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ÅÎÒÉʕʯ˂ʃ - ENRI

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本 号 では、 電 子 航 法 研 究 所 が 主 催 、 または 参 加 した 国 際 会 議 等 の 報 告 から、 電 子 航 法 研 究 所 の 研 究 活 動 を 紹 介 いたします。<br />

RTCA SC-186 WG4/EUROCAE WG-51 SG-3 会 議 参 加 報 告<br />

4 月 11 日 から 15 日 にワシントン DC の RTCA 本 部 で 行 われ<br />

た RTCA と EUROCAE の 合 同 委 員 会 による ASA MOPS 改 定 の<br />

ための 委 員 会 に 出 席 しました。この 委 員 会 では 機 上 監 視 を 用 いた<br />

新 しい 運 航 方 式 に 必 要 な 機 器 の 基 準 についての 改 定 作 業 を 行 って<br />

います。 今 年 中 の 改 定 を 目 指 しているため、ほぼ 2 か 月 おきの<br />

会 議 開 催 およびその 間 に 複 数 回 の 電 話 会 議 と 非 常 に 活 発 に 活 動 を<br />

行 っています。<br />

この 会 議 には FAA や EUROCONTROL をはじめとしてボーイ<br />

ング、エアバスなどの 航 空 製 造 メーカ、コリンズ,ハネウェルと<br />

いった 機 器 製 造 メーカなどの 幅 広 い 人 たちが 参 加 しています。 取<br />

り 扱 う 運 航 方 式 も 空 港 面 から 洋 上 まで 比 較 的 近 い 将 来 に 導 入 が 検<br />

討 されているすべての 機 上 監 視 応 用 方 式 を 扱 っています。もちろ<br />

ん 実 際 に 搭 載 される 機 材 は、それぞれの 運 航 方 式 毎 に 別 々の 機 材<br />

を 使 うのではなくすべての 方 式 を 一 つの 機 材 ・ 基 準 で 扱 うため、<br />

最 低 限 必 要 な 機 能 をさまざまな 観 点 から 検 証 しています。<br />

電 子 航 法 研 では 平 成 19 年 度 より「 航 空 機 の 安 全 運 航 支 援 に 関<br />

する 研 究 」として 拡 張 スキッタを 使 用 した TIS-B システムの 開 発<br />

に 取 り 組 んできました。 電 子 研 の 開 発 したシステムはさまざまな<br />

実 験 を 行 うために 要 素 毎 に 分 割 して 実 行 および 評 価 ができるよう<br />

になっています。 今 回 の 会 議 ではこのシステムの 紹 介 を 行 うとと<br />

もに、 昨 年 行 った 実 証 実 験 とそこで 得 られたシステム 性 能 につい<br />

て 報 告 しました。<br />

機 上 監 視 を 用 いて 効 率 的 で 安 全 な 航 空 機 間 隔 を 維 持 するには、<br />

ICAO では、アジア 太 平 洋 地 域 での 衛 星 航 法 の 航 空 利 用 がそれ<br />

ほど 進 んでいないという 懸 念 があり、 電 離 圏 問 題 は 衛 星 航 法 導 入<br />

の 障 害 の 一 つであることが 認 識 されています。<br />

本 会 議 は、2010 年 7 月 に 行 わ れ た APANPIRG CNS/MET<br />

SG-14(アジア 太 平 洋 地 域 航 空 計 画 実 施 グループ 第 14 回 通 信 ・<br />

航 法 ・ 監 視 及 び 気 象 サブグループ) 会 議 及 び 2010 年 9 月 に 行 わ<br />

れた APANPIRG-21 会 議 において 日 本 から 提 案 して 合 意 された、<br />

電 離 圏 データ 収 集 ・ 共 有 活 動 を 推 進 するためのフォローアップと<br />

して 開 催 されたものでした。<br />

この 活 動 の 最 終 目 標 は、アジア 太 平 洋 地 域 での 共 通 電 離 圏 脅 威<br />

モデルを 構 築 することで、 本 会 議 では GNSS 利 用 と 電 離 圏 異 常 と<br />

の 関 係 について 理 解 を 深 め、データ 収 集 ・ 解 析 ・ 共 有 の 方 法 につ<br />

いて 具 体 的 な 検 討 を 始 めることを 目 的 として 開 催 されております。<br />

会 議 では、4 件 の 解 説 講 演 ( 豪 州 、インドから 各 1 件 、 日 本 か<br />

ら 2 件 )と、 一 部 の 電 離 圏 観 測 活 動 を 開 始 している 参 加 者 からの<br />

現 状 報 告 、 今 後 の 進 め 方 などについての 議 論 が 行 われました。<br />

電 子 航 法 研 究 所 では、 昨 年 7 月 のAPANPIRG CNS/MET<br />

SG-14 会 議 において、 航 空 局 を 通 して 電 離 圏 データ 収 集 ・ 共 有<br />

活 動 を 推 進 すべきとのワーキングペーパーを 提 出 し、その 結 果 、<br />

日 本 が 技 術 的 リーダーシップを 取 るように 要 請 されたことから、<br />

ICAO アジア 太 平 洋 地 域 本 部 と 協 力 して 本 会 議 の 開 催 を 企 画 推 進<br />

してまいりました。<br />

ICAO アジア 太 平 洋 地 域 本 部 とは、 事 前 に 協 議 を 行 い、 会 議 の<br />

議 事 次 第 の 提 案 、 解 説 講 演 者 の 推 薦 を 行 い、また、この 経 緯 から、<br />

本 会 議 では 齋 藤 が 議 長 を 務 めました。<br />

会 議 においては、 議 長 を 務 める 他 、GBAS に 対 する 電 離 圏 の 影<br />

響 と 対 策 について 解 説 講 演 を 行 いました。また 電 離 圏 データ 収 集 ・<br />

共 有 を 進 めるために 必 要 な、 観 測 方 法 、 解 析 方 法 、データフォー<br />

マットなどの 共 通 化 に 向 けたたたき 台 となるものを 提 示 し、 会 議<br />

ではこれを 基 に 活 発 な 議 論 が 行 われました。<br />

本 会 議 では、 今 後 も ICAO の 国 際 機 関 及 び 各 国 に 対 する 調 整 の<br />

もと、 電 離 圏 データ 収 集 ・ 共 有 活 動 を 進 めていくことで 合 意 がな<br />

され、 具 体 的 な 方 針 もいくつか 示 されました。<br />

また、 今 後 の 活 動 を 継 続 的 に 行 うため、APANPIRG CNS/<br />

機 上 等 技 術 領 域 主 任 研 究 員 大 津 山 卓 哉<br />

監 視 によって 得 られる 情 報 の 精 度 だけでなく、 得 られた 情 報 の 鮮<br />

度 も 重 要 となります。そのため、 機 上 監 視 に 用 いられる 要 素 それ<br />

ぞれにシステムの 遅 延 時 間 が 想 定 されています。 電 子 研 が 開 発 し<br />

た TIS-B システムは 要 素 毎 に 遅 延 時 間 を 測 定 できるため、これま<br />

で 机 上 検 討 で 想 定 していたシステム 遅 延 時 間 が 実 行 可 能 であるこ<br />

とを 示 す 証 拠 の 一 つとなりました。<br />

当 研 究 所 が 飛 行 実 験 で 実 測 した TIS-B システム 遅 延 時 間 。200 ミ<br />

リ 秒 以 内 での 交 通 情 報 の 送 受 信 が 可 能 であり、システム 遅 延 時 間 の<br />

定 義 (500 ミリ 秒 以 内 )が 実 現 可 能 であることを 明 らかにしました。<br />

Workshop on ionospheric data collection, analysis and sharing to support GNSS implementation<br />

