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100 CHAPTER 2. 図 鑑でに 芳 飯 ( 混 ぜご 飯 ・ 炊 き 込 みご 飯 )の⼀ 例としてその 名 が⾒える * [62]。「⽶ に 醬 油 と 酒とを 加 へて 飯 をたき、 別 にハツタケを 味 付 けおき 飯 と 混 ぜるなり。 叉 初 より⽶と 共 に 煮 るも 差 ⽀へなし。」と 紹 介 された 例 * [63] もある。茹 でたハツタケを⼀ 並 べにする。 容 器 の 上 端まで、 松 葉 とハツタケとを 交 互 に⼊れ、 容 器の 蓋 をしっかり 閉 じ、 紙 で⽬ 張 りをして 密 封し、 冷 暗 所 に 蓄 える。 調 理 に 際 しては、 流 ⽔に 浸 して 塩 分 を 抜 く 必 要 がある * [67]。焼 き 物 宮 沢 賢 治 の 童 話 「 狼 森 と 笊 森 、 盗 森 」(⼤ 正13 年 = 1924 年 )では、「だん/\ 近 くへ⾏って⾒ると 居 なくなった⼦ 供 らは 四 ⼈ 共 、その⽕に 向 いて 焼 いた 栗 や 初 茸 などをたべてゐました。」という 描 写 がなされている * [64]。もっとも 素 朴 で、ハツタケの⾹ 味 を⽣かした調 理 法 である * [61]。 村 越 三 千 男 は、 味 噌 焼 き(「よく 洗 ひ⽵ 串 にさし、あぶりて⼭ 椒 味 噌 をつけ⽵ 串 をとりかへ⽫に 盛 るなり。」)・ 醤 油焼 き(「ハツタケを⽩⽔に 暫 時 つけおき、⽔に洗 ひて⽵ 串 にさし、 醬 油 に 浸 けて 焼 くなり。」)および 塩 焼 き(「ハツタケを⽔にて 洗 ひ 更 に鹽 ⽔の 中 に 浸 し、 暫 時 すぎて 強 ⽕に 網 をかけ其 の 上 にハツタケをのせ 程 よく 焼 くなり。」)の 三 種 の 調 理 法 を 挙 げている * [63]。 焦 がさぬようにあぶったハツタケを、ユズ 醤 油 とともに 供 する 場 合 もある * [61]。吸 い 物 宮 内 省 の⼤ 膳 職 を 務 めた⽯ 井 治 兵 衛 の⼿になる 日 本 料 理 法 大 全 には、⽂ 政 ⼆ 年 (1819年 )の 秋 、 知 恩 院 の⾨ 跡 が 江 ⼾ を 来 訪 したおりに 供 された 接 待 料 理 の⼀ 品 として、「ハツタケ・エノキタケ の 吸 い 物 」が 挙 げられている * [65]。また、「 右 の 如 く 鹽 ⽔にて 洗 ひ 後 笊にあげ 別 につゆを 造 り 其 の 中 へ⾖ 腐 などと⼀ 緒 に⼊るるなり。」と 紹 介 された 例 * [63] もある。 汁 の 中 でひと 煮 ⽴ちさせてから、 余 分な⽔ 気 を 切 った⼤ 根 おろし を 加 える 別 法 があり、これを 特 に 霙 椀 (みぞれわん)と 称 する * [61]。煮 物 ⻭ 触 りを 残 すため、ひたひたの 湯 を 加 えてさっと⽕を 通 す 程 度 で 仕 上 げ、ハツタケ本 来 の⾵ 味 を⽣かして 薄 い 塩 味 のみで 供 する * [66]。また、⽩⾝⿂ とともにみりん・ 酒 ・だし 汁 で 煮 つける 別 法 があり、これを「すっぽん 煮 」と 呼 ぶ * [61]。あるいは、きれいに 下ごしらえしたハツタケのかさの 裏 ⾯に、すり⾝ にして 卵 ⽩ と⽚ 栗 粉 とを 加 えた 鶏 ⾁ を 伸ばし、 軽 く 蒸 したものをさっと 仕 上 げ 煮 する⽅ 法 があり、これを 特 に「 笠 の 雪 」の 名 で 呼ぶ。 蒸 しあげてから 多 めの 汁 で 煮 て、 煮 物 と吸 い 物 の 中 間 のような 仕 上 げとされることもある * [61]。