社会システム事業委員会 の活動 - JEITA

情報通信ネットワーク時代における社会公共システムの革新に貢献する
社会システム事業委員会
の活動
2011
Activities on Industrial and
Public Systems Committee
一般社団法人 電子情報技術産業協会
Japan Electronics and Information Technology Industries Association
http://www.jeita.or.jp/

社会システム事業委員会の組織と活動について Organization and Activities of Committee
社会システム事業委員会では、IT・エレクトロニクスを活用した社会全体のシステムを
より安全かつ快適に実現できるよう 2007 年に発足しました。近年、より安心・安全で
豊かな暮らしを築くため、「スマート」をテーマとした、さまざまな取組みが活発化して
いる中、当事業委員会においては、無線通信システム、特定小電力無線、固定・衛星
通信技術、航法システム、地上デジタル放送、非常用放送設備、業務用音声、監視カ
メラシステムなどの分野にて、国際市場動向把握、国際標準化、調査統計、共通課題
の検討など、幅広い活動を行っています。主な取組みは次のとおりです。
◆無線通信技術の進展と社会システムへの貢献
わが国の無線通信技術およびその社会システム応用における大きな潮流となって
きている M2M(Machine to Machine)を中心に、現状および将来動向を的確に把握
し、M2M 分野および関連分野の産業の振興、健全な発展に努めています。
◆地上デジタル放送技術の発展と海外普及促進への協力
地上デジタル放送日本方式(ISDB-T 方式)の普及のため、測定法ハンドブック等を
活用し、海外に向けて日本方式の情報提供に努めるとともに、国際標準化への対
応や技術セミナーを開催し、放送機器や通信システム関連産業の販路拡大に資す
る活動を行っています。
◆CCTV システム技術の標準化
CCTV のネットワーク化および高精細化に関し、課題を抽出し対応を図るとと
もに、CCTV のネットワークシステム特有の技術に関して評価、測定方法等
の検討を行っています。
◆業務用音声システムの技術動向、市場動向に関する調査
業務用拡声装置(PA システム)の JEITA 規格について、技術進歩と市場ニーズに
対応した改正を行うともに、関係官庁、関連団体・工業会と連携し、関連分野への
意見反映のための協力を行っています。
アイコム株式会社
朝日音響株式会社
池上通信機株式会社
株式会社NHKアイテック
沖電気工業株式会社
鶴洋商事株式会社
株式会社光電製作所
株式会社JVCケンウッド
セイコーインスツル株式会社
株式会社ゼネラルリサーチオブエレクトロニクス
ソニー株式会社
株式会社タムラ製作所
DXアンテナ株式会社
TOA株式会社
東京計器株式会社
株式会社東芝
東芝ライテック株式会社
日本通信機株式会社
日本電音株式会社
日本電気株式会社
日本無線株式会社
株式会社ノボル電機製作所
パナソニック システムネットワークス株式会社
株式会社日立国際電気
古河C&B株式会社
古野電気株式会社
ホーチキ株式会社
三菱電機株式会社
八重洲無線株式会社
以上/29 社
◆非常用放送設備システムの普及促進
総務省消防庁等の消防行政に協力するとともに、法整備の提言、機器・システムの
改善提案を行うともに、消防法改正に基づき制定した「緊急地震速報に対応した非
常用放送設備に関するガイドライン」について、関係団体との協議や調整を行い速
やかな市場導入を図っています。
◆航法システムに関する標準化活動
IEC/TC80(船用航海および無線通信装置とシステム)に関わる検討を行うととも
に、規格動向の説明および情報交換を実施し、わが国意見が規格に反映されるよ
う努めています。
◆固定・衛星通信技術に関する調査研究
新しい衛星通信インフラおよび自営系無線システムの動向や利用状況に関する調
査を中心とした活動を行う。これらの災害時通信のあり方や、通常時利用のあり
方、社会システムインフラとしての無線通信の利活用がもたらす影響等について調
査を行っています。
◆特定小電力無線システムの市場および技術に関する調査研究
国内外の市場規模や現状について、文献等による調査研究を行うとともに、特定小
電力無線機器のような比較的少電力による電波の市場の健全育成に向けた諸課
題について実地調査等を行い、業界発展への寄与に努めています。
委 員 長:荒巻 淳 三菱電機(株)
副委員長:岩崎 哲久 (株)東芝
参加企業:29 社 および、傘下委員会代表により構成
社会システム事業委員会 - 参加企業一覧/委員会組織 Member Companies / Organization
