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Kwansei Gakuin University Repository - 関西学院大学リポジトリ

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5.研究開発の評価<br />

5-1.プロジェクト全体の評価<br />

今年度のプロジェクトでは,17 年度に実施した 3 年選択授業での反省を元に,カリキュラム・テキ<br />

ストの見直し,グリッド環境の変更,グリッド教材の改善に取り組み,2 学期に 3 年選択クラス,3 学<br />

期に 1 年生 313 名全員に対して実践授業を行った.また,グリッドに関する情報収集のためのセミナー,<br />

翌々年度に予定している 1 年次にグリッド教育を受けた生徒向けの 3 年選択授業でのグリッドを題材に<br />

したカリキュラムの検討も行った.<br />

今年度,1 年生全員を対象にした実践授業を行うにあたって,昨年度の 3 年選択クラスの授業でわか<br />

った問題点以外に,1 年生向けにグリッド教材をより使いやすくすること,大勢の生徒を相手にする教<br />

師の手間を極力減らす環境作りなどが課題としてあがっていた.これには,十分な時間をかけて準備に<br />

取り組み,グリッド環境,テキストに関しては模擬授業により事前検証を行うなど万全を期して授業に<br />

臨んだ.その結果,大きな問題が発生することなく計画通りに授業を進行することができた.残念なが<br />

ら,興味をあまり持てずスケジューリングのプログラミングの楽しさまでたどり着けなかった生徒が1<br />

クラス中 2,3 名でてはしまったが,これは時間数不足が一番の問題となっていると思われる.全体の 9<br />

割以上が実際に C 言語でスケジューリングのプログラムを作成し課題を解くことができたこと,グリッ<br />

ドの概念は現実の社会に発展的にあてはめられる問題解決手法であることへと生徒の理解を導けたこ<br />

とから,今年度の目標としていた 1 年生全員の授業への適用は成功したと考えている.<br />

本研究では,グリッドをテーマに取り入れたカリキュラム・テキスト・教材を開発して実践授業を行<br />

ったが,目的はグリッドコンピューティングの習得だけでなく,グリッドの概念を理解し,発展的に現<br />

実の問題解決に応用できるようになることであった.この点に関し,授業の終わりに生徒の理解度を測<br />

るために提出させたレポートから分析したところ,授業を通して各自学習した内容,捉え方はさまざま<br />

であるが,共通して言えることは,考える力・合理的な思考力(問題形成と問題解決能力),洞察力,判<br />

断能力,社会に対する問題意識と社会に対する適応性,そして,互いのコミュニケーション能力の向上<br />

が見られ,狙った効果がでていることがわかった.また,グリッド概念の発展から,「適材適所と信頼<br />

関係とコミュニケーション」,「今ある資源を最大限活かすには,どのようにすると良いか」と言った意<br />

識付けを生徒に持たせることもできたこともわかっており,この点から本プロジェクトの取り組みは成<br />

功したと考えている.<br />

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