Create successful ePaper yourself
Turn your PDF publications into a flip-book with our unique Google optimized e-Paper software.
マルチパスを 利 用 した GPS 潮 汐 計<br />
北 海 道 大 学 理 学 部 地 球 科 学 科 4 年 宇 宙 測 地 学 研 究 室<br />
中 島 悠 貴<br />
指 導 教 官 : 日 置 幸 介 教 授<br />
2013/02/28
要 約<br />
海 面 高 観 測 は、 津 波 ・ 地 球 温 暖 化 の 監 視 やジオイド 高 の 推 定 において 重 要 な 役 割 を 持 つ。<br />
そのため、さまざまな 行 政 ・ 研 究 機 関 が 験 潮 儀 や 海 面 高 度 計 をもちいて 観 測 をおこなってい<br />
る。<br />
岩 盤 に 固 定 した 験 潮 儀 で 海 面 高 を 観 測 すると、 純 粋 な 海 面 高 変 動 だけでなく 地 殻 上 下 変<br />
動 の 成 分 がふくまれる。 験 潮 儀 だけではその 成 分 をのぞくことはできない。そのため 純 粋 な<br />
海 面 高 変 動 をはかる 場 合 には、 地 殻 変 動 を GPS などによって 地 殻 変 動 を 別 に 求 める 必 要<br />
がある。GPS によって 海 面 高 観 測 ができれば、GPS 受 信 機 ひとつで 海 面 高 変 動 と 地 殻 変<br />
動 を 観 測 することができる。そのため、より 空 間 的 に 密 な 海 面 高 変 動 観 測 ができるようにな<br />
るかもしれない。<br />
GPS のマルチパスとは、 衛 星 から 送 信 されたマイクロ 波 と 散 乱 したものが 干 渉 することによ<br />
っておこる 現 象 をさす。マルチパスの 影 響 は SNR (signal to noise ratio; 信 号 対 雑 音 比 )<br />
や L4 に 顕 著 に 現 れることがわかっている (Ozeki and Heki2010)。これらのマルチパスに<br />
よる SNR・L4 の 時 間 変 化 を 解 析 すると、GPS のアンテナ 高 を 知 ることができる。このマル<br />
チパスによるアンテナ 高 推 定 を 応 用 して、いままでに 積 雪 深 (Larson et al 2009 ;Ozeki<br />
and Heki2010)・ 土 壌 水 分 (Larson et al.2008)などを 観 測 した 事 例 が 報 告 されている。 本<br />
研 究 では、 海 岸 近 くの GPS 局 のデータに 見 られる SNR の 時 間 変 化 をスペクトル 解 析 してア<br />
ンテナ 高 を 求 め、そこから 海 面 高 やその 時 間 変 化 を 推 定 した。<br />
Larson et al.(2013)は GPS のマルチパスを 利 用 して 海 面 高 変 動 が 観 測 できることを 示 し<br />
た。 本 研 究 は、 同 様 の 手 法 を 用 い、かつ 日 本 にある 既 存 GPS 観 測 点 をそのまま 利 用 して、<br />
海 面 高 観 測 が 可 能 であるか 検 証 したものである。そのために 2012 年 6 月 から 7 月 にかけて<br />
日 本 全 国 にある 39 ヶ 所 の GPS 観 測 点 で 得 た SNR から 海 面 高 を 推 定 し、 験 潮 場 の 観 測<br />
値 と 比 較 した。なお 39 ヶ 所 のうち 37 ヶ 所 は、 国 土 地 理 院 が 験 潮 データの 補 正 のために 験<br />
潮 場 に 設 置 した GPS 観 測 点 (GPS-P 点 )である。<br />
解 析 の 結 果 、Larson et al.(2013)とくらべて 精 度 は 劣 るものの、GPS のマルチパスによって<br />
潮 汐 による 海 面 高 変 動 を 明 瞭 にとらえることができた。 特 に 良 好 な 結 果 を 得 ることのできた<br />
沖 縄 験 潮 場 の GPS 点 (P124)では 標 準 偏 差 31cm であった。 本 稿 では、 沖 縄 験 潮 場 の 事 例<br />
を 中 心 に 紹 介 する。<br />
i
ABSTRACT<br />
Sea level measurements are important for monitoring tsunami, sea level rise due to<br />
global warming, and estimation of the geoid height. Various government agencies or<br />
research institutes routinely observe the sea level with traditional tide gauges. Recently,<br />
satellite altimeters have also been used to monitor the sea level.<br />
Tide gauges data include not only sea level information but also vertical crustal<br />
movements. It is impossible to isolate the former only with tide gauges, i.e. we need<br />
another instrument, e.g. GPS, to measure the latter. However, if we could measure sea<br />
level with GPS, we might be able to measure sea level free from vertical crustal<br />
movements. This new method may realize a denser network of sea level measurements.<br />
Multipath implies interference of direct microwave signals from GPS satellites and those<br />
reflected by ground, sea surface, or buildings. Multipath causes cyclic changes in<br />
quantities such as SNR (signal-to-noise ratio) or L4 (geometry-free linear combination)<br />
phases. By analyzing these changes, we can infer heights of GPS antennas from<br />
reflecting surfaces. This has been applied for measurements of snow depths [Larson et<br />
al.,2009; Ozeki and Heki,2010] or soil moisture [Larson et al.,2008].Larson et al.[2013]<br />
recently reported that GPS can measure the sea level in the same way.<br />
In this study we explore the possibility of measuring the sea level with GPS stations<br />
deployed for geodetic purposes. We compared results from the GPS tide gauges based<br />
on multipath observations and traditional tide gauges during the period from 2012/6/1 to<br />
2012/7/31 at 39 coastal GPS stations. Among them, 37 GPS stations are called GPS-P<br />
stations, which are installed next to tide gauges in order to correct for vertical crustal<br />
movements by Geospatial Information Authority (GSI) of Japan. We will report that we<br />
