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1.2. 菌 類 13多 い。⽣ 活 環 においては、 核 が 単 相 の 状 態 が 優 占し、 複 相 の 期 間 は 限 られる。 担 ⼦ 菌 および⼦ 嚢 菌 は単 相 (n) の⼀ 次 菌 ⽷が 体 細 胞 接 合 により⼆ 核 の⼆次 菌 ⽷ となる 時 期 があり、 他 の 多 くの 有 性 ⽣ 殖 を⾏う⽣ 物 に⾒られる 複 相 (2n) に 対 してこれを 重 相(n+n) 世 代 と 呼 ぶ。 酵 ⺟は 出 芽 または 分 裂 により増 殖 し、 細 胞 の 融 合 を⾏う 例 もある * [2]。植 物 寄 ⽣のものが 多 く、 農 業 上 重 要 なものも 多 い。他 ⽅、 菌 根 など、 植 物 と 共 ⽣するものも 知 られる。動 物 に 寄 ⽣するものは 少 ないが、 重 要 な 病 原 体 も含 まれる。⾃ 由 ⽣ 活 をするものはさまざまな⽣ 物の 死 体 や 排 泄 物 などの 有 機 物 を 栄 養 源 とし、⽣ 態系 において 分 解 者 として 働 くと 考 えられる。 他に 発 酵 に 関 わって 重 要 なもの、 抗 ⽣ 物 質 を 産 出 するものなどがある。菌 界 は 古 典 的 にはツボカビ 類 、 接 合 菌 類 、⼦ 嚢 菌類 、 担 ⼦ 菌 類 などから 構 成 される。ツボカビ 類は 鞭 ⽑ をもつ 遊 ⾛ 細 胞 を 形 成 し、 祖 先 的 形 質 を 持つ。ツボカビ 類 ( 古 典 的 な 意 味 での) 以 外 は⽣ 活 史 のどの 部 分 でも 鞭 ⽑ を 形 成 しない。それらは 有 性 ⽣ 殖( 接 合 後 の 減 数 分 裂 で⽣じる 胞 ⼦のあり⽅)で 分 類される。 接 合 菌 は 接 合 胞 ⼦ 嚢 を 形 成 するグループで、ケカビ などを 含 む。⼦ 嚢 菌 は⼦ 嚢 の 中 に 胞 ⼦をつくるグループで、ビール 酵 ⺟などを 含 む。 担⼦ 菌 は 担 ⼦ 器 に 胞 ⼦を 外 ⽣する 群 で、キノコの 多くを 含 む 分 類 群 である。伝 統 的 には、これに 有 性 ⽣ 殖 の 型 が 不 明 なものをまとめた 不 完 全 菌 、それに 菌 類 と 藻 類 の 共 ⽣ 体 である 地 ⾐ 類 を 独 ⽴ 群 とし、 上 記 4 群 に 併 置 した。また、 胞 ⼦ 形 成 の 共 通 性 などから 変 形 菌 類 を 菌 界に 含 めた。しかしながら、20 世 紀 終 盤 よりの⽣ 物 分 類 全 般の⾒ 直 しの 中 で、これらに⼤きな⾒ 直 しがなされており、2010 年 代 現 在 でも 変 更 が 繰 り 返 されている。ツボカビ 類 と 接 合 菌 類 は 特 に 変 更 の 幅 が⼤きく、 他 に 新 たに 認 められた 群 、 菌 界 から 排 除 された 群 も 多 い。また、 近 年 の 分 ⼦ 系 統 解 析 により、これまで 原 ⽣ 動 物 とされてきた 微 胞 ⼦⾍ も 特 殊 化した 菌 類 の⼀ 群 であると 考 えられている。 変 形 菌は 除 外 された。 不 完 全 菌 、 地 ⾐ 類 は 独 ⾃の 分 類 群として 認 めるのをやめ、 菌 類 全 体 の 体 系 の 中 に 納められることとなった。それらについては 後 述 の分 類 の 項 に 詳 細 が 解 説 されている。