Kwansei Gakuin University Repository - 関西学院大学リポジトリ
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3-3.研究開発の目的・ねらい<br />
(1)研究開発の目的<br />
研究開発の目的は,「IT の知識を実社会の問題解決に発展的に応用していける人材」の育成のための<br />
カリキュラム・教材作りである.<br />
当校は全日制普通科であるため,パソコンやプログラミングの習得を期待して入学してきた生徒では<br />
ない.そこで,「情報」と言う教科を,生徒の思考力,創造力,企画力の育成のための手段として位置づ<br />
けたい.実社会においてある問題に遭遇したとき,今まで学習または研究してきた知識を最大限に利用<br />
して私たちは判断し,実行しなければならない.しかし,今まで,学校教育においてそのような機会は<br />
なかなか与えられることがなかった.そこで,このプロジェクトでは,グリッドを用いて,実社会で起<br />
こる現象や問題を発生させ,それをどのような知識を用いることにより,合理的に解決することができ<br />
る生徒の育成を目指して行きたい.したがって,より高度なプログラミングの習得,ネットワークの構<br />
築など専門的な知識の向上を目指すものではない.と言うものの,グリッドを利用する以上ある程度の<br />
プログラミングの知識の習得,また,ネットワークを利用するので,それに伴う情報倫理の教育も随時<br />
行なっていく.<br />
(2)研究開発のねらい<br />
現在,教科「情報」の学習指導要領において,コンピューターを扱っている単元に関するポイント項目<br />
は,<br />
① ハードウェアの基礎<br />
② ソフトウェアの基礎(OS,基本ソフトエアの役割)<br />
③ データ通信の概要(コンピューター間の通信)<br />
④ 計測・制御の概要(コンピューターによるコンピュータの計測,制御)<br />
⑤ アルゴリズム1(プログラミング,コンピュータ言語の習得)<br />
⑥ アルゴリズム2(最適化アルゴリズム,探索アルゴリズム)<br />
⑦ 図形と画像処理(レンダリング等)<br />
⑧ シミュレーション<br />
等が挙げられている.しかし,これらのポイントは一つ一つが独立しているため,授業展開(動機付け)<br />
が難しい現状がある.一方,研究対象としているグリッドコンピューティングは,これらのポイントを<br />
多く含んでおり,それぞれをうまく結びつけるための教材として適していると考えられる.<br />
そこで,研究開発のねらいを,<br />
『コンピューター教育の大きな目標を「グリッドコンピューティングの習得」とし,<br />
それに伴った「一つの系統立てられた流れ(カリキュラム)の製作」』<br />
としたい.また,情報技術の習得が目的となるのではなく,手段として発展的に活用できるようになる<br />
ことを期待して,<br />
『問題解決能力の育成につながるグリッド教材の開発』<br />
ともしたい.<br />
なお,これらの製作物が,より広く一般に普及されるように,環境構築から記載されたマニュアル書<br />
の製作にも取り組んでいきたい.<br />
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