JAEA-Review-2010-014.pdf:27.34MB - 日本原子力研究開発機構
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<strong>JAEA</strong>-<strong>Review</strong> <strong>2010</strong>-014<br />
以深において,区間 5 以深では変化が認められた。これらの変動の原因については,上述した研究坑道<br />
内でのボーリング孔掘削の影響も考えられるが,水頭が一定の値を示す区間においても水質では変化<br />
が認められることから,研究坑道への地下水の流入によって,水質モニタリング区間への異なる帯水層か<br />
らの地下水の混入も想定される。これらの原因については,今後,地下水流動解析の結果等を踏まえて<br />
検討していく。<br />
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※凡例は図 4.1.4-5 と同様<br />
図 4.1.4-6 MSB-2 号孔および MSB-4 号孔でのナトリウムイオンおよび塩化物イオン濃度<br />
④地下水中の金属元素の存在状態に関する調査<br />
地下水中のコロイドが物質の移行に与える影響を検討するため,コロイドを形成している,もしくはコロ<br />
イドに吸着していると考えられる金属元素の存在状態に関する調査を行った。具体的には,07MI07 号孔<br />
において,被圧・嫌気状態を維持した原位置ろ過採水(ステンレス製機材を使用)を分画分子量<br />
(Molecular Weight Cut Off : MWCO)の異なる 4 種類(0.2μm,10,000MWCO,5,000MWCO,<br />
1,000MWCO)のろ過膜により行い,それぞれの分画および原水(ろ過無し)について微量元素分析を行<br />
うことで,金属元素の分画サイズ分布に関する情報を取得した。<br />
今回の分画の結果では,イットリウム,トリウム濃度について,分画サイズに対する依存性が認められた<br />
(図 4.1.4-7)。鉄については,10,000MWCO の濃度に対して,5,000MWCO と 1,000MWCO の濃度が高<br />
いことから,ステンレス製機材からの鉄の溶出が推定されるが,原水(ステンレス製機材を使用していな<br />
い)の濃度に対して,いずれの分画の濃度も低いことから,鉄もサイズ依存性を有していることが示唆され<br />
た。これらのサイズ依存性が認められた元素については,溶存イオンではない状態で地下水中に存在し<br />
ている可能性が高く,コロイドとしての挙動について検討することが必要である。