JAEA-Research-2010-034.pdf:16.23MB - JAEAの研究開発成果 ...
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<strong>JAEA</strong>-<strong>Research</strong> <strong>2010</strong>-034<br />
5. 具体的な地質環境条件に基づく数値実験の例示<br />
これまで開発を進めてきた THMC モデルは、2 相流解析コード TOUGHREACT との比較解析や<br />
室内塩濃縮試験結果に対する検証解析を通じて、温度勾配が存在する緩衝材内で生じる塩濃縮析<br />
出現象を概ね表現可能であることを示唆する結果を得た。ここでは THMC モデルを用いた事例解<br />
析として、幌延深地層研究計画における地上からの調査研究結果から仮想的な地質環境条件を設<br />
定し、処分システムを含むニアフィールドの連成解析を実施した。<br />
5.1 仮想的地質環境条件の設定<br />
幌延深地層研究計画における地上からの調査研究結果によると、大曲断層西側領域は地質学<br />
的・物性的な観点から深度 700m 程度までの範囲で鉛直方向に概ね 3 つのゾーン構成で表現し、<br />
それぞれのゾーンは連続的な変化をしていると報告されている(藤田ほか、2007)。以上を考慮す<br />
ると、解析では仮想的な地質条件を深度 700m までをモデル化し、これを 3 つの領域(Zone1=深度<br />
0~275m/ Zone2=深度 275~375m/ Zone3=深度 375~700m)に分割し、各領域に対して物性値を設定し<br />
た。<br />
5.1.1 熱特性<br />
HDB-3 孔を用いた地熱および地下水の水温に関する調査結果によると、地表面からの温度勾配<br />
は 4.7℃/100m で線形勾配であったとされており(藤田ほか、2007;薮内ほか、2006)、解析にお<br />
ける地温勾配はこれに準じた。なお、地表面は年間の平均的な気温として 15℃を仮定した。<br />
岩盤の比熱/熱伝導率/線膨張係数については、各領域における岩石コアの室内試験結果から深<br />
度依存性が報告されており、飽和状態、自然含水比状態、乾燥状態の各状態において線形近似式<br />
が示されている(山本ほか、2005)。比熱と熱伝導率は表 3.2-1 で示したクニゲル V1 の含水比依<br />
存性を考慮した実験式を用いることとし、実験式に必要なフィッティングパラメータを表 5.1-1、<br />
図 5.1-1 のように設定した。上記した岩石コアの各状態の線形近似式は 60℃以下の温度条件に対<br />
するものと、60℃以上の温度条件に対するものの 2 種類示されているが、地表面における年間の<br />
平均的な気温として 15℃を仮想した場合、4.7℃/100m の温度勾配における深度 700m での温度は<br />
47.9℃であることから、ここでは 60℃以下の条件に対する近似式を用いた。<br />
表 5.1-1 解析における熱特性の設定値<br />
代表 線膨張<br />
深度 p1 p2 p3 p4 p5 p6 p7 -1<br />
係数(K )<br />
Zone1 140m 6.603×10 -1 6.30×10 -3<br />
0 0 1.0×10 2 8.915×10 1 5.4×10 0 3.721×10 -6<br />
Zone2 325m 5.794×10 -1 1.97×10 -2<br />
0 0 1.0×10 2 6.261×10 1 3.2×10 0 1.331×10 -5<br />
Zone3 450m 7.380×10 -1 2.57×10 -2<br />
0 0 1.0×10 2 5.321×10 1 2.8×10 0 1.341×10 -5<br />
熱伝導率パラメータ 比熱パラメータ<br />
熱伝導率:<br />
2 3<br />
� m � p1<br />
� p2w<br />
� p3w<br />
� p4w<br />
比熱: � C�m��m - 80 -<br />
p6<br />
� p7<br />
� w<br />
� (表 3.2-1 より)<br />
p � w<br />
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