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背景と目的 低コントラスト分解能 評価方法

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東 北 部 会 第 47 回 学 術 大 会<br />

テクニカルミーティング CT 分 野<br />

頭 部 CT 検 査 における 焦 点 サイズと<br />

低 コントラスト 分 解 能 の 関 係<br />

背 景 と 目 的<br />

・ 頭 部 は 他 の 部 位 に 比 べてX 線 吸 収 差 が 少 なく、<br />

低 コントラスト 分 解 能 が 非 常 に 重 要<br />

・ 頭 部 CTを 撮 影 する 時 に 焦 点 サイズを 意 識 する<br />

ことは 少 なく、 低 コントラスト 分 解 能 との 関 係 も<br />

あまりよくわからない<br />

済 生 会 新 潟 第 二 病 院<br />

鈴 木 崇 夫<br />

小 焦 点 と 大 焦 点 の 焦 点 サイズの 違 いによって、<br />

低 コントラスト 分 解 能 に 差 があるかどうかについて<br />

把 握 する<br />

低 コントラスト 分 解 能<br />

低 コントラスト 分 解 能 を 評 価 する 方 法<br />

• 低 コントラストの 物 体 をどの 程 度 の 大 きさまで 識 別 できるか<br />

• 低 コントラスト 分 解 能 はノイズ 量 に 依 存 するため、<br />

ノイズ 量 との 相 関 から 低 コントラスト 分 解 能 を 考 えることができる<br />

<<br />

mAS<br />

・ 低 コントラスト 分 解 能 評 価 用 ファントム<br />

視 覚 的 に 評 価 しやすい<br />

購 入 しなければならない( 所 有 している 施 設 は 少 ない)<br />

・ 水 ファントム<br />

購 入 する 必 要 がない<br />

ノイズとの 相 関 で 低 コントラスト 分 解 能 を 評 価 する<br />

今 回 はこちらを 使 用<br />

評 価 方 法<br />

std(15mAs)<br />

SDによるノイズの 評 価<br />

std(50mAs)<br />

• SD( 標 準 偏 差 ) 値 が 大 きいほどノイズが 多 い<br />

平 均 値 からのばらつきを 表 す<br />

ノイズのレベルを 表 す<br />

※ ノイズの 質 は 反 映 されない<br />

周 波 数 特 性 が 変 化 するような 条 件 下 では 単 純 比 較 不 可<br />

NPSグラフ<br />

• NPS(ノイズパワースペクトル) 値 が 大 きいほどノイズが 多 い<br />

ノイズの 質 ( 周 波 数 特 性 など)を 知 ることができる<br />

SDに 比 べると 計 算 が 複 雑<br />

SD=16.8<br />

SD=9.4<br />

• CNR(コントラストノイズ 比 ) 値 が 大 きいほど 良 い<br />

低 コントラストの 物 体 と 背 景 の 平 均 CT 値 と 背 景 のSDより 求 める<br />

低 コントラスト 分 解 能 の 評 価 に 用 いられる<br />

SDはノイズのレベルを 的 確 に 表 している<br />

1


- ` ÀÀ“ - ¦ ÀÀÀÀ- À`Y6 €€ˆ ž¹ “ ÀÀÀ- À¦ } ›-} ÀÀÀ¤ÀÀ¹ ¦ Y・ ڂ † <br />

Bone+( 高 周 波 強 調 関 数 ) Std( 標 準 的 な 関 数 )<br />

使 用 機 器 ・ 器 材<br />

• GE 社 製 LightSpeed VCT(64 列 )<br />

• 水 ファントム( 直 径 200mm)<br />

SD=16.2<br />

NPSグラフ<br />

SD=16.8<br />

SDはノイズのレベルは 表 しているが、 質 ( 周 波 数 特 性 )は 反 映 されない<br />

周 波 数 特 性 が 異 なる 場 合 は 比 較 できない<br />

使 用 ソフト<br />

• ImageJ<br />

• CT 用 WS 測 定 ソフト<br />

( 金 沢 大 学 市 川 勝 弘 先 生 が 作 成 されたソフト)<br />

http://home.owari.ne.jp/~kitikawa/index.html<br />

WSとNPSの 測 定 方 法 は 同 一 であるが、IECにより 近 年 はNPSと 表 記 される<br />

( 以 降 NPSと 表 記 )<br />

実 験 方 法<br />

ローテーションタイムと 管 電 流 を 調 整 し、 小 焦 点 と 大 焦 点 で<br />

