり、 共 通 のキーワードを 見 つけ 出 したりする。こうすることで、 新 たな<br />

発 想 が 生 まれ、 独 創 的 な 企 画 に 発 展 することが 少 なくない。<br />

4. 持 ち 越 し 課 題 、 責 任 ・ 担 当 者 、 期 限 を 明 確 にする<br />

– 時 間 内 に 結 論 に 至 らなかったテーマをそのまま 曖 昧 にしない。そのテーマについて、<br />

When=いつまでに、Who= 誰 が、What= 何 を 調 べるのかを 明 確 に 指 示 して 終 わ<br />

る。<br />

論 文 とは<br />

113<br />

114<br />

19


論 文 とは 何 か<br />

1. 明 確 な 問 いを 提 示 している 「? どうして」がある<br />

2. それに 対 して 以 下 のような 形 で 答 えるものである<br />

「!!! わかった、これだ」という 結 論 がある<br />

• 説 明 的 書 き 物<br />

• 論 証 的 書 き 物<br />

何 か<br />

なぜか<br />

AはBか<br />

CはいかにBとなったか<br />

Zを 生 み 出 すためにどうすべきか<br />

115<br />

科 学 論 文 とは<br />

• 読 者 が 必 要 とする 情 報 のみを、 過 不 足 なく 伝<br />

達 できるように 作 られた 論 文 形 式<br />

• 疑 問 を 一 つも 持 たせないまま、 一 貫 性 を 保 ったまま<br />

論 文 の 最 後 まで 読 者 に 読 まれることが 望 ましい<br />

• 読 者 は 専 門 家<br />

パラダイム( 理 論 枠 組 )とジャーゴン( 専 門 用 語 )<br />

• × ・・・してみよう、・・・であろうか・・である、・・であろう<br />

• ○ ・・・である 断 言 した 表 現 を 心 掛 ける<br />

• 主 役 は、 仮 説 とその 検 証 。データはその 検 証 のため<br />

の 材 料<br />

116<br />

cf. 調 査 報 告 書 の 主 役 は、データである<br />

科 学 論 文 の 種 類<br />

• 研 究 誌 ・・・ 紀 要 (bulletin)、 学 会 誌<br />

原 著 論 文 (original article / original scientific papers)<br />

研 究 報 告 (research and practice / short communications)<br />

資 料 ・ 短 報 (brief report / short report / research note)<br />

予 報 ・ 速 報 (provisional communications, preliminary notes)<br />

展 望 論 文 ・ 総 説 (review article/ subject review articles)<br />

論 壇 (Sounding Board)<br />

解 説 ・ 紹 介 (commentary)<br />

117<br />

学 術 論 文 と 依 頼 論 文<br />

科 学 論 文 の 種 類<br />

• 学 術 論 文<br />

• 複 数 の 専 門 家 が 目 を 通 して「 査 読 」を 経 た 論 文<br />

• 信 頼 性 が 高 い<br />

• 一 定 水 準 の 質 が 保 証 される<br />

• 雑 誌 の 分 類 ・ 位 置 づけや 投 稿 規 定 を 読 んで 判 断 できる<br />

• 依 頼 論 文<br />

• 編 集 部 から 依 頼 された 論 文<br />

• 独 自 性 を 有 する 場 合 がある<br />

• 臨 床 的 な 有 用 性 を 持 つなど<br />

• 信 頼 性 が 高 くない 場 合 がある<br />

118<br />

よい 論 文 とは<br />

何 を 言 おうとしているのかが 一 目 瞭 然<br />

• 統 一 (unity)<br />

主 要 な 問 い( 主 問 )が 全 体 を 貫 いていること<br />

• 連 関 (coherence)<br />

主 要 な 問 いがいくつかの 副 問 に 分 かれていて、 相 互 につながってい<br />

ること<br />

• 展 開 (development)<br />

主 問 、 副 問 に 対 する 答 えが 十 分 に 問 われ、 答 えとしても 十 分 に 言 い<br />

尽 くされていること<br />

• 明 確 性 (clarity)<br />

読 者 が 論 旨 をつかみやすいこと<br />

他 領 域 の 研 究 者 が 使 える 図 式 や 汎 用 性 を 持 っていること<br />

考 える 習 慣 を 身 につけること<br />

• 広 い 分 野 にわたる 基 礎 事 実 や 情 報 を 集 める<br />

• 偶 然 目 にした 現 象 、 情 報 について<br />

大 まかな 話 の 筋<br />

原 理 的 、 本 質 的 、 根 本 的 なものと 関 連 させて 考 え<br />

る 習 慣 を 持 つこと<br />

119<br />

120<br />

20


論 文 の 独 創 性<br />

• 口 頭 発 表 した 研 究 を 論 文 として 発 表 すること<br />

は 許 されている<br />

• 印 刷 公 刊 する 際 の 注 意<br />

一 度 印 刷 公 刊 された 論 文 と 同 じ 内 容 のものを 他<br />

の 学 会 誌 に 投 稿 することは 許 可 されない<br />

実 質 的 に 同 じ 論 文 を 同 時 に2つの 雑 誌 に 投 稿 す<br />

ることは 許 可 されない<br />

研 究 の 要 点 を 予 報 ・ 速 報 として 印 刷 公 刊 した 後 、<br />

詳 細 を 原 著 論 文 として 発 表 することは 認 められる<br />

121<br />

研 究 機 関 名 と 受 理 年 月 日<br />

• 研 究 機 関 名<br />

その 研 究 を 行 った 研 究 機 関 名 を 書 くこと<br />

現 所 属 と 異 なる 場 合 は、 脚 注 として 現 所 属 を 示 す<br />

郵 便 が 届 く 程 度 に 住 所 を 書 く 必 要 がある<br />

• 受 理 年 月 日<br />

原 稿 が 到 着 した 日 付 を 編 集 部 が 記 入 する<br />

査 読 者 のコメントや 著 者 の 発 意 によって 本 質 に 触 れる 改<br />

訂 が 生 じた 場 合 に、 改 訂 稿 の 到 着 した 日 付 を 書 き 加 える<br />

研 究 成 果 が 同 一 の 場 合 に 受 理 年 月 日 によって 優 先 順 位<br />

が 決 まる<br />

122<br />

文 献 ・ 資 料 とは<br />

読 み 方<br />

• 文 献 (literature)とは 研 究 用 の 書 物 や 文 書<br />

基 本 文 献 は 何 度 も 利 用 するので 手 元 に 置 くこと<br />

関 連 文 献 も 集 まっていくので 時 々 整 理 すること<br />

• 資 料 (materials)とは 研 究 用 の 基 礎 材 料<br />

実 験 ・ 調 査 のデータ<br />

一 次 資 料 は、 素 データのこと。<br />

二 次 資 料 は、 資 料 を 基 に 解 釈 が 交 えてあるもの<br />

123<br />

124<br />

重 要 度 による 文 献 の 分 類<br />

1. 読 みたい 文 献<br />

2. 読 まねばならない 文 献<br />

3. チェックしておく 文 献<br />

4. 触 れたくない 文 献<br />

5. まったく 触 れない 文 献<br />

テーマを 決 めていく<br />

• 文 献 ・ 資 料 を 何 か 読 んでいけば「 問 題 意 識 」<br />

が 芽 生 える<br />

広 く 漠 然 としたものから 絞 り 込 まれていく<br />

入 門 書 を 探 して、そこから 読 み 始 める<br />

• 文 献 ・ 資 料 を 読 んでいく 内 にテーマが 変 わっ<br />

ていくこともある<br />

テーマが 変 わる 場 合 は、 何 をきっかけに 変 わった<br />

のかを 把 握 しておくこと<br />

125<br />

126<br />

21


問 題 の 立 て 方<br />

• 未 解 決 なまま 現 在 に 至 った 問 題 に 取 り 組 む<br />

これは「 天 才 」が 解 決 してきた。<br />

• これまで 誰 も 設 定 しなかった 問 題 に 取 り 組 む<br />

これまでの 蓄 積 に 新 しい 考 えが 加 えられることが 研 究 で<br />

は 多 い<br />

他 と 比 較 できるだけの 知 識 を 持 っていることが 前 提<br />

知 識 を 持 つことはつまり、その 領 域 の 構 造 を 把 握 すること<br />

になる。 領 域 の 構 造 把 握 には 入 門 書 ・ 概 説 書 を 読 むこと<br />

専 門 領 域 を 固 定 させないことが 大 切 である<br />

共 通 した 方 法 論 を 掴 むことも 大 切<br />

127<br />

問 題 の 見 つけ 方<br />

• 興 味 ・ 関 心 を 羅 列 する<br />

• 文 献 を 報 告 させること<br />

• 比 較 ( 差 違 )の 前 に 類 似 性 を 掴 むこと<br />

a) 縦 にみる。 背 景 ・ 歴 史 に 目 を 向 けさせる<br />

b) 横 にみる。 他 の 領 域 で 探 す<br />

• 差 違 と 類 似 を 再 度 まとめさせる<br />

• 文 献 に 再 度 あたり、これまで 報 告 されていな<br />

いかを 確 認 する<br />

128<br />

文 献 選 びのステップ<br />

• STEP 1. 目 次 をみる<br />

• STEP 2. 引 用 ・ 参 考 文 献 をみる<br />

• STEP 3. 著 者 の 所 属 ・ 現 職 をみる<br />

• STEP 4. まえがき,あとがきを 読 む<br />

• STEP 5. 斜 め 読 みをする<br />

• STEP 6. 興 味 深 いところを 読 み 込 む<br />

• STEP 7. 入 手 するか 検 討 する<br />

STEP 1. 目 次 をみる<br />

• 目 次 にさっと 目 を 通 す。<br />

• 「どういう 論 旨 なのか」が 適 度 にわかること。<br />

129<br />

130<br />

STEP 2. 引 用 ・ 参 考 文 献 をみる<br />

• 心 理 学 では 反 論 的 に 引 用 されることはあまり<br />

ない<br />

• 引 用 ・ 参 考 文 献 は,その 著 者 の 世 界 観 ・ 世 俗<br />

観 をストレートに 表 しているともいえる<br />

STEP 3. 著 者 の 所 属 ・ 現 職 をみる<br />

• これもSTEP 2.と 同 じこと<br />

• 著 者 がどういう 位 置 にいて,この 本 がどういう<br />

位 置 にあるのかを 確 認 する<br />

• たとえば, 超 難 関 大 学 の 博 士 課 程 を 出 ている<br />

のに 地 方 の 名 もない 私 大 に 行 っていたら,<br />

「 偏 屈 もので, 根 性 は 曲 がっているに 違 いな<br />

い」などと 考 えることもある<br />

131<br />

132<br />

22


STEP 4. まえがき,あとがきを 読 む<br />

• ようやく「 読 み」をする<br />

• 内 容 のすべてを 語 っていることもある<br />

• ここまでの 作 業 は, 文 脈 ( 社 会 状 況 含 む)を 読 むこと<br />

• 著 者 , 学 説 , 学 派 ,テーマ 等 々をも 文 脈 として 理 解<br />

すること<br />

• 「 構 成 」を 読 む 力 をつけること( 目 次 を 読 むのと 繋 が<br />

る)<br />

全 体 の 構 成 と 各 章 の 構 成 など, 入 れ 子 細 工 のように,つ<br />

ながっているところもある<br />

1 章 は 重 要 なこと,そしてなおかつ, 基 本 的 なことが 語 ら<br />

れていることが 多 い。しっかりと 読 んでおくこと<br />

133<br />

STEP 5. 斜 め 読 みをする<br />

• パラパラとめくること<br />

• 興 味 のあるキーワードなんかにはふと 目 がい<br />

くことになる<br />

134<br />

STEP 6. 興 味 深 いところを 読 み 込 む<br />

• 大 事 なところは,しっかりと 読 む<br />

• 興 味 がなければ 読 み 飛 ばす<br />

仕 事 上 の 必 読 書 だったらできない<br />

全 ページめくると,そこそこの 情 報 になるもの<br />

STEP 7. 入 手 するか 検 討 する<br />

• 目 次 を 読 み,まえがき・あとがきを 読 み, 著 者<br />

の 位 置 づけがちゃんとできていれば, 読 み 飛<br />

ばすだけでも 結 構 わかるもの<br />

• あとで 欲 しいと 思 ったときに, 文 献 が 入 手 困<br />

難 になっていることがある<br />

「 買 う」 →( 経 費 で)<br />

「もらう」→( 献 本 で)<br />

「ときどき 買 う」→( 自 腹 で)<br />

「( 複 数 の) 図 書 館 に 希 望 を 出 す」<br />

135<br />

136<br />

参 考 図 書<br />

reference books<br />

• 膨 大 な 情 報 を 収 集 して 整 理 し、 簡 単 に 情 報 が 引 き 出<br />

せるように 編 集 した 書 籍 のこと。 索 引 も 充 実 している<br />

多 領 域 の 分 野 から 一 般 的 な 情 報 を 集 めた 百 科 事 典<br />

概 念 などが 説 明 された 専 門 事 典<br />

日 本 語 や 外 国 語 の 意 味 や 用 法 を 解 説 した 言 語 辞 典<br />

人 物 に 関 する 伝 記 情 報 を 集 めた 人 名 辞 典<br />

現 代 用 語 の 基 礎 知 識 、イミダスなどの 情 報 事 典<br />

省 庁 が 所 定 の 分 野 について 解 説 した 白 書 ( 科 学 技 術 白 書 )<br />

地 図 や 年 表<br />

辞 典 ・ 事 典<br />

• 百 科 事 典 ( 小 学 館 、 平 凡 社 )<br />

• 辞 典<br />

国 語 辞 典 新 明 解 国 語 辞 典 、 大 辞 苑<br />

漢 字 辞 典 大 日 本 語 辞 典 ( 学 研 )<br />

英 語 辞 典 ランダムハウス 英 語 辞 典<br />

137<br />

138<br />

23


コーパス( 資 料 体 )と 収 集<br />

• コーパスとは 資 料 となりうる 範 囲 、 総 量 のこと<br />

研 究 テーマによって、その 規 模 が 変 わる<br />

• 収 集 とは、 資 料 を 古 書 店 などで 入 手 すること<br />

時 間 などの 労 力 、 購 入 のための 財 力 を 要 する<br />

• 集 められた 資 料 は、 類 似 性 、 差 異 性 を 元 に 分<br />

類 していく。 分 類 されたグループを 再 び 類 似<br />

性 や 差 異 性 に 合 わせて 構 造 を 体 系 化 していく<br />

シソーラス(thesaurus)<br />

• 語 句 の 意 味 から 分 類 して、 上 位 語 と 下 位 語 の<br />

関 係 を 記 述 したもの<br />

• 最 近 は、 上 位 語 を 選 ぶと 下 位 語 が 自 動 的 に<br />

検 索 されるようになってきている<br />

• 研 究 テーマにかかわる 用 語 は、 概 念 や 関 連<br />

用 語 を 併 せて 把 握 することが 望 ましい<br />

139<br />

140<br />

最 初 に 全 体 像 を 把 握 すること<br />

仮 説 読 み<br />

• 本 文 を 読 む 前 に<br />

目 次 、まえがき、あとがき、 図 表 、 各 章 のタイトルに 目 を 通 す<br />

• 文 章 の 内 容 が 理 解 しにくい 場 合<br />

段 落 毎 に 要 約 してみる<br />

• 章 タイトルや 要 約 を 知 った 上 で 斜 め 読 みをして 仮 説<br />

を 立 てる<br />

「こんなことを 述 べているのではないか」<br />

「キーポイントはこういうことではないか」<br />

• その 後 仮 説 検 証 しながら 読 んでいく<br />

仮 説 があたっているところは 読 み 飛 ばす<br />

仮 説 と 違 っているところを 丁 寧 に 読 む<br />

141<br />

• 特 に 著 者 の 主 張 の 根 拠 部 分 とその 信 憑 性 と 妥 当 性<br />

大 量 の 文 章 を 読 むとき<br />

• 最 初 から 理 解 しようと 焦 らないこと<br />

• 段 々と 目 がなじんでくるまでボンヤリと 眺 め<br />

て 書 類 全 体 に 目 を 慣 らす<br />

1. 最 初 に 全 体 の 構 造 を 理 解 する<br />

斜 め 読 みをして、 大 きな 枠 組 みを 知 る<br />

2. 細 かい 部 分 を 次 に 理 解 する<br />

メイン 項 目 ( 本 質 部 分 )を 押 さえる<br />

サブ 項 目 は、 読 む 目 的 によって 押 さえる 点 が 変<br />

わる。 無 視 できるところもある<br />

142<br />

情 報 をブロックごとにわける<br />

• 書 かれている 内 容 の 切 れ 目 に 印 を 付 ける<br />

• 情 報 の 切 れ 目 (ブロック)のキーワードを 手 書<br />

きで 書 き 込 む<br />

• 既 に 小 見 出 しがあっても、 自 分 で 小 見 出 しを<br />

つけていく。 自 分 の 言 葉 で 書 く<br />

• 後 で 手 書 きのキーワード 部 分 を 読 むと 全 体 の<br />

構 造 が 把 握 できる<br />

斜 め 読 みのコツ<br />

• 「 読 む」のではなく「 見 る」<br />

十 行 分 を、 一 つの 塊 として 数 秒 見 つめる<br />

大 意 をつかんで 次 に 進 む<br />

• 大 意 をつかむ 要 領 はキーワードを 目 で 捉 えること<br />

論 文 の 場 合 は、 主 語 的 な 立 場 にある 事 柄 や 術 語 を 見 つけ、<br />

次 にそれを 受 けた 言 葉 を 見 つける<br />

小 説 の 場 合 、 登 場 人 物 の 名 前 、その 人 が 何 をしたかという 動<br />

きを 示 す 動 詞 的 部 分<br />

143<br />

144<br />

24


読 書 ノートのすすめ<br />

1. 重 要 と 思 える 箇 所 にアンダーラインをひいたり、 付<br />

箋 を 貼 っていく<br />

2. 複 数 の 文 献 ・ 資 料 を 読 み 終 えたらチェック 箇 所 を<br />

再 度 チェックし、 場 合 によっては 別 の 色 でアンダー<br />

ラインや 付 箋 を 貼 る<br />

3. A4 用 紙 2 枚 程 度 にまとめる。パソコンを 使 って 打 ち<br />

込 んで 読 書 ノートを 作 っていく<br />

• 読 書 ノートは、 読 んだ 中 で 特 に 重 要 と 思 えたエッセ<br />

ンスとなる<br />

• 改 めて、 膨 大 な 資 料 にあたる 手 間 が 省 ける<br />

• 時 として 図 や 表 で 示 すことも 出 来 る<br />

読 むことの 枠 組 み<br />

• どういう 種 類 のこと<br />

• どういう 問 い、テーマは 何 か<br />

• どういう 目 的 を 持 った 話 なのか<br />