can use some of these GPS stations as tide gauges although the measurement accuracies<br />
are less than those reported in Larson et al.[2013].<br />
ii
目 次<br />
要 約 ................................................................................................................................................ i<br />
Abstruct ........................................................................................................................................ ii<br />
1. なぜ 既 存 の GPS 観 測 網 で 海 面 高 を 測 るのか ...................................................................... 1<br />
1-1. 日 本 の 海 面 高 観 測 の 現 状 ............................................................................................. 1<br />
1-2. GPS(Global Positioning System)とは 何 か .................................................................... 3<br />
1-3. GPS による 海 面 高 観 測 の 意 義 ...................................................................................... 4<br />
2. マルチパスによるアンテナ 高 の 推 定 方 法 ............................................................................ 4<br />
2-1.マルチパスとは 何 か ............................................................................................................ 4<br />
2-2.アンテナ 高 の 推 定 方 法 の 比 較 ........................................................................................... 6<br />
2-3.マルチパスと 衛 星 仰 角 ....................................................................................................... 7<br />
3. GPS と 海 面 の 関 係 ................................................................................................................ 8<br />
3-1.アンテナ 高 と 海 面 の 関 係 .................................................................................................... 8<br />
3-2. 予 想 した 誤 差 の 要 因 .......................................................................................................... 10<br />
4. GPS-P 点 における 観 測 データの 解 析 .................................................................................. 10<br />
4-1. 観 測 地 域 ・ 期 間 .................................................................................................................. 10<br />
4-1-1.GPS-P 点 と 験 潮 場 ........................................................................................................ 10<br />
4-1-2. 波 浪 の 観 測 .................................................................................................................. 12<br />
4-2. 手 順 .................................................................................................................................... 13<br />
iii
4-3. 結 果 ― 沖 縄 験 潮 場 (P124)の 事 例 ...................................................................................... 15<br />
4-3-1. 使 用 した 衛 星 ............................................................................................................... 15<br />
4-3-2. 各 衛 星 による 結 果 ....................................................................................................... 16<br />
4-3-3. 複 数 の 衛 星 による 結 果 ............................................................................................... 41<br />
4-4. 考 察 .................................................................................................................................. 47<br />
5. 結 論 ..................................................................................................................................... 47<br />
5-1. 今 後 の 課 題 ........................................................................................................................ 48<br />
謝 辞 ............................................................................................................................................. 48<br />
参 考 文 献 ..................................................................................................................................... 49<br />
iv
1. なぜ 既 存 の GPS 観 測 網 で 海 面 高 を 測 るのか<br />
