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16 CHAPTER 1. きのことは側 から⾒ると、こうした 昆 ⾍は 菌 類 を⽣ 育 に 適 した 環 境 に 運 搬 していることになり、 菌 類 の 分 散 に寄 与 していると 考 えられる。また, 熱 帯 に 住 むハチ ⽬のハキリアリ と、シロアリ ⽬の⾼ 等 シロアリの⼀ 部 は、 巨 ⼤な 巣 を 作 り、その 中 に 外 部 から植 物 ⽚を 運 び 込 み、かみ 砕 いて「 苗 床 」を 作 り、そこで 菌 類 を「 栽 培 」し、⾷ 料 としている。シロアリにおいては、 外 部 の 菌 類 がシロアリの 卵 に 擬 態して 菌 核 を 保 護 させるターマイトボール というものも 発 ⾒されている。1.2.6 人 類 とのかかわり• 担 ⼦ 菌 ⾨• サビキン 綱 :サビキン(Puccinia 各 種 植物 のさび 病 など)• クロボキン 綱 :クロボキン(Ustilago コムギ・オオムギの 裸 ⿊ 穂 病 など)、(Tilletia⼩⻨・⼤⻨のなまぐさ⿊ 穂 病 など)なお、 卵 菌 類 にも 植 物 寄 ⽣ 菌 があり、アブラナ 科の⽩さび 病 など 菌 類 の 起 こすものと 似 た 病 気 が知 られる。食 材 、 食 品 加 工 、 薬 品⼈ 間 は 古 くからキノコを⾷ 品 として 利 ⽤してきた。 現 在 ではシイタケ、エリンギ のように⼤々 的に 栽 培 され、⾝ 近 なものになっているものもあれば、トリュフ、マツタケ などのように 栽 培 が 難 しく、⾼ 級 ⾷ 材 として 扱 われているものもある。酵 ⺟ はブドウ 糖 、ショ 糖 をエタノール に 発 酵 する。この 能 ⼒はビール、ワイン などの 醸 造 に⽤いられている。また、カビ や 酵 ⺟ はチーズ を 作 るために 重 要 な 役 割 を 果 している。⽇ 本 酒 、 焼 酎 、 醤油 、 味 噌 など、⽇ 本 古 来 の 発 酵 ⾷ 品 では、コウジカビを 穀 物 に 培 養 し、 繁 殖 させた 麹 (こうじ)を⽤いて 醸 造 を⾏う。そのほか、 貴 腐 ワイン の⽣ 産 には 果 実 につくハイイロカビ が 必 要 であるとか、⾷ 材 を 冷 暗 所 に 保 管し、 表 ⾯にカビを⽣やせて 熟 成 させる(⾦ 華 ハム、鰹 節 等 )など、カビが 関 わる⾷ 品 は 様 々である。菌 類 には 様 々な 有 機 化 合 物 を⽣ 産 するものがいる。 例 えば、アオカビの⼀ 種 は 抗 ⽣ 物 質 のペニシリン を⽣ 産 する。ベニテングタケ は 猛 毒 のアルカロイド、アミノ 酸 を 含 んでいる。マジックマッシュルームのように 動 物 の 中 枢 神 経 に 作 ⽤し、 幻覚 症 状 を 引 き 起 こす 成 分 を 含 んでいる 菌 類 もある。病 原 体 としての 菌 類植 物 病 原 菌 様 々な 植 物 に 寄 ⽣する 菌 類 が 知 られている。 中 には 農 作 物 に 重 ⼤な 被 害 を 与 えるものも 多 々ある。 植 物 に 寄 ⽣する 菌 類 は 様 々な 群 に 含まれる。 代 表 的 なものを 以 下 に 挙 げる。