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214 CHAPTER 2. 図 鑑2.152 オオワライタケオオワライタケ(⼤ 笑 茸 、Gymnopilus junonius)はハラタケ⽬フウセンタケ 科 チャツムタケ 属 の 毒 キノコ。 従 来 の 学 名 は G. spectabilis だったが、 現 在はシノニム となっている。2.152.1 概 要傘 の 径 は 5-15cm、 柄 は 5-15cm、 太 さは 6-30mm ほどで、 傘 は 半 球 形 ないしはまんじゅう 形 から 平 らに 開 き、⻩⾦⾊ ないしは⻩⾊、 褐 ⾊、 褐 ⾊ 系 ⻩⾊であり、ひだ は⻩⾊から 後 に 錆 ⾊となる。⾁は 淡⻩⾊で 繊 維 質 。 柄 の 上 部 にはつば がある。 秋 にシイ、コナラ などの 枯 れ⽊ に 密 ⽣するように⽣える。似 た 名 前 のキノコにワライタケ があるが、 分 類 学的 に 近 縁 なわけではない。⽇ 本 のみならず 全 世 界 に 広 く⾃⽣する。 傘 径 5-15cm、 柄 の⻑さ 5-15cm。8 〜 11 ⽉、 広 葉 樹 、まれに 針 葉 樹 に 発 ⽣。⽊の⽣ 死 は 関 係 ない。やや 稀 に傘 径 20cm 以 上 の 巨 ⼤な 物 が 発 ⾒されることがあり、ニュースなどで 取 り 上 げられることもある。全 体 的 に⻩⾊ みがかった 褐 ⾊ でおいしそうに⾒えるが、⾁ は 汗 臭 いような 不 快 な 臭 気 を 持 ち、 味 は強 烈 に 苦 い。⾷⽤のコガネタケ(Phaeolepiota aurea)と 間 違 えられる 事 があるが、コガネタケは 苦 くなく、 地 上 に⽣えることから 区 別 できる。同 属 にはチャツムタケ(G.liquiritiae)、ミドリスギタケ(G. aeruginosus)などがあり、オオワライタケ 同 様 に 苦 みを 持 つ。2.152.2 中 毒中 毒 症 状 は⽇ 本 で 初 めて 確 認 され、 今 関 六 也 により 海 外 に 紹 介 された * [1]。ヨーロッパのものからはシロシビン が 検 出 されるが、⽇ 本 のものからは検 出 されず、 苦 味 物 質 の 前 駆 体 としてポリイソプレンポリオール 体 、 及 び 苦 味 成 分 としてポリオールエステル 体 が 検 出 されている * [2]。ポリオールエステル 体 の 元 となる 複 数 のカルボン 酸 成 分 には学 名 にちなんでジムノピリン( Gymnopilin )と 命名 され、これが 毒 成 分 だと 考 えられていた * [3]。しかし、⿃ 取 ⼤ 学 農 学 部 附 属 菌 類 きのこ 遺 伝 資 源 研究 センターの 研 究 では、 培 養 したオオワライタケから 抽 出 したジムノピリンは 平 滑 筋 弛 緩 作 ⽤がある * [4] もののラット の 脳 神 経 細 胞 は 活 性 化 させず、⼀⽅メタノール で 抽 出 した 成 分 はラットの脳 神 経 細 胞 を 活 性 化 させることが 判 明 した。このメタノール 抽 出 成 分 からはグルタミン 酸 などの脳 細 胞 活 性 化 物 質 、⼼ 筋 の 機 能 不 全 に 関 係 する 未知 の 物 質 が 発 ⾒されている * [5]。⾷べると 幻 覚 作 ⽤があり、 神 経 が 異 常 に 刺 激 され⾮ 常 に 苦 しいというが、 致 命 的 ではない。⾷ 後 5分 から 10 分 ほどでめまい、 寒 気 、 悪 寒 、ふるえなどの 神 経 症 状 が 出 現 し、 多 量 に 摂 取 すると 幻 覚 、幻 聴 、 異 常 な 興 奮 、 狂 騒 などの 症 状 が 出 る。また 顔⾯ 神 経 も 刺 激 され、 顔 が 引 きつって 笑 っているように⾒えるという。⽋⽚を⼀かじりして 吐 き 出しただけで 腕 が 腫 れる 事 があるという。⽔にさらし、 苦 味 を 抜 いて⾷べる 地 域 もあるが、 安 易 に 真似 するべきではない。2.152.3 ギャラリー2.152.4 脚 注[1] 今 関 六 也 、1974.カラー⽇ 本 のキノコ(⼭ 溪 カラーガイド 64).⼭と 溪 ⾕ 社 、 東 京 .ISBN 9-784-63502-664-2[2] オオワライタケの 成 分 研 究 東 北 ⼤ 学 機 関 リポジトリ[3] ⽥ 中 正 泰 、 針 ヶ⾕ 弘 ⼦、 鎌 ⽥ 樹 志 、⽒ 原 ⼀ 哉 、 橋本 勝 、 橋 本 貴 美 ⼦、 松 ⽥ 冬 彦 、 柳 屋 光 俊 、⽩ 濱 晴久 、 奥 野 智 旦 15 おおわらいたけの 神 経 興 奮 性 成 分 :ジムノピリンについて (⼝ 頭 発 表 の 部 )、 天 然 有 機化 合 物 討 論 会 講 演 要 旨 集 (34), 110-117, 1992 年 9 ⽉10 ⽇[4] 毒 きのこの 利 活 ⽤のための 新 イノベーション 推 進事 業 の 展 開 、⿃ 取 ⼤ 学 農 学 部 、2013 年[5] 毒 きのこの⼦ 実 体 ⽣ 産 と 化 合 物 ライブラリの 商 品化 、⿃ 取 ⼤ 学 農 学 部 附 属 菌 類 きのこ 遺 伝 資 源 研 究センター、2011 年2.152.5 参 考 文 献2.152.6 関 連 項 目2.152.7 外 部 リンク• オオワライタケ - きのこデータベース• オオワライタケ2.153 コレラタケコレラタケ(⻁ 列 剌 茸 、 学 名 Galerina fasciculata)は、フウセンタケ 科 ケコガサタケ 属 のキノコ。 旧名 ドクアジロガサ( 毒 網 代 傘 )。 細 菌 性 感 染 症 のコレラ に 似 た 症 状 を 呈 し、 致 命 的 な 毒 性 を 持 つことから、 社 会 に 対 して 毒 キノコとしての 注 意 を 喚 起するため、このように 改 名 された。2.153.1 特 徴秋 のやや 遅 くに、スギ などの 朽 ⽊や 古 いおがくず、ゴミ 捨 て 場 に 単 ⽣〜 群 ⽣する。 傘 は⼩ 型 で、湿 ったときは 暗 ⾁ 桂 ⾊で、 乾 くと 中 央 部 から 明 る

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