本 研 究 では、 日 本 列 島 に 測 地 目 的 で 設 置 された 既 存 GPS 観 測 点 を 利 用 して、 海 面 高 を 推 定<br />
できるかどうかを 検 証 した。 本 章 では GPS をもちいた 海 面 高 推 定 の 意 義 について 述 べる。<br />
1-1. 日 本 の 海 面 高 観 測 の 現 状<br />
日 本 には、 行 政 機 関 が 海 面 高 を 測 るための 施 設 が 主 に3 種 類 ある。いずれも 同 じ 原 理 の 観 測<br />
設 備 だが、 目 的 が 異 なっている。<br />
1. 気 象 庁 の 設 置 している“ 検 潮 所 ”<br />
気 象 災 害 や 津 波 の 監 視 のために 海 面 高 を 計 測 している。 全 国 74 か 所 にある。<br />
2. 海 上 保 安 庁 海 洋 情 報 部 の 設 置 している“ 験 潮 所 ”<br />
水 路 の 深 さを 確 保 するために 海 面 高 を 計 測 している。 全 国 19 か 所 と 南 極 の 昭 和 基 地 に<br />
ある。<br />
3. 国 土 地 理 院 の 設 置 している“ 験 潮 場 ”<br />
ジオイドを 決 めるために 海 面 高 を 観 測 している。 全 国 25 か 所 にある。 特 に 国 土 地 理 院 の<br />
業 務 では 地 殻 変 動 と 海 面 高 変 動 の 差 が 重 要 になるので、24 の“ 験 潮 場 ”と 15 の“ 検 潮 所 ”<br />
に GPS 受 信 機 を 設 置 している。この GPS 観 測 点 は GPS-P 点 と 呼 ばれている。<br />
このように 各 々 目 的 は 違 うが、どの 施 設 も 設 置 してある 計 器 はほぼ 同 じだ。したがって 本 稿 で<br />
は 混 乱 を 避 けるため、 以 下 ではこれらの 施 設 をすべて“ 験 潮 場 ”と 呼 ぶ。<br />
験 潮 場 の 建 物 の 中 には 井 戸 がある。 井 戸 には 導 水 管 によって 外 部 に 通 じた 海 水 がみたされて<br />
いる。 験 潮 場 ではこの 井 戸 の 水 面 の 高 さで 海 面 高 を 決 めている。この 水 面 の 高 さを 測 る 道 具<br />
を 験 潮 儀 とよぶ( 図 1-1)。 験 潮 儀 を 使 わずに 海 面 高 を 計 測 する 方 法 には、 衛 星 海 面 高 度 計 に<br />
よる 観 測 がある。これはマイクロ 波 が 衛 星 と 海 面 の 間 を 往 復 する 時 間 を 計 測 することで 海 面 高<br />
を 計 測 するものである( 図 1-2)。<br />
1
図 1-1.: 験 潮 場 ( 国 土 地 理 院 ホームページより 転 載 )<br />
図 1-2.: 海 面 高 度 計 ( 測 地 学 テキストより 転 載 )<br />
2
1-2. GPS(GLOBAL POSITIONING SYSTEM)とは 何 か<br />
GPS は 全 地 球 衛 星 測 位 システム(GNSS; Global Navigation Satellite System)の 一 つであり、ア<br />
メリカ 合 衆 国 が 運 用 しているものだ。<br />
GPS は 衛 星 と 衛 星 を 制 御 する 管 制 局 、そして 地 上 もしくは 低 軌 道 衛 星 に 搭 載 されている 受 信<br />
機 からなる。GPS を 構 成 する 衛 星 は 一 般 に GPS 衛 星 と 呼 ばれる。GPS 衛 星 は 常 時 約 30 個 が、<br />
高 度 約 20000km・ 周 期 12 時 間 恒 星 時 で 運 用 されている( 図 1-3)。そして 各 々が 自 らの 軌 道 の<br />
情 報 と 時 刻 の 情 報 をのせたマイクロ 波 を 送 信 している。GPS 衛 星 から 送 信 されたマイクロ 波 を<br />
地 上 で 受 信 し、マイクロ 波 の 到 達 時 間 と 送 信 時 間 の 差 をとることで 衛 星 と 受 信 機 の 間 の 距 離 を<br />
求 めることができる。 理 論 上 、これを 3 つ 以 上 の 衛 星 について 同 時 におこなうと、 受 信 機 の 位<br />
置 を 決 めることができる。<br />
実 際 には、 受 信 機 の 時 刻 誤 差 を 補 正 する 必 要 があるために、 衛 星 は 4 つ 以 上 必 要 になる。<br />
GPS 衛 星 はルビジウムやセシウムをもちいた 原 子 時 計 が 搭 載 しているが、 受 信 機 はそれを 持<br />
たないからだ。したがって、GPS は 精 密 な 時 刻 測 定 に 利 用 されることもある。 測 位 ・ 測 量 や 時 刻<br />
測 定 のほかにも、GPS は 地 球 大 気 によるマイクロ 波 の 伝 搬 遅 延 を 利 用 して、 電 離 層 の 観 測 や<br />
可 降 水 量 の 観 測 にも 応 用 されている。<br />
GPS 衛 星 の 送 信 するマイクロ 波 にはいくつかの 種 類 がある。 本 研 究 ではその 中 の L1<br />
(1575.42MHz)と L2(1227.60MHz)を 使 用 した。<br />
図 1-3.:GPS 衛 星 ( 測 地 学 テキストより 転 載 )<br />
3
1-3. GPS による 海 面 高 観 測 の 意 義<br />
GPS は 地 殻 変 動 を 観 測 する 装 置 である。その GPS で 海 面 高 変 動 も 観 測 できれば、GPS だけ<br />
で 地 殻 変 動 の 影 響 を 除 いた 純 粋 な 海 面 高 変 動 を 観 測 することも 可 能 だ。したがって 既 存 の<br />
GPS 観 測 網 をもちいて、より 簡 便 かつ 緻 密 に 海 面 高 変 動 を 観 測 することができるようになるこ<br />
とが 期 待 される。<br />
2. マルチパスによるアンテナ 高 の 推 定 方 法<br />
2-1.マルチパスとは 何 か<br />
衛 星 から 受 信 機 に 送 信 したマイクロ 波 は、アンテナへ 直 接 届 くとはかぎらない。 一 度 地 表 で 反<br />
射 してからアンテナへ 届 くものもある( 図 2-1)。 直 接 アンテナに 届 いたマイクロ 波 と 地 表 で 反 射 し<br />
て 届 いたマイクロ 波 が 干 渉 して 起 こる 現 象 をマルチパスと 呼 ぶ。<br />
無 限 に 続 く 反 射 面 に 鉛 直 方 向 に 高 さ H のアンテナが 設 置 されていると 仮 定 する。このとき<br />
Eloségui et al. (1995) によると、 受 信 波 は 干 渉 のために 直 接 波 から 位 相 が δφ だけずれる。こ<br />
の 位 相 のずれは、 衛 星 の 仰 角 ε、アンテナで 受 信 する 直 接 波 と 反 射 波 の 割 合 α、 反 射 点 から<br />
鉛 直 方 向 に 測 ったアンテナ 高 H、マイクロ 波 の 波 長 λに 依 存 する。<br />
δφ(ε; α, H, λ) =<br />
α sin 4π H sin ε<br />
λ<br />
1 + αcos 4π H sin ε (1)<br />
λ<br />
この 位 相 は 仰 角 の 変 化 によって 変 わる( 図 2-2)が、それを 解 析 すると、アンテナ 高 H を 知 ること<br />
ができる。<br />
4
直 接 波<br />
H<br />
ε<br />
海 面 高<br />
反 射 波<br />
標 高 の 基 準 面<br />
図 2-1.マルチパスのイメージ 図 。εは 衛 星 仰 角 、H はアンテナ 高 である。<br />
25<br />
図 2-2.GPS-P 点 P124 で 衛 星 7 番 を 受 信 した 際 の SNR の<br />
時 間 変 動 。GPS の 周 期 は 23 時 間 56 分 なので 一 日 約 4 分<br />
ずつ 昇 る 時 刻 が 変 化 する。<br />
5
2-2.アンテナ 高 の 推 定 方 法 の 比 較<br />
マルチパスの 効 果 からアンテナ 高 を 推 定 する 方 法 には、SNR (signal to noise ratio; 信 号 対 雑<br />
音 比 )を 用 いる 方 法 と L4(L1 と L2 の 位 相 差 )を 用 いる 方 法 がある。<br />
SNR はマイクロ 波 の 信 号 強 度 と 雑 音 の 比 であり、 雑 音 を 一 定 とすると 信 号 強 度 に 相 当 する。<br />
SNR は 直 接 波 と 反 射 波 との 位 相 差 ψに 式 (2)のように 依 存 する。<br />
