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JAEA-Research-2010-034.pdf:16.23MB - JAEAの研究開発成果 ...

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<strong>JAEA</strong>-<strong>Research</strong> <strong>2010</strong>-034<br />

4. 熱-水-応力-化学連成解析モデルの適用性検証<br />

4.1 2 相流解析コード TOUGHREACT との比較解析<br />

4.1.1 概要および解析条件<br />

THMC モデルは複数の連成事象を取り扱うため、モデル化の信頼性や連成事象に対する適用可<br />

能性、不確実性の幅、開発モデルの特徴・課題を明確に抽出するためには、個別の連成事象に関<br />

する検証事例を蓄積していく必要がある。連成モデルによる数値解析コードの開発は世界的にも<br />

広く行われており、これまで改良を重ねてきた THMC モデル(以下、THMC_Couplys)を構成する<br />

熱-水-応力連成解析コード:THAMES では、これまで国際共同研究(DECOVALEX)等を通じて<br />

他コードとの比較を行い、その妥当性の検証が行われてきている(例えば、Jing et al.、 1996)。こ<br />

こでは、物質移行や地球化学反応を含む THMC_Couplys としての妥当性検討の一環として他コー<br />

ドとの比較解析を行った。他コードとしては、ローレンスバークレー国立研究所(Lawrence<br />

Berkeley National Laboratory)で開発が進められ、国内外で一定の評価を受けている熱-水-化学連<br />

成解析コード:TOUGHREACT(Xu et al.、2004)を用いた。<br />

TOUGHREACT は多孔質媒体に対する水、蒸気、非圧縮性ガスおよび熱の輸送を連成した既存<br />

の 2 相流解析コード:TOUGH2 に物質移行と化学反応を連成した 3 次元数値解析コードである。<br />

THMC_Couplys との最大の違いは、TOUGHREACT が蒸気水と液状水を個別に扱う 2 相流解析を<br />

採用しているのに対して、THMC_Couplys は 3.3.1 で述べたように温度勾配水分拡散係数を用いる<br />

ことで蒸気水移動を含めた水分移動を単相流解析で表現している点にある。また、THMC_Couplys<br />

では 3.6.2 で述べたように不飽和状態の地球化学反応に対して緩衝材に関する現象理解に基づい<br />

たモデルを構築している。<br />

比較解析は 1 次元体系とし、表 4.1-1 の 3 ケース実施した。Case-1 は解析領域内を 25℃一定の<br />

等温環境を仮定した蒸発を伴わない条件とし、領域端部の所定の境界条件(圧力水頭や固定元素<br />

濃度)のもと不飽和-飽和浸潤挙動に伴う物質移行挙動を検証するケースとして設定した。Case-2<br />

は Case-1 の条件に対して、イオン交換反応や鉱物の溶解沈殿、ガスの溶解/脱ガスを考慮したケ<br />

ースであり、Case-1 による物質移行の解析結果の差を踏まえて不飽和-飽和状態における地球化<br />

学反応の差に対する幅を把握する。さらに、Case-3 は Case-2 の条件に対して、70-90℃の温度勾<br />

配を仮定し、2 相流解析コードとの水分移動に対する差を明確にした条件としたケースである。<br />

また、Case-3 は実際の処分システムにおいて想定される定置初期の緩衝材の環境に見られるよう<br />

な崩壊熱の発生を伴う場での浸潤過程に近い条件でもある。<br />

緩衝材を解析対象として想定した基本パラメータと化学条件を表 4.1-2、 表 4.1-3 に整理した。<br />

なお、イオン交換反応は表 4.1-4 に示すような反応を考慮した。3.6.1 で示したように、緩衝材中<br />

の水-鉱物反応としてイオン交換反応のほかに酸・塩基反応が THMC_Couplys では考慮可能とな<br />

っているが、TOUGHREACT の User’s Guide によると同反応に対して十分な機能性確認が行われ<br />

ていないことから、今回の地球化学反応からは除外した。鉱物の溶解沈殿反応に対しては全て平<br />

衡論として解析を行っている。また、TOUGHREACT では EQ3/6 の熱力学データベースを使用す<br />

るのに対し、THMC_Couplys では日本原子力研究開発機構が WEB 公開している熱力学データベ<br />

ースから、991231c0.tdb を使用した。さらに、TOUGHREACT は 2 相流解析コードであることか<br />

ら、表 4.1-2 に示すように水蒸気やガス輸送に関するコード固有のパラメータを設定する必要が<br />

ある。TOUGHREACT では流動解析のモジュールとして TOUGH2 を用いている。ガスの固有透過<br />

度は乾燥密度 1.6Mg・m -3 でケイ砂混合率が 30%のクニゲル V1 に対して得られている固有透過度<br />

の測定結果(棚井・山本、2004)の平均値として、3.35×10 -14 m 2 を設定した。ベントナイトのよ<br />

うに非常に透水性の低い材料では、飽和度の低い条件下でガスの固有透過度が液状水の固有透過<br />

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