Kwansei Gakuin University Repository - 関西学院大学リポジトリ
Kwansei Gakuin University Repository - 関西学院大学リポジトリ
Kwansei Gakuin University Repository - 関西学院大学リポジトリ
You also want an ePaper? Increase the reach of your titles
YUMPU automatically turns print PDFs into web optimized ePapers that Google loves.
・情報教育におけるグループ学習の有効性<br />
グリッド教材であることから複数の PC を使って実習を進める必要があり,必然的に班単位でのグル<br />
ープ学習といった手法をとることとなったのだが,授業を始める前の段階ではいじめの問題など若干の<br />
不安を持っていた.しかし,実際の授業においては,予想以上にグループ内で活発な討論が行われ,グ<br />
リッド教材はグループ学習の課題として非常に適していることがわかった.これには,グループで仕事<br />
の分担を行なうこと自体がグリッド概念と結びついている点,PCという機材がグループ内での活発な<br />
議論を導き出す要素となっている点があると思われる.<br />
6.研究開発実施上の問題点及び今後の課題など<br />
6-1.問題点<br />
グリッド教材を使った授業に対しては大半の生徒が意欲的に取り組むことができたものの,興味をあ<br />
まり持てずにプログラミングの楽しさにたどり着けなかった生徒が 1 クラス中に2,3名ほど出ていた.<br />
これに関しては,時間数の不足が一番の問題と思われる.グリッド教材を動かすためには PC が同時に<br />
6台必要となることから,1年生全員を対象としている中では放課後に自由に PC を使用させるといっ<br />
たことも難しく,1台の PC 上で擬似的にグリッド教材を動作させる環境を作成するなど,追加の教材<br />
開発を検討する必要性が上がってきている.<br />
6-2.今後の課題<br />
(1)カリキュラム,テキストの見直し<br />
今年度で,生徒のつまずくところ,理解できるところなど,大体の傾向が分かったので,この経験を<br />
活かし,カリキュラムとテキストの内容のブラシュアップを図りたい.<br />
(2)平成 20 年度の 3 年選択クラス向け教材の準備<br />
今年授業を行った 1 年生全員(313 名)のうち数十名の生徒はとても情報教育に興味を持ち,既に3<br />
年生で開講される予定の選択授業を希望する生徒が出てきている.この生徒たちの希望を裏切らないよ<br />
うに,2 年後の選択授業に向けて,教材作成などの準備を行なっていく必要がある.<br />
(3)研究成果の普及について<br />
プロジェクト開始当初より,研究成果を他校でも活用してもらえるようにと,できるだけ追加のハー<br />
ドウェアやソフトウェアを購入せずに準備できる環境を検討すること,新たに特殊な知識を学ばなくて<br />
も情報教諭が取り組めるようなマニュアルを整備することを目的の一つとして進めてきており,今年度<br />
マニュアルの検証を行い環境構築が他校で可能であることまで確認したが,まだ実際に他校で実践授業<br />
を行ってもらうところまではできていない.今後,実際に取り組んでもらえる学校を見つけ,グリッド<br />
教材を利用した授業を行ってもらうと共に,追加で必要なマニュアルなどの整備を進めていきたい.<br />
38