SNR 2 = A d 2 + A m 2 + 2A d A m cos ψ (2)<br />
ただしA d は 直 接 波 の 振 幅 、A m は 反 射 波 の 振 幅 で、α = A m<br />
Ad<br />
である。<br />
ψは 直 接 波 と 反 射 波 の 位 相 差 で、 余 剰 光 路 長 を 波 長 で 割 って、<br />
ψ = 4π H sin ε (3)<br />
λ<br />
と 表 すことができる。<br />
(2) 式 から、 直 接 波 と 反 射 波 の 位 相 差 ψを 知 ることができる。<br />
また、 (3) 式 の 両 辺 を 時 間 で 全 微 分 すると、<br />
dψ<br />
dt = 4π H dε<br />
cosε<br />
λ dt<br />
(4)<br />
となり、GPS 衛 星 の 仰 角 の 時 間 変 化 と 位 相 差 の 変 化 を 関 係 づけることができる。<br />
式 (4)は、H が 一 定 のときは、 仰 角 の 低 い 場 合 にはより 位 相 変 化 が 速 く、 仰 角 が 高 い 場 合 にはよ<br />
り 遅 いことをしめしている。また 位 相 変 化 の 速 さはアンテナ 高 H に 比 例 する。この 関 係 をもちい<br />
て、 今 までに 積 雪 深 (Larson et al.2009)や 土 壌 水 分 (Larson et al. 2010)を 測 定 した 事 例 が 報 告<br />
されている。<br />
Larson et al. (2013)は、sinεの 関 数 として SNR をスペクトル 解 析 することで 海 面 高 観 測 をここ<br />
ろみた。 位 相 差 ψを sinεで 両 辺 を 微 分 すると、<br />
dψ<br />
dx = 4π H λ<br />
6<br />
x = sin ε (5)
このように 位 相 差 の 変 動 が 仰 角 εに 依 存 せず、H が 一 定 のときにはある 決 まった 周 波 数 を 持<br />
つようになる。<br />
L4 は L1 と L2 の 位 相 差 を 長 さの 単 位 で 表 したものである。<br />
L4 ≡ L1 − L2 (6)<br />
L4 には 幾 何 学 的 な 情 報 が 相 殺 されて 電 離 層 遅 延 の 情 報 のみをふくむため、 電 離 層 擾 乱 の 観<br />
測 に 利 用 される。Ozeki and Heki (2012) はこの L4 の 位 相 の 振 動 を 使 って 積 雪 深 を 観 測 し<br />
た。<br />
本 研 究 では、データが 常 時 存 在 するわけではないが、より 高 精 度 でマルチパスを 観 測 できる<br />
SNR を 利 用 することとし、 衛 星 仰 角 の 変 動 にともなう SNR の 時 間 変 化 を 利 用 してアンテナ 高 を<br />
推 定 した。<br />
2-3.マルチパスと 衛 星 仰 角<br />
式 (1)のαはアンテナにとどく 直 接 波 と 反 射 波 との 割 合 である。αは 反 射 面 の 物 性 にもよるが、<br />
アンテナパターンにもよる。GPS アンテナは 方 位 角 方 向 には 広 い 指 向 性 を 持 つ。そして 仰 角 方<br />
向 には 仰 角 の 高 い 電 波 をよく 受 信 する。したがって 衛 星 の 仰 角 が 高 くなるほどアンテナは 直 接<br />
波 をより 強 く、 反 射 波 をより 弱 く 受 信 するようになり、αが 極 端 に 小 さくなってしまう。そこで 本 研<br />
究 では 仰 角 の 低 い、 昇 った 直 後 または 沈 む 直 前 2 時 間 の SNR を 使 用 した。<br />
図 2-3.アンテナパターンの 模 式 図 。θは 衛 星 仰<br />
角 である。(Larson et al., 2008 より 引 用 )<br />
図 2-4.SNR、 直 接 波 、 反 射 波 のベクトル 図 (Larson<br />
et al., 2008 より 引 用 )<br />
7
3. GPS と 海 面 の 関 係<br />
3-1.アンテナ 高 と 海 面 の 関 係<br />
験 潮 場 では、 験 潮 場 ごとに 決 められた 標 高 原 点 より 低 いある 面 から 海 面 高 を 計 測 している( 図<br />
3-1)。この 面 を 観 測 基 準 面 とよぶ。 本 研 究 では、 各 々の 験 潮 場 の 観 測 基 準 面 から 測 った 海 面 の<br />
高 さを 海 面 高 とした。また、アンテナ 位 相 中 心 の 標 高 は、 国 土 地 理 院 のジオイド 高 データ 及 び<br />
ジオイド 高 内 挿 プログラム「 日 本 のジオイド 2000 ver. 5」と 国 土 地 理 院 に 提 供 していただいた<br />
各 GPS 観 測 点 の F3 解 ( 測 位 解 )の 鉛 直 座 標 より 求 めた。<br />
アンテナ 高<br />
アンテナ 中 心<br />
観 測 基 準 面 標 高<br />
観 測 基 準 面<br />
海 面 高<br />
標 高 の 基 準 面<br />
図 3-1 験 潮 場 における 様 々な「 高 さ」の 関 係<br />
8
表 3-1.GPS-P 点 を 設 置 している 験 潮 場 の 所 在 地 と 観 測 基 準 面 標 高<br />
GPS-P 点 験 潮 場 ( 検 潮 所 ) 験 潮 場 の 所 管 機 関 名 緯 度 経 度 観 測 基 準 面 標 高 (cm)<br />
P101 忍 路 験 潮 場 国 土 地 理 院 43°13' 140°52' -130.94<br />
P102 奥 尻 験 潮 場 国 土 地 理 院 42°05' 139°29' -99.91<br />
P103 浅 虫 験 潮 場 国 土 地 理 院 40°54' 140°52' -93.54<br />
P104 男 鹿 験 潮 場 国 土 地 理 院 39°57' 139°42' -50.48<br />
P105 鼠 ヶ 関 験 潮 場 国 土 地 理 院 38°34' 139°33' -89.44<br />
P107 勝 浦 験 潮 場 国 土 地 理 院 35°08' 140°15' -299.47<br />
P108 油 壺 験 潮 場 国 土 地 理 院 35°10' 139°37' -258.37<br />
P109 小 木 験 潮 場 国 土 地 理 院 37°49' 138°17' -148.60<br />
P110 柏 崎 験 潮 場 国 土 地 理 院 37°21' 138°31' -127.96<br />
P111 輪 島 験 潮 場 国 土 地 理 院 37°24' 136°54' -88.89<br />
P112 三 国 験 潮 場 国 土 地 理 院 36°15' 136°09' -180.09<br />
P113 伊 東 験 潮 場 国 土 地 理 院 34°54' 139°08' -226.08<br />
P114 田 子 験 潮 場 国 土 地 理 院 34°48' 138°46' -250.18<br />
P115 焼 津 験 潮 場 国 土 地 理 院 34°52' 138°20' -311.52<br />
P116 鬼 崎 験 潮 場 国 土 地 理 院 34°54' 136°49' -241.90<br />
P117 海 南 験 潮 場 国 土 地 理 院 34°09' 135°12' -218.07<br />
P118 田 後 験 潮 場 国 土 地 理 院 35°36' 134°19' -200.03<br />
P119 須 佐 験 潮 場 国 土 地 理 院 34°38' 131°36' -144.48<br />
P120 久 礼 験 潮 場 国 土 地 理 院 33°20' 133°15' -217.54<br />
P121 狩 屋 験 潮 場 国 土 地 理 院 33°28' 129°51' -247.80<br />
P122 細 島 験 潮 場 国 土 地 理 院 32°26' 131°40' -227.19<br />
P123 阿 久 根 験 潮 場 国 土 地 理 院 32°01' 130°11' -321.10<br />
P124 沖 縄 験 潮 場 国 土 地 理 院 26°11' 127°49' -217.38<br />
P201 稚 内 検 潮 所 気 象 庁 45°24' 141°41' -165.6<br />
P202 網 走 検 潮 所 気 象 庁 44°01' 144°17' -150.5<br />
P203 釧 路 検 潮 所 気 象 庁 42°59' 144°22' -193.3<br />
