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Chapter 2図 鑑2.1 アイタケア イ タ ケ( 学 名 Russula virescens) はベ ニ タ ケ科 ベ ニ タ ケ 属 のキ ノ コ の ⼀ 種 。 英 語 圏 で はgreen russula * [1]、green quilt russula * [2]、greencrackedbrittlegill * [3] などと 呼 ばれる * [4]。2.1.1 形 態絡 脈 によって 連 結 されている。かさの 表 ⾯には 円錐 状 のシスチジア が 散 在 し、 表 ⽪のゼラチン 化 はほとんど 認 められない。2.1.2 生 態 と 分 布夏 から 秋 にかけて、コナラ 属 ・カバノキ 属 ・ブナ属 などの 落 葉 広 葉 樹 の 林 内 地 上 で 採 集 されることが 多 い。ときにはマツ 属 ・モミ 属 ・トウヒ 属 などの 樹 ⽊の 下 にも 発 ⽣する。これらの 樹 ⽊の⽣きた 細 根 との 間 に、 外 ⽣ 菌 根 を 形 成 して⽣ 活 しており、⼈⼯ 栽 培 は 困 難 で、いまのところ 試 みられていない。北 半 球 温 帯 地 ⽅に 広 く 分 布 し、⽇ 本 でも、 低 地 の公 園 林 などから 亜 ⾼⼭ 帯 まで、 各 地 で⽐ 較 的 普 通に⾒ 出 される。2.1.3 類 似 種裏 ⾯は⽩⾊でひだはやや 密かさは 直 径 5–15 cm で、 幼 時 はまんじゅう 型 、 成⻑すると 開 いて 浅 い 漏 ⽃ 状 となる。 表 ⾯は 淡 い⻘緑 ⾊でいくぶんざらつき、しばしば 表 ⽪が 不 規 則にひび 割 れてモザイク 模 様 をあらわす。じゅうぶんに 成 熟 すれば、しばしば 傘 の 周 縁 部 に 浅 い 条 溝を⽣じる。かさ・ 柄 の⾁はともに⽩⾊で 傷 つけても 変 ⾊することはなく、 堅 いがもろい⾁ 質 であり、 味 もにおいもともに 温 和 である。 硫 酸 鉄 (II) に 接 触 すると帯 褐 オレンジ⾊ないし 帯 褐 桃 ⾊に 変 わる。ひだは 柄 に 直 ⽣ないし 離 ⽣し、やや 密 で⽩⾊を 呈し、 分 岐 や 連 絡 脈 を⽋く。 柄 はほぼ 上 下 同 ⼤で⻑さ 3–8 cm、 径 2–4 cm 程 度 、⽩⾊を 呈 し、 中 実 である。胞 ⼦ 紋 はほとんど⽩⾊を 呈 し、 胞 ⼦ はほぼ 球 形から 広 卵 形 をなし、その 表 ⾯には 微 細 なとげ 状 突起 が 不 規 則 に⽣じ、 突 起 の 基 部 はきわめて 細 い 連フタイロベニタケ (Russula viridirubrolimbata Ying.)も、アイタケと 同 様 に、かさの 表 ⽪が 不 規 則 に 裂けてモザイク 状 をなすが、 通 常 はかさの 中 央 部 付近 が 緑 ⾊、 周 縁 部 が 暗 ⾚⾊を 呈 する。ただし、 前 者においても、まれにかさのほとんど 全 ⾯が 緑 ⾊を呈 することがあり、その 場 合 には⾁ 眼 的 な 識 別 はきわめて 困 難 である。また、アイタケに 似 て、かさの 表 ⽪が⻩ 褐 ⾊となるものにヤブレキチャハツ(Russula crustosa Peck) がある。2.1.4 食 毒⾷⽤になり、⽐ 較 的 ⼤ 形 で 発 ⽣ 量 も 多 く、 酷 似 する 毒 キノコ も 少 ないために⼈ 気 がある。⻭ 切 れはさほどではないが⾵ 味 がよいとされ、サラダ や 炒め 物 、 汁 物 などに 調 理 される。ただし、ビタミンB 1 を 破 壊 する 酵 素 を 含 有 することが 報 告 されており、 多 ⾷は 避 けるべきであるとされている * [6]。また、 調 理 ⽅ 法 にも 注 意 を 要 し、⽣⾷はあまり 勧められない。18