Kwansei Gakuin University Repository - 関西学院大学リポジトリ
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4-3.教育内容からみた実践報告と考察<br />
① 問題分析,問題形成と問題解決<br />
これから取り組む問題は,身近に起こる現象を,単に現象として捉えるのではなく,その現象がな<br />
ぜ起こるのか深く洞察することを根底におく.また,その思考する過程を身につけさせることもねら<br />
いとする.<br />
【授業を終えて】<br />
・ 生徒の思考過程<br />
Step.1 レジ問題において<br />
(1) どのような情報が必要であるか考察する<br />
(2) レジ係の能力と客の購入物により,いろいろな並ばせ方があることに気がつく<br />
(3) 処理時間の計算の仕方を学習する(問題形成)<br />
(4) 与えられた並ばせ方に対する処理時間を計算する(問題解決)<br />
Step.2 レジ問題と数式の関連において<br />
(1)レジ問題を数式問題に置き換える(問題形成)<br />
Step.3 人間グリッドにおいて(手動配信人間計算)<br />
(1) アプリケーションのコマンドと利用方法の理解<br />
(2) レジ問題と数式問題の関連の理解<br />
(3) 問題点の理解<br />
(4) 試行錯誤を繰り返すことにより,問題点が明確となる(問題形成)<br />
(5) 問題数が少数であるため問題解決に至る<br />
Step.4 グリッドコンピューティング(自動配信自動計算)<br />
(1) 問題数が多い場合どのようにすると問題が解決するか<br />
(2) 増加することに関する問題の理解<br />
(3) node が持っている特性を見ながら,どの数式をどの node へ配信をすればよいか,最初は<br />
適当に job を配信<br />
(4) 徐々にシミュレーションを繰り返しながら,問題(処理速度を速くすることが問題)を理解<br />
する(問題形成)<br />
(5) 最初は適当に配信していたが,やがて,考察するようになる(グループ討論が活発となる)<br />
(6) 一つ一つ式を見ながら配信していたが,やがて,どのような数式のグループが与えられた<br />
としても対応できる,汎用性のあるスケジューリングを考察するようになる<br />
(7) 考察しては検証し,考察しては検証する繰り返し<br />
(8) 処理速度が速い node に多くの job が偏るスケジューリング<br />
(9) 数式の数が少ない場合は,(10)の方法が効果的であるが,配信する数式の数が多くなれば,<br />
処理速度が遅い node へも配信するほうが効果的であるということに気がつく このこと<br />
は,生徒にとって意外に感じ取られた<br />
(10) やがて,どの node へも処理時間が同じになるように配信すればよいことに気が付く<br />
(11) しかし,その考え方をどのようにスケジューリングに活かせばよいか,次のレベルの試行<br />
錯誤が始まる<br />
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