P204 函 館 検 潮 所 気 象 庁 41°47' 140°43' -155.5<br />
P206 布 良 検 潮 所 気 象 庁 34°55' 139°50' -138.1<br />
P207 富 山 検 潮 所 気 象 庁 36°46' 137°13' -110.2<br />
P208 串 本 検 潮 所 気 象 庁 33°29' 135°46' -161.1<br />
P209 浜 田 検 潮 所 気 象 庁 34°54' 132°04' -91.9<br />
P210 長 崎 検 潮 所 気 象 庁 32°44' 129°52' -272.8<br />
P211 油 津 検 潮 所 気 象 庁 31°35' 131°25' -141.3<br />
P212 那 覇 検 潮 所 気 象 庁 26°13' 127°40' -257.5<br />
950194 飛 島 験 潮 場 国 土 地 理 院 39°11' 139°33' -209.79<br />
960676 宇 野 検 潮 所 気 象 庁 34°29' 133°57' -171.6<br />
9
3-2. 予 想 した 誤 差 の 要 因<br />
験 潮 場 では 屋 内 にある 井 戸 で 海 面 高 を 計 測 している。それに 対 し、GPS による 観 測 では 屋 外<br />
の 海 面 で 反 射 した 電 波 を 利 用 している。そのため GPS による 観 測 では、 験 潮 場 での 観 測 にく<br />
らべると 外 界 の 影 響 をうけやすいことが 予 想 できる。 外 界 の 影 響 には 以 下 のようなものがある。<br />
1. アンテナが 海 面 からの 反 射 波 をとらえているか。これは 個 々の GPS 衛 星 からのマイクロ 波<br />
の 反 射 点 が 海 上 にあることを 地 図 上 で 確 認 すれば 確 認 することができる。<br />
2. 局 舎 自 体 をはじめとする 様 々な 遮 蔽 物 により、 反 射 したマイクロ 波 がアンテナに 届 かない<br />
可 能 性 がある。これは 写 真 や 地 図 を 見 ることである 程 度 の 推 測 が 可 能 だが、どのような 遮<br />
蔽 があるのかは 実 際 に 現 地 でアンテナを 見 てみなければわからない。<br />
3. 波 浪 によって 海 面 での 反 射 がアンテナへ 届 かなくなることも 考 えられる。これは、 波 浪 の 観<br />
測 データを 確 認 すればどの 程 度 の 影 響 を 受 けるか 確 認 することができる。<br />
4. GPS-P 点 における 観 測 データの 解 析<br />
4-1. 観 測 地 域 ・ 期 間<br />
4-1-1.GPS-P 点 と 験 潮 場<br />
GPS のデータは 沖 縄 験 潮 場 内 に 設 置 してある GPS-P 点 (P124)の 2012 年 6 月 から 2012 年 7<br />
月 の 2 ヶ 月 間 のものを 使 用 した。GPS-P 点 での GPS の 観 測 データの 解 析 結 果 を 沖 縄 験 潮 場<br />
の 海 面 高 観 測 データと 比 較 し、 評 価 した。<br />
10
図 4-1.: 全 国 の GPS-P 点 の 分 布 。 験 潮 場 の 管 轄 は 国 土 地 理 院 と 気 象 庁 の 両 者 がある。<br />
図 4-2. 沖 縄 験 潮 場 周 辺 の 地 形 図 。だいだい 色 の 四 角 は 図 4-7、 図 4-8の 枠 線 である。<br />
11
4-1-2. 波 浪 の 観 測<br />
GPS による 海 面 高 観 測 への 波 浪 の 影 響 を 調 べるために、 国 土 交 通 省 港 湾 局 により 観 測 された<br />
那 覇 港 の 波 浪 観 測 データを 使 用 した。<br />
有 義 波 高 とは、ある 一 定 の 時 間 内 に 観 測 した 連 続 する 波 の 波 高 をはかり、 波 高 の 高 い 順 に3<br />
分 の1をとり、 平 均 したものである。<br />
那 覇 港<br />
沖 縄 験 潮 場<br />
図 4-3. 沖 縄 験 潮 場 と 那 覇 港 の 位 置<br />
12
4-2. 手 順<br />
1. キャリブレーションカーブの 計 算<br />
まずアンテナ 高 を 3m から 15m まで 1m きざみで 変 化 させて、 衛 星 仰 角 の 変 動 にともなう<br />
SNR の 時 間 変 化 を 式 (2)・ 式 (3)を 用 いて 計 算 した。αは 0.06 で 一 定 と 仮 定 した。SNR の<br />
時 間 変 化 を Blackman-Tukey 法 によってスペクトル 解 析 した。スペクトルのピークとアンテ<br />
ナ 高 との 関 係 は 直 線 で 近 似 した。<br />
2. SNR の 時 間 変 化 のスペクトル 解 析<br />
国 土 地 理 院 より、GPS 電 子 基 準 点 および GPS-P 点 の RINEX 型 式 の 観 測 データを 取 得 し<br />
た。RINEX(Receiver Independent Exchange Format) 型 式 とは、 干 渉 測 位 のための 共 通<br />
データ 形 式 の 名 称 である。 最 近 の 受 信 機 はたいてい SNR を 観 測 しているので、RINEX 型<br />
式 の 観 測 データにも 決 められたかたちで 記 載 してある。そこでこのデータから SNR を 読<br />
みとり、Blackman-Tukey 法 をもちいて SNR をスペクトル 解 析 し、 周 波 数 ピークの 位 置<br />
を 決 めた。<br />
周 波 数 ピークの 位 置 は 以 下 のようにしてもとめた。まず、 験 潮 場 の 潮 汐 データの 値 から 期<br />
待 できるアンテナ 高 を 求 めた。そしてそのアンテナ 高 から100cm をひいた 値 と100cm を<br />
たした 値 とをキャリブレーションカーブによってそれぞれのアンテナ 高 から 期 待 されるピー<br />
クへと 変 換 した。このピークをそれぞれ 下 限 と 上 限 とし、その 範 囲 内 で 一 番 大 きいパワー<br />
スペクトルをもつ 周 波 数 をピークとした。<br />
3. アンテナ 高 の 推 定 と 海 面 高 への 変 換<br />
SNR の 時 間 変 化 のピークからキャリブレーションカーブをもちいることでアンテナ 高 を 推 定<br />
できる。3-1.で 述 べた 海 面 高 とアンテナ 高 の 関 係 をもちいて、 推 定 したアンテナ 高 を 海 面<br />
高 へと 変 換 した。<br />
13
図 4―4.2013 年 day153 における 衛 星 7 番 の 衛 星 仰 角 の 変 動 (11 時 に 最 大 を 持 つ 曲 線 )<br />
と、それにともなう L2 の SNR の 時 間 変 化 を 計 算 したもの(アンテナ 高 は 5, 6, 7, 8m の 四<br />
通 りを 仮 定 した)。<br />
図 4-5. 昇 り 始 め2 時 間 の SNR の 時 間 変 化 ( 上 図 の<br />
囲 み)をスペクトル 解 析 した 結 果 。アンテナ 高 が 高<br />
いほど SNR が 変 動 する 周 波 数 が 高 いことがわかる。<br />
図 4-6. 左 図 についてスペクトルのピークと<br />
アンテナ 高 の 関 係 を 示 したもの。 横 軸 が<br />
SNR の 周 期 変 化 のスペクトルのピークの 位<br />
置 、 縦 軸 がアンテナ 高 である。この 範 囲 で<br />
は 両 者 はほぼ 直 線 的 な 関 係 にある。<br />
14
4-3. 結 果 ― 沖 縄 験 潮 場 (P124)の 事 例<br />
4-3-1. 使 用 した 衛 星<br />
海 上 に 反 射 点 をもつ 3,7,10,20,22,29 番 衛 星 を 使 用 した。7,22,29 番 は 昇 る 衛 星 、3,10,20 番 は 沈<br />
む 衛 星 である。<br />
図 4-7.2012 年 Day153 の P124 点 でのすべての 衛<br />
星 の 反 射 点 の 軌 跡 。なおアンテナ 高 は5mで 一 定<br />
図 4-8. 前 の 図 から、 海 洋 潮 汐 の 観 測 に 使 用 した 衛 星<br />
の 反 射 点 の 軌 跡 のみを 取 り 出 してプロットしたもの。<br />
としている。<br />
表 4-1. 使 った 衛 星 ( 時 間 は Day153 に 衛 星 が 昇 り/ 沈 みはじめた 時 間 )<br />
衛 星 軌 道 時 間 (hour)<br />
