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2.85. ヤマブシタケ 139•(フ ラ ン ス 語 )Peter Jordan, Steven Wheeler: Larousse saveurs - Les champignons (Larousse,1996) - ISBN 2-03-516003-0•(フランス 語 )G. Becker, Dr L. Giacomoni, J Nicot,S. Pautot, G. Redeuihl, G. Branchu, D. Hartog, A.Herubel, H. Marxmuller, U. Millot et C. Schaeffner: Le guide des champignons (Reader's Digest, 1982)- ISBN 2-7098-0031-4•(フランス 語 )Henri Romagnesi : Petit atlas deschampignons (Bordas, 1970)2.85.4 類 似 種⼦ 実 体 の 上 半 部 の 上 ⾯からも 短 い 針 状 突 起 を⽣じるものを 別 種 として 扱 い、クマガシラ(Hericiumcaput-medusae (Fr.) Pers.)と 呼 ぶ 研 究 者 もあるが、ヤマブシタケの⼀ 変 異 形 とする 意 ⾒が 強 い。また、ヤマブシタケに 酷 似 するが 全 体 に 橙 ⻩⾊を 呈 するものをハナヤマブシタケ(H. botrytoides S. Ito &Otani)と 呼 ぶが、これは⽇ 本 国 内 で 唯 ⼀ 回 だけ 採集 された 稀 産 種 であり、タイプ 標 本 の 所 在 も 不 明であるために、 形 態 ・⽣ 態 についての 詳 細 は 明 らかにされていない。2.85 ヤマブシタケ2.85.5 名 称ヤマブシタケ(⼭ 伏 茸 、 学 名 :Hericium erinaceum)は、サンゴハリタケ 科 サンゴハリタケ 属 に 属 する⾷⽤キノコ の⼀ 種 である。2.85.1 形 態⼦ 実 体 はかさや 柄 を 形 成 せず、ゆがんだ 球 塊 状 をなし、 径 も⾼さも 8-25 cm 程 度 になる。⼦ 実 体 の 上半 部 は 内 部 に⼤⼩の 空 隙 を 有 する 塊 状 、 下 半 部 は太 く⻑い 針 状 突 起 の 集 合 体 であり、 全 体 がほぼ⽩⾊であるが 次 第 にクリーム⾊を 呈 し、⽼ 熟 すれば淡 ⻩ 褐 ⾊を 帯 びるにいたる。 個 々の 針 状 突 起 は⻑さ 0.5~6 cm、 基 部 における 太 さ 1~7 mm 程 度 、 柔 らかくもろい⾁ 質 で 折 れやすい。胞 ⼦ 紋 は⽩⾊を 呈 し、 胞 ⼦ は 類 球 形 で 無 ⾊かつ薄 壁 、ほとんど 平 滑 、 内 部 にしばしば 1 個 の 油 滴を 含 み、ヨウ 素 溶 液 で 淡 灰 ⾊〜 暗 ⻘ 灰 ⾊に 染 まる(アミロイド 性 )。 担 ⼦ 器 はこん 棒 状 をなし、4 個の 胞 ⼦を⽣じる。 担 ⼦ 器 の 間 には、しばしばグレオシスチジア( 粘 嚢 状 体 : 顕 微 鏡 下 で 輝 いて⾒える、 油 滴 状 の 内 容 物 を 含 んだ 薄 壁 菌 ⽷)が 混 在 している。 菌 ⽷ の 隔 壁 部 にはしばしばかすがい 連 結を 有 する。2.85.2 生 態夏 の 終 わりから 秋 にかけ、クヌギ・クルミ・シイ・ミズナラ などの 広 葉 樹 の 倒 ⽊や⽴ち 枯 れ⽊などの 材 上 に⽣える。 時 に、⽣きた 樹 ⽊の 枝 枯 れ 部 などから 発 ⽣することもある。 材 の⽩⾊ 腐 朽 を 起 こす⽊ 材 腐 朽 菌 の⼀ 種 である。⽇ 本 名 の 由 来 は、⼦ 実 体 の 外 観 が、⼭ 伏 の 装 束 の胸 の 部 分 についている 梵 天 ( 丸 い 飾 り)に 似 ているためといわれる。地 ⽅ 名 としては「ウサギタケ」や「ハリセンボン」とも 呼 ばれる。また、⿅ 児 島 県 の⼀ 部 では「ジョウコタケ( 上 ⼾ 茸 )」の 名 で 呼 ばれるが、 乾 燥 したヤマブシタケが⽔ 分 をよく 吸 うことに 由 来 しているという * [1]。英 語 圏 で はラ イ オ ン の 鬣 キ ノ コ (Lion's ManeMushroom)、 ア ゴ ヒ ゲ ハ リ タ ケ (Bearded ToothMushroom あるいは Bearded Tooth Fungus)、ハリネズミタケ(Hedgehog Mushroom)、アゴヒゲハリネズミタケ(Bearded Hedgehog Mushroom)、ポンポンタケ(pom pom mushroom)などさまざまな 名 前を 持 つ。中 国 では 猴 菇 (サルの 頭 キノコ)と 呼 ばれている。ベトナムでは nấm đầu khỉ と 呼 ばれる。2.85.6 利 用天 然 のほか 原 ⽊ 栽 培 或 いは 菌 床 栽 培 による⽣ 産品 が 流 通 し、⽣ 鮮 品 あるいは 乾 燥 品 が⼊⼿できるようになった。 栽 培 に⽤いる 培 地 の 違 いや 種 菌 の系 統 により、⽣ 産 された⼦ 実 体 の 含 有 成 分 には 差異 が⽣じる * [2]。 神 経 成 ⻑ 因 ⼦の⽣ 産 を 促 進 させる 効 果 を 持 つ 物 質 、ヘリセノン( Hericenone ) 類 、エリナシン( erinacine ) 類 を 含 有 していることから、 抗 認 知 症 効 果 や 抗 腫 瘍 活 性 が 期 待 されている。食 用 として若 い⼦ 実 体 は⾷⽤に 供 することができる。⾷ 感 は海 鮮 類 に 似 ているが、 特 別 な⾹りや 味 はないため、2.85.3 分 布スープなどの 汁 物 として 味 を 含 ませて⽤いることが 多 い。 中 国 では 四 ⼤⼭ 海 ( 他 はフカヒレ、ナマ⽇ 本 ・ 中 国 ・ヨーロッパ・ 北 アフリカ・ 北 アメリ コ のいりこ、 熊 の 掌 ) の 珍 味 の⼀つとされ、 宮 廷カをはじめ、 広 く 北 半 球 温 帯 以 北 に 分 布 しており、 料 理 ⽤の⾷ 材 として 珍 重 されたという。⾮ 常 に 油⾷ 材 としても 多 くの 国 で⼈ 気 がある。を 吸 いやすいため、 油 炒 めの 際 は 注 意 が 必 要 。