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JAEA-Review-2010-014.pdf:27.34MB - 日本原子力研究開発機構

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4.2 正馬様用地における調査研究<br />

(1)実施概要<br />

<strong>JAEA</strong>-<strong>Review</strong> <strong>2010</strong>-014<br />

2008 年度の正馬様用地での調査研究では,月吉断層に着目した地下水流動場の把握のために地下<br />

水の長期モニタリングを継続し,涵養量の把握のために表層水理観測を継続し実施している。<br />

(2)実施内容<br />

1)調査試験<br />

①地下水長期モニタリング<br />

2007 年度から観測を継続しているボーリング孔の MIU-3 号孔(掘削長約 950m)と MIU-4 号孔(掘削<br />

長約 700m)に加えて,観測システムの不具合により観測を休止していた AN-1 号孔(掘削長約 1000m),<br />

AN-3 号孔(掘削長約 300m),MIU-1 号孔(掘削長約 1000m)および MIU-2 号孔(掘削長約 1000m)で<br />

MP システム(Westbay 社(現 Schlumberger 社)製)を用いて直接水圧計測方式による間隙水圧のモニタリ<br />

ングを再開した。ボーリング孔の配置を図 4.2-1 に示す。観測再開にあたっては,観測システムのメンテ<br />

ナンスの容易さおよびトラブル要因の低減を考慮し,ボーリング孔の水圧観測プローブ設置区間の変更<br />

(観測区間の減少)を実施した。観測区間の変更にあたっては,過去の観測データを基に全水頭の変化<br />

傾向を整理し,同一傾向を示す区間を一つのグループとしてまとめた上で,観測区間を選定した。表<br />

4.2-1 に各孔での観測区間を示す。<br />

2008 年度の正馬様用地内のボーリング孔での間隙水圧測定結果を図 4.2-2 に示す。なお,図中では<br />

間隙水圧を換算し全水頭の変化として示し,全水頭は標高で表記した。以下の各ボーリング孔の観測結<br />

果についても,第 4 章 1.3 項(2)1)②に述べた観測結果と同様の整理を行った。<br />

AN-1 号孔においては,8 月下旬に観測を再開し約 7 箇月間の観測データが得られている。全水頭は<br />

概ね一定の値を示し,大きな変化は見られなかった。<br />

AN-3 号孔においては,9 月上旬に観測を再開し約 7 箇月間の観測データが得られている。全水頭は<br />

概ね一定の値を示し,大きな変化は見られなかった。<br />

MIU-1 号孔においては,9 月下旬より観測の再開を試みた。水圧観測プローブを設置後,約 1~2 週<br />

間は観測区間内の水圧が設置後の値を保つものの,その後,上昇する傾向を示す。これは,プローブ設<br />

置時の不具合によりケーシング内の水が観測区間に漏れ出し全水頭が変動した可能性があることからモ<br />

ニタリング結果は参考値に留める。本孔については,2009 年度に水圧観測プローブの再設置作業を行う<br />

予定である。<br />

MIU-2 号孔においては,8 月上旬に観測を再開して約 8 箇月間の観測データが得られている。観測区<br />

間ごとに結果を整理すると,No.2,5,9 と No.12 で全水頭の違いが確認でき,No.12 の全水頭は No.2,5,9<br />

に比べ大きな値となっている。これは,MIU-2 号孔が深度 900m 付近で月吉断層を貫通しており,同断層<br />

の上盤側と下盤側で全水頭が異なっていることを示している。また,月吉断層の上盤側に位置する<br />

No.2,5,9 では全水頭は概ね一定の値を示し,大きな変化は見られなかった。一方,月吉断層の下盤側<br />

に位置する No.12 においても,全水頭は概ね一定の値を示し,大きな変化は見られなかった。<br />

MIU-3 号孔においては,6月中旬に水圧観測プローブの点検および観測区間の変更のため数日間の<br />

欠測期間が生じているが,1 年間を通してほぼ継続的な観測データが得られている。<br />

観測区間ごとに結果を整理すると,No1,4 と No,6,8 で全水頭の値が異なっている。MIU-3 号孔では深<br />

度 710m 付近において月吉断層を貫通しており,同断層の上盤側と下盤側で全水頭が異なることを示し<br />

ている。また,月吉断層の上盤側に位置する No.1,4 では,全水頭は概ね一定の値を示し,大きな変化は<br />

見られなかった。一方,月吉断層の下盤側に位置する No.6,8 においても,全水頭その値は概ね一定で<br />

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