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JAEA-Review-2010-014.pdf:27.34MB - 日本原子力研究開発機構

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<strong>JAEA</strong>-<strong>Review</strong> <strong>2010</strong>-014<br />

③地下水長期モニタリングおよび表層水理観測<br />

研究坑道の掘削が地質環境へ与える影響を把握することを目的として地下水長期モニタリング,表層<br />

水理観測を用いた連続観測を継続して実施している。これらの結果について以下に示す。<br />

地下水長期モニタリングでは 2007 年度に引き続き,研究所用地内の堆積岩~花崗岩上部を対象とし<br />

た MSB-1 号孔(掘削長約 200m)および MSB-3 号孔(掘削長約 200m)において直接水圧計測方式であ<br />

る MP システム(Westbay 社(現 Schlumberger 社)製)を用いて間隙水圧のモニタリングを継続するととも<br />

に,花崗岩を対象とした MIZ-1 号孔(掘削長約 1,300m)においてピエゾ水頭計測方式の HSPMP システ<br />

ム(Solexperts 社製)を用いて間隙水圧のモニタリングを実施した(図 4.1.3-7 参照)。観測孔位置図を図<br />

4.1.3-12 に示す。また,地下水長期モニタリングを実施しているボーリング孔の観測区間一覧表を表<br />

4.1.3-2 に示す。<br />

2008 年度の研究坑道での主な作業は,主立坑の深度 231.2~300.2m,換気立坑の深度 202.6~<br />

331.2m,深度 300m 予備ステージおよびボーリング横坑,研究アクセス坑道の掘削であり,これらの作業<br />

に伴う間隙水圧の変化が観測された。MSB-1 号孔,MSB-3 号孔 および MIZ-1 号孔での間隙水圧測定<br />

結果を図 4.1.3-13, 4.1.3-14, 4.1.3-15 にそれぞれ示す。なお,図中では間隙水圧を換算し全水頭の変<br />

化として示し,全水頭は標高で表記した。ただし,MIZ-1 号孔では溶存ガスの影響と考えられる変化が確<br />

認されており,実際の間隙水圧の変化とは異なる可能性が高いことから,測定結果については参考値扱<br />

いとする。なお,以下の各ボーリング孔の観測結果についても,第 4 章 1.3 項(2)1)②に述べた観測結果<br />

の整理を行いまとめたものである。<br />

MSB-1 号孔においては,5 区間で観測を実施している。7 月下旬,1 月下旬に水圧観測プローブの点<br />

検を実施しており,1 日程度の欠測期間が生じているが,1 年間を通してほぼ継続的な観測データが得ら<br />

れている。<br />

観測区間ごとに結果を整理すると,No.1,2 では自然変動(人為的な影響を伴わないバックグランドの<br />

変化)と思われる年間 1m 程度の緩やかな全水頭の低下が生じており,研究坑道掘削に伴う明瞭な全水<br />

頭の変化は確認できなかった。<br />

No.3~5 では概ね同じ全水頭と変化傾向を示し,深度 300m 研究アクセス坑道の湧水に伴うと思われ<br />

る全水頭の低下が生じている。また,深度 300m 研究アクセス坑道での湧水以降,全水頭の低下勾配が<br />

大きくなった。<br />

MSB-3 号孔においては,7 区間で観測を実施している。No.1 では水圧観測プローブの不具合により<br />

観測を休止していたものを 7 月中旬に復旧させ,約 8 箇月間(7 月中旬~3 月末)の観測データが得られ<br />

ている。また,No.2~7 では 7 月中旬に水圧観測プローブの点検を実施しており,1 日程度の欠測期間が<br />

生じているが,1 年間を通してほぼ継続的な観測データが得られている。<br />

観測区間ごとに結果を整理すると,No.1 では降雨による全水頭の変化が確認できるが,1 年間を通し<br />

て自然変動と思われる全水頭の変化および研究坑道掘削に伴う変化は確認できなかった。<br />

No.2~4 では自然変動と思われる年間約 1m 程度の全水頭の低下を示し,研究坑道掘削に伴う全水<br />

頭の変化は確認できなかった。<br />

No.5~7 では換気立坑での発破や換気立坑深度 200m ボーリング横坑でのボーリング孔掘削に伴う湧<br />

水による全水頭の変化が生じた。また,茨城県沖地震の発生の日時から約 4 箇月間に全水頭が長期的<br />

に約 1m 上昇し,その後に緩やかに低下するという傾向が見られた。茨城県沖地震による影響は,調査ボ<br />

ーリング孔の 07MI09 号孔および広域地下水流動研究で掘削されたボーリング孔の DH-2 号孔でも確認<br />

できている。<br />

MIZ-1 号孔においては,10 区間で観測を実施している。しかしながら,水圧モニタリング装置設置当初<br />

から,水圧観測結果が時間の経過につれて地球潮汐に伴う周期的な変化が減衰し,急激に全水頭が数<br />

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