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情報・産業社会システム部会
社会システム事業委員会
(29社 52名)
無線通信システム調査検討ワーキンググループ
(6社7名)
固定・衛星通信専門委員会
(5社5名、客員 1 名)
特定小電力無線システム専門委員会
(9社11名)
放送システム専門委員会
(7社7名、客員2名)
CCTVシステム専門委員会
(9社16名、客員8名)
業務用音声システム専門委員会
(6社9名)
非常用放送設備専門委員会
(5社8名、オブザーバ7名)
航法システム標準化専門委員会
(6社11名、客員3名)

無線通信システム調査検討ワーキンググループ Radio Communication Equipments and Systems Study Group
近年、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末のようなモバイル型情報端末機器の
普及およびそれらの活用による各種ソリューションシステム構築の動きには目を見
張るものがあります。
そのこととも関連し、無線通信のトラフィックは急激に増加しており、通信システム容
量の増強や周波数帯域再編を含む周波数利用効率の向上が喫緊の課題となってい
ます。
また、東日本震災での教訓として、防災用としてのみならず、非常事態発生時、復旧
時の局面にも確実につながる通信インフラ用として無線通信が大いに見直されてき
ています。
このように新たな無線使用の拡大が予想される中、「社会システム事業委員会」で
は、これまで「固定・衛星通信」や「特定小電力無線システム」といった特定の無線通
信関連の組織は活動してきていますが、無線通信関連の活動範囲を発展的に拡大
し、新たな市場創出の一助に資する活動・事業を推進していくことを目指して、無線通
信システム調査検討WG を 2011 年7 月に開始いたしました。
WGではまず無線通信システムに関する国内外の動向を把握するために、情報通信
ネットワーク産業協会(CIAJ)、モバイルコンピューティング推進コンソーシアム(MC
PC)、ジャパンクラウドコンソーシアム(JCC)での活動状況を調査し、LTE を初めとす
るグローバルでのモバイルのブロードバンド化や周波数再編の動向およびモバイル
システムを基盤に構築された様々なソリューション事例(MCPC Award受賞)など
について学びました。
10 月には WG を CEATEC JAPAN 会場で開催し、最新の無線システム、無線機器の
展示を見学しました。
また、11月には WG主催で総務省総合通信基盤局電波部基幹通信課 重要無線室長
の森下信様に“東日本大震災等を踏まえた取組みと防災 ICT の今後の
展開”と題した講演(写真参照)
をしていただき、①高齢者にも
使い易いシステム、②非常用
電源の長寿命化、③自治体で
の防災に対する取り組みの
重要性を学びました。
JEITA 全体としても今後の重点取組み課題となる、エネルギー・環境分野、社会の安
心・安全分野、新成長分野(医療、ヘルスケア、農業、教育など)における、無線通信
(技術、デバイス、機器、システム)の果たす役割は非常に大きいものがあります。
特に、M2M(Machine to Machine)コミュニケーション技術の社会システムへの適用、
拡大の動きは、今までにはない新しい社会的価値を次々に創造していくものと考えら
れます。
例えば、電力の需給バランスを最適化する EMS(エネルギーマネジメントシステム)
においては、各家庭やビルでの電力使用量情報や太陽光発電などの分散型電源の
電力供給量情報を、リアルタイムでセンターに収集し、分析結果に基づき制御するこ
とが行われますが、その実現の根幹部分において M2M コミュニケーション技術が必
須です。
また、安全で快適な道路交通を実現する ITS(インテリジェントトランスポートシステ
ム)においても、車々間通信や路車間通信による衝突防止や信号機システム制御、
また車を動くセンサー(位置、速度、加速度)と位置づけ多数の車からのプローブ情報
の共有化に基づくヒヤリ・ハット個所の提示、交通流の円滑化、二酸化炭素排出量の
削減を図る交通システムにおいても、その実現の根幹部分において M2M コミュニケ
ーション技術が必須です。
このような状況を鑑みて、無線システム調査検討 WG は平成24 年度から、「無線通
信システム研究会」と名称を改めて、M2M を中心とした無線通信の技術・機器・システ
ムの国内外動向調査、情報発信、標準化活動支援、日本の M2M 関連業界とりまとめ
といった活動を、関連する JEITA 内各部門や他機関との連携を含めて推し進めていく
予定です。
固定・衛星通信専門委員会 Fixed and Satellite Communication System Technical Committee