• どういう 概 念 が 重 要 か<br />

• どういう 主 張 、 命 題 が、どういう 根 拠 で 提 出 されてい<br />

るのか<br />

• 出 発 点 と 結 論 はどういう 筋 で 結 ばれているのか<br />

• 話 し 手 が 提 案 した 問 いにどれだけ 答 えているのか<br />

145<br />

146<br />

情 報 をまとめるためのフォーマット<br />

• いつ?<br />

• どこで?<br />

• 誰 が( 何 が)?<br />

• 何 をした(する/どうした・どうする)?<br />

• なぜ?<br />

• どのように?<br />

5W1Hを 問 いかけながら 読 む<br />

• 何 (what)が 言 いたいのか<br />

• どうして(why)そういえるのか<br />

• いつから(when)?<br />

• 誰 (who)が 発 信 して、 誰 について 関 係 あること<br />

147<br />

148<br />

目 的 意 識 を 持 ちながら 読 む<br />

• 「なぜそうなるのだろうか」<br />

• 「どうしてそういう 結 論 になるのか」<br />

• 「 結 局 何 が 言 いたいんだろう」<br />

• 「この 領 域 の 以 前 の 研 究 と 何 が 違 うのだろう」<br />

• 「 目 新 しい 方 法 論 が 適 用 されていないのか」<br />

• 情 報 の 収 集 度 合 いとスピードに 大 きな 効 果 を<br />

もたらすことになる<br />

読 みの 目 的 を 定 める<br />

1. 一 定 のメッセージを 把 握 するため<br />

2. 重 要 な 詳 細 を 見 いだすため<br />

3. 特 定 の 疑 問 に 答 えるため<br />

4. 読 んでいることを 評 価 するため<br />

5. 読 んでいることを 適 用 するため<br />

6. 楽 しむため<br />

Fry R., How to Study, Career Press, 2000<br />

149<br />

150<br />

25


どのような「 読 み」をしているか<br />

作 業 を 使 い 分 ける<br />

1. Quick reference reading focuses on seeking<br />

specific information that addresses a particular<br />

question/concern you might have.<br />

2. Critical reading is used to discern ideas and<br />

concepts that requires a through analysis.<br />

3. Aesthetic or pleasure reading is for sheer<br />

entertainment or to appreciate an author's style<br />

and ability.<br />

Fry R. How to Study, Career Press, 2000<br />

読 み 方 の 技 術<br />

art of reading<br />

• 文 字 を 言 葉 として 理 解 するだけでなく<br />

• 言 葉 の 裏 にある 思 想 を 理 解 すること<br />

• 3つの 読 み 方 を 身 につける<br />

1. 分 析 的 読 み<br />

2. 総 合 的 読 み<br />

3. 批 判 的 読 み<br />

151<br />

152<br />

命 題 と 論 議 の 大 きな 筋 を 追 うこと<br />

• これは 表 裏 一 体 の 読 み 方 を 身 につけると 可 能 になる<br />

分 析 的 読 み: 全 体 から 部 分<br />

総 合 的 読 み: 部 分 から 全 体<br />

• 命 題 : 判 断 を 言 語 的 に 表 現 したもの<br />

AはBである<br />

これは 真 実 である<br />

これは 間 違 いなので 答 えられない<br />

• 論 議 :ある 事 柄 について 意 見 を 出 し 合 うこと<br />

AはBである、しかるにBはCであるから、AはCである<br />

153<br />

分 析 的 読 み<br />

本 の 全 体 をつかんで 部 分 と 関 係 づけること<br />

1. 分 類<br />

標 題 、 副 題 、 目 次 、 序 を 素 早 く 概 観 する<br />

どのような 種 類 の 文 献 なのかを 知 る。 領 域 、 理 論 、 実 用<br />

2. 統 一<br />

主 要 トピック、 主 要 なテーマ、 統 一 的 テーマは 何 か<br />

全 体 を 一 つあるいは 複 数 の 文 章 でまとめてみる<br />

何 を 言 おうとしているのか<br />

3. 部 分<br />

それがどういう 部 分 に 分 かれているのか<br />

アウトラインを 知 る<br />

4. 問 題 点<br />

著 者 が 解 こうとする 問 題 ・トピックは 何 か- 中 心 トピック<br />

• 理 論 的 問 題 「なんであるか、どうだったか、なぜか」<br />

• 実 際 的 問 題 「どうしたらよいか」<br />

154<br />

総 合 的 読 み<br />

本 の 各 部 分 について 全 体 構 造 における 位 置 づけを 解 釈<br />

1. 単 語 から 裏 に 隠 されている 概 念 をよむ<br />

ひとつまたはいくつかの 単 語 の 裏 に 隠 されている 概 念 は 何 か<br />

著 者 が 用 いている 単 語 の 概 念 表 現 を 理 解 する<br />

2. 文 章 から 命 題 ・ 判 断 を 発 見 すること<br />

ひとつまたはいくつかの 文 章 の 裏 に 隠 されている 命 題 ・ 判 断 は 何 か<br />

段 落 の 初 めの 方 にトピックセンテンスがあること 多 い<br />

• 命 題 とは「AはBである」と 判 断 を 表 現 するもの<br />

3. 一 連 の 文 章 から 論 議 ・ 推 論 をあてること<br />

重 要 な 文 章 をいくつか 発 見 したら、それらの 結 合 からどのような 論 議 が 構<br />

成 されているかを 明 確 にする<br />

4. 問 題 解 決 の 程 度 を 確 認 する<br />

問 題 が 完 全 に 解 決 したのか、 部 分 的 な 解 決 なのか、 著 者 が 自 覚 している 155<br />

のか、 問 題 解 決 過 程 で 新 しい 問 題 が 見 いだされたのか<br />

批 判 的 読 み<br />

• 「この 点 には 同 意 するが、この 点 には 同 意 できな<br />

い」と 著 者 と 対 話 ・ 討 論 すること<br />

• はっきりとした 理 由 に 基 づいて 反 対 すること<br />

1. 資 料 情 報 の 不 足 、 不 十 分 ではないのか<br />

2. 誤 謬 (ごびゅう) 命 題<br />

事 実 と 違 う 論 点 ( 命 題 )をたててはいないか<br />

• 誤 謬 (fallacy): 一 見 正 しくみえるが 誤 っている 推 理<br />

3. 推 理 の 誤 謬<br />

推 理 ・ 論 議 は 非 論 理 的 ではないか<br />

4. 制 約<br />

意 図 した 計 画 を 全 体 的 にどのくらい 十 分 に 実 現 したか<br />

156<br />

26


批 判 的 読 み 方 (critical reading)<br />

• 自 分 なら、このように 研 究 をするという 視 点<br />

を 念 頭 におき、 少 し 読 んでは 読 むことを 一 度<br />

止 めて、 自 分 ならの 視 点 で 推 測 してみること。<br />

タイトル<br />

問 題<br />

方 法<br />

結 果<br />

考 察<br />

• 論 文 を 読 んで、 著 者 が 見 落 としている 点 、<br />

異 なる 結 論 が 言 えるかもしれない。<br />

157<br />

タイトル<br />

批 判 的 読 み 方 (critical reading)<br />

• 何 を 問 題 として、<br />

• どのような 被 験 者 に、<br />

• どのような 研 究 法 を 使 ったのか 推 測<br />

• 問 題 の 内 容 をより 詳 細 に 推 測<br />

• 引 用 されている 論 文 を 推 測<br />

• どのような 論 理 で 何 が 問 題 とされるのか 読<br />

み 込 む<br />

• 自 分 が 論 文 を 書 くのならどのように 書 くのか<br />

考 える<br />

158<br />

問 題<br />

批 判 的 読 み 方 (critical reading)<br />

問 題 を 読 み、 読 むことをストップ<br />

• タイトルを 読 んだときの 推 測 と 照 合<br />

予 想 した 研 究 が 引 用 されていたか<br />

問 題 の 論 理 は 納 得 できるものだったか<br />

仮 説 や 予 測 は 妥 当 であったか<br />

自 分 が 予 測 した 問 題 の 展 開 と 実 際 の 論 文 の 展<br />

開 の 類 似 点 と 相 違 点<br />

• 書 かれている 問 題 意 識 や 仮 説 をもとに、 自<br />

分 なりに 方 法 を 推 測 して 書 き 出 す。<br />

方 法<br />

批 判 的 読 み 方 (critical reading)<br />

方 法 を 読 み、 読 むことをストップ<br />

• 問 題 を 読 んだときの 推 測 と 照 合<br />

推 測 した 被 験 者 、 手 続 き、 測 度 と 読 んだ 論 文 の<br />

やり 方 と 比 較 。<br />

考 えていなかった 条 件 群 、 分 析 手 法 の 採 用<br />

どちらがなぜ 良 いのかを 書 き 留 めておく。<br />

• この 方 法 で、 得 られる 結 果 の 予 想<br />

仮 説 通 りか、 結 果 はグラフに 描 けるか<br />

被 験 者 数 と 属 性 、 手 続 き、 分 析 法 など 159<br />

160<br />

結 果<br />

批 判 的 読 み 方 (critical reading)<br />

結 果 を 読 み、 読 むことをストップ<br />

• 方 法 を 読 んだときの 推 測 と 照 合<br />

分 析 法 の 一 致 か 否 か<br />

グラフ 表 現 は 推 測 と 実 際 のどちらが 適 切 か<br />

• 結 果 の 中 で、 最 も 重 要 なところはどこか<br />

著 者 が 立 てた 仮 説 や 予 測 と 一 致 していたか 否 か<br />

• 一 致 していた 場 合 、 自 分 ならどのような 結 論 を 出 すか<br />

• 結 果 が 予 測 と 異 なった 場 合 、 不 一 致 の 理 由 をどのように 説 明 す<br />

るか<br />

結 果 からは 何 が 言 えないのか( 研 究 の 限 界 )<br />

考 察<br />

批 判 的 読 み 方 (critical reading)<br />

考 察 を 読 み、 読 むことをストップ<br />

• 結 果 を 読 んだときの 推 測 と 対 比<br />

自 分 が 推 測 した 視 点 とは 異 なる 考 察 がなされて<br />

いるか<br />

自 分 が 指 摘 した 重 要 な 観 点 を 著 者 が 見 落 とし<br />

ていないか<br />

161<br />

162<br />

27


全 体 をみなおす<br />

批 判 的 読 み 方 (critical reading)<br />

論 文 全 体 を 読 み、 振 り 返 る<br />

• この 研 究 をはじめから 発 展 させるとしたら<br />

問 題 と 目 的 、 方 法 、 予 測 される 結 果 をノートにま<br />

とめておく<br />

書 き 方<br />

163<br />

164<br />

締 め 切 りと 量 を 決 める<br />

• 締 め 切 り 日 を 決 めると、それに 合 わせて 作 業 が 進 められる<br />

• 期 限 がないといつまでもダラダラと 作 業 が 続 き、 結 局 完 成 し<br />

ないことがある<br />

• 原 稿 量 も、 決 めておかないとまとまりのない 論 文 となってしま<br />

う<br />

• 論 文 構 成 を 練 る(アウトラインを 決 める)ことに7 割 のエネル<br />

ギー (その 中 には 情 報 収 集 の 時 間 を3 割 程 度 充 て、メインメッ<br />

セージを 作 り、キーライン、サポートとの 関 係 を 同 時 に 考 え<br />

る)を 使 うつもりで 臨 むこと<br />

• 文 章 やプレゼンテーションのメッセージ 作 りには3 割 を 充 てる<br />

書 いては 推 敲 を 積 み 重 ねる<br />

• 1 日 で 執 筆 できる 量 はあまり 多 くない<br />

• 2000-4000 文 字 程 度 、 原 稿 用 紙 にして5-10 枚 程 度<br />

であろう<br />

• 書 いたら、まず 推 敲 すること。<br />

1. 誤 字 ・ 脱 字 の 発 見<br />

2. 句 読 点 の 位 置 ・ 有 無 の 確 認<br />

• 続 きを 書 くときに 読 み 直 して、 改 めて 推 敲 すること<br />

• 書 いたものを「 他 人 の 目 」できびしく 見 直 すこと<br />

この 文 は 正 確 に 言 うと 何 を 意 味 するのか<br />

• 全 体 の3 分 の1 書 けば、 作 業 は3 分 の2 完 了 したと<br />

か 思 えばよい。 途 中 から 書 くスピードが 加 速 する<br />

165<br />

166<br />

読 点 の 原 則<br />

句 点 は 文 の 終 わりを 示 す。のこと<br />

読 点 (とうてん)は、 打 つ 場 所 によって 意 味 が 変 わる<br />

1. 長 い 修 飾 句 が2つ 以 上 続 くときは、その 境 に「、」を<br />

打 つ。<br />

2. 語 順 を 原 則 と 違 って 逆 にした 場 合 は、 間 に「、」を 打<br />

つ。<br />

泥 まみれになって 逃 げ 回 る 坊 やを 母 親 が 追 いかけてい<br />

る。<br />

• 母 親 が 泥 まみれになって、 逃 げ 回 る 坊 やを 追 いかけている<br />

• 母 親 が、 泥 まみれになって 逃 げ 回 る 坊 やを 追 いかけている<br />

3. 筆 者 の 気 持 ちに 従 って 自 由 に( 勝 手 ではない) 打 つ<br />

句 点 。 ※ 論 文 では 不 適 切 であろう<br />

4. 音 読 をしてみて 息 が 続 かないほど 長 い 文 章 になっ<br />

ていたら「、」を 一 つ 入 れる。<br />

167<br />

セミコロン(;)とコロン(:)<br />

• 元 来 日 本 語 にはない 使 い 方 であった<br />

• セミコロン(;)<br />

句 点 よりも 強 く 区 切 りをつけたい 時 に 使 う。<br />

並 列 的 な 区 切 り<br />

• コロン(:)<br />

「すなわち」という 意 味<br />

文 中 での 区 切 りの 記 号 ( 句 点 よりも 強 く、セミコロンよりも<br />

弱 い)として 用 いる<br />

これまで 記 述 したことの 詳 細 、 要 約 、 説 明 であることを 示<br />

す 役 割 を 持 つ<br />

図 の 下 に 説 明 を 記 入 するときにも 使 用 できる<br />

168<br />

28


なかぐろ・なかてん(・)とダッシュ(-)<br />

• なかぐろ・なかてん(・)<br />

並 列 、 平 欠 連 結 を 表 す 記 号<br />

英 語 等 を 仮 名 書 きする 場 合 に 語 の 切 れ 目 を 示 す<br />

• ダッシュ(-)<br />

形 式 ばる 必 要 がない 場 合 にコロンや 括 弧 の 代 わ<br />

りに 使 用 する<br />

挿 入 節 ( 句 、 語 )を2つのダッシュで 挟 んで 使 う<br />

169<br />

リーダー(…)と 括 弧<br />

• リーダー(…)<br />

以 下 同 じものが 続 くが 省 略 する 場 合 や 以 下 省 略 を 表 す 記 号<br />

• 括 弧<br />

丸 括 弧 ・パーレーン(parenthesis):()、()<br />

角 括 弧 ・ブラケット :[]<br />

ブレース:{}<br />

カギ 括 弧 :「」 会 話 や 文 章 の 引 用 ・ 一 つの 考 えや 観 念 を 際 だたせる<br />

二 重 カギ 括 弧 :『』 書 名 の 引 用 、カギ 括 弧 の 中 のさらにカギ 括 弧<br />

ギュメ:〈〉 「いわゆる」といいたい 時 、 言 葉 を 特 別 な 用 法 で 使 う 時 、そ<br />

の 言 葉 に 特 に 注 意 をひきたい 時 、 数 学 の 記 号 では 平 均 値 を 表 す 時<br />

クオーテーションマーク:‘’、‘’、“”<br />

その 他 の 括 弧 :【】 、[]、〔〕、《》、〝〟<br />

170<br />

漢 字 と 仮 名 の 使 い 分 けの 原 則<br />

1. 漢 字 を 用 いるか、 平 仮 名 にするか、しっかり<br />

と 判 断 する。 何 となく 漢 字 や 平 仮 名 にするの<br />

では 困 る。<br />

自 分 達 は 自 分 たち たちの 漢 字 「 達 」は 重 い<br />

5 時 頃 は5 時 ころ 頃 は 常 用 漢 字 でない<br />

1 時 迄 は1 時 まで 迄 は 常 用 漢 字 でない<br />

2. 名 詞 、 動 詞 、 形 容 詞 の 語 幹 は、なるべく 漢<br />

字 を 使 う<br />

「はじめ」と「ほか」<br />

• 複 数 の 執 筆 者 について 記 述 する 際 の 注 意<br />

• はじめ<br />

– 文 字 の 前 にある 人 を 含 む<br />

• 長 谷 川 はじめ3 名<br />

– 長 谷 川 を 含 んだ 意 味 になり 合 計 3 名<br />

• ほか<br />

– 文 字 の 前 にある 人 を 含 まない<br />

• 長 谷 川 ほか3 名<br />

– 長 谷 川 を 除 いて3 名 いるので 合 計 4 名 になる<br />

171<br />

172<br />

文 章 を 削 るポイント<br />

• 代 名 詞 (この、その、あの)が 多 用 されていな<br />

いか<br />

• 「ほぼ」、「 約 」、「ほど」、「ぐらい」、「たぶん」、<br />

「ような」、「らしい」といったぼかし 言 葉 を 削 る<br />

• 同 じ 単 語 が、その 単 語 の 直 前 にある 文 章 に<br />

書 いてあって 重 複 していないか<br />

• 同 じ 内 容 の 表 現 が 重 複 してないか<br />

「バラの 花 のように 美 しい 人 」 式 の 過 剰 な「 飾 り」<br />

がないか<br />

文 章 の 基 本 構 成 単 位 は150 字<br />

• 新 聞 のベタ 記 事 の 分 量 が150 字 である<br />

• 意 味 あるメッセージを 伝 達 するには 最 低 限 の<br />

量 と 考 えられる<br />

• 段 落 の 区 切 れなしに 続 くひとまとまりのメッ<br />

セージ<br />

• 長 文 は、150 字 をどのように 組 み 合 わせるの<br />

かという 論 理 構 成 次 第 となる<br />

• 一 つの 文 は40-50 文 字 程 度 まで<br />

173<br />

174<br />

29


執 筆 にあたって<br />

• 正 確 さ<br />

• 明 瞭 性<br />

• 簡 潔 性<br />

• わかりやすさ<br />

• 論 理 性<br />

