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JAEA-Review-2010-014.pdf:27.34MB - 日本原子力研究開発機構

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<strong>JAEA</strong>-<strong>Review</strong> <strong>2010</strong>-014<br />

今後は,ろ過膜上に捕集した物質の微視的観察や定量分析などを行い,地下水中での金属元素の<br />

存在状態を詳細に検討していくとともに,それに伴う調査技術の開発を行っていく。<br />

(µg/L)<br />

0.10<br />

0.08<br />

0.06<br />

0.04<br />

0.02<br />

0.00<br />

(µg/L)<br />

7<br />

6<br />

5<br />

4<br />

3<br />

2<br />

1<br />

0<br />

イットリウム<br />

原水 0.2μm 200,000MW10,000MW5,000MW 1,000MW<br />

鉄<br />

原水 0.2μm 200,000MW10,000MW 5,000MW 1,000MW<br />

(ng/L)<br />

0.20<br />

0.15<br />

0.10<br />

0.05<br />

0.00<br />

- 65 -<br />

トリウム<br />

原水 0.2μm 200,000MW10,000MW5,000MW 1,000MW<br />

図 4.1.4-7 イットリウム・トリウム・鉄の各分画での限外ろ過結果<br />

⑤地下水水質の長期変遷に関する調査<br />

2008 年度は,産業技術総合研究所との共同研究(5.(1)①参照)の一部として,方解石中の炭化水素<br />

成分を対象とした分析を実施した。炭化水素成分はバイオマーカーと呼ばれ,過去の微生物活動の痕<br />

跡を示す化学的な化石として扱われる。東濃地域の方解石においては,これまでに軽い炭素同位体比<br />

が一部で認められている。ただし,そのような軽い炭素同位体比を示す炭素は,現在の地下環境に存在<br />

していないため,過去に軽い炭素同位体比をもった方解石が沈殿した際は,軽い同位体比を持つ炭素<br />

が存在していた可能性を示唆している。軽い同位体比を持つ炭素の起源としては,微生物が関与して生<br />

成されるメタンの酸化によって生成した炭素の可能性が既往の研究で指摘されており,方解石中にその<br />

ようなメタンの酸化に関与した微生物の痕跡である炭化水素が保存されている可能性がある。そのような<br />

炭化水素を検出することで,過去の酸化還元環境を把握するための直接的な証拠となる。2008 年度は<br />

2006 年度に研究坑道内より掘削したボーリング孔である 06MI03 号孔から採取した方解石を対象とした<br />

分析を行った。<br />

その結果,メタンの酸化に関与する微生物を特徴付ける炭化水素は検出されなかった。メタンの酸化<br />

に関与する微生物に関連する飽和炭化水素としてはクロセタン(2,6,11,15-テトラメチルヘキサデカン)や<br />

PME(2,6,10,15,19-ペンタメチルエイコサン)等が既往研究で指摘されおり 2) ,このようなバイオマーカー<br />

はこれまでに海底冷湧水帯で産出する方解石中において確認されているものの,内陸部の方解石にお<br />

いて確認された例はない。これは,内陸部の方解石は試料量が少なく,既存の技術ではバイオマーカー<br />

を検出することが困難であることが考えられる。そのため,今後は,複数のボーリング孔から試料を採取し<br />

て,試料量を増やすなどの措置により,バイオマーカーの検出を試みる予定である。<br />

2) モデル化・解析<br />

上述した地下水水質の空間的な分布は,研究坑道掘削の影響による地下水流動場(水圧分布)の変<br />

化に伴い,研究坑道掘削以前の初期状態から変化している可能性がある。そのため,これまでの調査研

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