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報告書 - 京都大学国際交流推進機構

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平 成 18 年 度 国 際 交 流 推 進 機 構 基 盤 強 化 経 費 に 基 づく<br />

教 職 員 等 の 海 外 派 遣 事 業 実 施 報 告 書<br />

所 属 看 護 部 管 理 室<br />

職 名 看 護 師 長<br />

氏 名 三 富 陽 子<br />

日 程 研 修 先<br />

2 月 25 日 ( 日 )<br />

関 西 空 港 発 サンフランシスコ 着<br />

天 候 不 良 による 到 着 遅 れあり、ヒューストン 便 に 乗 れず<br />

サンフランシスコ 宿 泊<br />

2 月 26 日 ( 月 )<br />

サンフランシスコ 発 ヒューストン 着<br />

2 月 27 日 ( 火 )~3 月 2 日 ( 金 ) M.D.Anderson Cancer Center 見 学<br />

3 月 3 日 ( 土 )<br />

3 月 4 日 ( 日 )<br />

3 月 5 日 ( 月 )<br />

グループミーティングとプレゼンテーション<br />

ヒューストン 発 サンフランシスコ 乗 り 継 ぎ<br />

関 西 空 港 着


調 査 ・ 研 修 の 概 要<br />

【 目 的 】<br />

1. M.D.Anderson Cancer Center で 泌 尿 器 科 外 科 病 棟 、 泌 尿 器 内 科 病 棟 で 看 護 師 が 行<br />

っているケアの 実 際 を 知 り、 日 本 の 現 状 を 踏 まえて 京 大 病 院 で 行 う 泌 尿 器 看 護 の<br />

患 者 指 導 へ 取 り 入 れる。<br />

2. M.D.Anderson Cancer Center の WOC ナース 看 護 の 役 割 を 知 る。<br />

3. M.D.Anderson Cancer Center でのがんのチーム 医 療 の 実 際 を 知 り、チーム 医 療 の<br />

中 での 看 護 師 の 役 割 について 知 る。<br />

4. 新 卒 ・ 新 採 用 ナースの 教 育 プログラムと 教 育 内 容 を 知 り、 当 院 での 教 育 と 比 較 す<br />

る。<br />

【 研 修 概 要 】<br />

月 日 内 容 場 所<br />

1 2/26( 月 ) 19:00 現 地 着<br />

2 2/27( 火 ) 12:00<br />

16:30<br />

3 2/28( 水 ) 8:30<br />

13:00<br />

15:00<br />

16:30<br />

4 3/1( 木 ) 8:00<br />

12:00<br />

13:00<br />

16:30<br />

5 3/2( 金 ) 8:00<br />

12:00<br />

13:00<br />

16:30<br />

オリエンテーション M.D.Anderson Cancer Center<br />

Group meeting<br />

泌 尿 器 外 科 病 棟 実 習 M.D.Anderson Cancer Center<br />

膀 胱 全 摘 出 術 後 のストーマ<br />

ケア<br />

代 用 膀 胱 術 後 の 排 尿 管 理<br />

患 者 退 院 指 導<br />

患 者 用 図 書 館 見 学<br />

外 来 棟 見 学<br />

院 内 スタッフ 教 育 について<br />

(e-learning)<br />

泌 尿 器 内 科 病 棟 実 習 M.D.Anderson Cancer Center<br />

WOC ナースとともに 院 内 ス<br />

トーマ・ 創 傷 ケア<br />

乳 がんの 腫 瘍 皮 膚 ケアなど<br />

呼 吸 器 外 科 外 来 実 習 M.D.Anderson Cancer Center<br />

WOC ナースとともに<br />

院 内 ストーマ・ 創 傷 ケア