( 衛 星 航 法 利 用 のための 電 離 圏 データ 収 集 ・ 解 析 ・ 共 有 に 関 するワークショップ)<br />

通 信 ・ 航 法 ・ 監 視 領 域 主 任 研 究 員 齋 藤 享<br />

MET SG において 電 離 圏 データ 収 集 ・ 共 有 のためのタスクフォー<br />

ス (TF) の 形 成 を 提 案 することとなり、TF の 形 成 が 認 められた 場<br />

合 、 電 子 航 法 研 究 所 が 中 心 となって 活 動 を 進 めていくこととなり<br />

ます。なお、 第 1 回 TF 会 議 については 日 本 で 行 いたいと 提 案 し<br />

歓 迎 されました。<br />

並 行 して、 各 国 で 利 用 可 能 なデータの 種 類 、 観 測 点 の 位 置 情 報 、<br />

共 有 可 能 なレベルなどを 調 査 し、ICAO で 取 りまとめることとな<br />

り、 必 要 な 記 入 テンプレートを 日 本 (<strong>ENRI</strong>) で 用 意 することとな<br />

りました。その 結 果 、 当 該 テンプレートは ICAO アジア 太 平 洋 地<br />

域 本 部 からステートレターとして 各 国 に 送 付 されています。<br />

本 会 議 の 内 容 は、 本 年 7 月 25 ~ 29 日 にタイ・バンコクで 行<br />

われる 第 15 回 APANPIRG CNS/MET SG 会 議 で 報 告 、 検 討 さ<br />

れる 予 定 です。<br />

最 後 に、 本 会 議 の 内 容 は、 本 年 6 月 に 豪 州 で 開 催 されたアジア<br />

太 平 洋 経 済 協 力 (APEC) 衛 星 航 法 実 施 チーム (GIT) 会 議 において<br />

も ICAO から 報 告 され、 豪 州 、 米 国 などから 賛 成 と 協 力 の 意 思 表<br />

明 があったそうです。<br />

ICAO NSP WGW/CSG/GSSG/WG2<br />

( 国 際 民 間 航 空 機 関 航 法 システムパネル 総 括 ワーキンググループ・カテゴリーⅡ/Ⅲサブグループ、 衛 星 航 法 サブグループ、ワーキングループ 2)<br />