論 旨 (アウトライン)の 立 て 方<br />

方 法 1: 話 の 筋 道 を 明 確 にする<br />

thesis( 論 題 , 陳 述 , 論 旨 , 論 点 , 主 張 )を 決 める<br />

書 く 目 的 とそこから 主 張 したいことをひとつの 文 にする<br />

• 途 中 で 見 直 してthesisが 修 正 されることがある<br />

方 法 2: 考 えを 羅 列 する<br />

言 いたいポイントをリストアップする<br />

ポイント 同 士 の 関 連 を 構 造 化 する<br />

論 文 を 構 造 的 に 組 み 立 てる・ 構 成 を 考 える<br />

段 落 の 順 番 を 入 れ 替 える・ 組 み 込 む<br />

• 幹 線 (メイントラック)<br />

論 文 を 書 こうと 思 った 問 題 意 識<br />

主 問 (major questions)<br />

• 横 道 (サイドトラック)<br />

副 問 (minor questions)<br />

副 問 に 答 えていく 内 に、 主 問 への 答 えが 末 尾 で 結 ばれる<br />

175<br />

176<br />

論 文 の 構 想 の 深 め 方<br />

1. 序 論 10%<br />

• 興 味 を 持 ってもらって、 正 当 性 を 裏 付 けて、 予 告 を 記 す<br />

• 問 題 意 識 がしっかりある。 仮 説 が 立 てられている<br />

2. 本 論 80% 程 度<br />

• 小 さな 問 いと 回 答 に 分 割 する。 並 列 と 連 結 の 構 成<br />

• コーパス( 資 料 体 )が 適 切 に 分 類 されている<br />

3. 結 論 10% 程 度<br />

• 小 さな 回 答 を 統 合 する。<br />

• 問 題 意 識 と 対 応 した 回 答 となっている<br />

• 図 式 化 ・ 汎 用 性 ができるくらい 明 解 である<br />

177<br />

論 旨 (アウトライン)を 発 展 させる<br />

論 文 を 読 んでいく 内 にアウトラインが 固 まっていく<br />

アウトラインを 必 ず 書 き 出 す。 書 かないのは 禁 じ 手<br />

1. 萌 芽 的 アウトライン(seminal outline)<br />

トピック 細 分 の 段 階<br />

2. 暫 定 的 アウトライン<br />

仮 読 み<br />

本 読 み<br />

資 料 集 め<br />

資 料 批 判<br />

3. 最 終 的 アウトライン<br />

178<br />

論 旨 (アウトライン)の 構 成<br />

段 落 間 のつながり<br />

• 章 1.<br />

– 主 1.1.<br />

• 副 1.1.1. or 1.1.a.<br />

– 従<br />

» 属<br />

» 下<br />

•○ 付 き 数 字 は 機 種 依 存 文 字<br />

• 列 挙 の 場 合 には“1)”や“ア)”のような 片 カッコ<br />

をつけて 表 現 することが 望 ましい<br />

• 数 字 の 表 現 は、カッコなし> 両 カッコ> 片 カッ<br />

コの 順 でレベルが 下 がっていくことが 一 般 的 な<br />

使 い 方<br />

•レベル 別 の 表 現 を 自 分 なりに 統 一<br />

• 通 常 の 文 書 では、アラビア 数 字 を 主 とする。<br />

•ローマ 数 字 の 使 用 や 変 わったカッコの 使 用 は<br />

控 える。<br />

179<br />

• 前 の 段 落 と 別 の 側 面 を 扱 う 場 合<br />

ところで<br />

• 同 格 の 議 論 を 展 開 する 場 合<br />

まず 第 1に、 続 いて 第 2に<br />

さらに<br />

他 方<br />

要 するに<br />

例 えば<br />

この 間<br />

同 様 に<br />

この 結 果<br />

180<br />

30


論 旨 (アウトライン)の 形 態<br />

• 事 項 見 出 しアウトライン・トピックアウトライン<br />

重 要 な 軸 を 並 べただけのアウトラインのこと<br />

• センテンスアウトライン<br />

各 項 目 を 細 かい 文 章 にしたアウトラインのこと<br />

英 語 に 訳 しながら 文 章 を 書 く<br />

• 日 本 語 は 文 の 構 造 が 曖 昧 である。<br />

• 論 理 構 造 が 厳 密 な 言 語 である 英 語 で 書 くこと<br />

を 念 頭 において 文 章 を 書 く<br />

• 途 中 で 英 語 で 訳 すとどうなるのかと 考 えて 文<br />

章 を 書 いていく<br />

• すると、 論 理 的 構 造 がしっかりした 文 章 となる<br />

181<br />

182<br />

• 事 実 は 真 偽 のみ<br />

• 事 実 の 記 述<br />

事 実 と 意 見 の 区 別<br />

仮 説 と 理 論 、 法 則 の 違 い<br />

事 実 は 真 偽 のみ<br />

仮 説 と 理 論 、 法 則 の 違 い<br />

• 客 観 的 に 真 偽 を 確 認 できるもの<br />

自 然 に 起 こる 現 象 や 自 然 法 則<br />

人 間 の 関 与 した 事 象 ( 某 年 某 地 にて 出 生 )<br />

• 意 見 は 複 数 の 評 価 が 存 在 する<br />

• 意 見 の 記 述<br />

183<br />

184<br />

事 実 の 記 述<br />

• 記 述 すべき 事 実 を 吟 味 して 書 くこと<br />

• 曖 昧 な 表 現 にしないで 明 確 に 記 述 すること<br />

• できるだけ 名 詞 と 動 詞 で 記 述 すること<br />

• 主 観 に 依 存 する 修 飾 語 を 排 除 すること<br />

「 便 利 な」「すぐれた」という 修 飾 語 ( 句 )は 意 見<br />

意 見 は 複 数 の 評 価 が 存 在 する<br />

仮 説 と 理 論 、 法 則 の 違 い<br />

• 推 論 (inference): 前 提 に 基 づく 推 理 の 結 論 、 中 間 的 な 結 論<br />

• 判 断 (judgment):あり 方 、 内 容 、 価 値 を 見 極 めてまとめた 考 え<br />

• 意 見 (opinion): 上 記 の 意 味 での 推 論 や 判 断 ; 自 分 なりに 考 え、 感 じて 到 達<br />

した 結 論 の 総 称<br />

• 確 信 (conviction): 自 分 では 疑 問 の 余 地 がないと 思 っている 意 見<br />

• 仮 説 (hypothesis): 真 偽 は 不 明 だが 仮 に 打 ち 出 した 考 えのこと<br />

evidence( 証 拠 ・ 根 拠 ) < proof( 疑 問 の 余 地 のない 決 定 的 な 証 拠 )<br />

• 理 論 (theory): 仮 説 を 吟 味 して 証 拠 などを 示 して 支 持 すれば 理 論 になる。<br />

しかしながら 全 ての 人 が 容 認 させるには 至 らない 仮 説 のこと<br />

法 則 (low)は、 全 ての 人 が 容 認 せざるを 得 ないほど 十 分 な 根 拠 のある 理 論 の<br />

こと( 法 則 は 事 実 に 含 まれる)<br />

185<br />

186<br />

31


意 見 の 記 述<br />

• 断 定 形 で 記 述 すること<br />

• 私 は<br />

考 える<br />

想 定 する<br />

推 論 する<br />

思 う<br />

感 じる<br />

• 私 ( 頭 )をつけて 足 (と 考 えるなど)を 忘 れないこと<br />

上 記 を 記 載 しないで 中 身 のみ 記 述 した 場 合 に、 読 み 手 に 事 実 と 混 同<br />

される 場 合 がある<br />

例 外 的 に 意 見 の 核 となることばが 主 観 に 依 存 する 修 飾 語 ( 最 良 の、う<br />

まい、 青 っぽい)である 場 合 は、 頭 と 足 を 省 略 することが 許 される<br />

それ 以 外 は 省 略 してはいけない<br />

187<br />

1. 文 は 短 く、<br />

意 味 のまとまり 毎 に、 句 読 点 (、。)<br />

• 意 味 のまとまりごとに、スムーズに「 音 読 」で<br />

きる 長 さが 基 本<br />

• 1つの 文 章 は、できるだけ 短 く 簡 潔 に<br />

何 が 主 語 かを 意 識 して 書 くこと<br />

• 主 語 と 述 語 を 一 致 させた 文 章 を 書 くこと<br />

1つの 主 張 を 書 くこと<br />

1つの 事 実 のみにすること<br />

受 動 態 で 書 かないこと<br />

二 重 否 定 で 書 かないこと<br />

188<br />

2. 接 続 詞 の 使 用 を 控 えると 歯 切 れ 良 い<br />

• 接 続 詞 「さらに、そして、また・・・」の 使 用 は、<br />

できるだけ 避 ける<br />

• 接 続 詞 は、「ひらがな」で 書 いておくと 読 みや<br />

すくなる。<br />

• 特 に 英 語 では、 接 続 詞 の 多 用 は 嫌 われる<br />

3. 日 本 語 では 主 語 に 注 意<br />

• 主 語 が 人 間 の 場 合 は、「 主 語 」が 無 くても 良 い<br />

• 人 間 以 外 のものである 場 合 は、 意 味 が 通 じな<br />

くなることが 多 いので、 要 注 意<br />

• 一 般 に、 日 本 語 では「 主 語 」をあまり 用 いない<br />

189<br />

190<br />

4. 修 飾 語 - 被 修 飾 語 という 配 列<br />

• 基 本 は、 文 法 に 則 した 配 列<br />

修 飾 語 - 被 修 飾 語 の 順 序<br />

• 修 飾 語 ( 句 )を 置 く 位 置 は、 修 飾 すべき 語 に 密 接 させ<br />

ること<br />

• 用 言 ( 単 独 で 述 語 となりうるもの- 動 詞 、 形 容 詞 、 形<br />

容 動 詞 など 事 物 の 動 作 、 存 在 、 性 質 、 状 態 を 記 述 し<br />

て)を 修 飾 する 連 用 修 飾 語 ( 英 語 でいう「 目 的 語 」や<br />

「 補 語 」に 相 当 する 語 句 )は、どのように 並 べても 意<br />

味 は 通 じる<br />

• 体 言 ( 主 語 となりうるもので、 名 詞 や 代 名 詞 といった<br />

活 用 がないもの)を 修 飾 する 連 体 修 飾 語<br />

191<br />

• はじめに<br />

論 文 の 構 成 - 典 型 例<br />

理 解 を 促 す 構 成 が 望 ましい<br />

– 問 題 、 研 究 背 景 、 研 究<br />

の 意 義 、 必 要 性 、 目 的<br />

• 主 部<br />

– 方 法<br />

• 再 現 できるよう 丁 寧 に 事<br />

実 を 正 確 に 記 述 する<br />

– 結 果<br />

• 事 実 を 整 理 して 簡 潔 に 記<br />

述 する<br />

– 考 察<br />

• 結 果 に 基 づいて 導 かれた<br />

ことを 記 述 する<br />

• まとめ<br />

• 主 張 したいことを 要 約<br />

• 研 究 で 明 らかになったこ<br />

とと、 残 された 課 題 を 記<br />

述 する<br />

• 謝 辞<br />

• 原 稿 へのコメントをもらっ<br />

た 指 導 者 、 協 力 者 などへ<br />

の 謝 辞 を 述 べる。 社 交 辞<br />

令 での 列 記 は 避 けること<br />

• 文 献<br />

192<br />

32


タイトル(title)<br />

執 筆 にあたって<br />

• 主 題 (キーワード)、 心 理 的 事 象 、 説 明 理 論<br />

• 調 査 対 象<br />

• 方 法<br />

• 独 立 変 数 、 従 属 変 数<br />

タイトルから 推 測 できるように<br />

場 合 によっては 副 題 を 付 けてもよい<br />

193<br />

研 究 目 的 の 背 景<br />

研 究 への 心 意 気<br />

• 研 究 目 的 の 上 位 の 目 的 を 持 って 論 文 執 筆 に 臨 む<br />

– 形 式 的 な「 目 的 」ではない<br />

• 研 究 を 思 い 立 った「 志 」を 表 現 する<br />

• どんな 意 図 を 持 って 取 り 組 んでいるのか<br />

– 感 じたこと<br />

– 考 えたこと<br />

– 抱 いた 疑 問<br />

– 問 題 点<br />

• なぜ、この 論 文 を 認 (したた)めたのか、 目 的 の 部 分<br />

に 理 由 の 付 け 足 しをして 欲 しい<br />

194<br />

問 題 (introduction)<br />

執 筆 にあたって<br />

1. 先 行 研 究 がどこまで 明 らかになっているか<br />

2. 先 行 研 究 では、 何 が 不 足 しているか<br />

– 全 ての 研 究 には、 実 行 可 能 性 としてみると、 必 ず 限 界 がある。<br />

• その 限 界 を 課 題 として 整 理 してこれから 実 施 する 研 究 に 取 り 込 む<br />

3. 本 研 究 がどのような 意 義 があるのか、またどのような 研 究<br />

成 果 が 期 待 できるのか<br />

直 接 関 係 のある 論 文 ( 学 術 論 文 や 単 行 著 )をやや 詳 しく 紹 介 しながら。 学 会<br />

発 表 、 調 査 報 告 書 、ホームページは 原 則 照 会 不 可<br />

4. 理 論 、 定 義 をした 上 での 研 究 の 位 置 づけ<br />

モデルを 作 る 段 階 での 仮 定 、 理 論 展 開 で 追 加 した 仮 定<br />

5. 研 究 の 目 的<br />

6. 予 測 や 仮 説 について 根 拠 を 示 しながら 書 く<br />

• 命 題 化 されて 明 示 的 な 仮 説 (explicit hypothesis)が 望 ましい<br />

先 行 研 究 のまとめ 方<br />

• 時 系 列 でまとめること<br />

– 基 本 文 献 や 必 読 文 献 について 記 述 する<br />

• これから 着 手 する 研 究 に 最 も 近 い 研 究 について 詳 し<br />

く 触 れること<br />

– これまでの 研 究 成 果 について 記 述 すること<br />

– 何 故 これを 取 り 上 げるのか、どんな 貢 献 をするのか 記 述<br />

– 未 着 手 の 研 究 課 題 について 記 述 すること<br />

– どんな 対 象 にどんなやり 方 で 明 らかにして 考 察 していくの<br />

か 記 述 すること。 研 究 目 的 を 書 くこと<br />

• 展 望 論 文 では、 当 該 領 域 に 関 する 全 ての 文 献 を 網<br />

羅 するつもりでまとめること<br />

調 べたことをすべて 書 くのではなく、 簡 潔 に 要 領 よく 195<br />

196<br />

方 法 (method)<br />

執 筆 にあたって<br />

• 過 去 形 で 記 載<br />

• 能 動 態 で 書 くことが 望 ましい( 前 は 受 動 態 )<br />

1. 被 験 者 : 属 性 、 性 別 、 人 数 、 年 齢 ( 平 均 と 年 齢 範 囲 )<br />

2. 実 験 ( 調 査 ) 時 期 と 場 所<br />

3. 装 置 ・ 材 料 ・ 課 題 : 機 器 のメーカー、 型 番 、 刺 激 材<br />

料 、 教 示 した 課 題<br />

用 いた 教 示 はすべて 書 く( 長 い 場 合 は、 附 録 に)<br />

4. 手 続 き: 測 定 ・ 分 析 方 法<br />

197<br />

結 果 (results,findings)<br />

執 筆 にあたって<br />

• 過 去 形 で 記 載<br />

• 主 観 や 解 釈 を 交 えず、 事 実 を 明 確 に 書 く<br />

• 図 表 を 用 いても 良 い<br />

表 線 はなるべく 少 なく、 横 線 のみにする。<br />

小 数 点 の 位 置 と 桁 数 をそろえること<br />

• 測 度 の 算 出 法 、 測 定 単 位<br />

• 小 数 点 以 下 の 有 効 数 字 を 統 一<br />

表 の 中 の 値 がすべて1 以 下 の 場 合 は .52と0をつけない<br />

• 検 定 (eg1.t (24) =4.36 p


考 察 (discussion)<br />

執 筆 にあたって<br />

• 現 在 形 で 記 載<br />

1. 簡 単 に 結 果 をまとめる<br />

2. 著 者 の 解 釈 、 先 行 研 究 との 比 較 、 研 究 の 限 界 、 残<br />

された 課 題 を 論 じる<br />

• 妥 当 性 - 先 行 研 究 と 照 合<br />

一 致 点 と 不 一 致 点 を 述 べ、その 要 因 を 推 測<br />

• 限 界 性 - 一 般 性 の 限 定<br />

仮 説 と 照 合 し、 明 らかになった 点 、 不 明 な 点 を 分 ける<br />

• 可 能 性 - 今 後 の 研 究 展 開<br />

引 用 (quotation)<br />

• 意 義<br />

説 明 や 解 釈 の 際 、 読 者 の 理 解 効 果 を 高 めたり 説 得 力 を 増 すため<br />

• 留 意 点<br />

短 く、 少 なくする。100 字 程 度<br />

長 い 引 用 は 本 文 から 取 り 出 す<br />

自 分 が 書 く 文 章 の2 割 程 度 までにとどめること<br />

総 説 では、 多 くの 関 係 のある 論 文 を 網 羅 する 必 要 がある<br />

原 著 論 文 では、 直 接 関 係 のある 論 文 のみでよい<br />

私 信 は 避 ける。やむを 得 ない 場 合 は、 許 可 をもらうこと<br />

非 公 刊 資 料 は 引 用 に 用 いないこと<br />

• 先 行 研 究 から 結 論 や 要 旨 、 数 式 、データなどは 公 刊 されたも<br />

のである 限 り 出 所 を 明 記 すれば 引 用 が 自 由 である<br />

• 図 面 や 写 真 の 場 合 は、 著 作 権 者 に 許 可 を 得 ること。<br />

依 頼 状 を 書 いて 書 面 で 返 事 をもらうことが 望 ましい<br />

残 された 課 題 、 改 善 点 、 研 究 の 方 向 性<br />

199<br />

200<br />

personal communication<br />

私 信<br />

• 文 献 は、 刊 行 資 料 を 用 いるのが 基 本 原 則<br />

• 特 別 な 事 情 として「 私 信 」を 用 いることがある<br />

– 電 子 メール・ 手 紙<br />

– 学 会 発 表<br />

• 座 長 、 助 言 者 フロアからのコメント<br />

Web 情 報 ・ 新 聞 の 引 用<br />

• 学 術 的 な 資 料 とは 成 り 得 ない<br />

• 手 元 の 資 料 として 保 存 しておくこと<br />

• 下 記 の 項 目 を 明 記 すること<br />

• Web 情 報<br />

– 年 月 日<br />

– アドレス<br />

• 新 聞<br />

– 年 月 日<br />

– 発 行 地 域 ( 例 : 東 海 版 )<br />

201<br />

202<br />

索 引<br />

• 著 書 には 索 引 をつけることが 望 ましい<br />

事 項 索 引<br />

人 名 索 引<br />