6 3/3( 土 ) 8:30 Group meeting<br />

12:00<br />

7 3/4( 日 ) 7:00 日 本 へ 帰 国<br />

University of Texas<br />

調 査 ・ 研 修 の 成 果<br />

M.D.Anderson Cancer Center について<br />

M.D.Anderson Cancer Center は、600 床 を 有 するがん 専 門 の 大 学 病 院 であり、 病 床<br />

はすべて 個 室 である。 泌 尿 器 外 科 、 消 化 器 外 科 術 後 の 平 均 在 院 日 数 は、 約 5 日 ~7 日<br />

と 日 本 に 比 して 非 常 に 短 く、その 分 外 来 でのフォローシステム、 在 宅 支 援 システム、<br />

患 者 教 育 システムが 充 実 していた。また 院 内 では、 癌 患 者 のメンタルサポートのため<br />

のボランティアが 活 動 し、 同 じがんを 経 験 した 患 者 同 士 での 精 神 的 サポート 体 制 が 整<br />

っていた。そのほか、 化 学 療 法 中 の 身 体 的 ・ 精 神 的 苦 痛 緩 和 のための、ヨガ 教 室 、アロ<br />

マセラピー、 全 身 マッサージなどが 外 来 で 受 けれるようになっており、 医 療 の 範 囲 に<br />

留 まらず 広 いがん 患 者 の 支 援 が 行 われていたことに 大 変 驚 いた。<br />

M.D.Anderson Cancer Center


創 傷 ・ 人 工 肛 門 ・ 失 禁 ケア 看 護 師 (Wound,Ostomy,and Continence Nurse)の 役 割<br />

創 傷 ・ 人 工 肛 門 ・ 失 禁 ケア 看 護 師 (Wound,Ostomy,and Continence Nurse)は、 院 内<br />

に12 名 在 籍 し、それぞれが 外 科 病 棟 担 当 、 泌 尿 器 科 病 棟 担 当 、 外 科 外 来 担 当 etc と<br />

役 割 分 担 がされ、 入 院 中 のケア 指 導 、 退 院 後 のフォローアップに 関 わっているため、<br />

効 果 的 に 専 門 看 護 師 が 関 われていた。 外 来 担 当 の WOC ナースが 術 前 オリエンテーショ<br />

ン、 術 前 指 導 を 行 い、 病 棟 担 当 WOC ナースがセルフケア 指 導 、 退 院 時 指 導 にかかわり、<br />

外 来 と 病 棟 がうまく 連 携 して 継 続 ケアが 行 われていた。<br />

褥 瘡 対 策 について<br />

すべての 病 室 のベッドに 体 圧 分 散 寝 具 (ゲル 系 の 特 殊 マットレス)が 使 用 されている<br />

ため、 患 者 の 自 立 度 によるマットレス 選 択 は 行 われていない。また、 非 常 に 在 院 日 数<br />

が 短 いため 術 後 の 離 床 も 非 常 に 早 期 である。 術 後 の 離 床 には、 頻 回 に 理 学 療 法 士 が 訪<br />

室 して 援 助 することから、 早 期 離 床 への 援 助 も 看 護 師 だけに 委 ねられていない。そし<br />

て、アメリカの 入 院 医 療 費 用 は 莫 大 であることも 影 響 して、 患 者 の 離 床 に 対 するモチ<br />

ベーションも 非 常 に 高 いと 感 じた。しかし 褥 瘡 が 発 生 するケースもあり、 発 生 時 には<br />

WOC ナースが 訪 室 し、 高 機 能 型 のエアマットレスに 変 更 したりなどの 対 応 が 行 われてい<br />

る。 日 本 のような 褥 瘡 対 策 チームは 存 在 せず、 予 防 のための 褥 瘡 発 生 リスクスクリー<br />

ニングも 行 われていなかった。 発 生 後 に WOC ナースがケアするシステムであったので、<br />

褥 瘡 対 策 については 日 本 の 方 がシステム 化 され 充 実 しており、 予 防 に 対 する 日 本 の 意<br />

識 の 高 さを 感 じた。<br />

すべての 病 棟 マットレスが 除 圧 マットレスとなっている


M.D. Anderson の 泌 尿 器 科 看 護 の 実 際<br />