本 会 議 は、ICAO 航 法 システムパネル(NSP)のもとで 技 術 的<br />

側 面 を 検 討 するために 半 年 毎 に 開 催 されるものです。 会 議 は、い<br />

くつかの 作 業 部 会 、サブグループが 構 成 されており、カテゴリー<br />

II/III サブグループ(CSG)では、これまで GPS/L1 を 使 用 した<br />

GBAS CAT-III の SARPs 案 の 作 成 を 行 ってきています。2010 年<br />

5 月 の CSG 会 議 では 技 術 標 準 案 が 固 められ、 現 在 は 技 術 標 準 案<br />

の 運 用 面 からの 検 証 が 中 心 的 な 課 題 となっております。 衛 星 航 法<br />

サブグループ (GSSG) では、 衛 星 航 法 全 般 と SBAS に 関 連 する 事<br />

項 が 検 討 されており、2006 年 に 衛 星 航 法 に 対 する 電 離 圏 の 影 響<br />

をまとめた 文 書 (IONO ペーパー)の 改 訂 作 業 が 主 要 な 議 題 とな<br />

りました。また、WG2 においては GNSS の 航 空 利 用 のためのマ<br />

ニュアル (GNSS マニュアル ) の 改 訂 が 主 な 議 題 の 一 つでありま<br />

した。 最 終 的 に、これら 及 びその 他 のサブグループでの 検 討 事 項<br />

は 総 括 ワーキンググループ(WGW)にて 取 りまとめられ、 議 論<br />

されております。<br />

電 子 航 法 研 究 所 では、CAT-I GBAS プロトタイプ 開 発 における<br />

電 離 圏 脅 威 モデルの 構 築 と 軽 減 策 の 知 見 を 基 に GAST-D SARPs<br />

案 における 電 離 圏 脅 威 モデル 構 築 と 軽 減 策 の 実 現 性 検 証 作 業 に 積<br />

極 的 に 参 加 してまいりました。 今 回 の 会 議 では、CSG において<br />

日 本 の GBAS 開 発 状 況 のステータスレポートを 発 表 するとともに、<br />

ICAO ASP 第 10 回 WG 会 議 に 参 加 して<br />

国 際 民 間 航 空 機 関 (ICAO: International Civil Aviation<br />

Organization) の 航 空 監 視 パ ネ ル(ASP: Aeronautical<br />

Surveillance Panel) の 第 10 回 作 業 部 会 (WG: Working<br />

Group)が 開 催 されたので、その 動 向 を 報 告 します。ICAO とは、<br />

航 空 に 関 する 国 際 ルールを 制 定 する 機 関 です。ASP とは、 航 空 機<br />

監 視 システムに 関 する 国 際 標 準 等 の 技 術 的 な 規 定 を 取 りまとめる<br />

パネルです。そして WG とは、 取 りまとめに 際 して 実 質 的 な 審 議<br />

が 行 われる 会 議 です。WG は 1 年 に 2 回 の 頻 度 で 開 催 され、 開 催<br />

場 所 は ICAO 本 部 があるモントリオールの 他 、 各 国 が 持 ち 回 りで<br />

開 催 します。 今 回 の 第 11 回 会 議 は 4 月 11 日 から 15 日 にかけて、<br />

仏 国 の 主 催 によりトゥールーズ 市 にて 開 催 されました。 参 加 国 は、<br />

フランス、イギリス、ドイツ、アメリカ、ブラジル、サウジアラビア、<br />

オーストラリア、インド、 中 国 、 日 本 であり、 各 国 の 航 空 当 局 関 係<br />

者 の 他 、 研 究 機 関 や 製 造 業 者 などから 20 名 程 の 参 加 がありました。<br />

まず 初 めに、 航 空 機 監 視 システムとはどのようなものでしょう<br />

か? 航 空 機 は 航 空 管 制 官 に 誘 導 されて 飛 行 します。その 際 に 航 空<br />

管 制 官 は、 航 空 機 の 位 置 を 知 る 必 要 があります。 航 空 機 監 視 シ<br />