当専門委員会は、きずな、みちびき等の新しい衛星通信インフラや、自営系無線シス
テムの動向・利用状況に関する調査、情報交換を中心とした活動を行なっています。
平成 23 年度の活動状況は以下のとおりです。
(1)新しい衛星通信インフラの実験状況等に関する調査
a)「きずな」は、2008年2月に打ち上げられた超高速通信が可能な静止軌道に配置
されたマルチビームアンテナを搭載した実験衛星です。ギガビット級の高速通信
が可能なため、ハイビジョンテレビ会議、ハイビジョン映像などを複数同時に伝
送できるメリットがあります。現在は大学、企業等が参加して各種実験が行われ
ています。
身近なところでは、昨年 3 月の東日本大震災発生の初期段階で岩手県庁、釜石
市、大船渡市に衛星可搬端末が設置され、ハイビジョンテレビ会議、インターネ
ットアクセス等に活用されました。
b)「みちびき」は、2010 年 9 月に初号機が打ち上げられた高精度の位置情報が取
得可能な準天頂軌道を周回する準天頂衛星です。現在国内で広く利用されてい
る米国の GPS 衛星はカーナビゲーションシステム等に利用されていますが、測
位精度が数十mあります。これに対し準天頂衛星は日本のほぼ上空を通過する
ため高仰角での受信が可能となり、サービス範囲が広がるばかりでなく数十 cm
の測位精度が可能となり、今までになかった用途での活用が期待されていま
す。例えば① 位置精度が向上するため店の前に携帯カメラを向けるとその店
の詳細情報が表示される、② 走行車線まで認識できるためカーナビゲーション
がより高度化できる、③ 田畑の範囲が高精度に計測可能なため農作業の自動
化ができる、などが挙げられています。
なお、現状は衛星1 機体制のため約 8 時間/日の利用に限定されていますが、
今後 2010 年代後半までに 4 機体制を整え、24 時間/日の利用を可能とする計
画があります。
- 2 -
主査:加藤 修 パナソニック システムネットワークス(株)
参加企業:6 社
沖電気工業(株)、TOA(株)、日本電気(株)、
パナソニック システムネットワークス(株)、(株)日立国際電気、三菱電機(株)
(2)自営系無線システムの動向調査
2011 年7 月の地上アナログテレビ放送のデジタル化に伴い、空き周波数帯となる
VHF 帯の一部について、公共業務用向けの割当周波数再配置が行なわれ、安全
安心な社会の実現のためにブロードバンド通信が可能な自営通信の導入が可能と
なりました。割り当てられた周波数は 170MHz~202.5MHz です。現行のチャネル間
隔数十 kHz の無線通信に対し数 MHz にブロードバンド化されるため、現行の通信
で課題となっていた、
①災害等の対応のため現場からの音声に加えて位置情報を付加した映像伝送が
可能になる、②災害以外でのリアルタイム映像伝送等、多方面での活用が可能に
なります。
現在、公共業務用ブロードバンド活用では各種利用実験が実施されています。
また、割り当てられた周波数帯のうち、地域や時間帯で利用されていない場合の
活用方法(ホワイトスペース)についても検討されています。
(3)今後の活動方針
平成24年度も前年度に引き続き最新の情報の収集、情報交換活動を行い、情報通
信の高度化に寄与していきます。
委 員 長:鈴木 作一 日本無線(株)
副委員長:須藤 伸一 三菱電機(株)
参加企業:
沖電気工業(株)、(株)東芝、日本無線(株)、
(株)日立国際電気、三菱電機(株)

特定小電力無線システム専門委員会 Specified Low Power Radio System Technical Committee
1.小電力無線機器の市場規模調査
無線 LAN、トランシーバ、ワイヤレスマイクなど多様化する小電力無線機器の市場
実態を把握するための調査・検討を実施しました。平成 22 年度までは調査会社を
通じての調査を検討してきましたが、平成 23 年度は段階的な実態把握を行いまし
た。
具体的には既存文献等の調査に着手し、「特定小電力関連ビジネス市場規模実態
調査」を基に委員で分担して検討を開始しました。
平成 24 年度は更なる検討・分析に取り組んでいきます。
2.小電力無線機器を利用したシステム等の実地調査
小電力無線機器を極めて効率よく、業務上頻繁に利活用されている現場につい
て、訪問ならびに意見交換を兼ねて、次の通り実施しました。
【調査日程】 2012 年2月23日(木)
【調査テーマと実地調査先】
(1)RFID IC タグを活用した貨物計量システム
(日本航空羽田空港国内線貨物地区)
(2)空港内連絡無線システム
(羽田空港第1旅客ターミナル)
左)RFID/IC タグを活用した貨物計量システム 右)羽田空港第1旅客ターミナル
3.自己確認制度の小電力無線機器への拡大検討提案
内閣府 規制・制度改革に関する分科会 第1WGにおいて、商品の迅速な市場投入
および、よりコスト負担の少ない機器開発などのメリットと、市場における不適合機