膀 胱 全 摘 出 術 ・ 自 然 排 尿 型 新 膀 胱 造 設 術 後 の 標 準 排 尿 管 理<br />

退 院 時 には、 尿 管 ステント、ドレーン、 尿 道 カテーテルはすべて 挿 入 したまま 退 院 と<br />

なる。そのため 尿 道 カテーテルからの 膀 胱 洗 浄 方 法 について、 術 後 2 日 目 ~ 退 院 まで<br />

の3-4 日 で 指 導 する。また、カテーテル 挿 入 中 の 注 意 点 、 腎 盂 腎 炎 など 感 染 兆 候 と<br />

その 対 応 方 法 、 尿 閉 時 の 対 応 なども 患 者 と 家 族 にパンフレットとビデオ、 模 型 を 用 い<br />

て 指 導 する。<br />

問 題 がなければ、 退 院 後 外 来 受 診 時 に、 尿 管 ステントなどカテーテル 類 が 抜 去 され、<br />

自 己 導 尿 指 導 をおこなう。また、 新 膀 胱 はまだ 許 容 量 が 十 分 でなく 失 禁 状 態 であるた<br />

め、 尿 とりパットやコンドーム 型 集 尿 器 など 失 禁 対 策 を 指 導 する。<br />

指 導 内 容<br />

1. 骨 盤 庭 筋 体 操 の 方 法<br />

2. 自 己 導 尿 ・ 膀 胱 内 洗 浄 手 技 指 導<br />

3. 排 尿 スケジュール<br />

4. 失 禁 対 策 ( 尿 とりパットやコンドーム 型 集 尿 器 )<br />

5. カテーテルなど 物 品 購 入 方 法 説 明<br />

在 院 日 数 が 短 いため、ビデオ、パンフレット、 模 型 など 様 々な 教 育 ツールを 用 いて、<br />

患 者 教 育 専 門 のナースが 効 率 よく 指 導 していた。また 同 じ 術 式 の 患 者 を 集 めての 集 団<br />

教 育 の 曜 日 も 設 けられており、 患 者 教 育 システムが 充 実 していた。<br />

がんのチーム 医 療 について<br />

医 師 、 栄 養 師 、 理 学 療 法 士 などのパラメディカルをはじめ、ナースにおいてもナーシ<br />

ングプラクティショナー、WOC ナース、ペインコントロールナースなど 様 々なエキスパ<br />

ートナースが 病 棟 ナースと 連 携 して、1 人 の 患 者 に 関 わっていた。それぞれの 専 門 性 を<br />

認 めながら、その 患 者 にとってよい 医 療 を 目 指 すサポート 体 制 は 非 常 に 学 びになった。<br />

看 護 スタッフ 教 育 について<br />

看 護 師 のスタッフ 教 育 は、 教 育 担 当 ナースが10 名 在 籍 し、それぞれ、e-learning、<br />

研 究 、Wound, Ostomy, and Continence Nurse と 役 割 分 担 されている。 新 規 採 用 者 の 教<br />

育 には、 採 用 後 20 日 間 の 日 程 で、がんの 病 理 学 、がん 治 療 など 専 門 教 育 から、 輸 液<br />

管 理 、ドレッシング 交 換 方 法 、 患 者 教 育 、 看 護 研 究 方 法 に 至 る 内 容 まで 教 育 が 実 施 さ<br />

れる。さらに、 配 属 先 の 専 門 部 署 でプリセプターをつけて、 臨 床 教 育 プログラムが 組<br />

まれていて、 採 用 時 に 徹 底 教 育 がなされていた。また e-learning が 確 立 しており、 各<br />

疾 患 別 に 内 容 が 充 実 している。<br />

スタッフは 自 分 の 空 いた 時 間 を 利 用 して、 院 内 すべてのパソコンからパスワード 認 証<br />

でログインして e-learning を 実 施 できる。 管 理 者 はパスワードから 各 職 員 の 達 成 度 が


把 握 でき、 非 常 に 有 用 であると 思 われた。また 看 護 部 理 念 などスタッフ 全 員 が 把 握 し<br />

ておかなくてはならないことも e-learning でチェックできるようになっていた。 当 院<br />

でもこれは 必 要 と 節 に 思 う。<br />