書 名 索 引<br />

• 索 引 がない 場 合 は<br />

目 次 を 詳 しくする<br />

巻 末 に 文 献 目 録 をつける<br />

• なお 論 文 には 索 引 を 付 けない<br />

謝 辞<br />

• 指 導 あるいは 援 助 に 対 する 感 謝 の 言 葉<br />

• 感 謝 する 内 容 を 明 記<br />

指 導 面 、 資 金 面 、アイデア 面 など<br />

• 名 前 を 挙 げられる 人 に 了 解 を 得 ること<br />

名 前 があると 責 任 を 伴 うため<br />

• 科 学 研 究 費 では、 発 表 の 謝 辞 に 明 記 する 必<br />

要 がある<br />

203<br />

204<br />

34


要 約 ・ 抄 録<br />

• 論 文 の 内 容 と 結 論 を 簡 潔 に 書 き、 論 文 内 の 新 しい 知 見<br />

に 言 及 するように 努 める 必 要 がある。<br />

理 論 、 実 験 、 定 性 的 、 定 量 的 といった 側 面 がわかるように<br />

実 験 や 計 算 の 具 体 的 な 方 法 と 結 果 を 記 述 すること<br />

• 同 じ 分 野 の 専 門 家 は、 論 文 を 吟 味 する 前 の 材 料 にする<br />

• 関 連 分 野 の 専 門 家 は、 要 領 を 得 るために 読 む<br />

• 抄 録 雑 誌 は、 情 報 提 供 サービスをそのまま 転 載 する 場<br />

合 がある<br />

図 ・ 表<br />

• 図 と 表 には 番 号 を 付 ける<br />

図 にはアラビア 数 字 が 多 い<br />

表 にはローマ 数 字 が 多 い<br />

投 稿 先 の 規 定 に 従 うこと<br />

• 説 明 (caption,legend)を 書 くこと<br />

本 文 を 読 まなくても 理 解 できるように 書 く<br />

図 では、 図 の 下 に 書 くのが 原 則<br />

表 では、 表 の 上 に 書 くのが 原 則<br />

205<br />

206<br />

文 献 表 (bibliography)<br />

論 文 の 点 検<br />

• 単 語 や 言 い 回 し<br />

「ほぼ」、「ぐらい」、「らしい」 等 と 書 くことが 必 要 か 否 かを 吟 味<br />

能 動 態 でできるだけ 書 いてあるか<br />

• 難 解 でないか<br />

• 形 容 詞 が 不 必 要 であったり 先 入 観 を 示 さないか<br />

• 動 詞 は、 正 確 、 適 当 か<br />

• 文 の 途 中 で 主 語 が 変 わっていないか<br />

• 代 名 詞 は、 何 を 指 しているか 明 確 か<br />

• 文 章 が 長 すぎないか・ 削 れるところはないか<br />

• 段 落 の 位 置 、 切 り 方 は 適 当 か・ 表 題 、 節 の 分 け 方 、 節 名<br />

• 研 究 指 導 者 や 先 輩 知 人 に 点 検 を 依 頼 できるとよい<br />

引 っかかった 読 みにくい 箇 所 、 冗 長 と 感 じた 箇 所 を 指 摘 してもらう<br />

• 点 検 を 依 頼 できない 場 合 は1ヶ 月 ほど 寝 かすとよい<br />

207<br />

208<br />

文 献 ・ 資 料 を 外 す 勇 気 を<br />

Personal Communication= 私 信 と 新 聞 記 事 ・WEB<br />

• 論 文 を 書 いていく 中 で 論 理 展 開 が 行 き 詰 まることが<br />

ある<br />

• そんな 場 合 は、 次 の「 研 究 の 種 」としてせっかく 集 め<br />

た 文 献 ・ 資 料 であるが 書 いている 論 文 から 外 すこと<br />

• Personal Communication= 私 信 は 特 別 な 事 情 の<br />

場 合 のみ<br />

• 手 紙 、 電 子 メール<br />

• 座 長 、 助 言 者 、フロアーからのコメント<br />

• 新 聞 記 事 ・WEBは 学 術 資 料 ではない<br />

• やむを 得 ず 引 用 する 場 合 は<br />

• WEB 情 報 は、 年 月 日 とアドレス<br />

• 新 聞 は、 年 月 日 と 発 刊 地 域<br />

209<br />

様 式 まとめ( 横 書 き)<br />

用 件 を 伝 える 手 紙 の 定 型<br />

年 月 日<br />

肩 書 ( 所 属 機 関 ・ 職 名 )<br />

受 信 人 の 氏 名 ( 欧 米 では 受 信 人 の 住 所 を 脇 に 書 く)<br />

• 本 文 ( 確 認 しておきたい 項 目 )<br />

演 題 題 目 ・ 割 り 当 て 時 間 ・ 日 時 ・ 場 所<br />

講 演 目 的 ・ 対 象 ( 参 加 者 )の 人 数<br />

プロジェクター、OHP、 白 板 など 機 器 が 使 用 可 能<br />

資 料 準 備 の 期 限 ・ 当 日 の 担 当 者<br />

発 信 人 氏 名<br />

肩 書 ( 所 属 機 関 ・ 職 名 )<br />

210<br />

発 信 人 の 住 所<br />

35


学 会 とは<br />

専 門 家 と 議 論 したり 研 究 成 果 を 広 報 する 場 所<br />

学 会<br />

• 学 会 という 言 葉 には、<br />

– 学 術 団 体 と 学 会 発 表 の 意 味 がある<br />

• 参 加 ・ 入 会 しての 利 点<br />

– 検 証 結 果 の 正 しさを 議 論 できる<br />

– 検 証 方 法 の 妥 当 性 について 検 討 できる<br />

– 検 証 内 容 を 周 知 させることができる<br />

– 最 近 の 研 究 動 向 をしる・ 他 の 研 究 成 果 を 知 る<br />

211<br />

212<br />

学 会 発 表 の 仕 方<br />

年 に1、2 回 開 催 される<br />

• ポスター 発 表<br />

– 掲 示 板 にポスターを 貼 って、 一 定 の 時 間 在 籍 して<br />

、 研 究 を 説 明 する。1 対 1なので 深 い 議 論 も 可 能<br />

である。 不 在 の 時 のために、 見 るだけでもわかる<br />

ようなポスターの 制 作 が 大 切 になる。<br />

• 口 頭 発 表<br />

– 講 義 形 式 で 多 人 数 に 向 けて 説 明 する。 時 間 制 限<br />

の 中 で 要 点 を 押 さえた 説 明 が 求 められる。 多 くの<br />

人 に 知 ってもらう 機 会 になる。<br />

口 頭 発 表 ・ 講 演 ・ 講 義<br />

213 214<br />

スピーチの 基 本 構 成<br />

1 分 の 短 いスピーチでも、1 時 間 の 講 演 でも 基 本 は 同 じ<br />

1. オープニング<br />

– 30 秒 程 度 の「オープニング」<br />

2. 本 論<br />

3. クロージング<br />

– 15 秒 程 度 の「クロージング」<br />

スピーチへ 臨 むに 当 たって<br />

1. 「 目 的 」を 把 握 すること<br />

2. 「 目 的 」と「テーマ」を 区 別 しておくこと<br />

3. 「 相 手 」のことを 把 握 すること<br />

– 聞 き 手 のポジション<br />

– 聞 き 手 の 人 数<br />

– 聞 き 手 が 好 意 的 かどうか<br />

相 手 を 把 握 することはオープニングに 役 立 つ<br />

215<br />

216<br />

36


1. 挨 拶<br />

2. 名 乗 り<br />

オープニングの 基 本 構 成<br />

3. アイスブレイク<br />

– 新 聞 などの 小 道 具 を 手 にして、パッと 見 せるだけで<br />

– 質 問 をする「 今 朝 の○○ 新 聞 をご 覧 になりましたか?」<br />

– 聴 衆 の1 人 に 声 をかける<br />

– 確 認 のひと 言 から 入 る<br />

– 感 謝 の 言 葉 から 入 る<br />

– 今 日 のネタから 入 る<br />

– 相 手 の 気 持 ちから 入 る<br />

– 相 手 の「いいところ」「もっと 伸 ばせるところ」から 入 る<br />

– 自 信 があればジョークから 入 る<br />

4. 自 己 紹 介<br />

5. 予 告<br />

講 義 の 進 め 方 のポイント<br />

• 聴 衆 の 気 持 ちを 惹 きつける「ネタ」を 用 意 する<br />

• 4 択 の 問 題 形 式 で 考 えさせる<br />

• 衝 撃 的 な 写 真 を 見 せる<br />

• 軽 い 景 品 を 用 意 する<br />

• 紙 芝 居 のようにパワーポイントを 使 う<br />

• 聴 衆 に 問 いかけながら 進 める<br />

• 問 題 を 出 したあとに 近 くの 学 生 と 相 談 させる<br />

• 書 かせる<br />

• 聴 衆 の 常 識 をくつがえす 情 報 を 用 意 する<br />

• できるだけ 質 問 をだして 挙 手 をさせる<br />

217 218<br />

プレゼンを 成 功 させるための3つの 技 能<br />

+ 気 持 ちを 込 めること<br />

1. 資 料 作 成<br />

頭 の 中 にある 情 報 を 論 理 的 に 整 理 し「 文 書 」で 表 現 すること<br />

報 告 書 やメールで 自 分 の 伝 えたい 事 柄 を 論 理 的 に 説 明 できること<br />

基 盤 となる 技 能<br />

2. パワーポイントの 作 成<br />

パワーポイントが 使 えること<br />

図 形 表 現 の 能 力<br />

3. 発 表<br />

完 成 したプレゼン 資 料 を 人 前 で 発 表 できること<br />

開 き 直 って 堂 々と 発 表 する 方 が 良 い 結 果 が 生 まれる<br />

習 うことより 慣 れること<br />

年 齢 ・ 経 験 を 問 わずに 学 問 を 追 究 する 場 「「・・・します」、「・・・です」<br />

間 (ま)を 活 用 する。 注 意 を 引 きたい 場 合 に、 黙 ってみる。<br />

口 頭 発 表 ・ 講 演 での 態 度<br />

• アイコンタクト<br />

発 表 者 がスライドばかりみないこと<br />

聴 衆 者 が 発 表 者 にも 注 目 できる 時 間 を 作 ること<br />

(スライドばかりに 注 目 させないこと)<br />

聴 衆 者 が 納 得 しているのか 確 認 すること<br />

• 個 性 を 生 かす<br />

虚 勢 を 張 らないこと<br />

自 分 らしさを 活 かした 服 装 や 身 振 り<br />

219<br />

220<br />

プロジェクターに 映 写 するなら<br />

• 28ポイント 以 上 のフォントにすること<br />

• 10 行 程 度 (8 行 以 内 がよい)の 文 章 (5-10 本 の 文 )<br />

• ピラミッドストラクチャをスライドにすること<br />

• 文 章 を 短 くしすぎない<br />

重 要 なポイントは、 文 章 が 長 くなっても 言 葉 を 十 分 尽 くすこと<br />

• メリハリをつけること<br />

短 い 文 章 、 矢 印 、チャートを 使 って 視 覚 的 演 出<br />

理 由 の 詳 細 な 説 明 、 細 部 の 論 理 展 開 を 伝 える 記 述 的 演 出<br />

小 項 目 の 表 紙 などをつける<br />

1 分 間 で 読 める 文 字 数 は?<br />

• 1 分 間 に 読 める 文 字 数 は<br />

300 文 字 程 度<br />

• 例 えば、15 分 間 の 発 表 の 場 合 、3 分 間 の 質 疑 応 答<br />

の 時 間 がもうけられると 想 定 すると・・・・<br />

12 分 間 分 の 原 稿 を 用 意 する 必 要 がある。<br />

12 分 ×300 文 字 =3600 文 字 ( 原 稿 用 紙 9 枚 分 )<br />

• 10 分 間 の 場 合 、 質 疑 応 答 の 時 間 を 考 慮 に 入 れると<br />

原 稿 用 紙 6 枚 程 度 必 要 となろう<br />

221<br />

222<br />

37


目 次 を 作 って 情 報 発 信 に 役 立 てる<br />

最 初 に 全 体 像 を 示 す<br />

• 大 項 目 、 中 項 目 、 小 項 目 にわけて 目 次 作 成<br />

• 情 報 発 信 の 程 度 によって、 各 項 目 の 比 重 を<br />

変 える<br />

• 30 分 と 短 い 発 表 時 間<br />

大 項 目 のみを 発 信<br />

• 半 日 かけた 発 表 時 間<br />

大 項 目 に 加 えて 一 部 の 中 項 目<br />

• 1 日 という 発 表 時 間<br />

大 項 目 、 中 項 目 、 小 項 目 にわたる 詳 細 な 内 容<br />

223<br />

1 枠 =1 分 が 心 地 よい<br />

構 成 と 接 続 詞 の 工 夫<br />

• プレゼンの 前 置 きが 長 いと 飽 きられる<br />

• 構 成 の 工 夫 - 起 承 転 結 を 商 品 開 発 のプレゼンから<br />

– 起 : 今 どんな 時 代 なのか<br />

– 承 :だからこの 企 画<br />

– 転 :セールスポイント<br />

– 結 : 会 社 にとってのメリット・ 売 り 上 げ・ 企 業 イメージ<br />

• 強 調 したい 箇 所 の 前 の 接 続 詞 を 工 夫 すること<br />

聴 衆 の 注 意 を 喚 起 し、 次 の 話 題 への 期 待 感 を 高 める<br />

– 「だから 大 事 なことは」<br />

– 「ところが 今 は 逆 です」<br />

– 「そうだとしてもですね」<br />

• 「えーと」 等 の 口 癖 には 気 づきにくい。 練 習 をみてもらって 準 備<br />

224<br />

話 しかけること・ 読 むのではない<br />

• 適 度 に 繰 り 返 しが 必 要<br />

• 論 文 では、 読 み 返 しができるが 口 頭 発 表 では 聞 き<br />

逃 したらそのままになってしまう<br />

• 欧 米 では、 正 式 の 挨 拶 や 講 演 では 原 稿 を 手 にして<br />

行 うのが 礼 儀 となっている( 最 近 は 変 わってきている<br />

可 能 性 がある)<br />

断 定 形 の 原 稿 を 作 成 する<br />

しかし 自 然 な 話 し 言 葉 に 言 い 替 える<br />

適 度 な 繰 り 返 しをすること<br />

すると 言 葉 の 量 が1、2 割 り 増 しになるであろう<br />

225<br />

はっきりと 綺 麗 で 大 きな 声 で 話 せ<br />

るようになるトレーニング<br />

• 片 手 を 出 す。 指 を3 本 立 てに 並 べて 口 に 入 れ「あ~」<br />

と 大 きな 声 を 出 す<br />

– お 腹 から 声 を 出 すように 心 がける<br />

– お 腹 から 声 を 出 すためには3メートル 先 に 声 を 届 けるよう<br />

に 意 識 する<br />

• 口 の 周 りの 筋 肉 を 沢 山 使 ってとにかく 口 を 広 げ 声 を<br />

出 すを 繰 り 返 す<br />

– 口 を 横 にギュット 開 き「 い~」<br />

– 次 はタコのようにおちょぼ 口 で「う~」<br />

• こうして50 音 を 順 番 に 声 に 出 す<br />

• 口 を 綺 麗 に 開 けて 話 をすることを 心 掛 ける 226<br />

• 切 り 出 し 方<br />

口 頭 発 表 の 構 成<br />

「 研 究 目 的 とこんな 成 果 が 出 たのでこれを 報 告 す<br />

る」と1 分 程 度 で 話 す<br />

• 序 論 、 方 法 、 結 果 、 考 察 を4 等 分 して 配 分 する<br />

• 序 論 で 研 究 背 景 と 研 究 の 目 的 を 明 示 する<br />

聴 衆 にわかってもらう 努 力 をすること<br />

残 りの 部 分 がわからなければ 後 で 質 問 に 来 る<br />

講 演 の 構 成<br />

• わかりやすさの 目 安 が3 分 の1ずつとなる<br />

1. 最 初 の3 分 の1: 会 場 のすべての 人 がわかる<br />

要 旨 と 序 論 を 話 すこと<br />

「 研 究 目 的 とこんな 成 果 が 出 たのでこれを 報 告 する」<br />

2. 中 間 の3 分 の1: 大 部 分 がわかった 気 になる<br />

3. 最 後 の3 分 の1: 第 一 線 の 成 果 を 紹 介 ・ 論 評 する<br />

のでわかる 人 が 限 られる<br />

227<br />

228<br />

38


発 表 ポスターの 作 り 方<br />

質 疑 応 答 も 仮 説 を 持 って 問 う<br />

• カラーを 多 用 する<br />

• 見 栄 えの 良 い 図 やイラスト、 写 真 を 配 置 する<br />

• 背 景 色 を 統 一 する<br />

• 背 景 と 文 字 の 配 色 を 読 みやすい 設 定 にする<br />

• 重 要 なところを 枠 で 囲 む<br />

• 印 刷 する 用 紙 を 高 級 なもの(フォト・クオリティ・ペーパー)にし<br />

て 差 別 化 を 図 る<br />

• 幾 何 学 的 にきれいに 配 列 する。<br />

• 読 む 順 番 を 矢 印 や 番 号 で 示 す。<br />

• 文 字 は 読 みやすく 大 きくする( 大 きすぎる 必 要 は 無 い)。<br />

• 著 者 の 写 真 を 貼 り 付 ける<br />

• わかりにくい 部 分 にはさらなる 説 明 を 求 める<br />

「もう 少 し 説 明 してください」<br />

• 理 解 している 内 容 ( 仮 説 )と 同 じかどうか 確 認<br />

「こういう 事 でいいですか?」<br />

• 話 の 内 容 が 核 心 からはずれたとき<br />

「ズバリ 聞 きたい」<br />

• それでも 当 を 得 ない 場 合 は<br />

「はい」か「いいえ」<br />

229 230<br />

質 問 力<br />

相 互 に 刺 激 を 出 し 合 って 創 造 を 楽 しむ<br />

• 状 況 や 文 脈 ( 相 手 の 興<br />

味 、 関 心 、 苦 労 や 経 験<br />

も 含 む)に 沿 った 質 問 を<br />

投 げかける 能 力 のこと<br />

– 続 いて 自 分 の 文 脈 と 混 ぜ 合 わせら<br />

れること<br />

– キーワードを 見 つける<br />

– 具 体 と 抽 象 の 往 復 運 動<br />

– 一 方 通 行 ではない。<br />

• 「あなたが 刺 激 を 受 けた 研<br />

究 論 文 を10 篇 あげてくださ<br />

い」<br />

• 座 標 軸 を 使 う<br />

– 具 体 的 - 抽 象 的<br />

– 本 質 的 - 非 本 質 的<br />

– 聞 きたい- 聞 きたくない<br />

– 知 りたい- 知 りたくない<br />

– 話 したい・ 答 えたい- 回 答 拒 否<br />

– 現 在 の 文 脈 - 現 在 の 文 脈 でない<br />

– 相 手 の 過 去 の 文 脈 - 非 文 脈<br />

– 専 門 - 素 朴<br />

– うまい-まずい<br />

– いい-わるい<br />

– 個 人 - 他 人<br />

– 今 ここ-ここの 外 の 世 界<br />

静 まりかえった 場 合 の 質 問 例<br />

• 聞 き 逃 したかもしれないのですが・・・<br />

• 専 門 外 なのでよく 分 からないのですが・・・<br />

• ちょっと 教 えていただきたいのですが・・・<br />