器の監視等の課題を提示した上で、特別特定無線設備の範囲を小電力無線機器
まで拡大すること、すなわち小電力無線機器への技術適合基準 自己確認制度導
入の検討を提案しました。
放送システム専門委員会 Broadcasting Systems Technical Committee
本委員会では地上デジタル放送技術の普及促進への協力を目的に以下の活動を行
っています。
1.「放送技術セミナー」の開催
放送事業者等に対し、地上デジタル放送システム導入後の技術情報を提供するこ
とと放送機器や通信システム関連産業の販路拡大に資するため、デジタル放送送
信技術に関する「放送技術セミナー」を毎年開催しています。
平成 23 年度は約 70 名の聴講参加者があり下記3つのテーマについて講演を行い
ました。
・「モバキャスの最新動向について」
・「エリアワンセグシステムの利用イメージとサービス提供技術」
・「ホワイトスペースの利活用に向けたエリア放送実証実験の報告」
放送技術セミナーの様子
2.地上デジタル放送 日本方式(ISDB-T 方式)の普及活動
地上デジタル放送での日本方式(ISDB-T方式)普及のため「地上デジタル放送 送
信機測定ハンドブック」並びに「地上デジタル放送 送信ネットワーク測定ハンドブ
ック」を刊行しました。
これらのハンドブックは国内での地上デジタル放送送信設備整備において品質確
保に大きく貢献しています。さらに、英語版を刊行し、海外に向けて日本方式普及と
情報提供を行っています。また、年度毎に国内外の放送関連の情報を集め、活動
成果ならびに参考資料として「放送関係内外トピックス」を取りまとめています。
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委 員 長:谷口 尚平 パナソニック システムネットワークス(株)
副委員長:豊島 肇 沖電気工業(株)
参加企業:
朝日音響(株)、沖電気工業(株)、(株)ゼネラルリサーチオブエレクトロニクス、
TOA(株)、日本電音(株)、パナソニック システムネットワークス(株)、
(株)日立国際電気、古河C&B(株)、八重洲無線(株)
3.国際規格標準化/制定への貢献
国際電気通信連合無線通信部門(ITU-R)等の国際標準化動向の把握に努めてい
ます。
また、IEC/TC103(無線通信用送信装置)国内委員会に代表委員を派遣し、日本
意見の反映に努めています。
4.関係官庁、関連の諸団体・工業会と連携し、関連分野への協力
本委員会では以下の関係機関と連携、協力を行っています。
経済産業省、総務省、公益財団法人情報通信学会
5.実地調査
本委員会は放送関連分野に係わる施設等の視察、勉強会を毎年実施し、知識の向
上、情報の共有化を図っています。
平成 23 年度は下記施設の実地調査を実施しました。
・海上自衛隊 えびの送信所(宮崎県)
・金峰山テレビ FM 送信所(熊本県)
委 員 長:河野 健一 日本無線(株)
副委員長:小堀 理 (株)東芝
参加企業:
池上通信機(株)、(株)NHKアイテック、(株)東芝、日本通信機(株)、
日本電気(株)、日本無線(株)、(株)日立国際電気

CCTVシステム専門委員会 Closed Circuit Television System Technical Committee
CCTV システム専門委員会は、産業用 CCTV カメラ(監視カメラ)とシステム機器の技
術及び関連事項の検討・審議・標準化を中心に、映像監視システム分野の発展に寄
与することを目的に活動しています。
1.CCTV のネットワーク化及び高精細化に対し、課題を抽出し、傘下に CCTV スペッ
ク検討会、レンズスペック検討会を設置して具体的な検討を実施
①CCTV スペック検討会
近年、画像圧縮技術やインターネットプロトコル技術を利用した CCTV 機器が普及
しています。また、ネットワーク化によりアナログ映像信号の制約がなくなることか
ら、高精細化が進んでいます。
2009 年7 月に制定した JEITA TTR-4605「CCTV 機器スペック規定方法(ネットワー
クカメラ用)」の国際的な認知度向上のために英語版の制作を行い、2012 年 3 月に
日英合本として TTR-4605A「CCTV 機器スペック規定方法(ネットワークカメラ用)」
のとりまとめを完了しました。同時に JEITA TTR-4602B「CCTV 機器スペック規定方
法」のカメラ部についても英語版の制作を行い、来年度の規格見直しの中で発行方
法の検討を行います。
②レンズスペック検討会
以前より CCTV カメラとレンズ間
のレンズマウントやオートアイリ
スレンズコネクタの標準化を
行ってきました。
(JEITA TT-4506A)
「CCTV カメラ用レンズマウント
(C 及び CS)の取り付けねじ及び
フランジ焦点距離」,