3 descending 12.517<br />
7 ascending 8.317<br />
10 descending 21.3<br />
20 descending 16.775<br />
22 ascending 23.55<br />
29 ascending 18.675<br />
15
4-3-2. 各 衛 星 による 結 果<br />
この 節 では、 各 衛 星 について 解 析 した 結 果 をしめす。<br />
図 4-9.~14., 図 4-21.~26. は SNR の 時 間 変 化 をスペクトル 解 析 した 結 果 である。 青 い 星<br />
印 で 示 した 周 波 数 をピークの 位 置 とした。 橙 色 の 曲 線 は 験 潮 儀 による 海 面 高 変 動 から、 個 々<br />
の 衛 星 の 沈 む(または 昇 る) 時 刻 の 値 を 読 み 取 って、それらを 結 んだものである。 図 4-15.~2<br />
0., 図 4-27.~32. の 上 部 に 示 した 図 は GPS、 験 潮 儀 でそれぞれ 測 定 した 海 面 高 の 時 間 変<br />
動 をしめしたものだ。 灰 色 が 験 潮 儀 で 測 った 海 面 高 変 動 、 青 色 が GPS によって 推 定 した 海 面<br />
高 変 動 である。 丸 の 色 はピークの 強 さ、 棒 グラフは 那 覇 港 での 有 義 波 高 をしめしている。 図 4<br />
-15.~20., 図 4-27.~32. の 下 部 に 示 す 図 は GPS、 験 潮 場 でそれぞれ 測 定 した 海 面 高 を<br />
比 較 したものである。 赤 い 直 線 は 験 潮 儀 と GPS のそれぞれで 得 られた 測 定 値 が 同 じである 場<br />
合 を 示 すものである。 緑 の 直 線 は、 両 者 の 間 に 一 定 のバイアスがあると 仮 定 して、 各 データの<br />
赤 い 直 線 からのずれを 平 均 した 量 だけ、 赤 い 直 線 を 移 動 させたものである。<br />
16
L1 の 結 果<br />
図 4-9.P124での 衛 星 3 番 の L1 の SNR 時 間 変 動 のスペクトルの 変 動 。 四 つの 図 は 右 側 の 目 盛 で 示 す 通 算 日 によって 二 週 間 ごとに 分 けたものである。 橙 色 の 曲 線 は<br />
験 潮 儀 の 測 定 値 から、 予 測 される 周 波 数 ピークの 位 置 を 予 想 したもの。 実 際 に 観 測 された 周 波 数 ピーク( 青 い 星 印 )と 一 致 していれば、GPS と 験 潮 儀 による 潮 位 の 測<br />
定 値 が 一 致 していることを 示 す。<br />
17
図 4-10.P124での 衛 星 7 番 の L1 の SNR 時 間 変 動 のスペクトルの 変 動<br />
18
図 4-11.P124での 衛 星 10 番 の L1 の SNR 時 間 変 動 のスペクトルの 変 動<br />
19
図 4-12.P124での 衛 星 20 番 の L1 の SNR 時 間 変 動 のスペクトルの 変 動<br />
20
図 4-13.P124での 衛 星 22 番 の L1 の SNR 時 間 変 動 のスペクトルの 変 動<br />
21
図 4-14.P124での 衛 星 29 番 の L1 の SNR 時 間 変 動 のスペクトルの 変 動<br />
22
図 4-15.( 上 ) 灰 色 の 曲 線 は、 沖 縄 験 潮 場 の 験 潮 儀 による 潮 汐 データ、 青 色 の 折 れ 線 が<br />
GPS によって 計 測 された 海 面 高 で、 図 4-9の 星 印 を 海 面 高 に 変 換 したものである。 棒 グラ<br />
フは 那 覇 港 での 有 義 波 高 。( 下 ) 横 軸 が3 番 衛 星 の 観 測 から 推 定 された 海 面 高 、 縦 軸 が 験<br />
潮 儀 で 観 測 された 海 面 高 である。 両 者 が 一 致 すると 赤 い 直 線 上 に 分 布 するはずである。<br />
青 い 直 線 は、 両 者 に 一 定 値 のバイアスがあると 仮 定 して、もっとも 両 者 が 一 致 するように 引<br />
いた 直 線 である。<br />
23
図 4-16.( 上 ) 灰 色 が 沖 縄 験 潮 場 の 験 潮 儀 による 潮 汐 データ、 青 色 が 図 4<br />
-10の 星 印 を 海 面 高 に 変 換 したものである。 下 の 棒 グラフは 那 覇 港 での<br />
有 義 波 高 。( 下 ) 横 軸 が7 番 衛 星 で 得 た 海 面 高 、 縦 軸 が 験 潮 儀 で 得 た 海 面<br />
高 である。<br />
24
図 4-17.( 上 ) 灰 色 が 沖 縄 験 潮 場 の 験 潮 儀 による 潮 汐 データ、 青 色 が 図 4<br />
-11の 星 印 を 海 面 高 に 変 換 したものである。 下 の 棒 グラフは 那 覇 港 での<br />
有 義 波 高 。( 下 ) 横 軸 が10 番 衛 星 で 得 た 海 面 高 、 縦 軸 が 験 潮 儀 で 得 た 海<br />
面 高 である。<br />
25
図 4-18.( 上 ) 灰 色 が 沖 縄 験 潮 場 の 験 潮 儀 による 潮 汐 データ、 青 色 が 図 4<br />
-12の 星 印 を 海 面 高 に 変 換 したものである。 下 の 棒 グラフは 那 覇 港 での<br />
有 義 波 高 。( 下 ) 横 軸 が20 番 衛 星 で 得 た 海 面 高 、 縦 軸 が 験 潮 儀 で 得 た 海<br />
面 高 である。<br />
26
図 4-19.( 上 ) 灰 色 が 沖 縄 験 潮 場 の 験 潮 儀 による 潮 汐 データ、 青 色 が 図 4<br />
-13の 星 印 を 海 面 高 に 変 換 したものである。 下 の 棒 グラフは 那 覇 港 での<br />
有 義 波 高 。( 下 ) 横 軸 が22 番 衛 星 で 得 た 海 面 高 、 縦 軸 が 験 潮 儀 で 得 た 海<br />
面 高 である。<br />
27
図 4-20.( 上 ) 灰 色 が 沖 縄 験 潮 場 の 験 潮 儀 による 潮 汐 データ、 青 色 が 図 4<br />
-14の 星 印 を 海 面 高 に 変 換 したものである。 下 の 棒 グラフは 那 覇 港 での<br />
有 義 波 高 。( 下 ) 横 軸 が29 番 衛 星 で 得 た 海 面 高 、 縦 軸 が 験 潮 儀 で 得 た 海<br />
面 高 である。<br />
28
L2 の 結 果<br />
図 4-21.P124での 衛 星 3 番 の L2の SNR 時 間 変 動 のスペクトルの 変 動 。 詳 細 は 図 4-9の 説 明 を 参 照 のこと。<br />
29
図 4-22.P124での 衛 星 7 番 の L2の SNR 時 間 変 動 のスペクトルの 変 動<br />
30
図 4-23.P124での 衛 星 10 番 の L2の SNR 時 間 変 動 のスペクトルの 変 動<br />
31
図 4-24.P124での 衛 星 20 番 の L2の SNR 時 間 変 動 のスペクトルの 変 動<br />
32
図 4-25.P124での 衛 星 22 番 の L2の SNR 時 間 変 動 のスペクトルの 変 動<br />
33
図 4-26.P124での 衛 星 29 番 の L2の SNR 時 間 変 動 のスペクトルの 変 動<br />
34
図 4-27.( 上 ) 灰 色 が 沖 縄 験 潮 場 の 験 潮 儀 による 潮 汐 データ、 青 色 が 図 4<br />
-21の 星 印 を 海 面 高 に 変 換 したものである。 下 の 棒 グラフは 那 覇 港 での<br />
有 義 波 高 。( 下 ) 横 軸 が3 番 衛 星 で 得 た 海 面 高 、 縦 軸 が 験 潮 儀 で 得 た 海 面<br />
高 である。 詳 細 は 図 4-15の 説 明 を 参 照 のこと。
図 4-28.( 上 ) 灰 色 が 沖 縄 験 潮 場 の 験 潮 儀 による 潮 汐 データ、 青 色 が 図 4<br />
-22の 星 印 を 海 面 高 に 変 換 したものである。 下 の 棒 グラフは 那 覇 港 での<br />
有 義 波 高 。( 下 ) 横 軸 が7 番 衛 星 で 得 た 海 面 高 、 縦 軸 が 験 潮 儀 で 得 た 海 面<br />
高 である。<br />
36
図 4-29.( 上 ) 灰 色 が 沖 縄 験 潮 場 の 験 潮 儀 による 潮 汐 データ、 青 色 が 図 4<br />
