31.07.2015 Views

7Zobww

7Zobww

7Zobww

SHOW MORE
SHOW LESS

You also want an ePaper? Increase the reach of your titles

YUMPU automatically turns print PDFs into web optimized ePapers that Google loves.

240 CHAPTER 2. 図 鑑2.172.3 分 布両 極 に⼀つずつの 短 いキャップ 状 の 突 起 を⽣じるとともに 淡 褐 ⾊を 帯 び、 壁 もやや 厚 みを 増 す。⼦北 半 球 の 温 帯 域 に 広 く 分 布 する。嚢 は 細 ⻑い 円 筒 状 をなし、やや 厚 壁 で 無 ⾊、ヨウ素 溶 液 で 全 体 が 淡 ⻩ 褐 ⾊に 染 まるが⻘⾊を 呈 す2.172.4 食 材 としての 利 用る(アミロイド 性 を⽰す)ことはなく、 内 部 に 8 個の 胞 ⼦ を 形 成 する。⼦ 嚢 どうしの 間 隙 には、 先 端が 僅 かに 膨 らんだ 不 稔 菌 ⽷である 側 糸 が 無 数 に 混無 毒 と 考 えられているが、⾷⽤ 的 価 値 はない。 在 する。 側 ⽷は 通 常 は 分 岐 を⽋き、 少 数 の 隔 壁 を備 え、 淡 褐 ⾊の 内 容 物 を 含 み、 古 い⼦ 実 体 では 側2.172.5 類 似 した 種⽷ 先 端 部 から 樹 脂 状 で⾚ 褐 ⾊の 物 質 を 分 泌 し、しばしば 互 いに 膠 着 する。⼦ 実 体 の 組 織 はあまり 顕著 に 分 化 せず、⾁はしばしば 中 途 で 球 嚢 状 に 膨 れトガリフクロツチグリ(Geastrum lageniformeVitt.)た 菌 ⽷で 構 成 され、⼦ 実 体 の 周 縁 部 においては 細は、 通 常 は 外 ⽪ 内 層 の 基 部 が 内 ⽪を 襟 状 に 取 り 巻くて 繰 り 返 し 分 岐 する 菌 ⽷が 混 在 する。くことがなく、 内 ⽪の 表 ⾯の 微 ⽑がより 顕 著 で、胞 ⼦ がいくぶん⼩さいことで 区 別 されるが、 野 外での 識 別 はときに 困 難 な 場 合 もある。2.173.2 生 態2.172.6 参 考 文 献• トマス・レソェ( 著 者 ) 前 川 ⼆ 太 郎 ( 監 修 )『 世界 きのこ 図 鑑 』 新 樹 社 、2005 年 11 ⽉ 1 ⽇。ISBN4-7875-8540-1。• Sunhede, Stellan (1989). Geastraceae(Basidiomycotina). Oslo: Fungiflora. p. 1-534.ISBN 82-90724-12-05-5.2.172.7 外 部 リンク• Geastrum triplex (Junghn.) Fischer エリマキツチガキ2.173 ツチクラゲツチクラゲ(Rhizina undulata Fr.)は、⼦ 嚢 菌 ⾨チャワンタケ⽬ のツチクラゲ 科 ツチクラゲ 属 に 分 類されるキノコ の⼀ 種 である。2.173.1 形 態⼦ 実 体 は 柄 を⽋き、 歪 んだ 円 盤 状 をなし、しばしば 数 個 が 融 合 して 形 成 される。 縁 が 下 ⽅に 屈 曲 して 中 ⼼ 付 近 が 盛 り 上 がっており、 表 ⾯は⾚ 褐 ⾊ないしクリ 褐 ⾊( 周 縁 部 は 淡 ⻩ 褐 ⾊ないしクリーム⾊またはほとんど⽩⾊)、 古 くなると 紫 褐 ⾊を 帯び、 多 少 の 光 沢 をあらわすことがあり、 縁 は 不 規則 に 切 れ 込 むとともに 波 状 にうねっている。 