JEITA RC-5204「CCTV カメラ用
オートアイリスレンズコネクタ」
課題抽出と審議を行い、内部資料
として取りまとめました。
2.将来の CCTV システムについて情報収集および技術動向の調査
①国際規格対応のため、傘下に国際規格検討会を設置し、ISO/TC223(社会セキュリ
ティ)ビデオサーベランス規格と IEC/TC79(警報および電子セキュリティシステム)
CCTV 関連の 3 規格およびリエゾン関係の他2 規格の対応を行いました。各規格ド
ラフトに対するコメントの取りまとめを行い、9 月の IEC/TC79 総会/WG 会議および
2 月の WG 会議に委員長を派遣して 3 規格の CD 発行、CD コメント審議および今後
の活動議論を行いました。
また、同時に各国の規格動向に関する情報収集を行いました。
②HATS 推進会議(高度通信システム相互接続推進会議) IP カメラ接続 WG に
オブザーバ参加して IP カメラの技術動向の情報収集を行いました。
3.関係官庁、関連の諸団体・工業会と連携し、関連分野の諸問題への対応
国土交通省からの依頼により「公共建築工事標準仕様書(電気設備工事編)」およ
び「公共建築工事見積標準書式(設備工事編)」改定への意見を提出しました。
※平成 24 年度より、名称を「映像監視システム専門委員会」に変更します。
業務用音声システム専門委員会 Public Address System Technical Committee
業務用音声システム専門委員会では、業務用音声(PA)システムの市場や技術の動
向調査を通じて、将来市場の拡大やリプレイス需要の掘り起こしなどの検討を行い、
安定した業務用音声(PA)システム運用のための関連規格見直しなどの活動を行っ
ています。
1.製品の安全性向上に関する取り組み
低圧機器安全WGへの代表委員を 1 名派遣しており、電気用品安全法の見直しが
検討されている情報を収集しています。
電気用品安全法については、業務用音声システム機器にも広く適用されていること
からも、その見直しについては、委員会での重要課題として位置づけしています。
本規格の見直しに対する各社の影響度調査を平成 24 年度から着手します。
2.業務用音声(PA)システム関連規格の見直し
非常用放送設備専門委員会、ならびに関西支部の拡声情報専門委員会の協力を
得て、次の 2 点の規格を見直し発行しました。
①TT-4507A『拡声装置とプロオーディオ
機器の表示用語』
改正のポイントとして、初版が
2000 年に制定されてから 9 年を
経過し、その間に電子技術もアナ
ログからデジタルへ進歩してきた
ことにより、定義していた表示
用語も現在使用されている技術
に対して適切な用語を再定義
しました。
- 4 -
委 員 長:須部 信 パナソニック システムネットワークス(株)
副委員長:佐々 敦 (株)日立国際電気
参加企業:
池上通信機(株)、(株)JVCケンウッド、ソニー(株)、TOA(株)、日本電気(株)、
パナソニック(株)、パナソニック システムネットワークス(株)、
(株)日立国際電気、三菱電機(株)
②TT-4501C 『メガホン通達距離・電池持続時間の表示方法』
改正のポイントとして、前規格 TT-4501B で電池持続時間のリファレンスとして規定
されていたマンガン乾電池は、アルカリ乾電池に移行し、市場ではほとんど使用さ
れなくなっていました。そのため、メガホンの使用において、現在広く使用されてい
るアルカリ乾電池による持続時間として新たに規定しました。
なお、2006 年の改正以来、5 年以上を経過した TT-4502B『拡声装置の整合基準』
の内容についても見直しを着手し、平成 24 年度の発行を予定しています。
3.拡声統計の活用・検討
拡声装置の品目分類を基に統計資料の書式を 13 ヶ月のグラフに変更し、年間販売
推移のほかに前年度同月の実績を比較分析できるようにしました。
4.その他課題対応
国土交通省からの依頼に基づき、公共建築工事標準仕様書(電気設備工事編)の内
容の確認を実施し、改定意見を提出しました。
委 員 長:吉川 貴司 TOA(株)
副委員長:大澤 正一 パナソニック システムネットワークス(株)
参加企業:
(株)JVCケンウッド、ソニー(株)、TOA(株)、日本電音(株)、
パナソニック システムネットワークス(株)、(株)ノボル電機製作所

非常用放送設備専門委員会 Emergency Public Address System Technical Committee
非常用放送設備は、火災発生時に建物内の人々に警報と避難誘導を行なうための設
備です。消防用設備の一つである非常警報設備として位置づけられ(図 1)、火災の
被害を軽減する役割を担い、多くの人々が利用するビル、ホテル、ショッピングセンタ
ー、地下街、病院、学校、映画館などの建物に設置されています。