-23の 星 印 を 海 面 高 に 変 換 したものである。 下 の 棒 グラフは 那 覇 港 での<br />
有 義 波 高 。( 下 ) 横 軸 が10 番 衛 星 で 得 た 海 面 高 、 縦 軸 が 験 潮 儀 で 得 た 海<br />
面 高 である。<br />
37
図 4-30.( 上 ) 灰 色 が 沖 縄 験 潮 場 の 験 潮 儀 による 潮 汐 データ、 青 色 が 図 4<br />
-24の 星 印 を 海 面 高 に 変 換 したものである。 下 の 棒 グラフは 那 覇 港 での<br />
有 義 波 高 。( 下 ) 横 軸 が20 番 衛 星 で 得 た 海 面 高 、 縦 軸 が 験 潮 儀 で 得 た 海<br />
面 高 である。<br />
38
図 4-31.( 上 ) 灰 色 が 沖 縄 験 潮 場 の 験 潮 儀 による 潮 汐 データ、 青 色 が 図 4<br />
-25の 星 印 を 海 面 高 に 変 換 したものである。 下 の 棒 グラフは 那 覇 港 での<br />
有 義 波 高 。( 下 ) 横 軸 が22 番 衛 星 で 得 た 海 面 高 、 縦 軸 が 験 潮 儀 で 得 た 海<br />
面 高 である。<br />
39
図 4-32.( 上 ) 灰 色 が 沖 縄 験 潮 場 の 験 潮 儀 による 潮 汐 データ、 青 色 が 図 4<br />
-26の 星 印 を 海 面 高 に 変 換 したものである。 下 の 棒 グラフは 那 覇 港 での<br />
有 義 波 高 。( 下 ) 横 軸 が29 番 衛 星 で 得 た 海 面 高 、 縦 軸 が 験 潮 儀 で 得 た 海<br />
面 高 である。<br />
40
4-3-3. 複 数 の 衛 星 による 結 果<br />
図 4-15から 図 4-20で、 個 々の GPS 衛 星 と 験 潮 儀 のそれぞれで 測 定 した 海 面 高 を 比 較 した。<br />
両 者 が 一 致 すれば 赤 い 直 線 上 にデータが 乗 るはずだ。 図 4-9から 図 4-14.は 個 々の GPS、<br />
験 潮 儀 でそれぞれ 測 定 した 海 面 高 の 時 間 変 動 を 比 較 したものだ。 青 色 が 験 潮 場 の 験 潮 儀 で<br />
測 った 海 面 高 変 動 、 丸 印 が GPS によって 推 定 した 海 面 高 である。この 節 では、 複 数 の GPS 衛<br />
星 を 組 み 合 わせたものを 験 潮 儀 による 測 定 結 果 と 比 較 してみたい。<br />
L1 の SNR を 用 いた 場 合 と L2 の SNR を 用 いた 結 果 をまとめて 図 4-33と 図 4-35で 示 す。SNR<br />
の 周 波 数 ピークが 強 く 出 た 日 と 出 なかった 日 のデータの 質 を 議 論 するために、 丸 印 の 大 きさで<br />
ピークの 高 さを 比 較 している。またすべての L1 と L2 の SNR による 海 面 高 データを、 使 用 した 全<br />
期 間 において、 験 潮 儀 による 海 面 高 と 時 系 列 上 で 比 較 したものを 図 4-34と 図 4-36に 示 す。<br />
41
L1 の 結 果<br />
図 4-33. 使 用 したすべての GPS 衛 星 で、L1 の SNR を 用 いて 推 定 した 海 面 高 推 定 をまとめ、 験 潮 場 の 験 潮 儀 によ<br />
る 海 面 高 データと 比 較 したもの。 横 軸 は GPS による 海 面 高 、 縦 軸 は 験 潮 儀 による 海 面 高 、 丸 印 の 大 きさは 周 波 数 ピ<br />
ークの 相 対 的 な 強 さを 表 している。<br />
42
図 4-34. 青 色 の 曲 線 が 験 潮 儀 で 計 測 された 海 面 高 の 変 動 、 丸 印 が GPS(L1)で 推 定 した 海 面 高 である。 全 期 間 を<br />
二 つにわけて 上 下 の 図 で 示 す。<br />
43
L2 の 結 果<br />
図 4-35. 使 用 したすべての GPS 衛 星 で、L2 の SNR を 用 いて 推 定 した 海 面 高 推 定 をまとめ、 験 潮 場 の 験 潮 儀 によ<br />
る 海 面 高 データと 比 較 したもの。 横 軸 は GPS による 海 面 高 、 縦 軸 は 験 潮 儀 による 海 面 高 、 丸 印 の 大 きさは 周 波 数 ピ<br />
ークの 相 対 的 な 強 さを 表 している。<br />
44
図 4-36. 図 4-34. 青 色 の 曲 線 が 験 潮 儀 で 計 測 された 海 面 高 の 変 動 、 丸 印 が GPS(L2)で 推 定 した 海 面 高 である。<br />
全 期 間 を 二 つにわけて 上 下 の 図 で 示 す。<br />
45
波 浪 の 影 響<br />
海 が 荒 れると、マイクロ 波 が 反 射 する 海 面 の 凹 凸 が 増 大 し、 直 接 波 と 反 射 波 の 干 渉 が 理 論 通<br />
りに 生 じない 可 能 性 がある。そこで、 波 浪 と 測 定 精 度 の 関 係 について 調 べてみた。<br />
左 の 図 が 那 覇 港 で 観 測 された 有 義 波 高 と、 験 潮 儀 と GPS から 得 られた 海 面 高 の 差 の 関 係 を<br />
表 したもの、 右 の 図 が 有 義 波 高 と SNR の 時 間 変 化 の 周 波 数 スペクトルのピークの 高 さの 関 係<br />
を 表 したものである。いずれの 図 もはっきりとした 相 関 は 示 しておらず、 験 潮 儀 が 存 在 する 港 湾<br />
内 部 では 外 海 の 波 浪 によって GPS 潮 汐 計 の 精 度 は 影 響 を 受 けないことがわかる。<br />
図 4-37.( 左 ) 横 軸 が 有 義 波 高 、 縦 軸 が( 験 潮 儀 で 測 定 した 海 面 高 から GPS で 推 定 した 海 面 高 を 引 いた 値 )であ<br />
る。( 右 ) 横 軸 が 有 義 波 高 、 縦 軸 がピークの 強 さを 表 している。どちらにも 有 意 な 相 関 は 見 られない。<br />
46
4-4. 考 察<br />
沖 縄 の 験 潮 場 で、 験 潮 儀 による 海 面 高 と、 海 面 で 反 射 したマイクロ 波 と 直 接 波 の 干 渉 による<br />
GPS 点 (P 点 )の SNR の 変 動 周 期 から 求 めた 海 面 高 を 比 較 した。マイクロ 波 が 反 射 する 点 が 海<br />
上 にあるいくつかの 衛 星 を 用 いて、 海 洋 潮 汐 による 海 面 高 変 動 のシグナルを 検 出 することが<br />
できた。<br />
4-3-2.でとりあげたすべての 衛 星 について 験 潮 儀 と GPS の 結 果 を 比 較 してその 差 を 統 計 的 に<br />
解 析 した。その 結 果 、L1 では 標 準 偏 差 50cm、L2 では 標 準 偏 差 31cm で 両 者 は 一 致 した。 衛 星<br />
ごとにみて 標 準 偏 差 が 最 も 小 さくなったのは、 衛 星 7 番 の L2 による 結 果 で、16cmであった。な<br />
お、 同 じ 衛 星 で L1 を 用 いて 比 較 したときの 標 準 偏 差 は44cm となり、 海 面 の 反 射 点 の 軌 跡 が<br />
同 じでも 結 果 が 大 きく 違 うことがわかった。 通 常 の GPS データのサンプリング 間 隔 は 30 秒 と 長<br />
いため、 数 分 という 周 期 をもつマルチパスによる SNR の 変 動 から 高 精 度 で 変 動 周 波 数 を 求 め<br />
ることには 限 界 がある。その 際 に、 波 長 の 長 い( 周 波 数 の 低 い)L2 のほうが SNR の 時 間 変 動 が<br />
ゆっくりしているため、より 精 度 の 高 い SNR 変 動 周 波 数 の 同 定 、さらにはより 良 い 験 潮 儀 との 海<br />
面 高 の 一 致 につながったのだろう。<br />
図 4-37.からはほとんど 有 義 波 高 と 誤 差 については 相 関 が 見 いだせなかった。 図 4-7.の 反<br />
射 点 の 軌 跡 をみると、 測 定 精 度 は 波 浪 より 海 面 以 外 の 大 地 や 人 工 構 造 物 による 反 射 ・ 遮 蔽 の<br />
影 響 をより 強 く 受 けるのではないかと 思 われる。<br />
以 上 の 考 察 から、 精 度 に 関 する 問 題 は 残 っているものの、 全 体 としてみると 既 存 の GPS 観 測<br />