本 調 査 ・ 研 修 により 得 られた 成 果 を、 本 学 の 施 策 あるいは 業 務 のためにどのように 活 用 す<br />

るか。( 具 体 的 に 記 述 )<br />

1 患 者 教 育 のツールを 取 り 入 れる<br />

当 院 でもストーマ 造 設 は 腹 腔 鏡 手 術 が 取 り 入 れられ、アメリカ 同 様 に 在 院 日 数 が 大 幅<br />

に 短 縮 化 されているので、ストーマケアの 実 際 のビデオ 作 成 と 貸 し 出 しシステムを 立<br />

ち 上 げ、セルフケア 取 得 のための 一 助 としたい。<br />

2e-learning システムを 作 る<br />

褥 瘡 予 防 の 必 要 な 知 識 から、 当 院 の 褥 瘡 管 理 に 関 する 決 まりごとを 新 卒 ナースや 中 途<br />

採 用 ナースを 教 育 するシステムを 作 成 し、 教 育 に e-learning を 構 築 したい。 今 回 の 研<br />

修 の 学 びから、 教 育 を 受 けるナースの 経 験 年 数 やレベルに 応 じた 達 成 目 標 、 内 容 を 考<br />

慮 した 教 育 プログラムを 作 成 することが 重 要 と 考 える。<br />

3 泌 尿 器 科 における 代 用 膀 胱 造 設 後 の 排 尿 管 理 マニュアル、ストーマケアマニュアル<br />

を 作 成 する。<br />

今 回 M.D.Anderson Cancer Center の 各 種 ケアマニュアルを 学 び、 効 果 的 な 患 者 指 導 が<br />

行 われている 現 状 を 知 った。 是 非 当 院 に 見 合 ったマニュアル 作 成 に 活 かしたい。<br />

終 わりに<br />

私 は、2005 年 にも M.D.Anderson Cancer Center で 教 育 の 機 会 を 得 ていた。 今 回 の 研 修<br />

では 当 院 の 泌 尿 器 科 病 棟 ナース 2 名 の 通 訳 及 びサポートの 役 割 であったが、よく<br />

M.D.Anderson Cancer Center の 状 況 がわかっていたため、スムーズにサポートが 行 え<br />

た。また M.D.Anderson Cancer Center サイドは、 海 外 研 修 者 向 けのサポート 体 制 が 整 っ<br />

ており、こちらの 希 望 する 部 署 やケアへ 参 画 できるよう 配 慮 いただき、 学 びの 多 い 研<br />

修 の 場 を 提 供 していただいた。 今 回 で 当 院 より 2 回 目 の 研 修 となったため、3 回 、4 回<br />

と 継 続 できるよう 病 院 として M.D.Anderson Cancer Center の 看 護 部 と 関 係 を 深 めるこ<br />

とができればと 考 える。


平 成 18 年 度 国 際 交 流 推 進 機 構 基 盤 強 化 経 費 に 基 づく<br />

教 職 員 等 の 海 外 派 遣 事 業 実 施 報 告 書<br />

所 属 看 護 部 南 病 棟 5 階<br />

職 名 看 護 師<br />

氏 名 山 川 留 里<br />

日 程 研 修 先<br />

2 月 25 日 ( 日 )<br />

2 月 26 日 ( 月 )<br />

2 月 27 日 ( 火 )<br />

2 月 28 日 ( 水 ) ~3 月 2 日 ( 金 )<br />

3 月 3 日 ( 土 )<br />

3 月 4 日 ( 日 )<br />

3 月 5 日 ( 月 )<br />

関 空 発 サンフランシスコ 着<br />

サンフランシスコ 発 ヒューストン 着<br />

MDアンダーソンにて 研 修<br />

フリー<br />

ヒューストン 発<br />

関 空 着<br />

調 査 ・ 研 修 の 概 要<br />

目 的<br />

1. 泌 尿 器 科 疾 患 にて 入 院 中 の 患 者 教 育 について 学 ぶ<br />

2. 膀 胱 全 摘 後 の 入 院 患 者 の 看 護 について 学 ぶ<br />

3.WOCNの 役 割 ・ 責 務 について 学 ぶ<br />

4. 呼 吸 器 外 科 ・ 皮 膚 科 の 外 来 での 看 護 を 学 ぶ<br />