非常用放送設備専門委員会は、非常用放送設備の機器製造メーカ 5 社を中心に構成
されています。オブザーバとして総務省消防庁、東京消防庁、大阪市消防局が参加
し、日本消防検定協会、一般社団法人日本火災報知機工業会、一般社団法人インタ
ーホン工業会と協力し、関連する製品の技術基準の検討や、警報設備の健全な発展
と機器・システムの改善などを推進する活動を行っています。
【平成 23 年度の主な活動】
1.消防法施行規則等の一部を改正する省令(平成21 年総務省令第 93 号)
および非常警報設備の基準の一部を改正する件(平成 21 年消防庁告示第 22 号)
を受けた取り組み
(1)非常放送中における地震動予報等に係る放送について動作仕様を明確にするこ
とを目的として「緊急地震速報に対応した非常用放送設備に関するガイドライン
(JEITA TTR-4701)」を制定し公開しました。(4 月)
(2)日本消防検定協会が規定している「非常警報設備の放送設備に関する認定細
則」の改正に協力しました。(6 月)
(3)「緊急地震速報に対応した非常用放送設備に関するガイドライン」に対応した緊
急地震速報受信端末の普及のため、財団法人 気象業務支援センター/緊急地
震速報利用者協議会と協議を開始しました。
図1.非常用放送設備の位置づけ 図2 .過去 10 年間の出荷台数推移(平成 14 年~23 年)
2.非常用放送設備および非常電話の地域別出荷統計調査を実施
2011 年もほぼ例年どおりの出荷台数となりました。
設備の累計台数は約 35 万台となり、安全・安心を提供する設備として
一般的な設備となっています。(図 2)
3.消防関係機関への協力ならびに関係団体と連携
(1)社団法人東京消防設備保守協会の防災センター評価委員会および同幹事会に
委員を派遣し審議に協力しました。
(2)一般社団法人日本火災報知機工業会の予備電源調査・検討委員会に委員を派
遣し、調査、検討に協力しました。
(3)一般社団法人日本火災報知機工業会、一般社団法人インターホン工業会と連携
し、情報交換を行ないました。
(4)社団法人日本電気協会 蓄電池設備認定委員会に委員を派遣し、審議に協力し
ました。
4.ISO7240(火災感知および火災警報システム)の「緊急音声装置」に関する国内審
議および国際審議(ISO/TC21)に協力
ISO7240-24(音響用スピーカー)の修正草案に対する投票と、審議完了草案に対す
る投票があり、検討結果を国内 WG 主査へ報告しました。(9 月、1 月)
【今後について】
「緊急地震速報に対応した非常用放送設備に関するガイドライン」について、速や
かな市場導入を図るため関係団体との協議や調整を行なうとともに、人々の暮らし
の「安心・安全」を支える設備として非常用放送設備および周辺設備の将来像、新
たなシステムビジョン等について検討を行い、設備の改善・改良などを関係省庁、
機関に対し継続して提案していきます。
航法システム標準化専門委員会 Maritime Navigation and Radiocommunication Equipment and Systems Committee
JEITA が日本での審議団体として責任を負っている IEC TC80(舶用航法と無線通信
装置とシステム)にて開発が推進される国際標準規格に対する標準化活動を担当し
ています。
IEC TC80 は国連の専門機関である IMO(International Maritime Organization)が国際
的な義務を負っている“海上での生命の安全と環境保護”のうち、”海上での生命の
安全“に関する国際条約(Safety Of Life at Sea:SOLAS 条約)を推進するに当たって、
IMO にて策定される航法と無線通信装置とシステムの性能要件(Performance
Standard)に対応した試験規格を作り上げる役割を担い、1980 年に IMO との合意の基
で設立されました。
TC80 の活動は IMO にて策定された性能要件に対応した試験規格の策定以外に、よ
り幅広い観点から航法装置の標準化が必要であるとして、一般船舶や沿岸海域にて
用いられる装置等への適用を行い、これまでに約 50 にのぼる標準化規格を開発し、
関係国政府及び SOLAS 条約による型式承認の為に適用される唯一の装置規格とし
て国際的な提供を行っています。
海上関係における各種の資料から、商船の年間の建造量は約3千隻となっており、
主な建造国は、中国:38%、韓国:33%、で日本は 22%の第3 位となっています。100 総ト
ン以上の商船は約 10 万隻、漁船として登録されている数は 400 万隻で、その約 66%
が船の長さ 10m 以下の小型です。
一方、プレジャー用船舶は 2300 万隻にのぼっており、保有率は約 7 割が
米国、約 2 割がヨーロッパとなっています。
これらの商船、漁船及び