• ツ ボ カ ビ ⾨:サ ビ フ ク ロ カ ビ(Synchytriumジャガイモ 癌 腫 病 )• 接 合 菌 ⾨:コウガイケカビ(Choanephora コウガイケカビ 病 など)真 菌 症 菌 類 によってヒトやその 他 の 動 物 が 感 染する 病 気 ( 感 染 症 )として、⽩ 癬 菌 による⽩ 癬(⽔⾍、たむし、およびしらくも)やカンジダ によるカンジダ 症 、クリプトコックス によるクリプトコックス 症 、アスペルギルス によるアスペルギルス 症 、プネウモキスチス(ニューモシスチス)によるニューモシスチス 肺 炎 などがあり、 臨 床 的 に 問題 となっている。 医 学 及 び 獣 医 学 領 域 においては菌 類 を 真 菌 と 呼 び、その 学 問 を 医 真 菌 学 と 称 する。真 菌 による 感 染 症 は⼀ 般 に 真 菌 症 と 呼 ばれ、 患 部が⽪ 膚 の⾓ 質 などに⽌まり 真 ⽪ に 及 ばない 表 在性 真 菌 症 と、 患 部 が 真 ⽪ 以 降 の⽪ 下 組 織 におよぶ深 部 表 在 性 真 菌 症 や、 脳 、 肺 、⼼ 臓 などの 内 部 臓器 まで 及 ぶ 深 在 性 真 菌 症 ( 全 ⾝ 性 真 菌 症 、 内 臓 真菌 症 )に⼤ 別 される。 主 に⽪ 膚 科 領 域 で 扱 う 前 両者 と 内 科 系 で 扱 う 後 者 では 病 気 の 性 質 が⼤きく 異なり、 治 療 法 および、 使 ⽤ 可 能 な 薬 剤 ( 抗 真 菌 薬 )も 異 なる。これらの 病 原 菌 は 多 糖 類 からなるキチン 質 の 強 固 な 細 胞 壁 を 持 っているのみならず、⼈体 と 同 じ 真 核 ⽣ 物 であるため 菌 類 の 細 胞 だけに損 傷 を 与 えて⼈ 体 組 織 に 害 の 少 ない 薬 物 は⾮ 常 に限 られたものとなる。そのため、 原 核 ⽣ 物 であり、⾮ 対 称 的 に 細 菌 のみに⼤きな 損 傷 を 与 えることのできる 抗 ⽣ 物 質 が 多 く 発 ⾒されている 細 菌 による 感 染 症 に⽐べ、 治 療 が 困 難 である (⽩ 癬 菌 による⽔⾍の 治 療 薬 を 開 発 すればノーベル 賞 が 取 れると⾔われるのはこのため)。また、 深 在 性 真 菌 症 は⽇ 和 ⾒ 感 染 症 の⾊ 彩 が 強 く、 診 断 も 困 難 であることから 症 例 は 増 加 の⼀ 途 にあり、 致 命 率 も⾼い。また、 海 外 における⾵⼟ 病 が 重 篤 な 輸 ⼊ 真 菌 症 として 国 内 で 発 症 する 事 例 も 増 加 している。 医 学 医療 の⾼ 度 化 、 国 ⺠の⾼ 齢 化 、および 国 際 交 流 の 普遍 化 を 背 景 に、 真 菌 症 の 教 育 、 研 究 、および 臨 床を 充 実 させることが 期 待 される。生 物 農 薬 動 植 物 への 寄 ⽣を 利 ⽤して、 害 ⾍ や 雑草 を 防 ぐ⽣ 物 農 薬 として 使 われる 菌 類 がある。• ⼦ 嚢 菌 ⾨:タフリナ(Taphrina 桜 のテング 巣病 など)・ウドンコカビ(Erysiphe うどんこ病 )、ハイイロカビ(Botrytis 各 種 植 物 の 灰 ⾊カビ 病 など)その 他 この 他 に、 菌 類 の⽣ 産 する 毒 素 ( 毒 キノコ やカビ 毒 )による 中 毒 症 や、アレルギー 症 といった 病 気 の 原 因 でもある。

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