研 修 概 要<br />

1. 病 院 見 学<br />

2. 泌 尿 器 科 病 棟 ( 患 者 教 育 について)<br />

3. 泌 尿 器 科 病 棟 (ナースプラクティショナーの 役 割 )<br />

4. WOCNの 看 護 業 務 の 見 学<br />

5. 呼 吸 器 外 科 外 来<br />

6. 皮 膚 科 外 来


調 査 ・ 研 修 の 成 果<br />

病 院 オリエンテーションについて<br />

病 床 数 600 床 からなり、それに 対 し 看 護 師 は2500 人 、 専 門 看 護 師 は400 人 ( 外 来 看 護 師 も<br />

含 む)と 看 護 師 の 多 い 病 院 であった。 敷 地 も 広 く、また 憩 いの 場 も 多 く、 患 者 にとって 快<br />

適 な 環 境 であった。<br />

患 者 専 用 図 書 館 も 設 備 されており、 疾 患 に 関 する 多 種 多 様 な 本 があった。 患 者 が 常 に 疾<br />

患 に 対 し 興 味 が 持 て、 知 識 を 習 得 しやすい 環 境 であった。<br />

病 院 には 患 者 はもちろん、 家 族 も 使 用 できるメンタルサポートシステムがあった。たと<br />

えば、 告 知 を 受 けた 患 者 が、 受 付 すると、どのサポートチームに 属 するかを 選 択 する。 疼<br />

痛 やストレスに 関 するチームではマッサージやヨガができたり、 心 のケアにはプライベー<br />

トルームが 使 用 できたりと 病 気 が 受 容 しやすいような 環 境 が 設 備 されていた。<br />

泌 尿 器 科 病 棟 にて<br />

ナースプラクティショナーの 役 割<br />

(ナースプラクティショナーとは、adovanced practice nurse・ 高 等 な 知 識 をもった 専<br />

門 看 護 師 のこと・ 看 護 師 のトップであり 医 師 と 同 等 に 治 療 に 携 わる 看 護 師 ・ 大 学 院 を 卒 業 ・<br />

薬 剤 処 方 もできる)<br />

ナースプラクティショナーの 役 割 と 病 棟 看 護 師 の 役 割 を 知 り、 日 本 の 看 護 師 の 役 割 との<br />

違 いを 学 ぶことができた。<br />

MDアンダーソンでは、 各 科 ごとに 専 門 のナースプラクティショナーが 存 在 する。 各 々<br />

のナースプラクティショナーが 患 者 の 状 態 を 把 握 し、 病 棟 看 護 師 に 指 示 やアドバイスする<br />

ことで 医 療 を 円 滑 に 行 い、 患 者 にとって 必 要 な 看 護 を 提 供 していた。<br />

日 本 にはナースプラクティショナーという 役 割 はないが、 米 国 のナースプラクティショ<br />

ナーという 役 割 を 知 り、わが 国 においても 同 様 の 役 割 を 担 う 看 護 制 度 があれば 看 護 師 自 身<br />

が 自 信 を 持 って 看 護 の 独 自 性 を 発 揮 することができ、また 看 護 師 の 知 識 の 向 上 につながる<br />

のではないだろうか。<br />

チーム 医 療 の 中 で 治 療 や 看 護 を 円 滑 に 行 うため、 専 門 看 護 師 の 役 割 の 重 要 性 を 知 ること<br />

ができた。<br />

患 者 教 育 について<br />

MDアンダーソンの 入 院 患 者 は 手 術 後 の 早 期 に 退 院 する。そのため、 術 後 の 自 己 管 理 は<br />

早 期 より 行 わなければならない。 術 後 患 者 の 自 己 管 理 をスムーズに 行 うためには、 術 前 、<br />

早 期 より 患 者 と 関 わり、 繰 り 返 し 教 育 することが 有 効 であるとわかっていた。<br />

我 が 病 棟 においても 手 術 直 前 より、 患 者 と 関 わり、 患 者 教 育 は 行 っていた。しかし、 看


護 師 の 人 手 不 足 や 在 院 日 数 短 縮 により 患 者 一 人 一 人 の 教 育 に 要 する 時 間 を 短 縮 する 傾 向 に<br />