プレジャ-用船舶に搭載される
航法装置/システムの市場規模
は、船舶の建造費の削減を
提言しており、達成全体の
約 6%と推定されることから、
全世界としての市場規模は
約 35 億ドル程度と
見られています。
- 5 -
委 員 長:山口 喜一郎 (株)JVC ケンウッド
副委員長:音野 徹 TOA(株)
参加企業:
(株)JVCケンウッド、TOA(株)、東芝ライテック(株)、日本電音(株)、
パナソニック システムネットワークス(株)
新たな標準規格化活動の推進にあたり、期待される技術的な動向としては、IMOは航
法装置として自動的な位置検出装置、船舶自動識別装置、航海データ記録装置と電
子海図装置等の搭載義務化を図り、これらの装置/システムを有効的・効率的に運用
するためには、更に高速データ通信、グラフィカル表示の性能向上した標準化が必要
であるとしています。
航法システム標準化専門員会は、JEITA が TC80 に関する審議団体との位置付けか
ら、活動の承認機関である“TC80 国内委員会”への定期的な審議活動への支援と
IEC TC80 傘下の各 WG/MT/PJ(WG4A、WG6、WG7A、WG10A、WG15、MT1、MT4、
MT5 及び MT6)に対応した標準化 G、(船内システム標準化 G:WG10A/MT4、船内共
通事項標準化G:WG6/MT5/MT6)及び舶用無線情報標準化G:WG15)を組織して、回
章文書等の対応に当たっています。
また、全般的及び標準化 G に属さない WG/MT/PJ 対応は標準化専門委員会
(WG4A/WG7A/MT1 と各 PJ)にて対応しています。
これに関連して、各 WG/MT 等にて審議されている国際規格に対して日本の意見の
反映が必要との考えから、対応する各WG/MTへのエキスパート登録を行い、当該会
議への出席し、意見提案・内容確認等の審議作業を行った 2011 年の TC 総会を含む
WG/MT として開催された会議にエキスパートを送って対応しました。また、標準化活
動を推進するにあたり、関係機関・団体との連携の必要性から、大学、国土交通省、
総務省、経済産業省、海上保安庁、日本船舶技術研究協会、海上技術安全研究所及
び各船舶会社との協力関係の維持を図っています。
委 員 長:矢内 崇雅 沖コンサルティングソリューションズ(株)
副委員長:田北 順二 日本無線(株)
参加企業:
沖コンサルティングソリューションズ(株)、鶴洋商事(株)、(株)光電製作所、
東京計器(株)、日本無線(株)、古野電気(株)

(社)電子情報技術産業協会/社会システム関係 規格類・頒布資料類の紹介
JEITA では、IECやISO を中心とした国際標準化機関の活動に積極的に取り組んでい
ます。国際議長・幹事・副幹事を 20 名以上選出し、国内審議団体として委託を受けて
いる国内委員会は 30 以上にのぼります。世界各国で行われる国際会議にも積極的
に委員を派遣し、国際標準化活動を展開しています。
組織体制は、共通部門のほか各分野別に標準化委員会を設置し、JEITA の事業分野
であるオーディオ・ビジュアル、コンピュータ、情報システム、産業・社会システム関連
はもとより、電子部品、電子材料、半導体、電子ディスプレイなどに関する標準化を推
進しています。
JEITA に関係する規格には、IEC、ISO、JTC1 等の国際規格、JIS 等の国内規格があ
りますが、これらを補完するために、業界団体規格として JEITA規格類を制定・発行し
ています。オーディオ・ビジュアル機器から、情報通信機器、電子応用機器、電子部
品、半導体、ディスプレイ、実装システムに至るまで、540 件以上の JEITA 規格類
(JEITA 規格・暫定規格・技術レポート)を発刊し、英語版も 150 件以上発行していま
す。
JEITA 規格の制定にあたっては、参加委員各社の専門家と、関連する業界団体や大
学から有識者を募り、関連委員会傘下に専門の審議機関を設置し検討しています。
また、過去に制定した規格類は、定期的に見直しを行い、改正を行うことで、日々進
歩する技術に対応し、IT・エレクトロニクス業界の技術発展、製品の安全性、ビジネス
発展に寄与しています。
【JEITA 規格類に関するお問い合わせ】
JEITA ホームページにて、規格を検索することができます。
http://www.jeita.or.jp/
規格についてのお問い合せは、JEITA サービスセンターまでお願いします。
TEL:03-5218-1086
FAX:03-3217-2725
E-Mail:support@jeita.or.jp
(社)電子情報技術産業協会とは About Japan Electronics and Information Technology Industries Association (JEITA)
