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JAEA-Research-2010-034.pdf:16.23MB - JAEAの研究開発成果 ...

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<strong>JAEA</strong>-<strong>Research</strong> <strong>2010</strong>-034<br />

3. 熱-水-応力-化学連成解析モデルの構築<br />

3.1 モデルの概要<br />

THMC モデルは既に述べたように、シナリオ上除外された FEP 事象を包含したプロセスの定量<br />

化を目標としており、平成 19 年度から平成 21 年度までの 3 年間は塩濃縮・析出現象を始めとす<br />

る緩衝材中の化学影響に重きを置いた高度化を進めてきている(日本原子力研究開発機構、2008;<br />

日本原子力研究開発機構、2009;日本原子力研究開発機構、<strong>2010</strong>)。核燃料サイクル開発機構(1999b)<br />

によると、シナリオは我が国の地層処分概念や地層処分システムの構成を踏まえ、システム性能<br />

に係る全ての事象を包括 FEP リストとして抽出し、個々の FEP を科学的根拠に基づいて選択して<br />

作成されることしており、包括 FEP リストが整理されている。THMC モデルで考慮可能なニアフ<br />

ィールドのプロセスを包括 FEP リストに対応させて図 3.1-1 に示す。<br />

T<br />

H<br />

M<br />

C<br />

ガラス固化体 OP 緩衝材 埋戻し材/支保工 岩盤<br />

崩壊熱<br />

温度変化<br />

熱輸送<br />

熱輸送<br />

温度変化 温度変化<br />

熱輸送<br />

温度変化<br />

熱輸送<br />

温度変化<br />

地下水・飽和<br />

地球化学反応 地球化学反応<br />

地球化学反応<br />

*:適切なサイト選定,工学的対策,発生確率の視点で シナリオから除外されたFEP<br />

取り消し線: 原型モデルで考慮なし<br />

- 6 -<br />

流動<br />

地下水・飽和<br />

流動<br />

地下水・飽和<br />

熱膨張 *<br />

膨潤・変形<br />

(長期)圧密・クリープ *<br />

応力<br />

熱膨張<br />

流出<br />

*<br />

膨潤・変形 *<br />

応力<br />

熱膨張<br />

流出 (長期)クリープ<br />

*<br />

熱膨張<br />

応力<br />

*<br />

沈下<br />

(長期)腐食膨張<br />

(長期)破損<br />

*<br />

熱膨張 * 応力<br />

掘削影響・断層破砕帯<br />

(長期)変質<br />

物質移行 物質移行<br />

移流・分散<br />

拡散<br />

溶解・沈澱<br />

*<br />

(長期)変質<br />

(長期)腐食生成物<br />

移流・分散<br />

移流・分散<br />

(長期)ガス発生<br />

拡散<br />

拡散<br />

ガス発生<br />

溶解・沈澱<br />

溶解・沈澱<br />

*<br />

物質移行 *<br />

(長期)変質 *<br />

(長期)圧密・クリープ *<br />

塩濃縮・析出 *<br />

(長期)腐食<br />

図 3.1-1 THMC モデルで考慮可能なプロセスと包括 FEP リストとの対応関係<br />

THMC モデルは、ガラス固化体及び人工バリアを設置した時点から飽和に至る過渡的な期間を<br />

対象に緩衝材-埋め戻し材/支保工-岩盤のニアフィールドで生じる熱的(熱膨張、熱輸送)、水理的<br />

(掘削影響、地下水浸透等)、力学的(掘削影響、膨潤・圧密・クリープ・流出等)、化学的(ガ<br />

スの発生、塩濃縮・析出、溶解・沈澱等)なプロセスに主眼を置いて高度化を進めている。その<br />

ため、ガラス固化体やオーバーパックについては、崩壊熱の発生と熱膨張/輸送のみを取り扱い、<br />

オーバーパックの腐食や緩衝材中の微生物活動、核種の移行等については適用範囲外としている。<br />

また、解析モデルは多孔質媒体を対象とし、地下水浸透モデルは崩壊熱による緩衝材中の最高温<br />

度が 100℃を超えないことを前提条件としており、熱膨張や膨潤変形といった力学挙動について<br />

も比較的短期間かつ不飽和状態が主に占めることから弾性モデルを採用している。なお、現時点<br />

の THMC モデルは人工バリア定置以降の短期間のプロセスにのみ対応していることから、定置前<br />

の坑道掘削により変化する水理・力学特性、地下水中の溶存ガスの脱ガス等の事象や、圧密やク<br />

リープ、緩衝材の流出等の長期挙動の定量化に資する THMC モデルには至っていない。モデルに<br />

反映されている熱、水理、力学、物質移行を含む地球化学影響に関する連成相関マトリクスを表<br />

3.1-1 に整理し、モデルを構成する支配方程式群を次節以降に整理する。

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