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InSAR に含まれる対流圏伝搬遅延 : ノイズの場合と ... - 北海道大学

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16<br />

2.4.2 calibration 法 による 対 流 圏 遅 延 補 正 法 : Method 1<br />

calibration 法 は, SAR とは 独 立 して 得 られる 数 値 気 象 データを 使 って <strong>InSAR</strong> における 大 気 遅<br />

延 による 位 相 差 を 計 算 するという <strong>InSAR</strong> の 補 正 方 法 の 一 つである. この 方 法 が 優 れている 点 は<br />

stacking 法 のように 多 数 の SAR データを 必 要 とせず, なにより <strong>InSAR</strong> の 大 気 遅 延 量 を 気 圧 をは<br />

じめとする 大 気 の 各 種 パラメータから 物 理 的 に 計 算 しているという 点 にある. ただし 遅 延 量 の<br />

計 算 は, 特 に 数 値 気 象 モデルの 計 算 も 行 う 場 合 には 膨 大 な 量 となり 計 算 に 時 間 がかかるという<br />

点 が calibration 法 の 難 点 である. また, その 補 正 の 有 効 性 は 本 質 的 に 用 いる 数 値 気 象 データの<br />

空 間 分 解 能 やパラメータの 現 実 の 大 気 に 対 する 精 度 に 大 きく 依 存 する. 原 理 的 に 数 値 気 象 デー<br />

タの 空 間 分 解 能 が 大 きい ( 粗 い) 場 合 にはそれより 小 さいスケールの 擾 乱 は 再 現 不 可 能 であり,<br />

またデータに 含 まれる 値 が 現 実 の 大 気 の (ここでは <strong>InSAR</strong> データ 取 得 時 の) 値 から 大 きくずれ<br />

ている 場 合 にも 推 定 した 遅 延 補 正 量 には <strong>InSAR</strong> データに 含 まれている 真 の 遅 延 量 に 対 して 誤<br />

差 が 含 まれることになる. それでも <strong>InSAR</strong> の 補 正 において, calibration 法 による 補 正 は 最 も 物 理<br />

的 な 理 論 に 基 づいてなされるという 点 で 重 要 であり, またその 有 効 性 は 多 くの 論 文 で 示 されて<br />

いる ( 例 えば, 島 田 , 1999 ; Otuka et al., 2002 ; Foster et al., 2006).<br />

本 研 究 では 数 値 気 象 モデル WRF-ARW を 用 いて <strong>InSAR</strong> データ 取 得 時 の 大 気 状 況 の 再 現 を 試<br />

みた. モデルの 水 平 分 解 能 は 1km, 高 度 約 30km までを 鉛 直 方 向 に 60 層 に 分 割 し, 気 象 モデル<br />

の 初 期 値 には 気 象 庁 のメソ 数 値 予 報 モデル (MSM), 地 形 データには 水 平 分 解 能 1km の<br />

GTOPO30 を 用 い, MSM データのみでは 不 足 する 土 壌 パラメータのような 変 数 を 補 完 する 目 的<br />

で, アメリカ 環 境 予 測 センター (NCEP) で 公 開 している NCEP1 全 球 客 観 解 析 データ<br />

(http://dss.ucar.edu/datasets/ds083.2/) を 利 用 した. WRF モデルでは, 各 種 のパラメタリゼーショ<br />

ンについて 各 ユーザーが 指 定 し, 微 調 整 を 施 すことが 可 能 であるが, ここでは 全 てデフォルト<br />

値 のままである. このようにして 得 られた 3 次 元 数 値 気 象 データから 各 格 子 点 での 気 温 , 気 圧 ,<br />

水 蒸 気 量 を 用 いて 屈 折 率 の 3 次 元 分 布 を 計 算 し, KARAT による 波 線 追 跡 法 により <strong>InSAR</strong> での<br />

一 つ 一 つのピクセル 毎 に 遅 延 量 を 計 算 した. 遅 延 量 の 計 算 方 法 については 島 田 (1999) で 示 さ<br />

れた 方 法 と 同 様 である. 1 度 のレイトレーシングで <strong>InSAR</strong> データのペアの 一 方 の 時 期 での 遅 延<br />

量 が 得 られるので, <strong>InSAR</strong> で 現 れる 大 気 遅 延 量 を 推 定 するのには 2 度 の 計 算 が 必 要 になる.<br />

KARAT, WRF の 計 算 により 求 まった <strong>InSAR</strong> における Master 側 の 遅 延 量 を D<br />

延 量 を D<br />

slave<br />

とすると 補 正 後 の <strong>InSAR</strong> データ correct<br />

は,<br />

master<br />

, Slave 側 の 遅<br />

<br />

<br />

c o r<br />

r e c tDm a stDe sr<br />

l a<br />

<br />

v e<br />

(7)<br />

で 表 される. 本 論 文 では WRF と KARAT による calibration 法 による 補 正 法 を 以 後 Method 1 と<br />

呼 ぶ.

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