232<br />

質 疑 に 答 えるコツ その1<br />

• 予 想 される 質 問 をいくつか 考 えて 臨 み、 回 答<br />

も 用 意 しておく。<br />

• 答 えられない 質 問 が 出 たら「それについては<br />

、もう 一 度 、 後 でお 応 えします」とはっきりと 対<br />

応 しておく<br />

• 質 問 を 受 けるときはメモを 取 ること<br />

• 相 手 の 質 問 をくり 返 した 上 で 答 える<br />

• 質 問 の 意 図 が 分 からない 場 合 は 無 理 に 答 え<br />

ない。 再 度 聞 き 返 す。「 申 し 訳 ありませんが、<br />

233<br />

もう 一 度 質 問 をお 願 いします」<br />

質 疑 に 答 えるコツ その2<br />

• どうしても 答 えられない 場 合 は、 精 一 杯 いえ<br />

る 答 えを 導 き 出 す。「それは 自 分 には 分 かり<br />

かねます。この 研 究 からは、●●であるとは<br />

いえると 思 います。<br />

• 研 究 方 法 や 手 続 きについての 批 判 が 的 を 射<br />

ていたら 素 直 に 認 める。<br />

• 質 問 毎 に 感 謝 の 意 を 示 す。「ご 質 問 をありが<br />

とうございました。「とても 参 考 になりました」<br />

234<br />

39


発 表 の 前 に 吟 味 すること<br />

• 対 象<br />

• 量 ( 詳 しさ)<br />

• 内 容 ( 言 葉 の 吟 味 )<br />

• 媒 体 ( 口 頭 、 文 書 、ポスター、パワーポイント)<br />

要 素 のどんな 組 み 合 わせ 方 が 効 果 的 が 吟 味 すること<br />

講 義 例 (90 分 )<br />

- 文 献 紹 介 を 交 えて-<br />

• 導 入 ( 教 員 :5 分 )<br />

• プレゼンテーション( 文 献 担 当 グループ<br />

による:35 分 )<br />

• ディスカッション(グループで:15 分 )<br />

• オープンディスカッション(クラス 全 体 で:<br />

30 分 )<br />

• まとめ( 教 員 :5 分 )<br />

235<br />

236<br />

出 版 形 式 による 書 籍 の 種 類<br />

著 書<br />

• 流 通 ・ 取 次 店 (トーハン、 日 販 ) 経 由 で 全 国 の<br />

書 店 に 並 ぶ 大 型 出 版 社<br />

• 大 手 取 次 店 を 経 由 しない 地 方 小 出 版 社<br />

• 自 費 出 版<br />

237<br />

238<br />

フォント・ 用 紙 ・ 英 文 の 分 量<br />

• フォント<br />

1ポイントは 活 字 の 一 辺 が0.35mm=1/72in<br />

• 用 紙<br />

A4 判 : 297×210 B4 判 : 364×257<br />

A5 判 : 210×148 B5 判 : 257×182<br />

A6 判 : 148×105 B6 判 : 182×128<br />

A0 判 :1189×841 B0 判 :1456×1030<br />

• 英 文<br />

1 行 mストローク、1 枚 にn 行<br />

1 枚 m×n/6 語 と 換 算 する<br />

• 1 行 65ストローク、ダブルスペースで1 枚 30 行 の 場 合<br />

• 12 枚 の 原 稿 は3900 語<br />

英 文 m 語 の 場 合 、 日 本 語 にすると2.5m 字 と 換 算 ( 概 算 )<br />

• 250 語 の 場 合 、650 字 と 概 算 できる<br />

剽 窃 の 驚 異<br />

239<br />

240<br />

40


なぜ 剽 窃 などの 不 正 行 為 によって、<br />

知 識 情 報 社 会 が 根 底 から 崩 れる 危 険 性 があるのか<br />

剽 窃 は 知 的 な 窃 盗<br />

• 今 日 のような 高 度 情 報 化 社 会 では<br />

– 剽 窃 のような 不 正 行 為 を 行 うことが 技 術 的 に 容<br />

易<br />

– 剽 窃 行 為 が<strong>インターネット</strong>などを 通 じて 極 めて 速<br />

やかに、かつ、 広 範 囲 に 影 響 を 与 えることが 可 能<br />

• 不 正 行 為 は 言 い 換 えるならば 社 会 基 盤 を 構<br />

築 する 土 台 となる 信 頼 関 係 を 崩 す 行 為 、それ<br />

が 時 として 社 会 を 崩 壊 させかねない<br />

研 究 者 ・ 研 究 室 運 営<br />

241<br />

242<br />

研 究 者 の 日 常<br />

• 研 究 所 、 大 学 、 企 業 で 働 いている<br />

• 研 究 別 の 実 態<br />

– 実 験 系 は、 実 験 室 に 籠 もって 徹 夜 もあり 得 る<br />

– 調 査 系 は、 現 地 に 行 っての 長 期 滞 在 があり 得 る<br />

– 理 論 系 は、 文 献 を 読 み 考 え 続 けことがあり 得 る<br />

• 職 場 から 離 れても 研 究 をすることがある<br />

• 春 と 秋 は 学 会 の 時 期<br />

• 1 年 に1 回 くらいは 海 外 の 学 会 参 加 もある<br />

243<br />

大 学 に 所 属 する<br />

研 究 者 ・ 教 員 の 責 務<br />

• 毎 年 学 会 で 研 究 報 告 すること<br />

• 原 稿 執 筆 ( 論 文 、 書 籍 など)をすること<br />

↓<br />

• 研 究 者 間 の 交 流 が 活 性 化 すること<br />

– 他 の 研 究 者 ・ 教 員 からの 報 告 を 互 いに 聞 き、 読 ん<br />

で 自 らの 研 究 の 糧 とする<br />

• 研 究 成 果 を 社 会 に 還 元 すること<br />

– 聴 講 する 学 生 、 一 般 向 けのセミナー、 講 演<br />

• 国 公 私 立 を 問 わず 政 府 からの 補 助 金 の 元 は 税 金 でま<br />

244<br />

かなわれており 納 税 者 に 還 元 する 責 務 がある<br />

研 究 室 のゼミ<br />

研 究 の 仕 方 を 学 びながら 研 究 を 進 める 機 会<br />

研 究 ・ 実 験 ノート<br />

研 究 を 進 めていく 中 での 記 録<br />

• 挨 拶<br />

• 服 装<br />

• 迷 惑 をかけないこと<br />

– 約 束 を 守 る<br />

– 自 己 管 理<br />

• 能 力 を 高 める<br />

• 教 科 書 を 読 む<br />

• 文 献 を 読 む<br />

• 文 献 紹 介<br />

• 研 究 報 告<br />

• 理 解 力<br />

• 伝 達 能 力<br />

– 文 章 作 成<br />

– プレゼンテーション<br />

– ディスカッション<br />

• 英 語 読 解<br />

• 日 常 英 会 話<br />

• データ 読 解<br />

• データ 解 析<br />

• 問 題 発 見 能 力<br />

• 英 語 での 発 表<br />

• 英 作 文<br />

245<br />

• 日 付<br />

• 読 んだり 調 べた 文<br />

献<br />

• アイデア<br />

• 議 論 した 内 容<br />

246<br />

41


学 士 ・ 修 士 ・ 博 士<br />

• 学 士 : 研 究 テーマは 指 導 教 員 から 提 示 される<br />

ことが 多 い。 学 生 が 問 題 解 決 手 法 を 身 につけ<br />

た 上 で、 的 確 に 解 決 を 行 うことが 求 められる。<br />

• 修 士 : 指 導 教 員 から 研 究 テーマを 示 された 時<br />

に、 学 生 が 解 決 手 法 を 模 索 して 問 題 解 決 を<br />

行 うことが 求 められる。<br />

• 博 士 : 何 が 問 題 で、どんな 研 究 テーマとする<br />

かを 設 定 することができる( 問 いを 設 定 するこ<br />

と)。その 上 で 解 決 手 法 を 模 索 して、 的 確 に 解<br />

247<br />

決 を 行 うことができる。<br />

「 修 士 」 学 位 審 査 申 し 合 わせ<br />

• 1) 審 査 過 程 に 入 るための 要 件<br />

– 「 合 同 セミナーⅠ」、「 同 Ⅱ」における3 回 の 通 常 発 表 を<br />

完 了 し、かつ、 修 士 論 文 の 提 出 が 可 能 であること。<br />

• 2) 審 査 過 程<br />

– 当 該 年 度 の1 月 上 旬 に 論 文 を 提 出 し、その 後 1 月 下 旬<br />

に、 主 査 1 名 、 委 員 ( 副 査 )2 名 による 口 頭 試 問 を 行 い、 筆<br />

記 試 験 ( 論 文 本 体 )の 成 績 と 合 わせて5 段 階 で 総 合 評 価<br />

する。<br />

– また、 学 位 の 種 類 は、 原 則 として「 修 士 ( 都 市 科 学 )」とす<br />

るが、 申 請 者 および 指 導 教 員 の 意 向 により、 他 の 修 士 の<br />

学 位 を 与 えることもできる。<br />

248<br />

「 博 士 」 学 位 審 査 申 し 合 わせ<br />

1/2<br />

• 1) 審 査 過 程 に 入 るための 要 件<br />

– 博 士 論 文 の 審 査 過 程 を 開 始 するための 要 件 としては、 学 位 申 請 論 文 を 提<br />

出 することができることに 加 えて、 以 下 のとおりとする。<br />

• ( 課 程 博 士 の 場 合 )<br />

1. 「 合 同 セミナー 特 別 研 究 」における3 回 の 通 常 発 表 を 完 了 していること。<br />

2. 博 士 論 文 の 内 容 を 構 成 する 審 査 付 き 学 術 論 文 が2 本 程 度 以 上 掲 載 済 みま<br />

たは 掲 載 決 定 済 みであること、または、それに 相 当 する 研 究 業 績 をあげてい<br />

ること。<br />

3. 「 合 同 セミナー 特 別 研 究 」において 第 4 回 発 表 (30 分 程 度 、 当 該 年 度 10 月 上<br />

旬 )を 行 っていること。<br />

• ( 論 文 博 士 の 場 合 )<br />

1. 博 士 論 文 の 内 容 を 構 成 する 審 査 付 き 学 術 論 文 が3 本 以 上 掲 載 済 みであるこ<br />

と、または、それに 相 当 する 研 究 業 績 をあげていること。<br />

2. 主 査 を 予 定 する 教 員 の 了 承 が 得 られていること。<br />

249<br />

「 博 士 」 学 位 審 査 申 し 合 わせ<br />

2/2<br />

• 2) 審 査 過 程<br />

– 博 士 論 文 審 査 は、 上 記 の 要 件 を 満 たす 者 について、 原 則<br />

として 以 下 の 過 程 で 行 う。なお、 取 得 できる 学 位 は、 原 則<br />

として「 博 士 (**)」とする。<br />

1. 学 域 会 議 において 予 備 審 査 開 始 の 承 認<br />

2. 主 査 、 委 員 予 定 者 (2 名 以 上 )による 最 低 6 週 間 の 予 備<br />

審 査<br />

3. 学 域 会 議 および 研 究 科 教 授 会 において 論 文 受 理<br />

4. 主 査 、 委 員 (2 名 以 上 )による 本 審 査<br />

5. 公 開 発 表 会<br />

6. 学 域 会 議 および 研 究 科 教 授 会 において 最 終 判 定<br />

250<br />

講 座 制 とは<br />

• 専 攻 分 野 ごとに 学 部 内 に 講 座 を 設 定 し、 教 育<br />

と 研 究 に 必 要 な 教 員 を 配 置 する 制 度 のこと。<br />

教 授 、 准 教 授 、 助 教 が 置 かれる。 特 別 な 事 情<br />

があるときは、 講 師 を 置 いたり、あるいは 准<br />

教 授 か 助 教 を 欠 くことも 認 められている。<br />

学 科 目 制 とは<br />

• 大 学 における 教 育 の 上 で 必 要 な 分 野 毎 に「 学<br />

科 目 」を 設 定 し、その 教 育 研 究 に 必 要 な 教 員<br />

を 置 く 制 度 のこと。 学 科 目 には、 教 授 、 准 教 授<br />

、 講 師 、 助 教 などが 任 意 におかれる。<br />

• 原 則 として 専 任 の 教 授 、 准 教 授 が 指 導 的 な<br />

立 場 に 就 き、 主 要 な 学 科 目 以 外 の 学 科 目 に<br />

ついては、 可 能 な 限 り 専 任 の 教 授 、 准 教 授 、<br />

講 師 が 指 導 的 な 立 場 に 就 くものとされる。<br />

251<br />

252<br />

42


研 究 会 ・ 事 例 検 討 会 の 開 催 1/2<br />

• 主 旨 ・ 目 的 : 参 加 者 の 相 互 支 援<br />

– 研 究 の 質 をいっそう 高 めること<br />

– より 良 い 臨 床 実 践 を 可 能 にすること<br />

– 発 表 者 が 必 要 としていることを 提 供 し 合 うこと<br />

– 報 告 のどこがポイントだと 思 ったのかを 自 由 な 雰<br />

囲 気 で 言 い 合 えること<br />

研 究 会 ・ 事 例 検 討 会 の 開 催 2/2<br />

• 具 体 策 : 提 示 された 事 柄 ( 研 究 や 事 例 を 問 わな<br />

い)をより 良 くするにはどうしたらよいか<br />

– 用 語 の 使 用 や 文 章 の 組 み 立 て 方 への 指 摘 は 後 回 しにする<br />

– 知 識 の 豊 富 さや 能 力 の 高 さを 自 慢 ・ 披 露 する 場 所 ではない<br />

○「▲▲というのが□□に 載 っていたよ」<br />

×「▲▲を 知 らないの」<br />

– 独 りよがりな 臨 床 の 巧 さを 自 慢 ・ 披 露 する 場 所 ではない<br />

○「△△というやり 方 もあるよ」<br />

×「△△すべきところだよ」<br />

253<br />

254<br />

学 会 の 開 催<br />

総 会 の 進 行 について<br />

• 企 画 立 案<br />

• 計 画 書<br />

– 予 算 決 め<br />

– 会 場 確 保<br />

– 決 裁 書 作 成<br />

• プログラム<br />

– 登 壇 者 や 司 会 の 選 定 と<br />

連 絡<br />

– 周 囲 へのアナウンス<br />

– 必 要 機 材 の 準 備<br />

• 実 施<br />

– 会 場 設 営<br />

– 会 場 係 (マイク・ 照 明 )<br />

– 水 や 弁 当 の 手 配<br />

– 会 場 への 道 しるべ<br />

– 質 問 紙 回 収<br />

– 受 付<br />

– 照 明 調 整 係<br />

– 記 録 ( 写 真 、ビデオ)<br />

– 総 会 下 準 備<br />

255<br />

• 司 会<br />

– 出 席 者 数 報 告<br />

– 議 決 権 行 使 可 能 か 否 か<br />

• 総 会 の 成 立 の 可 否<br />

• 議 長 選 出 ( 司 会 兼 務 有 )<br />

• 会 計 : 決 算 報 告<br />

• 監 事 : 監 査 報 告<br />

• 各 委 員 会 から<br />

– 議 案<br />

• 会 計 : 次 期 事 業 報 告<br />

• 議 長 「ただいまの 議 案<br />

について 質 疑 を 受 けま<br />

す。 質 問 などございまし<br />

たら 挙 手 していただき、<br />

指 名 されましたら 御 所<br />

属 とお 名 前 を 告 げて 質<br />

問 などをお 願 いいたし<br />

ます。」<br />

• 議 長 「・・ 無 いようでした<br />

ら 拍 手 を 持 って 承 認 を<br />

お 願 いいたします。」 256<br />

研 究 発 表<br />

研 究 発 表 の5 段 階<br />

• 研 究 結 果 の 公 表 は 調 査 や 実<br />

験 をした 人 の 義 務<br />

• 学 会 誌<br />

原 著 論 文 (original article / original scientific papers)<br />

資 料 論 文 ・ 短 報 (short report / short communications)<br />

展 望 論 文 ・ 総 説 (review / subject review articles)<br />

• 口 頭 発 表<br />

257<br />

1. 雑 誌 や 新 聞 に 仮 説 (supposition)を 発 表<br />

2. 学 会 で 口 頭 発 表<br />

– letterやshort reportで 発 表<br />

3. 口 頭 発 表 を 学 術 論 文 として 発 表<br />

– 続 いて 口 頭 発 表 してディスカッションを 煮 詰 める<br />

4. 学 術 論 文 に 対 する 批 判 やその 反 論 を 含 め<br />

た 学 術 論 文 を 改 めて 発 表 する<br />

– original articleとして 発 表<br />

5. 著 書 としてまとめる<br />

43


学 会 発 表 をする 場 合<br />

• 発 表 する 学 会 を 決 める<br />

– 学 会 へ 入 会 する<br />

• 大 会 開 催 の 日 時 と 場 所 を 確 認 する<br />

• 発 表 申 し 込 みの 締 め 切 りを 確 認 する<br />

• 発 表 の 演 題 や 概 要 を 書 く<br />

– 指 導 教 員 や 共 同 研 究 者 の 同 意 を 得 る<br />

• 発 表 者 ・ 所 属 、 発 表 演 題 、 発 表 概 要 ・ 要 旨<br />

259<br />

論 文 投 稿 をする 場 合<br />

論 文 掲 載 までの 流 れ<br />

• 投 稿 規 定 (guide for authors)で 形 式 を 確 認<br />

– 投 稿 先 は、 専 門 分 野 や 研 究 領 域 や 知 名 度 、 難 易 度 といった 学 術 雑 誌 の 特 徴<br />

に 左 右 される。また、 審 査 期 間 もまちまちなので 戦 略 的 に 決 めること<br />

• 投 稿 するときは 編 集 者 宛 のカバーレターをつけること<br />

– 挨 拶 に 加 えてオリジナリティ、 投 稿 論 文 を 審 査 できる 研 究 者 をあげる 場 合 が<br />

ある<br />

• 査 読 の 結 果 は、4つに 分 かれる。reject 以 外 なら 掲 載 が 期 待 できる<br />

– accept without change(このまま 掲 載 で 受 理 )<br />

– major revision( 大 幅 な 修 正 )<br />

– minor revision( 小 さな 修 正 )<br />

– reject( 却 下 )<br />

• 修 正 を 求 められたらコメントに 合 わせて 訂 正 したり、 納 得 できない 場 合 はその 点 について 丁 寧<br />

に 意 見 をつけて 返 す<br />

• 受 理 から 最 終 版 proofが 届 き、 数 日 のうちに 確 認 して 返 す<br />

– 別 刷 り・リプリント(reprint)の 注 文 はproofと 一 緒 に 届 くことが 多 いが 自 費 になる<br />

260<br />

継 続 した 研 究 のために<br />

