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2.66. ハナビラタケ 111ること・⼦ 実 体 は⽣ 時 には 柔 軟 な⾁ 質 であり、 異型 菌 ⽷を 含 まないこと・ 胞 ⼦は 無 ⾊かつ 平 滑 でヨウ 素 反 応 を⽰さないこと・⽊ 材 腐 朽 能 ⼒を 持 ち、材 の 褐 ⾊ 腐 朽 を 起 こすことなどを 特 徴 とする。⼦実 体 の 外 観 においても 顕 微 鏡 的 形 質 においても⽐較 的 に 単 純 な 菌 群 であるため、 種 レベルでの 厳 密な 区 別 は 必 ずしも 簡 単 ではない。実 体 が 明 らかな 種Sparassis crispa (Wulfen) Fr. 属 のタイプ 種 である。⼦ 実 体 を 構 成 する 裂 ⽚は 著 しくちぢれ、 環 紋を⽣じることはなく、 縁 は 全 縁 で 鋸 ⻭を⽣じない。 柄 は 不 規 則 に 細 かく 分 岐 * [17] し、 個 々の 枝 先 が 裂 ⽚となる。シスチジアはなく、 菌⽷には 多 数 のかすがい 連 結 を 備 えている。 宿主 は 常 に 針 葉 樹 である。ヨーロッパと 北 アメリカ 東 部 に 分 布 するが、⽇ 本 を 含 むアジア 地域 における 分 布 状 況 は 不 明 である。また、 北アメリカの⼀ 部 の 地 域 (マサチューセッツ 州およびジョージア 州 など)には、 外 観 では S.radicata と 区 別 しがたいものの、 分 ⼦ 系 統 学 解析 の 結 果 は⼤きく 異 なる 未 知 の 種 が 分 布 するという * [14] が、まだ 正 式 記 載 はなされていない。Sparassis cystidiosa Desjardin and Zheng Wang2004 年 にタイ 産 の 標 本 をもとに 記 載 された。胞 ⼦を 形 成 する 子 実 層 に、 多 数 のシスチジアが 混 在 する 点 で 特 徴 づけられる。また、 菌 ⽷には 多 数 のかすがい 連 結 がある。 宿 主 がブナ科 の 広 葉 樹 に 限 られる 点 で、ハナビラタケ属 の 菌 としては 異 ⾊な 種 * [15] であり、 分 ⼦ 系統 学 的 解 析 の 結 果 からは、Sparassis 属 の 中 でも 祖 先 型 に 位 置 する 種 であろうと 推 定 されている * [16] * [15]。Sparassis miniensis Blanco-Dios & Zheng Wang, スペインから⾒ 出 された 菌 で、⼦ 実 体 の 個 々の裂 ⽚は⽐ 較 的 ⼤きく、ほとんどちぢれずに 多少 へら 状 をなし、その 縁 は 細 かく 裂 けて 鶏冠 状 を 呈 する。シスチジアはなく、 子 実 下 層(しじつかそう subhymenium) の 菌 ⽷には 少 数のかすがい 連 結 があるが、⾁の 菌 ⽷にはこれを⽋き、 胞 ⼦は S. crispa や S. latifolia のそれよりもやや⼤ 形 である。フランスカイガンショウ の 林 内 で 採 集 されるという * [44]。Sparassis spathulata (Swein.) Fr. ⼦ 実 体 を 構 成 する 個 々の 裂 ⽚がほとんどちぢれずに⼤きなへら 状 をなし、その 表 ⾯にしばしば 不 明 瞭 な 年輪 状 の 環 紋 (かんもん Zonation)を⽣じることや、シスチジアを⽋き、 菌 ⽷にかすがい 連結 がないこと、 培 養 しても 厚 壁 胞 ⼦を 形 成しないことなどを 特 徴 とする * [16]。 北 アメリカ 南 東 部 に 分 布 する * [12] * [16]。 宿 主 は、 通 常は 針 葉 樹 であるが、まれにブナ 科 の 広 葉 樹から 発 ⽣することもあるという * [15]。なおタイプ 標 本 は、 北 アメリカのノースカロライナ州 産 のものである * [45]。Sparassis radicata Weir ⽇ 本 産 のものに⾮ 常 によく 似 ているが、 胞 ⼦が 僅 かに⼩さく、⼦ 実体 を 構 成 する 個 々の 裂 ⽚の 縁 は 滑 らかで、 鋸⻭ 状 の 切 れ 込 みを⽣じない。また、 柄 を 有 する 場 合 、 細 かく 分 岐 することなく 円 筒 状 をなし、ほとんど 地 中 に 埋 没 しており、 個 々の 裂⽚は 基 部 で 互 いに 合 着 している * [17]。シスチジアはなく、⼦ 実 体 の 菌 ⽷にはひんぱんにかすがい 連 結 がみられる。⻨ 芽 エキス 寒 天 培地 などを⽤いて 容 易 に 培 養 することが 可 能で、 培 養 下 では⽇ 本 産 のハナビラタケのものによく 似 た 厚 壁 胞 ⼦ を 形 成 する 性 質 がある。培 養 菌 ⽷ 体 の⽣ 育 ⾄ 適 温 度 は 23-25℃ であり、40℃ で 死 滅 するとされる。なお、 交 配 様 式はヘテロタリック であり、⼀ 対 の 不 和 合 性 因⼦に⽀ 配 された⼆ 極 性 を⽰す * [12]。 北 アメリカの⻄ 部 地 域 に 分 布 し、 宿 主 は 針 葉 樹 に 限 定される * [15]。タイプ 標 本 は、アイダホ 州 において、 地 上 に 露 出 したベイマツ の 太 い 根 の 上に 発 ⽣していたものであるという * [45]。実 体 が 不 明 瞭 な 種 および 異 名 として 扱 われる 種Sparassis brevipes Krombh. タイプ 標 本 がすでに 所在 不 明 であるため、この 学 名 を 疑 問 名 (nomendubium)の⼀つとして 扱 うべきであるとの 主張 * [45] もある。Sparassis foliacea St.-Amans タイプ 標 本 の 所 在 が不 明 であり、 分 類 群 としての 実 体 についてはほとんど 明 らかでない * [45]。Sparassis herbstii Pe タイプ 標 本 は 北 アメリカのペンシルバニア 州 で⾒ 出 されたものである * [46] が、 現 在 では S. spathulata の 異 名 であると 考 えられている * [45]。Sparassis kazachstanicus Swarzman 種 ⼩ 名 が ⽰すようにカザフスタン から 記 録 されて 命 名された 菌 である * [47] が、タイプ 標 本 は 所 在不 明 であり、 実 体 が 把 握 できない 種 の⼀つである * [45]。Sparassis laminosa Fr. タイプ 標 本 はポーランド 産のものである。S. spathulata の 異 名 の⼀つとして 扱 う 意 ⾒ * [45] と、S. brevipes の 異 名 とみなす 意 ⾒ * [48] とがある。Sparassis nemecii Pilát ⼦ 実 体 を 構 成 する 裂 ⽚は⼤きく 厚 いへら 状 をなし、S. spathulata の 異 名 として 扱 うのが 妥 当 であるという 説 * [45] と S.brevipes と 同 ⼀ 視 する 説 とがある * [48]。タイプ標 本 は、1932 年 10 ⽉にチェコスロバキアで採 集 されたものである * [45]。

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