JAEA-Review-2010-014.pdf:27.34MB - 日本原子力研究開発機構
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<strong>JAEA</strong>-<strong>Review</strong> <strong>2010</strong>-014<br />
(c) 壁面物性計測<br />
図 4.1.1-9 に主立坑壁面におけるシュミットロックハンマーおよび針貫入試験により計測した一軸圧縮<br />
強度推定値と,壁面地質調査結果を示す。一軸圧縮強度推定値の低い部分(暖色系)は,前述の粘土<br />
化変質が著しい断層岩とその周辺に分布していることから,地質構造や変質の分布が岩盤の物性を強く<br />
支配していることが分かる。一方,換気立坑については,北北西走向の雁行状の高角度割れ目や,深度<br />
225m 付近の低密度の割れ目密集部(図 4.1.1-6 参照)などの割れ目の間隔が密な部分ほど,概ね一軸<br />
圧縮強度推定値が低い傾向にあることが確認された。今後も岩盤の物性と地質構造の関連についての<br />
情報の蓄積と検討を進めていく。<br />
貫入岩<br />
主なガウジ<br />
深度<br />
230m<br />
240m<br />
250m<br />
260m<br />
270m<br />
280m<br />
290m<br />
300m<br />
S<br />
W<br />
N<br />
E<br />
図 4.1.1-9 主立坑における一軸圧縮強度推定値のコンター図(右)と壁面地質調査結果(左)<br />
(シュミットロックハンマー計測または針貫入試験は概ね 6m 2 あたり 1 点(2.6m 壁面高を対象とした調査あたり全方位にわたる約 10 点),<br />
コンター処理は 50cm メッシュ)<br />
2) モデル化・解析<br />
①地質構造モデルの構築・更新<br />
2008 年度は 2007 年度に更新した地質構造モデル(立坑深度 200m までの結果に基づくモデル:<br />
Substage200 モデル 1) )の妥当性の確認を行うとともに,前述の 1)で実施された地質調査・物理探査のう<br />
ち,立坑深度 300m までの結果に基づく地質構造モデル(Substage300 モデル)の構築に関するデータセ<br />
ットの整備を実施した。また,ブロックスケールの地質構造モデルの構築については,概念モデル構築の<br />
ためのデータセットの整備と解析・評価手法の検討に着手した。<br />
前述の 1)で実施した調査の結果,深度 200m 以深の主立坑沿いに分布する変質を伴った断層と,低<br />
角度を有する割れ目の集中帯の分布については,Substage200 モデルを大きく修正するような結果は得<br />
られず,同モデルの妥当性を確認した。ただし,Substage200 モデルでは主立坑に分布する変質を伴っ<br />
た断層は,深度約 270m 付近で,立坑掘削断面から南西側に外れると予測していたが,少なくとも深度<br />
300m まではほぼ鉛直に立坑掘削断面内に分布することが確認された。この予測の相違は,Substage200<br />
モデルの根拠となったパイロットボーリングの岩芯調査から得られた断層の走向傾斜が,坑道壁面スケー<br />
ルにおける走向傾斜を代表していないことに起因しており,今後の不確実性の評価(特に,ボーリング調<br />
査と坑道の調査により取得される情報の量・質の対比)にあたって重要な知見を取得することができた。<br />
S<br />
10m<br />
- 23 -<br />
[MPa]