あった。 看 護 の 流 れとして、 一 般 的 な 患 者 教 育 は 行 っていたが、 詳 細 な 部 分 までゆっくり<br />

と 時 間 をかけて 指 導 することができていなかった。<br />

それに 対 し、MDアンダーソンでは、 上 記 に 述 べたナースプラクティショナーとは 別 に<br />

患 者 教 育 担 当 の 看 護 師 が 存 在 している。(1 週 間 ごとに 病 棟 看 護 師 が 交 代 で 患 者 教 育 に 携 わ<br />

っている。)<br />

MDアンダーソンにおける 患 者 教 育 方 法 とは、 手 術 前 の 患 者 に 対 し、 術 後 、 患 者 自 身 、<br />

または 家 族 が 行 わなければならない 自 己 管 理 を 看 護 師 がパンフレットやビデオを 作 成 、 使<br />

用 し、 実 際 のやり 方 を 一 つ 一 つ 丁 寧 に 説 明 するというものであった。また 患 者 がいつでも<br />

自 己 学 習 できるように 常 にビデオが 利 用 できるようなシステムになっていた。パンフレッ<br />

トやビデオを 見 た 後 、 患 者 や 家 族 に 対 し、 模 型 を 使 い 説 明 し(たとえば、なぜ 前 立 腺 が 尿<br />

流 出 に 関 係 するのか?など)、 動 機 づけにするため 実 際 に 模 型 上 で 膀 胱 カテーテルのカフを<br />

必 ず 膨 らませ 説 明 したり、 膀 胱 カテーテルの 固 定 を 練 習 してもらったりと、 実 際 、 術 前 よ<br />

り 患 者 自 身 が 見 て 触 れて 練 習 するという 効 果 的 な 指 導 を 行 っていた。<br />

患 者 教 育 担 当 の 看 護 師 が 存 在 するからこそ、 効 率 よく 指 導 ができ、 在 院 日 数 を 短 縮 でき<br />

るのだと 感 じた。<br />

そのような 環 境 を 同 じ 看 護 師 としてうらやましく 思 うとともに、このような 看 護 師 が 存<br />

在 することは、 治 療 を 受 ける 患 者 にとっても 最 良 の 環 境 であった。 患 者 自 身 が 術 前 から 術<br />

後 の 自 己 管 理 を 理 解 し、 練 習 する 機 会 を 持 つことは 患 者 自 身 の 不 安 が 軽 減 し、 自 信 に 繋 が<br />

る。このような 体 制 や 環 境 を 患 者 に 提 供 することは、 看 護 の 基 本 であり、また 患 者 教 育 に<br />

重 要 であることを 再 認 識 し、 患 者 教 育 のあり 方 を 考 え 直 すよい 機 会 となった。<br />

外 科 病 棟 にて<br />

WOCナースの 診 察<br />

MDアンダーソンでは、 緊 急 にパウチ 交 換 を 行 うとき 意 外 はすべてWOCナースが 患 者<br />

に 指 導 しパウチの 交 換 を 行 っていた。 家 族 に 対 する 指 導 もWOCナースが 行 っていた。 術<br />

直 後 より、 患 者 の 状 態 に 合 わせ、 早 期 にセルフケアが 行 えるよう、 必 ず 家 族 を 交 えて 指 導<br />

されていた。<br />

専 門 看 護 師 が、 常 に 直 接 、 患 者 や 家 族 に 対 し 指 導 することで 安 心 感 を 与 えていた。<br />

専 門 看 護 師 の 患 者 教 育 の 重 要 性 を 再 確 認 することができた。<br />

米 国 のWOCナースは 創 傷 に 関 する 外 用 薬 も 処 方 でき、 京 大 では 行 われていないスプリ<br />

ントカテーテルの 抜 去 も 行 っており、また、 医 師 は 治 療 ・ 診 察 のみで、 創 部 の 処 置 はすべ<br />

てWOCナースが 行 っていた。<br />

WOCナースの 看 護 の 実 際 を 見 学 し、 日 本 でのWOCナースの 役 割 と 米 国 でのWOCナ<br />

ースの 役 割 の 違 いを 知 ることができ、 専 門 資 格 の 有 するWOCナースの 医 療 における 役 割


の 重 要 性 を 改 めて 知 ることができた。<br />

呼 吸 器 外 来 にて<br />

ナースプラクティショナーの 診 察<br />

呼 吸 器 外 来 のナースプラクティショナーは 医 師 の 診 察 前 に 予 診 し、またレントゲン・C<br />

Tなどをみて、 患 者 の 状 態 を 把 握 する。その 後 、 医 師 に 患 者 の 状 態 を 報 告 し、 医 師 ととも<br />

に 治 療 方 針 を 考 えていた。ナースプラクティショナーは 看 護 の 立 場 からは 常 に 患 者 の 立 場<br />

になり、また 医 療 者 としても 医 師 と 対 等 の 知 識 を 持 ち、 医 療 に 携 わっていた。 医 師 ・ナー<br />

スプラクティショナーがそれぞれの 役 割 を 担 っているからこそチーム 医 療 を 有 効 的 に、ま<br />

た 円 滑 に 行 うことができると 認 識 した。<br />

皮 膚 科 外 来 にて<br />

外 来 看 護 師 の 役 割<br />

皮 膚 科 外 来 は 皮 膚 生 検 の 患 者 が 多 かった。 看 護 師 は 医 師 の 補 助 をするのではなく、 処 置<br />

後 のケアや 自 宅 でのケアについての 患 者 教 育 を 行 っていた。<br />

外 来 においても 病 棟 と 同 じく、パンフレットを 手 渡 し、 家 族 も 交 え、 丁 寧 に 説 明 されて<br />

いた。ここでも、 家 族 を 含 む 患 者 教 育 の 重 要 性 を 学 んだ。<br />

本 調 査 ・ 研 修 により 得 られた 成 果 を、 本 学 の 施 策 あるいは 業 務 のためにどのように 活 用 す<br />

るか。( 具 体 的 に 記 述 )