発 表 後 の 作 業<br />

• 論 文 が 掲 載 された 後 に、 関 連 する 文 献 を 偶<br />

然 見 つけたり、 類 似 テーマを 対 象 としている<br />

研 究 者 からの 情 報 が 舞 い 込 むことがある<br />

• 書 いた 後 が 一 番 、 研 究 の 課 題 がわかる 時 期<br />

• 発 表 した 論 文 が 一 人 歩 きをする。 手 にした 人<br />

が 各 自 に 解 釈 していく<br />

• 著 作 目 録 を 作 る<br />

修 士 課 程 を 担 当 する 教 員 資 格<br />

教 育 業 績 ・ 実 績<br />

• 教 育 業 績 ・ 実 績 ( 最 近 10 年 間 )<br />

– 学 内 紀 要 で 教 育 論 文<br />

– 教 育 研 究 講 演 発 表<br />

– 教 科 書 の 執 筆 並 びに 発 行<br />

– 博 士 と 修 士 の 指 導 歴<br />

– 学 内 活 動 ( 部 長 、 主 任 、 各 種 委 員 など)<br />

261<br />

262<br />

修 士 課 程 を 担 当 する 教 員 資 格<br />

専 門 研 究 業 績 ・ 実 績<br />

• 教 育 業 績 ・ 実 績 ( 最 近 10 年 間 )<br />

– 専 門 研 究 論 文 ( 査 読 有 り)<br />

– 専 門 研 究 に 関 するProceedings( 査 読 有 り)<br />

– 招 待 講 演<br />

– 作 品<br />

– 専 門 書 の 執 筆 並 びに 発 行<br />

– 知 的 所 有 権<br />

– 研 究 費 の 外 部 資 金 導 入 実 績<br />

263<br />

– その 他<br />

修 士 課 程 を 担 当 する 教 員 資 格<br />

社 会 貢 献 実 績<br />

• 社 会 貢 献 実 績 ( 最 近 10 年 間 )<br />

– 学 協 会 活 動 ( 理 事 、 評 議 員 、 幹 事 、 商 議 員<br />

等 )<br />

– 地 方 公 共 団 体 の 委 員<br />

– 国 家 機 関 の 委 員<br />

– 各 種 ボランティア 活 動<br />

– その 他<br />

264<br />

44


博 士 課 程 を 担 当 する 教 員 資 格<br />

研 究 申 請 書 のコツ<br />

• 教 授 であること<br />

• 現 在 までに 査 読 付 き 専 門 研 究 論 文 20 編<br />

以 上<br />

• 最 近 5 年 間 に 年 平 均 1 編 以 上 の 査 読 付<br />

き 専 門 研 究 論 文 を 発 表 していること<br />

• 研 究 の 価 値 と 実 現 可 能 性 (feasibility)とに 対 する<br />

判 断 資 料 を 提 供 すること<br />

1. 研 究 のねらいを 具 体 的 に、 明 確 に 示 すこと<br />

– 読 みやすく<br />

– 下 線 や 太 字 でポイントが 分 かるように<br />

– 図 を 用 いてわかりやすく<br />

2. 自 分 のこれまでの 研 究 成 果 を 示 すこと<br />

3. これからの 研 究 方 針 を 示 すこと<br />

4. 申 請 する 研 究 がうまくいく 確 率 を 評 価 できるように<br />

記 述 したもの<br />

265 266<br />

エフォートとは<br />

• 研 究 する 申 請 のためにどれくらいの 割 合 で 時<br />

間 を 使 いますか・・・という 意 味 になる<br />

• 総 合 科 学 学 術 会 議 におけるエフォートの 定 義<br />

– 「 研 究 者 の 年 間 の 全 仕 事 時 間 を100%とした 場<br />

合 、そのうちの 当 該 研 究 の 実 施 に 必 要 となる 時<br />

間 の 配 分 率 (%)」に 従 い 記 入 してください。なお「<br />

全 仕 事 時 間 」とは 研 究 活 動 の 時 間 のみを 指 すの<br />

ではなく、 教 育 ・ 医 療 活 動 等 を 含 めた 実 質 的 な 仕<br />

事 時 間 を 指 します<br />

267<br />

国 際 学 会 参 加 ・ 国 際 交 流 助 成<br />

• 日 本 学 術 振 興 会 が 助 成 している<br />

• 国 際 交 流 事 業<br />

• 諸 外 国 の 学 術 振 興 機 関 との 間 で 協 力 関 係 を 築 いており、これを 土 台 に、<br />

学 術 の 国 際 交 流 を 支 援 するための 多 彩 で 効 果 的 なプログラムを 提 供 し<br />

てきております。<br />

このサイトは、 学 術 の 国 際 交 流 プログラムの 多 彩 なメニューを 紹 介 して<br />

います。<br />

• http://www.jsps.go.jp/j-kokusai/index.html<br />

• 事 業 によって 違 いはあるが 年 に4 回 ほど 募 集 するものもあるそうだ<br />

• 大 学 院 生 を5 年 ほど 派 遣 することが 出 来 る 事 業<br />

• 外 国 の 研 究 者 を 招 聘 する 事 業 :3ヶ 月 以 上 1 年 以 内<br />

• 外 国 の 研 究 者 を 招 聘 する 事 業 :2 週 間 から1 年 程 度<br />

268<br />

Impact Factorとは<br />

• 個 々の 学 術 雑 誌 がいかに 学 会 に 対 して 影 響 をもちえたかを 引 用 という 視 点 から<br />

数 値 として 算 出 した 指 標 のこと<br />

• Eugene Gerfieldが 創 案 した<br />

• 英 文 雑 誌 の 指 標 なので、 和 文 雑 誌 は 英 文 アブストラクトなどに 配 慮 した 一 部 例 外<br />

を 除 き、 対 象 とはなっていない<br />

• Impact Factor 値 は2 年 間 という 比 較 的 最 近 の 論 文 がどれだけ 引 用 されたかに 左<br />

右 される<br />

• 心 理 学 のように 長 年 すこしづつ 引 用 されるような 雑 誌 はあまり 評 価 されない<br />

• レビュー 雑 誌 の 指 標 が 高 くなりやすい<br />

• Impact factorは、 以 下 の 数 式 により、 算 出 される<br />

A(year) = (B(year - 1) + B(year - 2)) / (C(year - 1) + C(year - 2))<br />

• year 特 定 の 暦 年<br />

• A(year) year 年 のImpact factor 値<br />

• B(year - 1) year 年 の 前 年 に 発 表 された 論 文 がyear 年 に 引 用 された 数<br />

• B(year - 2) year 年 の 前 々 年 に 発 表 された 論 文 がyear 年 に 引 用 された 数<br />

• C(year - 1) year 年 の 前 年 に 発 表 された 論 文 数 C(year - 2)year 年 の 前 々 年 に 発 表<br />

された 論 文 数<br />

269<br />

個 人 情 報 保 護 法 が 適 用 されない<br />

場 合 とは?<br />

• 「 個 人 情 報 保 護 法 」は、 個 人 情 報 を 取 扱 う 事 業 者 に 対 して、 個 人 情 報 の<br />

取 扱 方 法 を 定 めている。ただ、ある 特 定 の 団 体 が、 特 定 の 目 的 で 個 人 情<br />

報 を 取 り 扱 う 場 合 は、 例 外 として 同 法 の 規 定 が 適 用 されない。<br />

• 個 人 情 報 保 護 法 により、5000 件 を 超 える 個 人 情 報 を 個 人 情 報 データベ<br />

ース 等 として 所 持 し 事 業 に 用 いている 事 業 者 は「 個 人 情 報 取 扱 事 業 者 」<br />

とされ、 個 人 情 報 の 取 扱 方 法 が 定 められている。<br />

• もっとも、「 個 人 情 報 取 扱 事 業 者 」が、マスコミ・ 著 述 業 関 係 、 大 学 等 、 宗<br />

教 団 体 や 政 治 団 体 であり、それぞれ、 報 道 ・ 著 述 、 学 術 研 究 、 宗 教 活 動 、<br />

政 治 活 動 の 目 的 で 個 人 情 報 を 利 用 する 場 合 は、 個 人 情 報 取 扱 事 業 者 の<br />

義 務 の 適 用 を 受 けない(50 条 1 項 )。<br />

• これは、 主 務 大 臣 の 報 告 徴 収 などを 通 じて、マスコミの 表 現 の 自 由 など<br />

が 制 約 されるおそれがあるという 強 い 反 対 論 に 基 づいて 設 けられた 規 定<br />

となる。ただ、これらの 個 人 情 報 取 扱 事 業 者 も、 個 人 データの 安 全 管 理<br />

のために 必 要 かつ 適 切 な 措 置 などを 自 ら 講 じ、かつ、その 措 置 の 内 容 を<br />

公 表 する 努 力 義 務 があると 定 められている(50 条 3 項 )<br />

270<br />

45


冠 詞 と 前 置 詞 が 特 に 難 しい<br />

英 作 文 の 難 所 の 乗 り 越 え 方<br />

英 作 文 にあたって<br />

1. 冠 詞<br />

a(an)、the、 冠 詞 なしのどれか<br />

名 詞 を 単 数 か 複 数 かにも 関 連 してくる<br />

冠 詞 の 学 習 は 手 抜 きできない。 多 くの 英 文 に 触 れて、<br />

感 覚 を 会 得 するしか 手 段 がない<br />

あるいはネイティブに 謝 金 を 払 ってでも 添 削 依 頼<br />

2. 前 置 詞<br />

arrive in New York かarrive at New Yorkか<br />

辞 書 をこまめに 引 く<br />

271<br />

272<br />

文 法 、 単 語 選 択 、 文 体 も 難 しい<br />

英 作 文 の 難 所 の 乗 り 越 え 方<br />

3. 文 法 の 規 則<br />

時 制 の 一 致 を 意 識 すること<br />

主 語 と 動 詞 の 単 複 の 一 致 に 注 意 する<br />

4. 適 切 な 単 語 の 選 択<br />

wide,broad,spacious 「 広 い」の 使 い 分 け<br />

例 文 を 覚 える。 辞 書 の 説 明 やシソーラス<br />

5. 文 章 スタイル<br />

一 人 称 で 書 くと 説 得 力 が 増 す<br />

受 け 身 と 関 係 代 名 詞 を 多 用 しない<br />

定 型 的 なパタンを 習 得 すること<br />

英 作 文 力 向 上 には<br />

• 論 文 では、 文 章 スタイルと 語 彙 が 限 定 され<br />

てくる<br />

モデルとなる 英 語 の 文 章 を 丸 暗 記 すること<br />

• 朝 日 新 聞 は 社 説 が 英 訳 されているので 日 本 語 版 と<br />

対 照 する<br />

• 日 本 語 で1500 字 前 後 を 英 訳 してみる<br />

273<br />

274<br />

辞 書 を 活 用 すること<br />

英 作 文 力 向 上 には<br />

• 動 詞 の 使 い 方 に 疑 問 がある 場 合<br />

例 文 で 使 い 分 けを 見 る<br />

• シソーラス(Thesaurus: 類 語 辞 典 )を 利 用<br />

意 味 から 言 葉 を 引 く 辞 典<br />

英 和 辞 典 を 読 む<br />

• 前 置 詞 を 身 に 付 けるために 英 和 辞 典 を 読 む<br />

ことを 勧 めている<br />

• withの 項 ならば11 頁 が 説 明 と 用 例 がある<br />

英 文 学 者 ・ 柳 瀬 尚 紀 「 辞 書 はジョイスフル」 新 潮 文 庫 の 中 で 斎<br />

藤 秀 三 郎 「 熟 語 本 意 英 和 中 辞 典 」 岩 波 書 店 を 例 にとって 説<br />

明<br />

275<br />

276<br />

46


<strong>インターネット</strong> 上 の 英 作 文 添 削 サービス<br />

英 作 文 力 向 上 には<br />

• http://www.nova.edu/<br />

教 育 関 連 サイト(Educational Resources)<br />

• 書 くための 道 具 (Tools for Writing)<br />

散 文 のための 基 礎 的 なスタイルと 技 法 (Basic Prose Style<br />

and Mechanics)にはコンマとコロン、ダッシュの 使 い 方 が<br />

説 明 してある<br />

• ネットで 検 索 したが 見 つからなかった<br />

• (2006/4/16)<br />

海 外 では<br />

特 に 英 語 圏 でない 場 合<br />

• Do you speak English?<br />

と 最 初 に 話 しかけること<br />

現 地 の 言 葉 で 話 すとまくし 立 てられるなどして 圧 倒 され<br />

てしまう 危 険 がある<br />

• 最 低 限 覚 える 現 地 語<br />

こんにちは<br />

ありがとう<br />

• 英 語 圏 でも 知 っておくとよい 言 葉<br />

数 字 は 買 い 物 で 特 に 用 いる<br />

曜 日 は 乗 り 物 の 運 行 状 況 を 知 る<br />

277<br />

278<br />

代 名 詞 が 何 を 指 すか 考 える<br />

英 文 パラグラフを 読 むコツ-その1<br />

英 文 読 解 にあたって<br />

• he, she, they → 人<br />

• it, they → 物<br />

• this, these → 物 、 前 後 の 内 容<br />

• that, those → 物 、 前 の 内 容<br />

279<br />

280<br />

つなぎ 言 葉 で 文 の 流 れを 理 解 する<br />

英 文 パラグラフを 読 むコツ<br />

• 因 果 関 係 → as a result, therefore,<br />

because, because ofなど<br />

• 比 較 → similarly, in the same way, as, like<br />

など<br />

• 対 照 → but, although, in spite of, despite,<br />

howeverなど<br />

• 例 → for example, for instance, such as,<br />

likeなど<br />

• 追 加 → in addition, also, besides,<br />

種 類 によって 理 解 するポイントが 変 わる<br />

英 文 パラグラフを 読 むコツ<br />

• 評 論 文<br />

作 者 の 主 張 を 示 す「 主 題 文 」と<br />

その 説 明 をする「 支 持 文 」という 構 成 をつかむ。<br />

• 物 語 文<br />

登 場 人 物 ・ 時 間 ・ 場 所 に 注 意 して、ストーリー 展<br />

開 を 追 う。<br />

moreoverなど<br />

281<br />

282<br />

47


和 訳 例 題 1<br />

• The toughest smoking ban in Europe<br />

went into effect across Ireland, as the<br />

government predicted it would save<br />

lives by getting people to kick the<br />

cigarette habit.<br />

(AFP March 24, 2004)<br />

例 題 1 和 訳<br />

• (アイルランド) 政 府 は 人 々に 喫 煙 の 習 慣 をや<br />

めさせることで、 救 命 できると 予 想 したので、<br />

ヨーロッパで 最 も 厳 しい 喫 煙 禁 止 令 がアイル<br />

ランド 中 に 実 施 された。<br />

283<br />

284<br />

使 役 動 詞<br />

• 『by getting people to kick the cigarette habit』<br />

この「get 人 to 不 定 詞 」(~に○○させる)は、 使 役<br />

の 動 詞<br />

例 )I will get her to wash my cloths.<br />

和 訳 : 私 は、 衣 服 を 彼 女 に 洗 濯 してもらうだろう<br />

• 他 には、「have」「make」なども 同 じ 類 ですが、<br />

これらは 動 詞 の 原 型 を 伴 います。<br />

例 )I will have her wash my cloths.<br />

和 訳 : 私 は、 衣 服 を 彼 女 に 洗 濯 してもらうだろう。<br />

和 訳 例 題 2<br />

• Striving for a healthier image in the age<br />

of obesity, McDonald's is rolling out new<br />

Happy Meals specially for adults with<br />

salad, bottled water and pedometers.<br />

(AP April 15, 2004)<br />

285<br />

286<br />

例 題 2 和 訳<br />

• 肥 満 世 代 により 健 康 的 なイメージを 得 ようとし<br />

ているので、マクドナルドは 特 に 成 人 向 けにサ<br />

ラダ、ペットボトルウォーターそして 万 歩 計 をつ<br />

けて、 新 サービス「ハッピーミール」を 展 開 する。<br />

分 詞 構 文 では、<br />

主 文 と 複 文 の 主 語 を 一 致 させる<br />

• 「Striving for ~」は 分 詞 構 文 。<br />

意 味 的 に「 理 由 」(~なので)の 分 詞 構 文 でよい。<br />

分 詞 構 文 では、 主 文 と 複 文 の 主 語 が 一 致 していないと<br />

いけない。<br />

ゆえに「striving for」 の 主 語 は、McDonald‘s になる。<br />

• 例 で 勉 強 してみよう!<br />

例 )Earning a good income, she bought me lunch.<br />

和 訳 : 彼 女 は 稼 ぎがいいので、 昼 食 を 私 におごってくれた。<br />

287<br />

288<br />

48


和 訳 例 題 3<br />

• Australian scientists have found the Earth<br />

may be more resilient to global warming<br />

than first thought, and they say a warmer<br />

world means wetter planet, encouraging<br />

more plants to grow and soak up<br />

greenhouse gases.<br />

(Reuters May 12, 2004)<br />

例 題 3 和 訳<br />

• オーストラリアの 科 学 者 たちは、 地 球 が 当 初<br />

考 えていたよりも 地 球 温 暖 化 に 抵 抗 力 がある<br />

ことを 発 見 した。「より 暖 かくなる 地 球 は、より<br />

多 く 雨 が 降 る 惑 星 」を 意 味 し、 結 果 として、より<br />

多 くの 植 物 を 成 長 させるし、 温 室 効 果 ガスも<br />

吸 い 上 げることを 促 進 する、と 彼 らは 言 う。<br />

289<br />

290<br />

代 表 的 な 分 詞 構 文 には、<br />