裏 ⾯は 淡 い 橙 ⻩⾊あるいは 汚 れた 灰 ⻩ 褐 ⾊を 呈 する 場合 が 多 く、 太 く 短 い 根 状 の 菌 ⽷ 束 を 仮 根 状 に 伸ばす。⾁は 薄 くもろい⾁ 質 で 砕 けやすく、 灰 ⻩ 褐⾊で 傷 つけても 変 ⾊せず、 味 やにおいには 特 徴 的なものはない。胞 ⼦ 紋 はほぼ⽩⾊を 呈 する。 胞 ⼦ は 初 めは 楕 円 形で 無 ⾊・ 薄 壁 、⼆ 個 の 油 滴 を 含 むが、 成 熟 すれば夏 から 秋 にかけて、 特 にマツ 属 (アカマツ・クロマツ など)、ときにカラマツ 属 * [1]・モミ 属 * [2] などの、 針 葉 樹 の 林 内 地 上 ( 特 に⼭⽕ 事 跡 ・ 焚 き⽕跡 などの 周 辺 * [3])に 群 ⽣する。 頻 度 は⼩さいが、地 中 にある 針 葉 樹 の⽣きた 根 に 侵 ⼊してこれを 腐らせ、 地 上 部 をも 枯 死 させる 病 害 菌 の⼀つとして知 られ、 特 に 稚 樹 に 対 する 病 原 性 が 著 しい。ただし、 絶 対 寄 ⽣ 性 ではなく、 針 葉 樹 の 枯 れた 根 や 材などを 分 解 して 資 化 する 腐 ⽣ 菌 としての 性 質 をも併 せ 持 っている * [2] * [4] * [5]。また、 樹 ⽊の 細 根 に 外⽣ 菌 根 を 形 成 する 他 のきのことの 間 で⽣ 態 的 拮抗 を 起 こすともされている * [6]。2.173.3 生 理 的 性 質⼦ 実 体 は、 林 床 のうちでも、⼭⽕ 事 跡 や 焚 き⽕ 跡など⾼ 熱 を 受 けた 箇 所 に 好 んで⽣える。 胞 ⼦は 常温 では 発 芽 しにくいが、⽔に 懸 濁 させた 後 に 40℃前 後 でおよそ 12 時 間 処 理 すると⼀⻫に 発 芽 を 開始 する * [1]。 処 理 温 度 が 45℃ であれば、 発 芽 開 始はさらに 促 進 される( 約 4 時 間 程 度 )という * [7]。宿 主 となり 得 る 針 葉 樹 からなる 森 林 の 付 近 で 溶 融アスファルトによる 舗 装 ⼯ 事 を⾏うことによっても、 林 内 でのツチクラゲの 胞 ⼦ 発 芽 が 誘 引 され 得る 事 実 が 指 摘 されている * [8]。⼀⽅、 常 温 下 では、胞 ⼦は 時 に2 年 程 度 に 渡 って⽣き 続 ける * [9]。ツチクラゲはホモタリズム (⾃ 家 和 合 性 ) を⽰し、単 ⼀の 胞 ⼦が 出 芽 して 形 成 された 菌 ⽷が、 他 の胞 ⼦ 由 来 の 菌 ⽷と 接 合 することなく⽣ 活 環 をまっとうする * [10]。 菌 ⽷の 発 育 の⾄ 適 条 件 は 20 ないし 25℃・pH3 ないし 6 であるとされ、アルカリ 性の 培 地 では⽣ 育 は 不 良 である * [1]。セルラーゼ およびペクチナーゼ を 産 ⽣する * [11] 能 ⼒を 有 し、これらの 酵 素 によって、 宿 主 となる 樹 ⽊の 細 胞 内 に侵 ⼊するのではないかと 推 定 されている。リトアニア において、 五 ヶ 所 の 焼 け 跡 ( 互 いに20-40 km 離 れている)から 得 られたツチクラゲの菌 株 103 株 は、 和 合 性 の 有 無 によって 14 群 (ジェネット)に 分 けられた。うち 13 群 は 2-48 株 ずつ

Hooray! Your file is uploaded and ready to be published.

Saved successfully!

Ooh no, something went wrong!