ステムとは、 航 空 機 の 位 置 を 検 出 して、その 位 置 情 報 を 航 空 管<br />

制 官 に 提 供 するシステムです。 現 在 は 二 次 監 視 レーダー(SSR:<br />

Secondary Surveillance Radar)が 主 要 な 航 空 機 監 視 システム<br />

として 利 用 されています。<br />

それでは 何 故 、 航 空 に 関 して 国 際 ルールが 必 要 なのでしょう<br />

か?それは、 皆 が 好 き 勝 手 に 航 空 機 を 作 り、 好 き 勝 手 に 飛 ばした<br />

のでは 様 々な 不 都 合 が 生 じるからです。 航 空 機 監 視 システムで 例<br />

を 挙 げましょう。 上 述 した SSR は、 地 上 に 設 置 される 質 問 装 置<br />

と 航 空 機 に 搭 載 される 応 答 装 置 から 構 成 されます。もし 各 国 が 独<br />

自 の 規 格 で 装 置 を 製 作 してしまうと、 例 えば 海 外 の 航 空 機 が 日 本<br />

に 来 た 場 合 に、 日 本 の 質 問 装 置 と 海 外 の 応 答 装 置 が 整 合 しないこ<br />

とから、 日 本 の 航 空 管 制 官 が 海 外 の 航 空 機 を 誘 導 出 来 なくなる 恐<br />

れが 出 てしまいます。このように、 航 空 機 がどの 国 に 行 った 場 合<br />

でも 飛 行 の 安 全 性 に 不 都 合 が 生 じないように、ASP では 航 空 機 監<br />

視 システムの 技 術 的 な 規 定 類 の 策 定 を 進 めています。<br />

現 在 の ASP のトピックは、 新 しい 航 空 機 監 視 システム(ADS-B:<br />

Automatic Dependent Surveillance-Broadcast) に 関 す る 技<br />

術 的 規 定 案 の 取 りまとめです。この ADS-B は SSR と 比 較 して、<br />

航 空 管 制 官 に 対 して 高 性 能 な 監 視 情 報 を 提 供 できます。さらには、<br />

航 空 機 のパイロットに 対 しても、 自 機 ならびに 周 囲 を 飛 行 する 航<br />

空 機 の 位 置 をカーナビの 感 覚 で 提 供 できる 優 れたシステムです。<br />

今 回 の WG では、この ADS-B に 関 する 最 新 の 国 際 標 準 案 が 取 り<br />

まとめられました。 一 方 、 現 用 の 航 空 機 監 視 システムである SSR<br />

に 関 しても、 既 存 の 国 際 標 準 への 改 定 案 が 取 りまとめられました。<br />

実 際 に 運 用 を 進 めてみると 現 用 の 規 定 に 不 都 合 が 確 認 されること<br />

通 信 ・ 航 法 ・ 監 視 領 域 主 任 研 究 員 齋 藤 享<br />

通 信 ・ 航 法 ・ 監 視 領 域 主 任 研 究 員 吉 原 貴 之<br />

本 年 5 月 にバンコクで 開 催 された 電 離 圏 データ 収 集 ・ 共 有 に 関 す<br />

るワークショップについての 報 告 と 今 後 の 取 り 組 みについての 発<br />

表 を 行 っております。また、 米 国 が 中 心 となってまとめられた 電<br />

離 圏 データ 収 集 ・ 共 有 の 全 世 界 的 な 協 調 に 関 するワーキングペー<br />

パーにも、 電 話 会 議 に 何 回 も 参 加 するなどして 貢 献 してまいりま<br />

した。さらに、IONO ペーパーや GNSS マニュアルの 改 訂 に 関 し<br />

ても、 日 本 の 事 情 を 反 映 させるべく 積 極 的 に 貢 献 してきました。<br />

今 回 の 会 議 では、IONO ペーパーの 改 訂 について 議 論 されてお<br />

り、これらは 以 前 から 進 められている 電 離 圏 データ 収 集 ・ 共 有 に<br />

関 する ICAO NSP CSG のアドホックグループで 継 続 議 論 されて<br />

いくこととなりました。 特 に 磁 気 低 緯 度 電 離 圏 の GBAS に 対 する<br />

