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JAEA-Research-2010-034.pdf:16.23MB - JAEAの研究開発成果 ...

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<strong>JAEA</strong>-<strong>Research</strong> <strong>2010</strong>-034<br />

4.2.2 不飽和緩衝材中の間隙水組成(検証データ)の推定<br />

一次元塩濃縮試験、三次元塩濃縮試験によって生じる緩衝材内の化学的影響を考察するため、<br />

4.2.1 で述べたように数種の分析手法によって可溶性元素濃度を得ている。但し、これらの手法に<br />

よる濃度分析は試験終了後に試験容器から取り出し、図 4.2-5 のような手順で固液分離した後に<br />

行ったものであり、温度や固液比などは実験中の環境条件とは異なる。そのため、分析値自体が<br />

異なる環境下で生じた水-鉱物反応の影響を受けていることが考えられる。つまり、温度勾配が生<br />

じた試験環境条件のもと、不飽和緩衝材内で実際に生じている溶解・沈殿等の塩の存在形態まで<br />

は同定できないことから、真の間隙水組成を推定することは難しい。そこで、PHREEQC 解析に<br />

よって、まずは反応溶液中の可溶性塩を推定し、それを基に実験系の間隙水組成を推定し、真の<br />

不飽和間隙水組成とすることで、THMC 解析との比較に資する検証データとしている(日本原子力<br />

研究開発機構、2009) 。PHREEQC による間隙水組成の推定フローを図 4.2-6 に示す。<br />

実験計測データ<br />

・温度分布<br />

・含水比分布<br />

元素<br />

分析<br />

反映<br />

反映<br />

- 59 -<br />

(PHREEQC)保水形態・固液比の考慮<br />

STEP 1<br />

実験値から浸出溶液中の<br />

可溶性塩(NaCl, KCl, CaSO4)の推定 STEP 2<br />

推定可溶性塩から実験系環境条件<br />

の間隙水組成を推定<br />

(不飽和緩衝材中の地球化学反応<br />

モデル:3.6.2参照)<br />

不飽和緩衝材中の間隙水組成<br />

(検証データ)<br />

図 4.2-6 PHREEQC を用いた実験結果に基づく緩衝材中の間隙水組成推定フロー<br />

緩衝材中の間隙水の組成を推定するため、飽和度に応じた固液比の変化を考慮した PHREEQC<br />

による地球化学解析を実施した。まず、試験終了後に所定量(80ml 程度)の蒸留水にサンプリング<br />

試料を浸漬させた反応溶液中の可溶性塩を、その後の元素分析結果に基づいて推定する。小田・<br />

柴田(1999)によると、化学分析によって測定されたベントナイト中の SO4 2- および Cl - 含有量とベン<br />

トナイト反応溶液中の濃度が一致することから、ベントナイト中に含まれている硫酸塩および塩<br />

化物のおおよそ全量が溶解していると考えられるとしている。そこで、ここでは NaCl や KCl、<br />

CaSO4 を可溶性塩として選択し、Cl - 濃度および SO4 2- 濃度が一致するように可溶性塩量を推定して<br />

いる。次に、この可溶性塩量のもと、実験によって計測した含水比分布による固液比や温度分布<br />

に基づいて不飽和-飽和緩衝材中の間隙水組成を PHREEQC 解析によって推定している。<br />

不飽和状態の緩衝材に対する地球化学反応は、3.6.2 で述べたように緩衝材中の間隙を層間と粒<br />

子間隙に分離し、不飽和の保水形態を考慮した反応モデルに従うものとした。地球化学反応を考<br />

慮するか否かや、反応に寄与する水分量の算出には全間隙水中に占める層間水量を仮定する必要<br />

がある。ここでは、藤井・中野(1984)による研究に基づき、1 辺が 10 -5 cm の正方形で近似可能な<br />

板状層状体が 8 枚集まって表面積が 8.10×10 6 cm 2 g -1 のモンモリロナイト粒子を構成しているもの<br />

と仮定し、次式によって層間の体積を推定した。

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