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2.180. ワサビタケ 249スズメタケのかさの 裏 ⾯は 管 孔 状 で、やはり 発 光 性 を有 するい 点 ・ 発 光 が、すべての⼦ 実 体 において 観 察 されるとは 限 らない 点 ・ 充 分 に 湿 った⼦ 実 体 や 降 ⾬の直 前 に 採 集 した⼦ 実 体 で 発 光 が 認 められる 点 などから、 空 気 中 の 湿 度 その 他 の 条 件 によって 発 光 するか 否 かが 左 右 される 可 能 性 があることなどが 報告 されていた * [48]。1915 年 には、 成 熟 した⼦ 実 体のひだには 発 光 性 が 認 められるのに 対 し、 未 熟 な⼦ 実 体 は 光 らないことが 観 察 されている * [49]。また、1924 年 には、 北 アメリカ 産 のワサビタケのひだの 発 光 性 が 再 び 報 告 され、あわせて、その 発 光性 は、 胞 ⼦が 成 熟 する 時 期 においてもっとも 顕 著であるとされた * [50]。ととなった * [34]。スズメタケ 属 が 設 ⽴されたのは1900 年 * [35] であり、いっぽうでワサビタケ 属 の設 ⽴は 1879 年 のことである * [28] ため、 国 際 藻 類 ・菌 類 ・ 植 物 命 名 規 約 上 の 先 取 権 を 有 する 後 者 の 属名 が 存 続 している * [36]。ちなみに、もとスズメタケ 属 の 所 属 種 とされていた 菌 の 中 にも、いくつかの 発 光 きのこが 含 まれる * [37] * [38] * [39] が、 分 ⼦ 系統 学 的 解 析 の 結 果 から 推 定 される 類 縁 関 係 もまた近 いとされている * [26]。なお、 所 属 する 科 の 名 称 としては、Mycenaceae(ク ヌ ギ タ ケ 科 ) を 適 ⽤ す る 説 * [40] * [41]. とFavolaschiaceae(ラッシタケ 科 )を 採 ⽤する 説 * [42]とがある。2.180.6 発 光 性子 実 体 の 発 光北 アメリカ 東 部 におけるワサビタケの 発 光 性 については 複 数 の 報 告 がある * [6] * [43] * [44] * [45] * [46]が、ロシア・⽇ 本 ・ニュージーランド 産 のワサビタケは 発 光 せず、 北 アメリカ⻄ 部 ( 太 平 洋 岸 )のものも 光 らない * [43] * [47]。また、ヨーロッパ 産 のワサビタケにも、 発 光 性 はない * [1] * [14] * [47]。柄 は 発 光 しない⼦ 実 体 の 発 光 性 は、かさの 裏 に 発 達 する 子 実 層 托(ひだ)と、ひだ 同 ⼠の 間 を 連 結 する 網 ⽬ 状 の 連絡 脈 とに 限 られ、かさの 表 ⾯や 柄 、あるいは 腐 朽材 の 内 部 に 広 がる 菌 ⽷は 発 光 しない。ひだにおいても、 縁 シスチジアが 存 在 するひだの 縁 における発 光 がもっとも 強 く、それ 以 外 の 部 分 (ひだの 側⾯)から 放 出 される 光 は、かさの 裏 全 体 からの 総光 量 の 10 パーセント 以 下 に 過 ぎないという。また、 発 光 の 強 弱 は、⼦ 実 体 の 発 ⽣ 環 境 にも⼤きく左 右 される * [46]。なお、 発 光 スペクトルの 吸 収 の極 ⼤は 525 nm にあるが、⾊ 素 を 多 く 含 んだより濃 ⾊の⼦ 実 体 においては、528 nm * [6] ないし 530nm * [51] にずれるという。培 養 菌 糸 体 の 発 光517 秒 間 の 露 光 で 撮 影 された 発 光 の 様 ⼦ワサビタケの 発 光 性 が 報 告 されたのは、 発 光 きのこ 類 の 中 でも⽐ 較 的 古 い。1886 年 にはすでに、ひだは 発 光 するが 柄 あるいは 材 の 中 の 菌 ⽷は 光 らな発 光 性 を 有 する⼦ 実 体 から 得 た 胞 ⼦を 分 離 源 とした⼀ 次 菌 ⽷( 単 相 菌 ⽷)は 発 光 性 を 持 ち、 和 合 性を 持 った⼀ 次 菌 ⽷ 同 ⼠の 接 合 によって 形 成 された⼆ 次 菌 ⽷( 重 相 菌 ⽷)も、 同 様 に 発 光 性 を 備 えている * [14] * [11]。⼀ 次 菌 ⽷・⼆ 次 菌 ⽷は、ともに、液 体 培 地 に 菌 体 が 浸 漬 された 状 態 で 培 養 すると、光 量 が⼤きく 低 減 される * [11] * [52](ただし、 液 体培 地 から 菌 ⽷を 取 り 出 して 固 形 培 地 に 植 え 替 えれば、 光 量 は 回 復 する) * [11]。また、 培 養 温 度 と 培地 の⽔ 素 イオン 濃 度 指 数 (pH)も 発 光 性 に 影 響 をおよぼし、22-24℃・pH 3-4.0 の 条 件 においてもっとも 発 光 性 が 強 くなる * [52]。

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