現 在 、 日 本 において、ナースプラクティショナーという 役 割 はない。しかし、 病 院 、 病<br />

棟 において、チーム 医 療 を 円 滑 に 行 っていくうえでは、 役 割 分 担 し 看 護 していくことはと<br />

ても 重 要 である。そのためには、 医 師 ・ 看 護 師 ・ 栄 養 師 ・ 理 学 療 法 士 との 連 携 を 密 にする<br />

ことはもちろん、 専 門 知 識 を 共 有 できるようコミュニケーションを 図 る。その 上 で、 専 門<br />

領 域 をいかせていけるように、 情 報 交 換 を 行 う。<br />

また、 病 棟 における 患 者 の 治 療 方 針 等 のカンファレンスに 積 極 的 に 参 加 し、 日 々 患 者 と<br />

接 する 機 会 の 多 い 看 護 師 も 患 者 の 状 態 など 情 報 提 供 し、また 医 師 と 情 報 交 換 することで 看<br />

護 に 役 立 てる。<br />

私 の 所 属 する 京 大 病 院 泌 尿 器 科 病 棟 において、 患 者 指 導 は 術 前 より 行 っているが、パン<br />

フレットに 沿 った 説 明 のみであり、MDアンダーソンで 行 っていたように、ビデオや 模 型<br />

を 使 用 したりする 方 法 は 行 っていない。 手 術 の 種 類 により 患 者 指 導 の 内 容 、 重 要 性 はそれ<br />

ぞれではあるが、 疾 患 ・ 術 式 に 沿 った 指 導 方 法 を 見 直 し、 患 者 教 育 プログラムを 考 える。( 患<br />

者 教 育 用 のパンフレットの 見 直 し・ビデオ 作 成 の 考 案 )<br />

また、 患 者 自 身 、 自 分 の 疾 患 をどの 程 度 理 解 できているか、 評 価 できる 資 料 等 を 作 成 し<br />

患 者 一 人 一 人 にあった 指 導 方 法 を 考 える。<br />

京 大 病 院 泌 尿 器 科 病 棟 において、WOCナースは 存 在 しないが、 術 前 マーキング・ 術 前 よ<br />

り 手 術 後 の 患 者 自 身 の 状 態 の 説 明 ・ 術 後 のストマトラブルに 関 しては、 京 大 病 院 における<br />

WOCナースに 依 頼 している。 今 後 、 専 門 資 格 の 持 っていない 病 棟 ナースも、WOCナース<br />

の 指 導 方 法 等 、 知 識 を 習 得 し、また 勉 強 会 等 行 い、その 上 、 専 門 領 域 を 活 かし、 患 者 に 関<br />

われるようにする。


平 成 18 年 度 国 際 交 流 推 進 機 構 基 盤 強 化 経 費 に 基 づく<br />

教 職 員 等 の 海 外 派 遣 事 業 実 施 報 告 書<br />

所 属<br />

看 護 部 南 病 棟 5 階<br />

職 名<br />

看 護 師<br />

氏 名<br />

保 科 摩 美<br />

日 程 研 修 先<br />

2 月 25 日<br />

2 月 26 日<br />

2 月 27 日 ~3 月 3 日<br />

3 月 4 日<br />

3 月 5 日<br />

関 空 発 サンフランシスコ 着 ( 泊 )<br />

サンフランシスコ 発 ヒューストン 着<br />

MD ANDERSON CANCER CENTER 実 習<br />

ヒューストン・サンフランシスコ 発<br />

関 空 着<br />

調 査 ・ 研 修 の 概 要<br />

【 目 的 】<br />

1. 泌 尿 器 科 ・ 呼 吸 器 科 ・ 皮 膚 科 外 来 の 見 学 をし、 日 本 の 病 院 との 違 い( 治 療 ・ 看 護 )<br />