1.2.2 菌 界菌 類 と 細 菌 類 は 微 ⽣ 物 として⼀ 括 りに 扱 われる場 合 もあるが、 前 者 は 真 核 ⽣ 物 、 後 者 は 原 核 ⽣ 物であり、 細 胞 構 造 が 全 く 異 なる⽣ 物 群 である。菌 界 は 真 核 ⽣ 物 に 含 まれる 界 (Kingdom) の⼀つであり、 動 物 界 や 植 物 界 などと 同 じレベルの 分 類群 である。⽣ 物 を⼆ 界 に 分 類 していたころは、 菌類 には 運 動 性 がなく 細 胞 壁 を 持 つことなどから植 物 に 分 類 されていた。この 場 合 、 構 造 が 単 純 であることもあって、 葉 緑 体 を 失 った 退 化 的 な 植物 である、と 考 えられることが 多 かった。しかし、菌 類 についての 理 解 が 深 まるにつれ、 細 胞 構 造 や分 ⼦ 遺 伝 学 的 な 系 統 解 析 などの 研 究 から 得 られる情 報 などから、 植 物 とは 異 なる、 独 ⾃の⽣ 物 群 であると 考 えられるようになり、5 界 説 の 頃 より 独⽴した 界 として 広 く 認 められるようになった * [3]。現 在 の 分 ⼦ 遺 伝 学 的 情 報 からは、 植 物 よりも 動 物に 近 い 系 統 であることがわかっている。 動 物 と 菌類 を 含 む 系 統 のことをオピストコンタ という。なお、かつてはその 胞 ⼦ 形 成 の 類 似 等 から、 変 形菌 類 を 菌 界 に 含 めて 扱 っていた。 変 形 菌 類 、 細 胞性 粘 菌 、ラビリンチュラ 類 をまとめて 変 形 菌 ⾨( 旧 ) とし、 他 の 菌 類 を 真 菌 ⾨とするのが 通 例 であった。また、 卵 菌 類 ・サカゲツボカビ 類 なども 菌 類 と 考 えられていたため、これらをツボカビ類 とあわせて 鞭 ⽑ 菌 亜 ⾨に 位 置 づけていた。しかし、 現 在 ではこれらは 別 の 系 統 に 属 するものと 判明 したため、 菌 類 として 扱 っていない。それらをまとめて 偽 菌 類 と 呼 ぶことがある。1.2.3 菌 類 の 系 統 進 化様 々な 菌 類 の 図⼀ 般 的 に、 菌 類 にはツボカビ⾨、 接 合 菌 ⾨、⼦ 嚢菌 ⾨、 担 ⼦ 菌 ⾨ の 四 群 が 含 まれるとされてきたが、 近 年 の 分 ⼦ 系 統 解 析 により 接 合 菌 類 が 単 系 統でないこと、これまで 原 ⽣ 動 物 とされてきた 微 胞⼦⾍ が 菌 類 に 含 まれるであろうことが⽰されている。このうちで 鞭 ⽑ 細 胞 を 持 つのはツボカビ 類のみである。⽔ 中 ⽣ 活 をするものがあるのも⼤ 部分 がこれで、 他 の 群 では⽔ 中 ⽣ 活 のものはあるが、陸 上 のものが⼆ 次 的 に⽔ 中 に⼊ったと 考 えられるものが 多 い。したがって、ツボカビ 類 がもっとも原 始 的 なものと 考 えて 良 い。また、 接 合 菌 類 は 形態 ・ 構 造 に 単 純 な⾯が 多 いため、これも⽐ 較 的 下等 なものと⾒なされる。そして、⼦ 嚢 菌 、 担 ⼦ 菌類 がより⾼ 等 なものと 考 えられていて、この 2 群をまとめたものをディカリア とする 分 類 の 仕 ⽅も 提 唱 されている。しかし、これらの 関 係 については 明 らかではない。⼦ 嚢 菌 、 担 ⼦ 菌 にはそれぞれに 酵 ⺟ 型 、⽷ 状 菌 型

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