ッドコンピューティングであることであり,この考え方は,社会組織にも適応することが可能であ ることに着目させる. 【授業を終えて】 ・ この内容に関し,具体的な例をいくつも取り上げて説明したことにより,生徒は理解しやすかった ようである. ・ 現実において適応する現象が多くあり,生徒の今まである組織に関する考え方に大きな影響を及ぼ す結果となった.生徒は,クラブ,家族,日直,学友会,就職後,そして,あらゆる組織において (1) 問題解決と問題形成 (2) 仕事の配分の方法(適材適所に分配,互いの信頼関係の大切さ,コミュニケーションの重要 性) の考え方を,活かしていきたいと考えている. 33
4-4.教育方法 (1) グループを中心に,互いに討論できる形式を取った(このグループ討論自体が,グリッドとなって いる). (2) テキストは,各授業において必要な分だけ配布した. (3) 授業形態は,実習主体とした. (4) 評価はグループ評価と,グリッドに関する個人の考察を中心とした. 【全体のグリッドコンピューティングの授業を終えて(生徒のレポートを読んで)】 授業を終了し,レポートを読みカテゴライズしようと試みた.この授業の目的でもあるように,「個々 の意見を持ち自ら考え,自ら判断し…」とあるので仕方がないことであるが,それぞれがこの授業に対 する自分の意見を持ったため,カテゴライズできないほどさまざまな意見や感想が出てきた.したがっ て,採点の基準も,意見や感想が正しいことか,そうでないのかと言う点に着目すると,実際に時間が 経たなければ分からないことであり,また,感想に関しては,各自がそのように考えたのだから仕方が ないようにも感じた.そこで,とにかくレポートの採点基準を授業展開の初めに設定したように,「授 業で感じた,または,学習した内容を,いかに理論の展開できたのか」と言う点に着目し採点すること にした. (1) エクセルを利用したレジ問題に関する取り組みに関して ・ 非常に問題定義が明確なため,生徒はパズルのように感じ,熱心に取り組むことができた. ・ 並び方が異なれば,待ち時間がとても異なることを数値の上で体験することが出来た. ・ 待ち時間をなるべく少なくすることが,客に対する大きなサービスとなることが学習できた.日ご ろ,そのようなことに,気がついていなかったようである. (2) グリッドコンピューティングを用いたレジ問題とその拡張に関して ・ この件に関して,レポートにあるようにとても理解することに時間が要しられた.つまり,レジ問 題と数式との関連がなかなか理解できなかったようである. ・ C 言語の扱いに関しても,まだ,その扱いが不十分であったことも理解を妨げた要因である. ・ 数値を少し変化させるだけで,処理時間に大きく影響を及ぼすことは,レジ問題において客の待ち 時間に大きく影響を及ぼす,すなわち,客に対するサービスに大きな影響を及ぼすことに気がつい たことは,自らが経営者であると言う設定であるので,生徒の考察する意欲を向上させた.多くの 生徒は,4時間目くらいよりがむしゃらに食いついてくるようになった. ・ そのような状態になって,もう一度,グリッドとグリッドコンピューティングの概念を説明したこ とは,グリッドを理解する上でとても効果的であった. ・ 生徒のレポートより,この授業を通し,各自学習した内容,捉え方はさまざまであるが,共通して 言えることは,考える力・合理的な思考力(問題形成と問題解決能力),洞察力,合理的な判断能力, 社会に対する問題意識と社会に対する適応性,そして,互いのコミュニケーション能力の向上が挙 げられる.これは,私たちが想定していた教育目標,目的を達成,否,それ以上の教育効果が得ら れたように考えられる. ・ グリッドコンピューティングの概念を拡張し,グリッドと言う概念に拡張することにより生まれた, 「適材適所と信頼関係とコミュニケーション」,「今ある資源を最大限活かすには,どのようにすると 34