「 条 件 ・ 理 由 ・ 時 ・ 結 果 」 等 がある<br />

• 「and they say a warmer world means ~ ,<br />

encouraging~ 」<br />

encouraging が ~ing 形 になっているのが 分 詞 構 文 の<br />

目 印 。<br />

「encouraging」の 主 語 は「a warmer wold」。<br />

• ここでは、「 結 果 」を 表 す 分 詞 構 文 だと 意 味 から 判 断 できる。<br />

和 訳 は、 頭 から 訳 しあげていけばよい。<br />

例 )China’s economy continued to show steady<br />

improvement, leading to an increase in demand for<br />

aviation services.<br />

和 訳 : 中 国 経 済 は 安 定 的 な 改 善 を 見 せ 続 けた。 結 果 とし<br />

て、 航 空 サービスの 需 要 増 加 につながった。<br />

291<br />

和 訳 例 題 4<br />

• Far from being crippled by the U.S.-led<br />

war on terror, al-Qaida has more than<br />

18,000 potential terrorists scattered<br />

around the world and the war in Iraq is<br />

swelling its ranks, a report said Tuesday.<br />

(AP May 25, 2004)<br />

292<br />

例 題 4 和 訳<br />

• アメリカ 主 導 のテロへの 戦 争 によって 活<br />

動 不 動 にされるどころか、アルカイダは<br />

世 界 中 に1 万 8 千 人 のテロリストを 散 ら<br />

ばせており、イラクにおける 戦 争 はその<br />

集 団 を 増 加 させている、とある 報 告 は 火<br />

曜 日 伝 えた。<br />

否 定 語 を 使 わない 否 定 表 現<br />

Far from, Not, Never, free from ~, free of ~<br />

• 『Far from being crippled by ~, al-Qaida has~」<br />

これは、al-Qaidaを 主 語 にした 分 詞 構 文 の 形 です<br />

分 詞 構 文 の 否 定 の 形 は、『not ~ing』。<br />

• 今 回 は、「Far from」(=not)だったので、 迷 った 方 も<br />

多 かったと 思 う。<br />

● 分 詞 構 文 の 否 定 の 形 の 例<br />

• 例 )Not hearing me clearly, he didn't answer.<br />

= Because he didn't hear me clearly, he didn't answer.<br />

和 訳 : 彼 は 私 の 声 がよく 聞 こえなかったので 答 えなかった。<br />

293<br />

294<br />

49


2 1/2 yearsをどう 読 むか<br />

• 「two and a half years」 と 読 む<br />

• 『 半 分 』という 意 味 は「and a half」で 表 現<br />

例 )350 万 枚 3 and a half million copies<br />

• 1/2 =「half」ですけど、 分 数 『12/457』を 英 語 で<br />

どう 表 現 するでしょうか?<br />

その 場 合 、 分 子 と 分 母 の 間 を「over」でつなげる<br />

『12/457』=twelve over four hundred fifty-seven<br />

one another と each other<br />

の 違 い<br />

• 『one another』は、「お 互 いに」という 意 味<br />

例 )They explained how plants and animals are<br />

important to one another.<br />

和 訳 : 彼 らは、 植 物 と 動 物 が 互 いにどう 重 要 であるかを 説 明<br />

した。<br />

• 『each other』(お 互 い)との 厳 密 な 違 い・ 使 い 分 け<br />

『each other』( 二 人 のお 互 い)<br />

『one another』( 三 人 以 上 のお 互 い)<br />

295<br />

296<br />

和 訳 例 題 5<br />

• Japan's birthrate fell to a record low of<br />

1.29 last year, the government said<br />

Thursday, renewing fears about the<br />

country's ability to support its graying<br />

population in coming decades.<br />

(AP June 10, 2004)<br />

例 題 5 和 訳<br />

• 日 本 の 出 生 率 は 去 年 記 録 的 な 低 さに 落 ち 込<br />

んだ、と 政 府 は 火 曜 日 発 表 した。 結 果 として、<br />

今 後 数 十 年 の 間 に 高 齢 化 していく 人 口 を 支 え<br />

る 国 の 能 力 に 関 して 不 安 を 新 たにした。<br />

gray [gre‘i]【 自 動 】 〔 社 会 などが〕 高 齢 化 する<br />

renew [rin(j)u‘:] 【 他 動 】 ~を 新 しくする、 更 新 す<br />

る、 再 開 する これから 数 十 年 の 間 には<br />

297<br />

298<br />

『Japan's birthrate ~, renewing fears~』は、<br />

もうご 存 知 のとおり、『 分 詞 構 文 』<br />

代 表 的 な 分 詞 構 文 には、「 条 件 ・ 理 由 ・ 時 ・ 結 果 」 等<br />

ここでは、「 結 果 」を 表 す 分 詞 構 文 だと 意 味 から 判 断<br />

和 訳 は、 頭 から 訳 しあげていけばいい<br />

例 )China’s economy continued to show steady<br />

improvement, leading to an increase in demand<br />

for aviation services.<br />

和 訳 : 中 国 経 済 は 安 定 的 な 改 善 を 見 せ 続 けた。 結 果 と<br />

して、 航 空 サービスの 需 要 増 加 につながった。<br />

和 訳 例 題 6<br />

• To U.S. officials, Charles Robert Jenkins is<br />

a deserter. As a 25-year-old Army<br />

sergeant, he left his unit one night in 1965,<br />

crossed the border into North Korea and<br />

has been a fugitive from justice ever since.<br />

(AP June 9, 2004)<br />

299<br />

300<br />

50


例 題 6 和 訳<br />

現 在 完 了 形<br />

• 米 国 当 局 にとって、チャールズ・ロバート・ジェンキン<br />

スさんは、 脱 走 兵 である。25 歳 の 軍 曹 として、 彼 は<br />

1965 年 のある 晩 に 部 隊 を 抜 け 出 し、 北 朝 鮮 へと 国<br />

境 を 渡 った。それ 以 来 ずっと、 彼 は 逃 亡 犯 である。<br />

deserter 脱 走 兵<br />

sergeant [sα‘:(r)dз(э)nt]【 名 】 軍 曹<br />

fugitive [fju‘:dзэtiv] 【 名 】 逃 亡 者 、 亡 命 者<br />

justice [dзΛ‘stis] 【 名 】 司 法 、 正 義<br />

( 参 考 :fugitive from justice 「 逃 亡 犯 」)<br />

inherit [inhe‘rэt]<br />

【 他 動 】 ( 財 産 を) 相 続 する、~を 引 き 継 ぐ<br />

• 例 )You will inherit a large sum of money.<br />

1. 継 続 『ずっと~している』<br />

『for』『since』を 伴 うことが 多 い。<br />

2. 完 了 『(ちょうど 今 )~してしまった』<br />

3. 経 験 『( 今 までに)~したことがある』<br />

4. 結 果 『~して(その 結 果 、 現 在 は)~だ』<br />

例 題 (ニュース)の「~ has been a fugitive ~」では、<br />

『ever since』(その 後 ずっと)を 伴 っている。<br />

そこで「 継 続 」だということがわかる。<br />

例 )This rain has been going on ever since morning.<br />

和 訳 :この 雨 は、 朝 からずっと 続 いている。<br />

和 訳 :あなたは 大 金 を 相 続 するだろう。 301<br />

302<br />

和 訳 例 題 7<br />

例 題 7 和 訳<br />

• Al Qaeda's top leader in Saudi Arabia has<br />

praised a recent series of militant attacks<br />

in the kingdom which helped send oil<br />

prices to record highs on fears of<br />

instability.<br />

(Reuters June 3, 2004)<br />

303<br />

• サウジアラビアでのアルカイダの 最 高 指 導 者 は、そ<br />

の 国 (サウジ)において 最 近 相 次 ぐ 攻 撃 を 称 賛 した。<br />

この 攻 撃 は、 不 安 定 ( 供 給 )の 不 安 から 記 録 的 な 高<br />

さに 石 油 価 格 を 引 き 上 げた。<br />

praise [pre‘iz]【 他 動 】 ~をほめる、 称 賛 する<br />

series of 一 連 の~<br />

militant attack 過 激 派 の 攻 撃<br />

kingdom [ki‘ηdэm]【 名 】 王 国 、 王 領<br />

instability [i`nstэbi‘lэti]【 名 】 不 安 定 度<br />

on fears of ~の 不 安 から<br />

occupy [α‘kjэpa`i]<br />

【 他 動 】 ~に 居 住 する、~を 占 領 する<br />

• 例 ) Chinese seafood restaurant occupies the third floor.<br />

和 訳 : 中 華 レストランが5 階 を 占 めています。<br />

304<br />

『 help to do 』でtoの 省 略<br />

• 『help』は、「~するのを 手 伝 う」と 言 う 場 合 、<br />

「to do」のto は 省 略 されます<br />

• ネイティブが 口 語 では 使 うことが 多 い。<br />

• 英 文 ニュースでは、まず 出 てこない 形 。<br />

• 基 本 的 に、to は 省 略 して 覚 えておくこと。<br />

例 ) My mother helped me clean up the house.<br />

和 訳 : 私 の 母 が、 家 を 掃 除 するのを 手 伝 ってくれた。<br />

和 訳 例 題 8<br />

• Pipe smokers have five times the risk of<br />

lung cancer and nearly four times the risk<br />

of throat cancer as people who use no<br />

tobacco, researchers from the U.S.<br />

Cancer Society reported.<br />

(CNN June 2, 2004)<br />

305<br />

306<br />

51


例 題 8 和 訳<br />

• パイプ 喫 煙 者 は、たばこを 吸 わない 人 々よりも 肺 が<br />

んのリスクが5 倍 、 咽 喉 がんのリスクが4 倍 であると、<br />

米 国 ガン 学 会 の 研 究 者 たちが 報 告 した。<br />

lung [lΛ‘η]【 名 】 肺<br />

cancer [kae‘nsэ(r)] 【 名 】 がん<br />

throat [θro‘ut]【 名 】 のど、 咽 喉<br />

absurd [эbsэ‘:(r)d]【 形 】 ばかげた、ばからしい、 不 条 理 な<br />

• 例 )We stress the necessity of stopping this absurd fighting.<br />

• 和 訳 : 我 々はこのばかげた 戦 いをやめる 必 要 性 を 強 調 した。<br />

倍 率 ・ 危 険 率 の 記 述<br />

• 「3 倍 ~だ」「4 倍 ~だ」という 言 い 方 は、 通 常 では<br />

「 数 times as 形 容 詞 as」 の 比 較 表 現 を 使 う。<br />

• 例 )The heaviest stars are 10 or 20 times as heavy as the sun.<br />

• 和 訳 : 最 も 重 い 星 は、 太 陽 の10 倍 から20 倍 重 い。<br />

• 今 回 の 表 現 は、『have 数 (three) times the risk of ~』<br />

(~の 危 険 性 は(3) 倍 だ)の 形 になる。<br />

『as 以 下 』が 比 較 の 対 象 になっている。<br />

• 他 には、『use 数 times the amount of water』<br />

「 数 倍 の 水 を 使 う」など<br />

• 例 )Young women have three times the risk of RA as men.<br />

• 和 訳 : 若 い 女 性 は、 間 接 リウマチの 危 険 性 は 男 性 の3 倍 ある。<br />

307<br />

308<br />

和 訳 例 題 9<br />

• Cigarette smokers die on average 10<br />

years earlier than non-smokers but kicking<br />

the habit, even at 50 years old, can halve<br />

the risk, according to half a century of<br />

research reported on Tuesday.<br />

(Reuters June 22,<br />

2004)<br />

例 題 9 和 訳<br />

• 火 曜 日 報 告 された 半 世 紀 にわたる 研 究 によると、 喫 煙<br />

者 は、 非 喫 煙 者 よりも 平 均 で10 年 早 く 死 ぬが、その 習<br />

慣 をやめることは(たとえ50 歳 のときにでも)そのリスク<br />

を 半 分 にすることができる。<br />

non-smoker 【 名 】 ノンスモーカー、 非 喫 煙 者<br />

habit [hae‘bit] 【 名 】 習 慣 、 傾 向<br />

on average 平 均 して、 概 して<br />

• 例 )On average men smoke more cigarettes per week than<br />

women.<br />

• 和 訳 : 平 均 して、 男 性 は 女 性 より1 週 間 でより 多 くタバコを 吸 う。<br />

halve [hae'v] 【 他 動 】 半 分 に 切 る<br />

309<br />

310<br />

比 較 級 の 表 現 の 形<br />

• Cigarette smokers die on average 10 years<br />

earlier than non-smokers<br />

[ 差 の 数 ] + 比 較 級 + than ~ っていう 構<br />

文 例 )She is six years older than him.<br />

和 訳 : 彼 女 は、 彼 よりも6 歳 年 上 だ。<br />

• 別 の 表 現 方 法<br />

上 の 文 章 に「by」を つけて[ 差 の 数 ]を 表 すと、<br />

She is older than him by six years.<br />

和 訳 例 題 10<br />

• Happily married women tend to have<br />

healthier hearts than those who are lonely<br />

or unhappy. A 10-year study of 600<br />

women between the ages of 30 and 65<br />

found that happy and supportive<br />

relationships have a positive effect on the<br />

health of human hearts.<br />

(Reuters June 24,2004)<br />

311<br />

312<br />

52


例 題 10 和 訳<br />

「 影 響 を 与 える」という 表 現<br />

• 幸 せな 結 婚 生 活 を 送 る 女 性 は、 孤 独 で、 不 幸 せな 人<br />

よりも 健 康 な 心 臓 を 持 つ 傾 向 がある。 幸 せで 支 えとな<br />

る( 夫 婦 ) 関 係 が 人 の 心 臓 の 健 康 にプラスの 影 響 を 与<br />

えることが、10 年 に 及 ぶ30 歳 から65 歳 までの600 人<br />

の 女 性 の 研 究 でわかった。<br />

tend [te‘nd]【 他 動 】 ~する 傾 向 がある<br />

• 例 )We tend to be good at those things we like.<br />

和 訳 : 好 きこそものの 上 手 なれ。<br />

supportive 【 形 】 支 える、 支 えとなる、 支 持 する、 支 援 してく<br />

れる<br />

positive [pα‘zэtiv]【 形 】 積 極 的 な、プラスの<br />

• 「have a positive effect on」<br />

は『~に 良 い 影 響 を 与 える』<br />

• 他 の 言 い 換 え 表 現<br />

• 「have a positive impact on~」<br />

例 )We want to have a positive impact on society.<br />

和 訳 : 我 々は、 社 会 に 良 い 影 響 をもたらしたい。<br />

effect [ife'kt]【 名 】 効 果 、 結 果 、 影 響 313<br />

314<br />

和 訳 例 題 11<br />

• With his popularity sagging, Japanese<br />

Prime Minister Junichiro Koizumi, a<br />

veteran lawmaker for 32 years, has turned<br />

to a campaign novice to help boost his<br />

party's electoral chances.<br />

(Reuters June 27,2004<br />

315<br />

例 題 11 和 訳<br />

