横浜市高密度強震計ネットワークの記録に基づく 地盤 ... - 日本地震工学会
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53 地 震 (M4.3~7.4)である。これらの 地 震 のリストを 表 1 に、 地 震 の 震 央 分 布 を 図 2 に 示 す。 震 源 距 離 は<br />
100~200km のものが 多 く、 最 大 で 400km 程 度 である。 用 いた 記 録 のほとんどは 最 大 加 速 度 で 100cm/s 2<br />
以 下 であり、 地 盤 の 非 線 形 性 の 影 響 はほぼ 無 視 できるものと 考 えられる。<br />
2.2 地 盤 の 平 均 S 波 速 度<br />
各 観 測 点 のPS 検 層 結 果 12) に 基 づき 以 下 の 式 により 地 盤 の 平 均 S 波 速 度 AVS(d)を 算 出 した。<br />
d<br />
AVS(<br />
d)<br />
=<br />
∑t(<br />
i) / V<br />
s<br />
( i)<br />
(1)<br />
ここで、d は 地 表 からの 深 さ(m)、AVS(d)は 地 表 から 深 さ d (m)までの 地 盤 の 平 均 S 波 速 度 (m/s)、t(i)お<br />
よび V s (i)は 第 i 層 での 層 厚 (m)および S 波 速 度 (m/s)である。<br />
本 研 究 では、d=10, 20, 30m の 3 つのケースを 検 討 した。 地 盤 調 査 は 土 丹 層 まで 行 われ、45 地 点 で 調 査<br />
深 度 が 30m 以 上 となっている。 調 査 深 度 が 30m 未 満 のデータについては、 司 ・ 翠 川 (1999) 13) を 参 考 にし<br />
て、 最 下 層 の S 波 速 度 が 表 2 に 示 す 値 以 上 の 場 合 に、 最 下 層 の S 波 速 度 が 深 さ 30m まで 続 くとした。こ<br />
の 条 件 を 満 足 しないものは 除 外 して、 結 局 AVS(10)が 得 られた 地 点 は 137 地 点 、AVS(20) 及 び AVS(30)が<br />
得 られた 地 点 は 110 地 点 となった。これらのヒストグラムを 図 3 に 示 す。AVS(30)の 値 は 100~600m/s に<br />
分 布 している。 本 研 究 では、S 波 速 度 で 約 600m/s の 層 がほぼ 地 表 に 現 れている 地 点 (iz02)を 基 準 観 測 点<br />
とした( 図 1 参 照 )。<br />
3. 地 盤 増 幅 度 と 地 盤 の 平 均 S 波 速 度 との 関 係<br />
3.1 最 大 加 速 度 ・ 最 大 速 度 に 対 する 地 盤 増 幅 度 と 地 盤 の 平 均 S 波 速 度 との 関 係<br />
本 研 究 で 用 いた 最 大 加 速 度 ・ 最 大 速 度 は、 水 平 2 成 分 の 時 刻 歴 の 2 乗 和 の 平 方 根 の 最 大 値 とした。な<br />
お、 用 いた 地 震 記 録 は 加 速 度 記 録 であるため、 周 波 数 領 域 で 数 値 積 分 を 施 し 速 度 波 形 を 計 算 した。その<br />
際 、 図 4 に 示 すような 周 期 0.1 秒 から 周 期 T 3 秒 まで 平 坦 な 台 形 フィルターを 使 用 した。 図 4 の 周 期 T 3 , T 4<br />
の 値 は、 各 地 震 のフーリエスペクトルから、 長 周 期 側 でスペクトル 形 状 が 単 調 増 加 を 始 める 周 期 を 読 み<br />
取 り、 地 震 毎 に 設 定 した。 用 いた T 3 の 値 は 4~15 秒 の 範 囲 にある。<br />
最 大 加 速 度 に 対 する 増 幅 度 (AFA)および 最 大 速 度 に 対 する 増 幅 度 (AFV)は、 基 準 観 測 点 での 最 大 振 幅 に<br />
対 する 各 観 測 点 での 最 大 振 幅 の 比 とした。 基 準 観 測 点 と 他 の 観 測 点 は、 最 大 で 15km 程 度 離 れているた<br />
め 距 離 の 補 正 を 行 った。 本 研 究 では、 記 録 は 実 体 波 からなるものと 考 え、 各 地 震 毎 に 基 準 観 測 点 までの<br />
震 源 距 離 に 対 する 各 観 測 点 までの 震 源 距 離 の 比 を 地 盤 の 増 幅 度 に 掛 け 合 わせることで 実 体 波 の 幾 何 減 衰<br />
の 補 正 を 行 った。 以 下 に 定 義 式 を 示 す。<br />
表 2 調 査 深 度 30m 未 満 のデータに 対 する 使 用 基 準<br />
最 下 層 までの 深 さ(m) 9.0 15.0 17.5 20.0 22.5 25.0 27.5<br />
最 下 層 のS 波 速 度 (m/s) 600 500 400 350 250 200 100<br />
No. of Data<br />
100<br />
80<br />
60<br />
40<br />
20<br />
AVS(10)<br />
AVS(20)<br />
AVS(30)<br />
Amplitude<br />
2<br />
1<br />
0 100 200 300 400 500 600<br />
Average Shear-wave Velocity (m/s)<br />
図 3 地 盤 の 平 均 S 波 速 度 の 頻 度 分 布<br />
0<br />
0.05 0.1 1 T3 T4<br />
PERIOD(s)<br />
図 4 使 用 したバンドパスフィルター<br />
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