横浜市高密度強震計ネットワークの記録に基づく 地盤 ... - 日本地震工学会

図 11 に M4.5 と M6.5 の 地 震 における 基 準 観 測 点 でのフーリエ 加 速 度 スペクトルを 示 す。これをみる
と、M が 小 さな 地 震 では 周 期 0.4 秒 程 度 以 下 の 短 周 期 成 分 が 優 勢 で、M が 大 きな 地 震 ではより 長 い 周 期
成 分 が 優 勢 であり、スペクトル 特 性 が 大 きく 異 なっている。 短 周 期 では 地 盤 の 減 衰 などの 影 響 で 地 盤 の
軟 弱 度 ( 平 均 S 波 速 度 )が 地 盤 増 幅 度 に 及 ぼす 影 響 が 小 さくなることが 予 想 され、このことは 既 往 の 分 析
結 果 14) や 後 述 する 応 答 スペクトルに 対 する 増 幅 度 の 結
果 にも 現 れていることから、M の 大 きさにより 勾 配 b
や 相 関 係 数 r の 値 が 変 化 することは 定 性 的 には 説 明 で
きる。このことは、M の 小 さな 地 震 記 録 による 検 討 結
果 が M の 大 きな 地 震 の 場 合 に 適 用 できるとは 限 らな
いことを 示 唆 している。そこで、M6.0 以 上 の 地 震 記 録
を 用 いた 結 果 を 図 12および13に 示 す。これをみると、
最 大 加 速 度 に 対 する 増 幅 度 は AVS(10)と 対 応 が 良 く、
最 大 速 度 に 対 する 増 幅 度 は AVS(30)と 対 応 が 良 い 傾 向
がみられる。この 場 合 の(4) 式 および(5) 式 の 標 準 偏 差 は
それぞれ 0.11 および 0.08 となる。
フーリエ 加 速 度 スペクトル (cm/s/s*s)
10
1
0.1
0.01
Band Width 0.2Hz
Mj4.5
Mj6.5
0.1 1 10
周 期 (s)
図 11 Mの 違 いによるスペクトル 特 性 の 違 い
最 大 加 速 度 の 増 幅 度
最 大 速 度 の 増 幅 度
10
1
10
1
AVS(10) Mj6.0~7.2
相 関 係 数 r = 0.59
100 1000
地 盤 の 平 均 S 波 速 度 (m/s)
最 大 加 速 度 の 増 幅 度
10
AVS(20)
1
Mj6.0~7.2
相 関 係 数 r = 0.56
100 1000
地 盤 の 平 均 S 波 速 度 (m/s)
最 大 加 速 度 の 増 幅 度
10
AVS(30) Mj6.0~7.2
1
相 関 係 数 r = 0.49
100 1000
地 盤 の 平 均 S 波 速 度 (m/s)
図 12 最 大 加 速 度 に 対 する 増 幅 度 と 平 均 S 波 速 度 との 関 係 (M6.0~7.2)
10
10
AVS(10) Mj6.0~7.2 AVS(20) Mj6.0~7.2 AVS(30) Mj6.0~7.2
相 関 係 数 r = 0.58
100 1000
地 盤 の 平 均 S 波 速 度 (m/s)
最 大 速 度 の 増 幅 度
1
相 関 係 数 r = 0.68
100 1000
地 盤 の 平 均 S 波 速 度 (m/s)
相 関 係 数 r = 0.71
100 1000
地 盤 の 平 均 S 波 速 度 (m/s)
図 13 最 大 速 度 に 対 する 増 幅 度 と 平 均 S 波 速 度 との 関 係 (M6.0~7.2)
最 大 速 度 の 増 幅 度
1
3.2 計 測 震 度 に 対 する 地 盤 増 幅 度 と 地 盤 の 平 均 S 波 速 度 との 関 係
計 測 震 度 はフィルターされた 地 震 動 の 振 幅 の 対 数 に 比 例 するように 定 義 されていること 15) から、 計 測
震 度 に 対 する 増 幅 度 を 各 観 測 点 での 計 測 震 度 と 基 準 観 測 点 での 計 測 震 度 の 差 ∆I で 定 義 する。 距 離 補 正 を
行 った 計 測 震 度 に 対 する 増 幅 度 の 定 義 式 を 以 下 に 示 す。
∆I
=
⎛ X ⎞
2 (6)
s
( I s − I r ) + log
⎜
⎟ ⎝ X r ⎠
ここで、I は 計 測 震 度 、X は 震 源 距 離 である。 添 え 字 の r は 基 準 観 測 点 、s は 各 観 測 点 を 示 している。
次 に、 得 られた 計 測 震 度 の 増 幅 度 と 地 盤 の 平 均 S 波 速 度 の 関 係 を 式 (7)のような 回 帰 式 で 表 し、 切 片 a, 勾
配 b および 相 関 係 数 r の 値 を 算 出 した。
∆ I = a + b ⋅ log AVS(
d)
(7)
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