網 で 海 洋 潮 汐 による 海 面 高 変 動 をとらえることができたと 言 って 差 支 えないだろう。<br />
5. 結 論<br />
本 研 究 では、 日 本 にある 既 存 の GPS 観 測 網 で 潮 汐 による 海 面 高 変 動 をとらえることに 成 功 し<br />
た。GPS だけでは 験 潮 儀 に 匹 敵 する 計 測 の 精 度 と 頻 度 で 海 面 高 を 測 ることはできない。しか<br />
し、ロシアの GLONASS や 日 本 の 準 天 頂 衛 星 システム(QZSS) 等 の、GPS 以 外 の GNSS を 用<br />
いることができれば、 将 来 的 には GNSS だけで( 験 潮 儀 に 依 らずに) 海 洋 潮 汐 を 計 測 すること<br />
も 可 能 かもしれない。GNSS による 海 面 高 観 測 では、 利 用 者 は GNSS 受 信 機 さえ 持 っていれ<br />
ば 海 面 高 の 変 動 と 地 殻 変 動 の 両 方 を 知 ることができる。したがって、この 手 法 が 高 精 度 化 され<br />
れば、 測 地 GPS 観 測 網 をもちいることで、 地 殻 変 動 の 影 響 を 排 してより 稠 密 に 地 球 温 暖 化 によ<br />
るゆっくりとした 海 面 高 の 変 化 等 を 観 測 することができるかも 知 れない。<br />
47
5-1. 今 後 の 課 題<br />
本 研 究 はで 得 られたマルチパスを 利 用 した GPS による 海 面 高 の 計 測 精 度 は、Larson et<br />
al.(2013)が 報 告 している 結 果 ( 験 潮 儀 と 同 等 の 計 測 精 度 )と 比 べ、 精 度 が 劣 っている。これは<br />
観 測 に 使 える 衛 星 の 数 に 代 表 される 幾 何 学 的 な 要 因 にもある 程 度 あるのだろうが、2-2.で 述 べ<br />
たデータ 解 析 の 手 法 の 違 いの 要 因 もあるかも 知 れない( 彼 女 らは SNR を 衛 星 仰 角 の 正 弦 の 関<br />
数 として 周 波 数 解 析 している)。 解 析 手 法 を 改 善 すれば、 本 研 究 で 用 いた 日 本 にある 既 存 の<br />
測 地 GPS 観 測 点 であっても、より 高 い 精 度 を 達 成 することができる 可 能 性 がある。<br />
謝 辞<br />
本 研 究 で 使 用 した GPS の 観 測 データは 国 土 地 理 院 より 提 供 していただいた。また 験 潮 データ<br />
は 国 土 地 理 院 および 気 象 庁 より 提 供 していただいた。 波 浪 データは、 国 土 交 通 省 港 湾 局 によ<br />
って 観 測 され、 港 湾 空 港 技 術 研 究 所 で 処 理 されたものを 提 供 していただいた。これらの 機 関 に<br />
対 して、ここに 感 謝 の 意 を 表 する。<br />
指 導 教 官 の 日 置 幸 介 教 授 には、お 忙 しい 中 ぶしつけな 訪 問 にもこころよく 対 応 していただき、<br />
卒 業 研 究 に 関 するあらゆることを 教 わりました。 深 く 御 礼 申 し 上 げます。ゼミでの 中 間 発 表 では、<br />
同 研 究 室 の 古 屋 正 人 教 授 と 固 体 系 ゼミの 先 生 方 ・ 先 輩 方 に 有 意 義 な 助 言 を 多 数 いただきまし<br />
た。ありがとうございます。 普 段 の 研 究 生 活 においては、 同 研 究 室 の 諸 先 輩 方 に 多 方 面 で 助 け<br />
ていただきました。 感 謝 しております。<br />
48
参 考 文 献<br />
ELOSEGUI, P., J. DAVIS, R. JALDEHAG, J. JOHANSSON, A. NIELL, and I. SHAPIRO (1995),<br />
GEODESY USING THE GLOBAL POSITIONING SYSTEM - THE EFFECTS OF SIGNAL<br />
SCATTERING ON ESTIMATES OF SITE POSITION, Journal of Geophysical Research-Solid<br />
Earth, 100(B6), 9921-9934, doi:10.1029/95JB00868.<br />
GPS マイクロ 波 の 散 乱 を SNR から 推 定 した 最 初 の 論 文<br />
Larson, K., E. Gutmann, V. Zavorotny, J. Braun, M. Williams, and F. Nievinski (2009), Can we<br />
measure snow depth with GPS receivers, Geophysical Research Letters, 36,<br />
doi:10.1029/2009GL039430.<br />
GPS マルチパスをもちいて 積 雪 深 を 推 定 。SNR を 利 用 している。<br />
Larson, K., E. Small, E. Gutmann, A. Bilich, P. Axelrad, and J. Braun (2008), Using GPS<br />
multipath to measure soil moisture fluctuations: initial results, Gps Solutions, 12(3), 173-177,<br />
doi:10.1007/s10291-007-0076-6.<br />
GPS マルチパスによる 土 壌 水 分 の 推 定 。SNR を 利 用 している。<br />
Ozeki, M., and K. Heki (2012), GPS snow depth meter with geometry-free linear<br />
combinations of carrier phases, Journal of Geodesy, 86(3), 209-219,<br />
doi:10.1007/s00190-011-0511-x.<br />
GPS マルチパスをもちいて 積 雪 深 を 推 定 。L4 を 利 用 している。<br />
大 関 優 (2010),GPS 衛 星 の L バンド 二 周 波 位 相 差 を 利 用 した 積 雪 深 度 観 測 , 平 成 22 年 度 北 海<br />
道 大 学 大 学 院 理 学 院 自 然 史 科 学 専 攻 地 球 ダイナミクス 講 座 修 士 論 文 ,<br />
URL:http://www.ep.sci.hokudai.ac.jp/~geodesy/<strong>pdf</strong>/Ozeki_Msc_Thesis.<strong>pdf</strong><br />
Ozeki and Heki(2012)とほぼ 同 じ 内 容 である。こちらのほうが 詳 細 な 情 報 が 記 載 されている。<br />
日 野 幹 雄 (1984) ,スペクトル 解 析 , 朝 倉 書 店 ,pp.191-193<br />
Blackman-Tukey 法 の 原 理 やプログラムのソースがのっている<br />
。<br />
49
土 屋 淳 , 辻 宏 道 (2008) ,GNSS 測 量 の 基 礎 , 社 団 法 人 日 本 測 量 協 会<br />
GPS をはじめとする GNSS に 関 する 基 本 的 な 知 識 について 紹 介 されている<br />
測 地 学 テキスト URL; http://www.geod.jpn.org/web-text/index.html,2013 年 1 月 取 得<br />
国 土 地 理 院 ホームページ URL; http://www.gsi.go.jp/,2013 年 1 月 取 得<br />
気 象 庁 ホームページ URL; http://www.jma.go.jp/jma/index.html,2013 年 1 月 取 得<br />
海 上 保 安 庁 海 洋 情 報 部 ホームページ URL; http://www1.kaiho.mlit.go.jp/,2013 年 1 月 取 得<br />
国 土 地 理 院 験 潮 場 のデータ[http://tide.gsi.go.jp/furnish.html]2012 年 取 得<br />
気 象 庁 検 潮 所 のデータ[http://www.data.kishou.go.jp/db/tide/genbo/index.php]2012 年 取<br />
得<br />
港 湾 局 波 浪 のデータ[http://nowphas.mlit.go.jp/nowphasdata/sub300.htm]2012 年 取 得<br />
50