一般社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA:Japan Electronics and Information
Technology Industry Association of Japan)は、電子機器、電子部品の健全な生産、貿
易及び消費の増進を図ることにより、電子情報技術産業の総合的な発展に資し、わ
が国経済の発展と文化の交流に寄与することを目的とした業界団体です。電子材料
から電子部品・デバイス、最終製品に至るまで幅広い分野の様々な課題に取り組ん
でいます。
世界中がインターネットで結ばれ、エレクトロニクス技術とIT(情報技術)が、様々な形
でグローバルに浸透しています。このエレクトロニクス技術の進化とITの進展によ
り、情報・通信・映像・音声等の技術が融合して、新しいシステムや製品が生み出さ
れ、経済社会のみならず、人々の生活や文化に至るまで、従来の枠組みを超えた大
きな変化がもたらされています。
当協会は、まさに 21 世紀のデジタル・ネットワーク時代を切り拓いていくことを使命と
しており、電子情報技術の発展によって、人々が夢を実現し、豊かな生活を享受でき
るようになることを願っております。
このため、政策提言や技術開発の支援、新分野の製品普及等の各種事業を精力的
に展開するとともに、地球温暖化防止等の環境対策にも積極的に取り組んでいます。
組織体制は、内外にわたる各分野の課題について調査・研究・審議するため、理事
会・政策役員会の下に、総合事業部門として総合政策部会と、6 つの課題別委員会、
製品事業部門として 5 つの分野別部会及び関西支部運営部会を設置しています。
また、各分野別部会・課題別委員会の下には、さらに多数の事業委員会、専門委員会
などが設置されており、会員会社は希望する委員会に参加することができます。
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【社会システム関係 規格類・頒布資料類】
☆業務用音声システム専門委員会
JEITA TT-4501C トランジスタメガホンにおける通達距離及び電池持続時間
の表示方法
JEITA TT-4502B 拡声装置の整合基準
JEITA TT-4503B 拡声用増幅器試験方法
JEITA TT-4507A 拡声装置とプロオーディオ機器の表示用語
☆CCTV システム専門委員会(平成 24 年度より、映像監視システム専門委員会)
JEITA TT-4506A CCTV カメラ用レンズマウント(C 及び CS)の取付けねじ及び
フランジ焦点距離
JEITA TTR-4601B CCTV 機器用語
JEITA TTR-4602B CCTV 機器スペック規定方法
JEITA TTR-4604A CCTV 機器スペック規定方法(周辺機器用)
JEITA TTR-4605A CCTV 機器スペック規定方法(ネットワークカメラ用)
☆非常用放送設備専門委員会
JEITA TTR-4701 緊急地震速報に対応した非常用放送設備に関する
ガイドライン
☆航法システム標準化専門委員会
JEITA TT-2503A 船内指令装置
所掌する産業分野は、サーバやパソコンを含むコンピュータ関連、情報端末機器か
ら、無線通信機器、放送機器、電子計測器、医用電子機器、道路交通システム機器な
どの「インダストリアル機器」、液晶テレビやプラズマテレビ、デジタル放送受信機器、
ケーブルテレビ機器、DVD/ブルーレイ機器、デジタルビデオカメラ、オーディオ機
器、カーナビゲーションシステムなとの「コンシューマ機器」、更には集積回路やディ
スクリート半導体、液晶ディスプレイ、PDPなどの「電子デバイス」、受動部品や機構
部品などのほか、組立品、電子材料を含む「電子部品」、その他、EDI関連、RFID関
連、ソフトウェア、ソリューションサービスなど、多岐に亘っています。
当協会は、これらの産業規模にして40兆円を超える規模を持つIT・エレクトロニクス
産業を担う、わが国最大級の業界団体として、政策提言や税制・規制改革等の要望、
環境問題への取組み、知的財産保護への取り組み、各種調査統計事業の充実に努
めています。
また、様々な報告書や資料類の発行、国際標準化活動や業界規格の制定、国際会議
の開催、海外調査団の派遣、様々なテーマでの講演会やセミナーの開催、「CEATE
C JAPAN」に代表される展示会なども実施しています。
【JEITA 入会に関するお問い合わせ】
入会に関するお問い合わせは、下記にお願いいたします。
一般社団法人 電子情報技術産業協会
総務部
TEL:03-5218-1050

作成・発行/一般社団法人 電子情報技術産業協会 インダストリ・システム部
〒100-0004 東京都千代田区大手町 1-1-3 大手センタービル 5 階
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