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88 CHAPTER 2. 図 鑑2.55.4 関 連 項 目• シロツルタケ• カバイロツルタケ2.56 ドウシンタケ2.56.3 分 布⽇ 本 ( 本 州 および 九 州 ) * [1]・ 中 国 * [2] および 朝 鮮半 島 * [3] に 産 するが、 東 南 アジアにも 分 布 する 可能 性 がある。タイプ 標 本 は、1953 年 の 秋 に、 新 潟 県 北 蒲 原 郡 紫雲 寺 村 付 近 の 海 岸 砂 丘 において、クロマツ 植 林地 に 発 ⽣していたものである * [4]。ドウシンタケ (Amanita esculenta) とはテングタケ科 テングタケ 属 テングタケ 亜 属 タマゴタケ 節 に分 類 されるキノコ の⼀ 種 である。2.56.1 形 態かさは 釣 鐘 形 〜 半 球 形 から 開 いてほとんど 平 らになり、 径 3 〜 15 cm 程 度 、 表 ⾯は 灰 褐 ⾊ないし 暗 褐⾊で、 湿 時 にはあまり 著 しくない 粘 性 があり、 時に 膜 質 で⽩⾊を 呈 する⼤きな 膜 ⽚( 外 被 膜 の 破 ⽚)を 乗 せることがあり、 周 縁 部 には 放 射 状 に 配 列 した⽐ 較 的 短 い 条 溝 をあらわす。⾁は⽩⾊で 変 ⾊ 性を⽋き、もろい⾁ 質 、ほとんど 無 味 無 臭 である。ひだはやや 密 〜 密 で 柄 に 離 ⽣しており、⽩⾊であ 中 国 産 のドウシンタケをサンプルとし、DNA のITSるが 縁 はしばしば 暗 灰 ⾊ないし⿊ 褐 ⾊を 呈 し、⼩ 領 域 を 対 象 とした 分 ⼦ 系 統 解 析 結 果 によれば、 本ひだをまじえる。 柄 はほぼ 上 下 同 ⼤で⻑さ 4 〜 20 種 はタマゴタケ(⽇ 本 産 のサンプル)やタマゴテcm、 径 5 〜 15 mm 程 度 、なかほどよりやや 上 部 に ングタケモドキ(⽇ 本 産 のサンプル)などと 近 縁膜 質 の「つば」( 灰 ⾊〜 帯 褐 灰 ⾊で、 上 ⾯には 微 細 な 位 置 にあるという * [5]。 中 国 ( 四 川 省 )から 記 載な 放 射 状 の 条 溝 をあらわす)を 備 え、つばより 上 されたアマニタ・ユアニアナ (Amanita yuaniana Z.⽅はほとんど⽩⾊を 呈 し、 下 部 は 暗 灰 ⾊・ 繊 維 状 L. Yang) は、 外 観 上 も 分 ⼦ 系 統 学 上 もドウシンタの 微 細 な 鱗 ⽚でおおわれ、 時 にいくぶんだんだら ケにごく 近 い 種 であるが、かさの 表 ⾯に 放 射 状 に模 様 を⽣じ、 基 部 には⽩⾊・ 膜 質 の⼤きな「つぼ」 濃 淡 のかすり 模 様 をあらわす 点 で 区 別 される * [2]。がある。胞 ⼦ 紋 は 純 ⽩⾊を 呈 し、 胞 ⼦ は 広 楕 円 形 〜 類 球形 で 無 ⾊・ 平 滑 、ヨウ 素 を 含 む 染 ⾊ 液 に 染 まらない。ひだの 縁 には、 暗 褐 ⾊の 内 容 物 を 含 んだ、 逆フラスコ 形 〜 広 紡 錘 形 〜こん 棒 形 の 無 性 細 胞 が 密⽣している。 担 ⼦ 器 は 4 個 の 胞 ⼦を⽣じ、その 基部 にはかすがい 連 結 を 有 する。かさの 表 ⽪はゆるく 絡 み 合 いつつ 匍 匐 した 菌 ⽷ で 構 成 され、それらの 菌 ⽷は 褐 ⾊の 内 容 物 を 含 み、 薄 いゼラチン 層 に埋 没 しており、 隔 壁 部 にはときおりかすがい 連 結を 備 えている。2.56.4 類 似 種ミヤマタマゴタケ では、ドウシンタケに⽐べてかさがより 淡 ⾊を 呈 することが 多 いが、 時 には 本 種そっくりの 灰 褐 ⾊となる 場 合 もある。ドウシンタケに⽐べて⼀ 般 に⼤ 形 で、かさの 周 縁 部 の 条 溝 がずっと 短 い( 幼 いものでは、かさの 周 縁 部 が 内 側に 巻 き 込 んでいるためにほとんど 確 認 できない)こと・ひだが 暗 灰 ⾊〜 暗 褐 ⾊に 縁 どられないことなどによって 区 別 できる。ツルタケダマシ は 柄 が⽩っぽく、ひだには 暗 ⾊の 縁 どりを 持 たない。また、クロタマゴテングタケ は⾮ 常 に 紛 らわしいが、やはりひだに⿊っぽい 縁 どりを⽋くことや、かさの 周 縁 部 に 放 射 状 の 条 溝 を⽣じないことなどによって 区 別 が 可 能 である。2.56.5 食 ・ 毒 性⾷⽤になり、 美 味 であるという。ただし、 外 観 がよく 似 た 有 毒 菌 が 多 いので、きのこ 狩 りの 初 ⼼ 者には 推 奨 できない。また、 韓 国 産 の 試 料 による 検討 では、ドウシンタケの⽣の⼦ 実 体 から 得 た 冷 ⽔浸 出 液 はマウスの⾚⾎ 球 に 対 して 強 い 溶 ⾎ 作 ⽤を⽰すが、 沸 騰 ⽔ 浴 で 5 分 間 処 理 することで、 浸出 液 の 溶 ⾎ 作 ⽤は 失 活 したという * [3]。 従 って⽣で⾷⽤に 供 するのは 避 けたほうがよい。2.56.2 生 態夏 〜 秋 、ブナ 科 (ブナ 属 ・コナラ 属 ・シイ 属 ・マテバシイ 属 ・クリ 属 など)・カバノキ 科 (カバノキ属 ・ハンノキ 属 など)あるいはマツ 科 (マツ 属 ・モミ 属 ・カラマツ 属 ・ヒマラヤスギ 属 など)の 樹下 に 発 ⽣する。 分 類 学 的 位 置 からして 外 ⽣ 菌 根 を形 成 するものと 考 えられているが、⽣ 態 ・⽣ 理 的性 質 についてはまだ 不 明 な 点 が 多 い。2.56.6 名 称 の 由 来和 名 の「ドウシン」は、 粗 末 な⾐を⾝につけた 托鉢 僧 を 意 味 する、 新 潟 県 ( 北 蒲 原 郡 )の⽅⾔である * [6] * [7] という。 本 種 はまた、 新 潟 地 ⽅では 古 くから⾷⽤にされていたといわれている * [1]。種 ⼩ 名 の esculenta は、ラテン 語 で⾷⽤になるという 意 味 である。

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