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1.1. キノコ 7見 分 け 方毒 キノコの 確 実 な⾒ 分 け⽅は 存 在 せず、キノコの同 定 の 経 験 に 乏 しい⼈が 野 ⽣のキノコを⾷べるのは⾮ 常 に 危 険 である。⾷⽤キノコか 否 かを 簡 単 な基 準 で⾒ 分 ける⽅ 法 は( 実 際 に⾷べてみるというのを 除 けば) 知 られていない。毒 キノコは⾊が 派 ⼿なものとは 限 らない。(コレラタケの 仲 間 、ヒメアジロガサ)「たてに 裂 けるキノコは⾷べられる」「 毒 キノコは⾊が 派 ⼿で 地 味 な⾊で 匂 いの 良 いキノコは⾷べられる」「 煮 汁 に⼊れた 銀 のスプーンが 変 ⾊しなければ⾷べられる」「⾍が⾷べているキノコは⼈ 間も⾷べられる」といった⾒ 分 け⽅は 何 の 根 拠 もない 迷 信 であり、 絶 対 にそれらの 基 準 で 判 断 してはいけない。 事 実 、 猛 毒 であるコレラタケ、ドクササコ などはたてに 裂 け 地 味 な⾊であり、ハエトリシメジ のように⼈ 間 とそれ 以 外 の⽣ 物 では 毒 性 がまるで 異 なる(この 場 合 は 昆 ⾍などに 猛 毒 で、⼈間 への 毒 性 は 微 弱 )キノコも 多 数 存 在 する。⽇ 本 でこれらのよく 知 られた 俗 説 が 全 国 区 の 権 威あるものとして 広 まった 背 景 としては、⼀ 部 で 流布 していた 俗 説 を 事 実 であると 誤 認 され 明 治 初期 の 官 報 に 掲 載 されてしまったためであると⾔われている。⾷⽤か 毒 かを 判 断 するには、そのキノコの 種 、さらにはどの 地 域 個 体 群 に 属 するかまでの 同 定 結 果に 基 づくべきである。また、 実 際 に 起 きているキノコによる 中 毒 の 多 くは、 既 に 毒 であることが 知られたキノコによるものである。1.1.4 キノコ 狩 り⽇ 本 では、 主 に 秋 のキノコ 採 集 シーズンにおいて、各 地 域 のキノコ 愛 好 家 団 体 による 同 定 会 が 開 催 されている。 公 ⽴ 試 験 研 究 機 関 や⼤ 学 のキノコ 関 連の 研 究 室 が 開 催 している 場 合 もある。 同 定 会 に 参加 すれば、 判 定 するための 試 薬 や 顕 微 鏡 といった資 材 が 利 ⽤できる 上 、 複 数 の 経 験 者 により 的 確 な判 断 が 得 られることなど、 安 全 さと 正 確 さを 確 保することができる 上 、⾃ 分 で 採 集 したキノコ 以 外を 観 察 することもできるので、 単 なる⾷・ 毒 の 判断 にとどまらずキノコ 全 般 や 現 地 の⾃ 然 環 境 についての 知 識 を 養 うことができる。同 定 会 の 前 に 採 集 会 がセットされているのが 通 例で、 団 体 で⾏ 動 することにより⼭ 中 でのトラブルを 避 けることができる。⼭ 中 のトラブルといえば転 落 事 故 や 熊 ・イノシシなどによる 被 害 をイメージしがちだが、もっと 注 意 すべきなのは、 他 ⼈の私 有 地 の 中 に 踏 み 込 み、そこでキノコを 採 取 したことによる 財 産 権 の 問 題 である。 特 に 商 品 価 値 の⾼いマツタケ が⽣ 育 する 場 所 では、マツタケの 採取 権 と⼟ 地 の 所 有 権 とが 別 に 管 理 されている 場 合もあり、 特 に 注 意 しなければならない。また、 特に 狭 い 地 域 に 多 ⼈ 数 が 押 し 寄 せてキノコを 探 しまわり 踏 み 荒 らすと 発 ⽣ 環 境 が 攪 乱 され、キノコの発 ⽣が 減 少 するにとどまらず、そこの⽣ 態 系 に 強い 損 害 を 与 える 危 険 性 がある。キノコを 収 穫 するだけでなく 菌 ⽷ 体 そのものに 傷を 付 けたり 好 適 な 基 物 ( 切 り 株 ・ 落 ち 葉 など)を破 壊 したりすると、 来 シーズンの 収 穫 ⾒ 込 みが 減るだけではなく、その 区 域 の⾃ 然 の 多 様 性 を 損 なうおそれがある。なんでもかんでも 引 っこ 抜 くというのは 慎 むべきである。 逆 に 胞 ⼦をまいて⾷⽤キノコを 増 やそうとする⾏ 為 も⾒ 受 けられる。これは 明 確 に 有 害 とは⾔えないが、 効 果 が 疑 問 であり、⾃ 然 のバランスを 崩 す⾏ 為 である。また、⼈ 間にとって 危 険 な 毒 キノコを 除 去 するような⾏ 為 は有 益 なようで 実 際 は 単 なる⾃ 然 破 壊 に 過 ぎない。キノコによる 中 毒 が 疑 われる 状 態 になった 場 合 には、⾷べたものを 吐 かせ、ただちに 医 師 の 診 察 を受 けなければならない。その 際 には、⾷べたキノコの 残 りがあれば 持 っていったほうがよい。どのようなキノコによる 中 毒 かがわかったほうが 適 切な 治 療 がしやすいからである。 調 理 したものの 残りや 吐 いたものの 中 にも⼿がかりがある 場 合 がある。キノコの 種 類 によっては、 摂 取 から 発 症 までに 数 ⽇を 要 するものもある。 医 師 の 診 察 を 受 ける際 には「4 ⽇ 前 に⼭で 採 集 したキノコを⾷べた」と、より 詳 細 を 伝 えることで 救 命 率 が 改 善 される場 合 がある。昭 和 中 期 の 資 料 では、⽇ 本 国 内 でも 採 れる 毒 キノコであるベニテングタケ を 猛 毒 あるいは 致 死 性の⾼い 毒 キノコと 表 記 しているものがあった。ベニテングタケは 他 の⾷⽤、 毒 キノコに⽐べて 圧 倒的 に⽬⽴ちやすく、 誤 ⾷した 場 合 の 症 状 が 幻 覚 性であること、⻑ 野 県 のごく⼀ 部 にて 特 別 な⽅ 法を⽤いて⾷⽤とされる 事 例 が 存 在 する( 塩 漬 けにして⾷⽤としている。 講 談 社 発 ⾏『 科 学 ⼤ 辞 典 ―MEGA』より。しかし 不 ⼗ 分 な 知 識 で⾏わないことを 警 告 する。 詳 細 はリンク「ベニテングタケ」を 参 照 のこと。)ことを 考 慮 し、あえて 毒 性 を 強 調して 書 くことにより 事 故 を 予 防 したものと⾒られる。ただし、それによってキノコの⾊ 彩 の 派 ⼿さこそが 毒 性 の 強 さの 指 標 となるという 誤 った 認 識を 助 ⻑し、 地 味 な⾊ 彩 の 毒 キノコへの 警 戒 ⼼を 弱めてしまった 側 ⾯は 否 めない。 猛 毒 キノコには 地

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