線 量 をそろえて 水 ファントムを 撮 影<br />

( 再 構 成 関 数 はGE 社 の 標 準 的 な 関 数 、スライス 厚 5mm、FOV250mm)<br />

SDの 測 定 方 法<br />

ImageJにてファントム 中 心 と<br />

周 辺 部 4カ 所 にROI(20×20<br />

程 度 )を 設 定 してSDを 測 定<br />

得 られた 画 像 からSD、NPS、CNRを 求 める<br />

ROI Managerにより、 異 なる<br />

画 像 でも 同 じ 位 置 にROIを 設<br />

定 できる<br />

※CT 装 置 側 で 焦 点 サイズによって 管 電 流 の 値 に<br />

制 限 があるため、 全 く 同 一 条 件 での 撮 影 はできない。<br />

焦 点 サイズによるSDの 比 較 1<br />

SD 測 定 結 果<br />

2


- ` ÀÀ“ - ¦ ÀÀÀÀ- À`Y6 €€ˆ ž¹ “ ÀÀÀ- À¦ } ›-} ÀÀÀ¤ÀÀ¹ ¦ Y . <br />

焦 点 サイズによるSDの 比 較 2<br />

ノイズパワースペクトル 測 定 手 順<br />

1 ノイズプロファイル 取 得<br />

2 トレンド 除 去<br />

3 フーリエ 変 換<br />

4 ノイズパワースペクトルの 値<br />

ノイズプロファイルの 取 得<br />

ノイズパワースペクトルの 測 定<br />

200mmφ 水 ファントム<br />

仮 想 スリット( 平 均 値 を<br />

求 める)を 走 査 して<br />

ノイズプロファイルを 得 る<br />

トレンド 除 去<br />

・ノイズ 成 分 ではないトレンドを 除 去 する<br />

・ノイズプロファイルの 近 似 曲 線 を 作 成 し,それを<br />

引 くことにより 行 う。( 今 回 のソフトでは4 次 の 近 似 曲 線 )<br />

中 心 の256X256 内 を<br />

複 数 測 定 後 、 平 均<br />

ノイズ 成 分 のみ<br />

ノイズは、 約 1cycles/mmまでに 分 布 (0.5mm 以 下 のピクセルサイズが 必 要 )<br />

0.5mmX512(ピクセル 数 )=256mm<br />

FOVは256mm 以 下 にする 必 要 がある( 本 実 験 では250mm)<br />

トレンド<br />

CTWS( 市 川 先 生 作 成 のソフト)の 使 い 方<br />

NPS 測 定 結 果<br />

データタブのDicom 等 から 画 像 を<br />

読 み 込 み、FOVなどの 必 要 な 数 値 を<br />

入 力 する。<br />

Clip for excelでエクセルにクリップ<br />

ボード 経 由 でデータを 渡 せるので、<br />

エクセルでグラフを 描 くことが 可 能 。<br />

複 数 計 算 させ, 再 描 画 をクリックすることで、<br />

複 数 のグラフを 表 示 可 能 。<br />

非 常 に 短 時 間 でNPSの<br />

グラフを 描 くことができる!<br />

3


- ` ÀÀ“ - ¦ ÀÀÀÀ- À`Y6 €€ˆ ž¹ “ ÀÀÀ- À¦ } ›-} ÀÀÀ¤ÀÀ¹ ¦ Y . <br />

335mAs<br />

400mAs<br />

500mAs<br />

CNR(contrast noise ratio) 測 定 方 法<br />

ファントム 作 成<br />

通 常 は 低 コントラスト 分 解 能 評 価 用<br />

ファントムを 撮 影 し、 評 価 する<br />

CT 値 差 16 CT 値 差 8<br />

所 有 していない<br />

施 設 もある<br />

初 期 脳 梗 塞 のサインが<br />

3~8HU 程 度<br />

ImageJを 使 用 して、 撮 影 した 水 ファ<br />

ントムに 背 景 とのCT 値 差 16と8の<br />

模 擬 ファントム( 径 約 20mm)を 埋 め<br />

込 んだ<br />

CNR(contrast noise ratio) 測 定 方 法<br />

M<br />

B<br />

CNR=<br />

ROI MーROI B<br />

SD B<br />

CNR 測 定 結 果 およびプロファイル<br />

低 コントラストの 物 体 ( 信 号 )の 平 均 CT 値 、 背 景 の 平 均 CT 値 、<br />

背 景 のSDを 用 いて 算 出 する 低 コントラスト 分 解 能 の 指 標<br />

※SDを 用 いているため、SDと 同 様 に 周 波 数 特 性 が 異 なる 場 合 は<br />