• 32 年 のベテラン 国 会 議 員 である、 日 本 の 首 相 ・ 小 泉<br />

純 一 郎 は、 彼 の 人 気 下 降 に 伴 い、 彼 の 党 の 選 挙 の<br />

勝 算 を 高 めるために、 一 人 の 選 挙 活 動 の 初 心 者 に<br />

救 いを 求 めた。<br />

popularity [pα`pjэlae‘rэti]【 名 】 人 気<br />

sag [sae‘g] [sae’g] 【 自 動 】 沈 下 する、 下 がる<br />

lawmaker 【 名 】 立 法 者<br />

turn to ~に 頼 る、~を 頼 みにする、~に 救 いを 求 める<br />

campaign [kaempe‘in]【 名 】 選 挙 運 動 、 運 動<br />

novice [nα‘vэs]【 名 】 未 熟 者 、 新 参 者 、 初 心 者<br />

boost [bu‘:st] 【 他 動 】 ~を 押 し 上 げる、 高 める、 増 やす、<br />

引 き 上 げる<br />

• 例 )We are trying a new approach to boost CD sales.<br />

• 和 訳 : 我 々は、CD 販 売 を 押 し 上 げるための 新 しい 取 り 組 みを 試 し<br />

ている。<br />

electoral [ile‘ktэrэl]【 形 】 選 挙 の<br />

316<br />

付 帯 状 況 のwith<br />

• 「With his popularity sagging, Japanese Prime ~~~」<br />

は、『 付 帯 状 況 のwith』(「~が~した 状 態 で」)の 構 文<br />

• 今 回 の 場 合 は 主 節 ・ 従 属 節 の 主 語 が 違 っている。<br />

主 節 の 主 語 Japanese Prime Minister Junichiro<br />

従 属 節 の 主 語 his popularity<br />

• 主 節 と 従 属 節 との 主 語 が 異 なる 場 合<br />

接 続 詞 の 代 わりに 前 置 詞 のwithを 置 いて、 動 詞 を 現 在 分 詞 形 に<br />

する 形 になる。<br />

• 他 の 文 例<br />

例 )Jim went out on a date, with his brother staying at home.<br />

和 訳 : 弟 は 家 に 残 り、ジムはデートに 出 かけた。<br />

317<br />

和 訳 例 題 12<br />

• Global warming could mean bad news for<br />

one of the world's most important crops,<br />

rice. Increased nighttime temperatures<br />

were associated with significant declines<br />

in crop yield at the International Rice<br />

Research Institute Farm in the Philippines.<br />

(AP June 28, 2004)<br />

318<br />

53


例 題 12 和 訳<br />

• 地 球 温 暖 化 は、 世 界 で 最 も 重 要 な 穀 物 の 一 つである<br />

「 米 」にとって 悪 い 知 らせを 意 味 する、ということもあり<br />

うる。 上 昇 する 夜 間 温 度 はフィリピンにある 国 際 米 研<br />

究 機 関 の 農 場 での( 米 の) 収 穫 量 の 大 幅 な 落 ち 込 みと<br />

関 連 している。<br />

global warming 地 球 温 暖 化<br />

crop [krα‘p] 【 名 】 作 物 、 農 作 物<br />

significant [signi’fik(э)nt] 【 形 】 大 幅 な<br />

decline [dikla‘in] 【 名 】 下 降<br />

crop yield 収 穫 量<br />

be associated with ~と 関 係 がある、~と 関 連 する<br />

• 例 )The problem is associated with your computer.<br />

その 問 題 は、あなたのコンピューターと 関 係 している。<br />

319<br />

「could」<br />

推 量 の 助 動 詞<br />

• 「could」は『~ということもありうる、~かもしれない』<br />

という 意 味 の 推 量 の 助 動 詞 。 何 度 も 出 ている 形 。く<br />

れぐれも、「~できた」とか 訳 さないように 気 をつけよ<br />

う。<br />

• 「could」の 他 にも 推 量 の 助 動 詞 はたくさんあります<br />

が、 使 い 方 としては、“possible” に 近 い 意 味 合 いで<br />

使 う。<br />

「should」 より 弱 含 み、「may」や「might」よりは<br />

強 い 感 じですね。<br />

例 )This could be a big chance.<br />

和 訳 :これは 大 きなチャンスかもしれない。<br />

320<br />

和 訳 例 題 13<br />

例 題 13 和 訳<br />

• Small children apparently have better<br />

memories than their parents, researchers<br />

reported. They found a 5-year-old could<br />

beat most adults on a recognition<br />

memory test, at least under specific<br />

conditions.<br />

(AFP July 22, 2004)<br />

321<br />

• 小 さい 子 供 たちは、その 両 親 よりもより 良 い 記 憶 を<br />

持 っているらしい、と 研 究 者 たちは 報 告 した。 少 なくと<br />

も 一 定 の 条 件 下 では、5 歳 の 子 が 再 認 ・ 記 憶 試 験 でほ<br />

とんどの 大 人 たちを 打 ち 負 かした、と 彼 らは 発 見 した。<br />

• urge [э‘:(r)dз]【 他 動 】 ~をせき 立 てる、 強 く 要 請 する<br />

– 例 ) They urged the government to take drastic steps for deregulation.<br />

和 訳 : 彼 らは、 規 制 撤 廃 に 対 して 大 胆 な 段 階 を 取 ることを 政 府 に 強 く 要 請 した。<br />

• apparently [эpae‘r(э)ntli]【 副 】 どうも~らしい、 恐 らく、 明 らかに<br />

• beat 【 他 動 】 ( 敵 ・ 競 争 相 手 などを) 打 ち 負 かす<br />

• recognition memory test 再 認 ・ 記 憶 試 験<br />

• specific [spэsi’fik] 【 形 】 明 確 な、はっきり 限 定 された、 具 体 的 な<br />

322<br />

conditions に under は 定 番<br />

• under specific conditions<br />

• この 場 合 「specific conditions」は、『 一 定 の 条 件 で』<br />

と 訳 したほうが 良 い。<br />

• conditions に under は 定 番 なので 覚 えておきましょ<br />

う。「~の 状 態 で」「~の 条 件 下 で」となる。<br />

• 例 )The source said under condition of anonymity.<br />

• 和 訳 :その 情 報 筋 は、 匿 名 を 条 件 として 言 った。<br />

和 訳 例 題 14<br />

• As many as 195,000 people a year could<br />

be dying in U.S. hospitals because of<br />

easily prevented errors, a company said<br />

on Tuesday in an estimate that doubles<br />

previous figures.<br />

(AP July 29, 2004)<br />

323<br />

324<br />

54


例 題 14 和 訳<br />

和 訳 例 題 15<br />

• 1 年 に19 万 5000 人 もの 人 が、 簡 単 に 予 防 で<br />

きるミスが 原 因 で、アメリカの 病 院 で 死 んでいる<br />

ということもあり 得 る、と 火 曜 日 ある 会 社 が 以 前<br />

の 統 計 の2 倍 の 概 算 ( 人 数 )で 発 表 した。<br />

as many as ~ほど、~もの 数 の<br />

double [dΛ'bl] 【 他 動 】 ~を 倍 にする、2 倍 にする<br />

estimate [e'stэmэt]【 名 】 見 積 、 概 算<br />

previous [pri':viэs]【 形 】 以 前 の、 前 回 の<br />

incur [inkэ':(r)]【 他 動 】 ~を 被 る、 招 く、 受 ける<br />

• 例 )She had never incurred his anger.<br />

• The money saved would be transferred to<br />

local governments to give them greater<br />

control over spending and policymaking.<br />

(The Japan Times Online 2005.11.3)<br />

• 彼 女 は、 彼 の 怒 りを 受 けることは 決 して 無 かった。 325<br />

326<br />

原 因 を 表 す 表 現<br />

• 「because of」(~のために、~のせいで) 原 因 を 表<br />

す<br />

• 似 たような 使 い 方 で、「owing to ~」「due to ~」が<br />

ある<br />

• ただし、「due to ~」は 悪 いことなどを 原 因 にすると<br />

きが 多 い<br />

• 例 )He is called the father of geometry owing to<br />

his contributions in the field.<br />

• 和 訳 : 彼 は、その 分 野 での 貢 献 により「 幾 何 学 の 父 」<br />

と 呼 ばれる。<br />

327<br />

例 題 15 和 訳<br />

• 節 約 されたお 金 は 地 方 自 治 体 に 渡 され、 支 出 や 政 策<br />

決 定 に 関 してより 多 くの 権 限 を 地 方 自 治 体 に 与 えるこ<br />

とになるでしょう。<br />

• save 【 動 】 貯 蓄 する、 節 約 する、 取 っておく<br />

(【セイ】ヴ: 最 後 の "ve" は 下 唇 をかむ)<br />

• transfer 【 動 】 移 す、 受 け 渡 す<br />

(【ト】ランスファー:"fer" は 下 唇 をかみ、あまり 口 を 開 かない)<br />

• local government: 地 方 自 治 体<br />

• give control: 管 理 を 任 せる<br />

• spending 【 名 】 支 出 、 経 費<br />

• policymaking 【 名 】 政 策 決 定 、 政 策 立 案<br />

(【ポ】リスィーメイキング)<br />

328<br />

名 詞 の 後 に 来 る 動 詞 の 過 去 分 詞 は<br />

その 名 詞 を 修 飾 する<br />

• 名 詞 の 後 に 来 る 動 詞 の 過 去 分 詞 はその 名 詞 を 修 飾 しますから、<br />

• "The money saved" は「 貯 蓄 されたお 金 」という 意 味 になります。<br />

• 今 回 の 場 合 は 特 に、 名 詞 を 主 語 、 過 去 分 詞 を 述 語 とするパターンと 間<br />

• 違 えて<br />

• The money saved would be transferred to local governments<br />

--------- =====<br />

S1 V1<br />

と 理 解 しないように 注 意 してください。<br />

• "The money saved" までしか 読 んでいない 段 階 では、 文 章 の 構 造 として<br />

"The money" が 主 語 で "saved" が 述 語 と 理 解 していても 問 題 はありま<br />

せん。<br />

• その 後 "would be" と 続 いたところで、 実 は "saved" が "The money" を<br />

修 飾 しているんだ、と 言 うことに 気 付 きましょう。<br />

和 訳 例 題 16<br />

• Watanabe had a 1-2-3 fifth inning, but a<br />

defensive breakdown let Cuba back into<br />

the game an inning later.<br />

– (The Japan Times Online 2006.3.22.Japan defeats<br />

Cuba to win first World Baseball Classic)<br />

329<br />

330<br />

55


例 題 16 和 訳<br />

• Watanabe had a 1-2-3 fifth inning, ( 渡 辺 は5 回 を 三 者 凡 退 としました) /<br />

but a defensive breakdown (しかし 守 備 の 停 滞 は) / let Cuba back into<br />

the game (キューバを 試 合 に 戻 しました) / an inning later. (1 回 後 で -> 次<br />

の 回 で)<br />

• 意 訳 : 渡 辺 は5 回 に(キューバを) 三 者 凡 退 としましたが、 守 備 の 乱 れから 続<br />

くイニングではキューバを 活 気 付 かせてしまいました。<br />

• 1-2-3 inning: 三 者 凡 退<br />

(ワン・トゥー・スリー・【イ】ニング:"three" は 舌 をかむ)<br />

• defensive 【 形 】 防 御 的 な、 守 勢 の<br />

(ディ【フェ】ンスィヴ:"def" と "sive" は 下 唇 をかむ)<br />

• breakdown 【 名 】 機 能 停 止 、 衰 弱<br />

(ブ【レイ】クダウン)<br />

• let 【 動 】 ~することを 許 可 する、~の 状 態 になることを 許 す<br />

• "back into the game" は、それまで 停 滞 気 味 だった 人 (チーム)<br />

"let" は "make"や "get"、<br />

"have" らと 並 ぶ 使 役 動 詞<br />

• "let" は "make"や "get"、"have" らと 並 ぶ 使 役 動 詞 で、<br />

– [ 使 役 動 詞 + A( 人 ) + 動 詞 の 原 形 ]<br />

「Aに~させる」<br />

• 同 じ 使 役 動 詞 でも "allow" の 場 合 は<br />

– [allow + A( 人 ) + to + 動 詞 の 原 形 ]<br />

と、 動 詞 の 前 に “to” が 入 る<br />

• 尚 、“let” や “allow” には「 相 手 の 同 意 」が 含 まれる<br />

– “let him go” や “allow him to go” は 彼 に 行 く 意 志 がある 場 合 に 使<br />

われる<br />

• “make” や“get”、“have” に 相 手 の 同 意 があまり 含 まれない<br />

– “make him go” や “have him go” は 彼 が 行 きたいと 思 っているかど<br />

うかは 分 からない<br />

が 勝 利 に 向 かって 勢 いづいてきた 時 に 使 われるフレーズ 331<br />

332<br />

翻 訳 のプロセス<br />

参 考 ・ 引 用 文 献<br />

1. 原 文 を 直 訳 する。 慣 れればこの 作 業 は 不 要<br />

2. 直 訳 を 日 本 語 の 文 章 に 推 敲 する<br />

1 著 者 の 意 図 を 的 確 に 伝 えること<br />

2 読 者 がその 意 図 をくみ 取 りやすいような 自 然 な<br />

日 本 語 にすること<br />

3 著 者 の 人 柄 や 書 き 方 のスムーズさ、テンポなど<br />

のニュアンスを 可 能 な 限 り 残 すこと<br />

• しっくり 来 る 単 語 が 英 和 辞 典 に 載 っていない 場 合 は「 類 語<br />

辞 典 」で 言 葉 を 探 す<br />

• 原 文 にない 言 葉 を 加 えることで 著 者 の 意 図 が 明 確 に 伝 え<br />

やすくなることもある<br />

• 大 野 木 裕 明 ・ 中 澤 潤 ( 編 ・ 著 ) 2002 心 理 学 マニュアル<br />

研 究 法 レッスン 北 大 路 書 房<br />

• 小 河 原 誠 1996 読 み 書 きの 技 法 ちくま 新 書<br />

• 澤 田 昭 夫 1977 論 文 の 書 き 方 講 談 社 学 術 文 庫<br />

• 澤 田 昭 夫 1983 論 文 のレトリック わかりやすいまとめ<br />

方 講 談 社 学 術 文 庫<br />

• 島 内 景 二 1995 読 む 技 法 ・ 書 く 技 法 講 談 社 現 代 新 書<br />

• 理 科 系 の 作 文 技 術 木 下 是 雄 1981 中 公 新 書<br />

• あだち けんじろう 『 一 日 一 問 英 文 ュース』 ~ 毎 日 コ<br />

ツコツ ゆっくりと!~<br />

• 西 村 克 己 2002 図 解 する 思 考 法 日 本 実 業 出 版 社<br />

• 古 谷 野 亘 2005 研 究 成 果 を 学 会 誌 に 発 表 する 方 法<br />

老 年 社 会 科 学 ,26(4),p.487-495<br />

333 334<br />

参 考 ・ 引 用 文 献<br />

• 「 超 」 整 理 法 野 口 悠 紀 雄 1993 中 公 新 書<br />

• 続 「 超 」 整 理 法 ・ 時 間 編 野 口 悠 紀 雄 1995 中 公 新 書<br />

• 「 超 」 勉 強 法 実 践 編 野 口 悠 紀 雄 1997 講 談 社<br />

• 「 超 」 整 理 法 3 とりあえず 捨 てる 技 術 野 口 悠 紀 雄 1999<br />

中 公 新 書<br />

• 知 的 生 産 の 技 術 梅 棹 忠 夫 1969 岩 波 新 書<br />

• 考 える 技 術 ・ 書 く 技 術 板 坂 元 1973 講 談 社 現 代 新 書<br />

• 続 考 える 技 術 ・ 書 く 技 術 板 坂 元 1977 講 談 社 現 代 新 書<br />

• 「 考 える 力 」をつける 本 新 聞 ・ 本 の 読 み 方 から 発 想 の 技 術 ま<br />

で 轡 田 隆 史 1997 三 笠 書 房<br />

• 「 考 える 力 」をつける 本 2 「 自 分 の 考 え」をどう 深 め、どう 実<br />

践 するか 轡 田 隆 史 1997 三 笠 書 房<br />

• 「 考 える 力 」をつける 本 3 これが「 思 考 」を 強 化 する 最 終 ス<br />

テップ 轡 田 隆 史 1998 三 笠 書 房<br />

335<br />

56

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