また、「⾟⼦ 漬 」とされることもあり、 漬け 床 としては 麹 71 パーセントと 醤 油 16パーセントおよび 和 がらし13 パーセントを 混 合 して⽤いる。あらかじめ 少 量 の⾷ 塩 で 2-3 ⽇ほど 下 漬 け(ごく 軽 い 重 ⽯を 載 せる)したハツタケを 漬 け 込 み、からしの⾹りを 保 つため 容 器 の 蓋 を 紙 で⽬張 りして 保 存 し、2か⽉ 程 度 を 経 たころから 供 する * [67]。これはそのまま⾷べることができる。栽 培 ・ 培 養⾷⽤として 利 ⽤された 歴 史 があるにもかかわらず、⽇ 本 では、⼈⼯ 栽 培 の⼿ 法 についての 研 究 例が 少 なく、マツタケ などの 増 殖 法 にならい、マツの 若 齢 林 の 下 草 刈 りや 落 ち 葉 ・ 落 ち 枝 の 除 去 を⾏う 程 度 の 段 階 に 留 まっている * [68] * [69] * [70] * [71]。中 国 では、ウンナンアカマツ の 林 地 にハツタケの 培 養 菌 株 を 接 種 して 増 殖 試 験 を⾏い、ヘクタール 当 り 675kg の⼦ 実 体 を 収 穫 した 例 がある * [72]。菌 ⽷ 体 の⼈⼯ 培 養 に 際 し、 分 離 源 としては⼦ 実 体のかさ⾁や 柄 の 内 部 組 織 は 不 向 きで、ひだの 断 ⽚を⽤いるべきであるとされている * [73]。また、アカマツの⽣ 葉 の 煎 汁 培 地 上 での⽣ 育 は 不 良 * [73] で、菌 ⽷ 体 の⼤ 量 培 養 にはショ 糖 34g ・ 廃 糖 蜜 13ml ・⼩⻨ のふすま 36g・コーンミール20g・リン 酸 ⼆⽔素 カリウム 3 g( 蒸 留 ⽔1000 ml 当 り)を⽤いた 液体 培 地 がよく、この 培 地 1リットル 当 り 約 18 gの培 養 菌 体 が 得 られるという * [74]。なお、 培 地 のpHについては 5.0 前 後 が 最 適 であるとの 報 告 * [70] がある。 菌 株 の 系 統 いかんによっては、 無 菌 栽 培 したアカマツの 苗 の 根 に 純 粋 培 養 したハツタケを 接種 することにより、 感 染 苗 を 作 出 することが 可 能であり、 場 合 によっては 子 実 体 原 基 (ごく 幼 く、かさや 柄 ・ひだなどが 未 分 化 な 状 態 にあるつぼみ)が 形 成 されることもある。ただし、 原 基 の 形 成 条件 の 詳 細 については 不 明 な 点 が⼤きく、 確 実 にこれを 誘 導 する 技 術 は 未 完 成 である。さらに、 原 基が 形 成 された 場 合 であっても、 現 時 点 では、それらが 完 全 な⼦ 実 体 として⽣ 育 をまっとうするまでに⾄った 例 はなく、 実 ⽤ 化 にはさらに 検 討 を⾏う必 要 がある * [75]。漬 物 やや⻑ 期 にわたる 保 存 を⽬ 標 とする⽅ 法 としては「 松 葉 漬 」と 称 されるものがある。ま 歴 史ず、 新 鮮 なハツタケにひたひたの 分 量 の⽔を加 え、さらにハツタケの 重 量 の 20 パーセント 特 に 関 東 地 ⽅ で 親 しまれ、 守 貞 漫 稿 (⾷ 類 - 後 巻程 度 の⾷ 塩 を 加 えてさっと 茹 で 上 げておく。 之 ⼀)には「 初 茸 売 り。⼭のきこり や⼋ 百 屋 が別 に、よく⽔ 洗 いしたマツ の⻘ 葉 を⽤ 意 し、 ハツタケを 売 る。 京 阪 にはハツタケは 無 い。 江 ⼾甕 または 壺 の 底 にこれを 敷 き 詰 め、その 上 に だけで 売 られる。」とあり、 当 時 の 関 ⻄ではあま

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