17.07.2013 Views

JAEA-Review-2010-014.pdf:27.34MB - 日本原子力研究開発機構

JAEA-Review-2010-014.pdf:27.34MB - 日本原子力研究開発機構

JAEA-Review-2010-014.pdf:27.34MB - 日本原子力研究開発機構

SHOW MORE
SHOW LESS

You also want an ePaper? Increase the reach of your titles

YUMPU automatically turns print PDFs into web optimized ePapers that Google loves.

<strong>JAEA</strong>-<strong>Review</strong> <strong>2010</strong>-014<br />

m 程度上昇するという現象が生じた。この現象は研究所用地および周辺の間隙水圧観測孔でのデータと<br />

比較しても MIZ-1 号孔のみで見られる全水頭の変化である。これまでの作業から,この状況は全水頭の<br />

観測を実施するスタンドパイプに通水を施すことにより,一定期間,改善されることがわかっている。また,<br />

スタンドパイプ通水作業としてスタンドパイプから揚水を実施した際,スタンドパイプ口元でメタンガスが検<br />

出されている。これらのことから,MIZ-1 号孔におけるこの現象はスタンドパイプ内(スタンドパイプに接続<br />

されるチューブ内)での溶存ガスの遊離によるものと推測できる。ここでは,スタンドパイプの通水作業直<br />

後で正常な観測が行えたと考えられる 2008 年 10 月上旬~11 月上旬について観測区間ごとに結果を整<br />

理すると,No.1~7 の全水頭の変化は緩やかな低下傾向を示した。この全水頭の低下傾向は MSB-1 号<br />

孔においても確認できていることから,この期間での全水頭の変化は研究アクセス坑道での湧水による<br />

変化の可能性が考えられる。<br />

これらの結果より,MSB-1 号孔および MSB-3 号孔の堆積岩上部(MSB-1 No.1,2 と MSB-3 No.1,2)に<br />

おいて研究坑道掘削に伴う間隙水圧の変化が確認できないという結果は,本郷累層泥岩層付近<br />

(MSB-1 号孔 No.2 区間および MSB-3 号孔 No.2 区間に含まれる)が鉛直方向に対して低透水性を有す<br />

る構造として機能していると考えられ,これまでの調査,研究結果と整合的であることが確認できた。<br />

主立坑沿いに分布する断層の北東側のボーリング孔である MSB-1 号孔および MIZ-1 号孔では主立<br />

坑あるいは研究アクセス坑道での作業に伴う変化が確認できるが,換気立坑および換気立坑側ボーリン<br />

グ横坑での作業に伴う間隙水圧の変化は確認できない。一方,断層の南西側のボーリング孔の観測区<br />

間である MSB-3 号孔の深部(土岐夾炭累層基底部~花崗岩上部)では主立坑および研究アクセス坑道<br />

での作業に伴う間隙水圧の変化は確認できず,換気立坑および換気立坑側での作業に伴う間隙水圧の<br />

変化が確認できる。これらの結果は,主立坑沿いに分布する断層が断層面に直交する方向に対して低<br />

透水性を有していると推定しているこれまでの調査,観測結果と整合的である。<br />

これらのことから,地下水長期モニタリング観測により,研究所用地周辺の地下水流動を規制する水理<br />

地質構造の存在を確認することができた。<br />

1/1,000 地形図<br />

(<strong>JAEA</strong> 作成)に追筆<br />

図 4.1.3-12 研究所用地周辺観測孔位置図<br />

- 49 -

Hooray! Your file is uploaded and ready to be published.

Saved successfully!

Ooh no, something went wrong!