Kwansei Gakuin University Repository - 関西学院大学リポジトリ
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・ このように,テーマは一つであるが,それぞれの段階に応じて,問題形成,問題解決のレベルがあ<br />
がっていくところがこのカリキュラムの特徴である.<br />
・ Step4 の最初の部分までは,ほぼ全員理解できたように思うが,最後の汎用性のあるスケジューリ<br />
ングまで考察した生徒は全体の 3 分の 1 程度に終わった.この原因として,「3 学期の授業時間が少<br />
ないこと」,「授業の進行方法が確立されていなかったため,生徒が問題と感じるところが把握でき<br />
ていなかったこと」が挙げられる.<br />
・ 「今まで問題にしていなかったことを,考えるようになった」と言う感想も見受けられ,問題意識の<br />
向上したように考えられる.<br />
・ 考える姿勢が,身につくようになったように感じられる.<br />
・ 教育評価に関し,テストを行わず課題提出としたが,テーマを幅広く捉えることができるため,と<br />
ても評価することが困難であった.<br />
② レジ問題の認識<br />
なるべく生徒にとってイメージを作りやすい,身近に起こる事象を題材に取り上げた.各生徒が店の<br />
オーナーとなり,目の前にいる客をどのレジへ誘導すれば,最も効率よく会計を処理することが可能で<br />
あるか考察させる.<br />
(1) 効率よく処理するには,どのような情報が必要であるのか<br />
(2) どのような誘導方法があるのか<br />
(3) エクセルを用いて,(2)で考察した方法を用いた時の処理時間を計算させる.<br />
【授業を終えて】<br />
・ 授業中の様子やレポートから,ゲーム感覚が功を奏したのか,エクセルを用いて生徒は夢中になっ<br />
て取り組むことができた.<br />
・ グループ学習ということで,最初のうちはグループといっても余り効果は無いと考えていたが,教<br />
材が適していたためか,互いに相談しながらとても熱心に取り組むことができた.<br />
・ グループ分けのとき,席の順で決めたため,いじめ問題にとても心配していた.その中,あるグル<br />
ープにおいて,学年のいじめアンケートから,いじめられている生徒といじめている生徒がたまた<br />
ま同じグループであることが発覚した.休みがちのいじめられている生徒は,授業も遅れがちであ<br />
ったが,隣の生徒がそれをフォローするようになった.また,グループ点と称して,グループで成<br />
果を挙げればグループ全員にボーナス点を与えると言うシステムにしたため,真意のほどはわから<br />
ないが,両者は友人を介しコミュニケーションをとっていた.<br />
・ グループ学習の効果は,この授業においてとても効果的であるように考えられる.<br />
③ 数式の配信の仕方の利用方法(検索方配信,汎用型配信)<br />
数式を客,演算子を購入物,node をレジ係,head node を店長(生徒各人)とみなし,スケジューリン<br />
グを作成させる.そのうち,2種類の配信方法があることに気がついてくる.<br />
(1) どの数式をどの node へ送信すると,効率よく処理することが可能であるか.送信しようと<br />
する全式が既知である時,事前にどの数式をどの node へ送信すればよいのか見当をつけて送信<br />
する方法.<br />
(2) どのような式があるのか分からないときであっても,手元にある情報をもとに,最善の送<br />
信をする方法.<br />
野球において,(1)の場合は,ピッチャーが事前にバッターへどのような球を投げるか予告している場<br />
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