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JAEA-Review-2010-014.pdf:27.34MB - 日本原子力研究開発機構

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<strong>JAEA</strong>-<strong>Review</strong> <strong>2010</strong>-014<br />

3)技術開発<br />

岩盤の長期挙動評価手法の確立を目的とした二つの研究を行った。岩石の力学的挙動に認められる<br />

時間依存性を解明する研究では,田下凝灰岩の長期クリープ試験および土岐花崗岩の一般化応力緩<br />

和試験を行って,時間依存性挙動を現象論から検討した。また,結晶質岩の石英溶解等の化学‐力学現<br />

象を解明する研究では,前述の時間依存性をもたらすメカニズムと考えられる石英の圧力溶解について,<br />

その溶解速度の応力依存性や時間変化等を実験により測定した。<br />

① 時間依存性挙動の研究 6)<br />

1997 年度から継続している田下凝灰岩の長期クリープ試験では,湿潤条件,破壊強度の 3 割という低<br />

応力レベルで,10 年以上経過した後でも測定可能なクリープひずみの増加を示すことが確認された。<br />

また,クリープひずみ速度は試験開始から一貫して低下し,経過時間の約-0.9 乗に比例するものであっ<br />

た。これらは,比較的高い応力レベルの短期クリープ試験で得られる一次クリープの挙動と,ほぼ一致す<br />

ることから,非線形粘弾性論を拠りどころとすれば,長期クリープと短期クリープが統一的に説明できると<br />

考えられる(図 4.1.2-7)。<br />

土岐花崗岩の一般化応力緩和試験(図 4.1.2-8)では,2008 年度は,制御プログラムを改良して,試験<br />

可能なひずみと応力の変化条件を拡大した。試験の結果は,今回新たに試験が可能となった条件を含<br />

めて,これまで実施した全ての条件で,試験開始後 100s 程度まで対数クリープ則(式 4.1.2)が成り立つこ<br />

とを確認した。ここで,δε はひずみ変化,t は経過時間, P は定数である。これは,クリープ試験で得ら<br />

れた従来の知見と同じであった。<br />

() t<br />

δε = P ⋅ log<br />

(4.1.2)<br />

また,試験で設定した荷重・ひずみの変化条件が異なっても,試験終了後の試験片の一軸圧縮強度<br />

は,ほぼ同じであり,一軸圧縮強度に及ぼす応力履歴の影響は小さいと考えられる。さらに,土岐花崗岩<br />

について得られている一軸圧縮強度試験と一般化応力緩和試験の結果から取得した,拡張コンプライア<br />

ンス可変型構成方程式(時間依存性挙動モデルの構成式)のパラメータは,2008 年度の試験結果とも整<br />

合することが確認され,パラメータの値の信頼性が向上した。<br />

クリープ寿命とひずみ速度の積<br />

dε * /dt<br />

10 9<br />

10 6<br />

10 3<br />

10 1<br />

10 -3<br />

10 -6<br />

10 -15<br />

10 -12<br />

10 -9<br />

1次クリープ領域<br />

打点:長期クリープ試験の結果<br />

細線:短期クリープ試験の結果<br />

t *<br />

10 -6<br />

- 34 -<br />

現在<br />

10 -3<br />

クリープ寿命に対する経過時間の比<br />

図 4.1.2-7 長期・短期クリープ試験の結果の一致<br />

1<br />

3次クリープ領域<br />

(寿命に至り破壊)

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