影 響 についての 研 究 では 電 子 航 法 研 究 所 の 貢 献 が 期 待 されており、<br />

今 後 果 たすべき 役 割 は 非 常 に 大 きいものがあります。<br />

GNSS マニュアルの 改 訂 については 改 訂 案 が 大 筋 で 固 ま<br />

り、2012 年 11 月 に 開 催 さ れ る 第 12 回 Air Navigation<br />

Conference での 発 表 に 向 けて 文 書 を 整 えていくこととなりました。<br />

本 会 議 を 通 して、 今 年 度 から 始 まったカテゴリー III 着 陸 に 対 応<br />

した GBAS (GAST-D) に 関 する 研 究 を 進 める 上 で 貴 重 な 情 報 が 得<br />

られました。<br />

通 信 ・ 航 法 ・ 監 視 領 域<br />

宮 崎 裕 己<br />

が 多 々あり、 必 要 に 応 じて 実 状 に 適 した 改 訂 が 行 われます。 最 近<br />

では、SSR が 利 用 する 無 線 信 号 の 干 渉 を 防 止 することがトピック<br />

となっています。 近 年 の 航 空 需 要 の 増 大 に 伴 い SSR や 航 空 機 の<br />

数 が 増 加 しており、 信 号 干 渉 が 多 発 する 傾 向 にあります。 信 号 干<br />

渉 の 多 発 はシステムの 性 能 低 下 を 招 くことから、 無 線 環 境 を 改 善<br />

するための 規 定 案 の 取 りまとめが 課 題 となっています。<br />

当 研 究 所 からも WG において 報 告 を 行 っています。 一 つは、 成<br />

田 空 港 の 空 港 面 上 を 走 行 する 航 空 機 を 観 測 したところ、 幾 つかの<br />

航 空 機 の 応 答 装 置 が 異 常 な 動 作 をしていたので、その 調 査 結 果 を<br />

報 告 しました。 本 調 査 結 果 から 当 該 応 答 装 置 の 改 修 が 進 み、この<br />

問 題 が 解 決 に 至 りました。もう 一 つは、 新 システムの ADS-B が<br />

送 信 する 情 報 を 利 用 することで、 現 用 の SSR が 送 信 する 信 号 数<br />

が 減 少 可 能 となるアイデアを 実 験 結 果 に 基 づいて 報 告 しました。<br />

このように 当 研 究 所 は、 実 験 結 果 やアイデアを 提 供 して 国 際 標 準<br />

の 策 定 に 貢 献 しています。<br />

WG のような 国 際 会 議 の 良 いところは、 様 々な 参 加 国 のメンバー<br />

と 交 流 を 持 てることです。 審 議 の 間 は 真 剣 な 議 論 が 行 われる 一 方 、<br />

リフレッシュをするコーヒーブレイク 時 にはフレンドリーな 交 流<br />

が 進 みます。WG は 継 続 して 行 われるためメンバー 同 士 は 顔 見 知<br />

りであり、お 互 いの 近 況 や 仕 事 に 関 する 情 報 を 交 換 したりします。<br />

コーヒーブレイクの 時 に 得 た 情 報 が 後 の 仕 事 に 大 いに 役 に 立 つ 例<br />

が 多 く、これが 国 際 会 議 の 醍 醐 味 でもあります。<br />

さらには、 会 議 の 主 催 国 が 開 催 地 の 見 学 ツアーを 企 画 すること<br />

が 結 構 あります。 今 回 の WG が 開 催 されたトゥールーズ 市 にはエ<br />

アバス 社 の 本 社 があり、 仏 国 の 企 画 でエアバス 社 の 見 学 ツアーが<br />

開 催 されました。 本 ツアーでは、エアバス A380 航 空 機 の 組 み 立<br />

て 工 程 や 内 装 のモックアップを 見 学 することができました。このよ<br />

うな 貴 重 な 機 会 が 得 られることも、 国 際 会 議 の 楽 しいところです。<br />

エアバス 見 学 ツアー(A380 内 装 モックアップ)

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