単 純 に 比 較 できない<br />

4


- ` ÀÀ“ - ¦ ÀÀÀÀ- À`Y6 €€ˆ ž¹ “ ÀÀÀ- À¦ } ›-} ÀÀÀ¤ÀÀ¹ ¦ Y . <br />

335mAs<br />

400mAs<br />

小 焦 点 1s 大 焦 点 0.5s<br />

小 焦 点 2s<br />

大 焦 点 1s<br />

CNR=1.9(CT 値 差 8)<br />

CNR=3.6(CT 値 差 16)<br />

CNR=1.9(CT 値 差 8)<br />

CNR=3.8(CT 値 差 16)<br />

CNR=2.2(CT 値 差 8)<br />

CNR=4.1(CT 値 差 16)<br />

CNR=2.2(CT 値 差 8)<br />

CNR=3.9(CT 値 差 16)<br />

500mAs<br />

小 焦 点 2s 大 焦 点 1s まとめ<br />

SDについて<br />

・すべての 線 量 で<br />

小 焦 点<br />

(ローテーションタイム1s)<br />

※グラフで 確 認 できた<br />

大 焦 点<br />

< (ローテーションタイム0.5s)<br />

・グラフでは 差 が 確 認 できなかったが、<br />

小 焦 点 (ローテーションタイム2s)と<br />

大 焦 点 (ローテーションタイム1s)では 同 等 かわずかに<br />

小 焦 点 の 方 が 値 が 小 さかった<br />

CNR=2.5(CT 値 差 8)<br />

CNR=4.6(CT 値 差 16)<br />

CNR=2.5(CT 値 差 8)<br />

CNR=4.6(CT 値 差 16)<br />

NPSについて<br />

まとめ<br />

・335mAsのグラフでは 周 波 数 によって<br />

小 焦 点 (ローテーションタイム1s)と<br />

大 焦 点 (ローテーションタイム0.5s)の 値 が 多 少 異 なった<br />

・400mAsのグラフでは 全 域 でほぼ 同 等 か<br />

小 焦 点 (ローテーションタイム2s)の 方 が<br />

大 焦 点 (ローテーションタイム1s)よりわずかに 値 が 小 さかった<br />

・500mAsのグラフでは 高 周 波 域 で<br />

小 焦 点 (ローテーションタイム2s)の 方 が<br />

大 焦 点 (ローテーションタイム1s)より 値 が 小 さかった<br />

まとめ<br />

CNRおよびプロファイルについて<br />

・335mAs<br />

CNR:CT 値 差 16で 大 焦 点 (ローテーションタイム0.5s)がやや 大<br />

プロファイル: 差 が 確 認 できなかった<br />

・400mAs<br />

CNR:CT 値 差 16で 小 焦 点 (ローテーションタイム2s)がやや 大<br />

プロファイル: 差 が 確 認 できなかった<br />

・500mAs<br />

CNR: 差 がなかった<br />

プロファイル:NPSの 結 果 と 一 致 して<br />

小 焦 点 (ローテーションタイム2s)で 高 周 波 数 成 分 のノイズが<br />

少 ないように 見 えた<br />

5


- ` ÀÀ“ - ¦ ÀÀÀÀ- À`Y6 €€ˆ ž¹ “ ÀÀÀ- À¦ } ›-} ÀÀÀ¤ÀÀ¹ ¦ Y . <br />

まとめ<br />

まとめ<br />

本 検 討 では 焦 点 サイズと 低 コントラスト 分 解 能 を<br />

ノイズとの 相 関 から 評 価 したが、 結 果 として<br />

焦 点 サイズが 低 コントラスト 分 解 能 に 及 ぼす 影 響 は<br />

小 さかった。<br />

しかし、 実 際 の 臨 床 画 像 では 低 コントラストなものを<br />

見 分 けるにはノイズだけでなく、MTF 等 の 解 像 特 性<br />

( 境 界 の 明 瞭 さ 等 )も 影 響 すると 考 えられる。<br />

実 際 の 頭 部 CTの 撮 影 では、 解 像 特 性 やノイズ<br />

( 被 ばく)、 患 者 さんの 状 態 等 を 考 えて 焦 点 サイズや<br />

線 量 、ローテーションタイムを 検 討 する 必 要 がある<br />

プロトコルを 決 める 担 当 でない 方 も 水 ファントム 等 を 撮 影 し、<br />

ご 自 分 の 施 設 のプロトコルやCT 装 置 の 特 性 を 確 認 してみると<br />

普 段 の 撮 影 にも 役 立 つことがあると 思 います。<br />

是 非 実 際 に 実 験 してみてください!<br />

6

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