を 学 ぶ。<br />

2.ストーマ・ネオブラダーの 管 理 の 実 際 について 学 ぶ。<br />

3. 入 院 患 者 の OP 後 のケアについて 学 ぶ。<br />

4.WOCN の 役 割 と 責 務 について 学 ぶ。<br />

【 研 修 概 要 】<br />

・ MD ANDERSON CANCER CENTER オリエンテーション・ 施 設 見 学<br />

・ 泌 尿 器 科 病 棟 見 学 ・ 入 院 患 者 のケア 参 加 (Clinical Nurse の 指 導 )<br />

・ 泌 尿 器 科 病 棟 入 院 患 者 のケア 参 加 (Advanced Practice Nurse の 指 導 )<br />

・ 皮 膚 科 外 来 見 学<br />

・ 呼 吸 器 外 科 外 来 見 学 、WOCN によるケア・ 指 導 の 見 学


調 査 ・ 研 修 の 成 果<br />

1.オリエンテーション・ 施 設 見 学 について<br />

MD ANDERSON CANCER CENTER は 病 床 数 600 床 の 病 院 であるが、 京 大 よりも<br />

敷 地 が 広 く、カフェやくつろぎスペースが 多 く 取 られていた。 院 内 には 長 距 離 移 動 が 困<br />

難 な 患 者 のために 専 用 カーが 走 っているなど、 患 者 が 居 心 地 よく 過 ごせるように 配 慮 さ<br />

れていた。<br />

患 者 専 用 の 図 書 館 には、 病 気 に 関 するパンフレットや 本 、 論 文 が 並 び、インターネッ<br />

ト 検 索 や 院 内 メールで Dr と 連 絡 が 取 れる 仕 組 みがとられており、 多 くの 情 報 を 得 られ<br />

る 環 境 が 整 っていた。 自 分 の 病 気 と 真 剣 に 向 き 合 い、 今 後 の 治 療 方 針 について Dr と 意<br />

見 交 換 するなど、 日 本 のようにおまかせ 医 療 ではなく 対 等 な 関 係 が 築 けていると 感 じた。<br />

また、 治 療 をする 過 程 で 起 こる 副 作 用 に 対 してもしっかり 対 策 が 取 られていた。 例 えば、<br />

化 学 療 法 を 受 けた 患 者 のために 帽 子 のショップがあったり、がんの 告 知 を 受 けた 患 者 の<br />

メンタルサポートが 出 来 るようなプライベートルームやチャペル、 疼 痛 やストレス 緩 和<br />

のために、 患 者 ・ 家 族 が 利 用 できる 音 楽 セラピーやマッサージ、ヨガのクラスが 開 催 さ<br />

れていた。 病 気 を 受 容 し 前 向 きに 治 療 ができるよう、 患 者 ・ 家 族 を 含 めたサポート 体 制<br />

が 充 実 していた。<br />

2. 泌 尿 器 科 病 棟 病 棟 見 学 ・Clinical Nurse(CN)による 入 院 患 者 のケアについて<br />

泌 尿 器 科 病 棟 は16 床 ×2ユニットの 全 32 床 で 構 成 されていた。 病 室 はナースステ<br />

ーションを 囲 むように 円 形 に 配 置 されており、 患 者 が 声 を 掛 けやすい 環 境 であった。い<br />

つでも 患 者 に 目 が 行 き 届 くよう 壁 や 扉 がなくオープンな 状 態 であり、 動 線 も 短 く 仕 事 が<br />

しやすい 仕 組 みになっていた。<br />

月 から 金 曜 日 まで OP が 行 われており、 患 者 のケア 担 当 Ns と 退 院 支 援 教 育 Ns に 分 か<br />

れて 看 護 にあたっていた。 患 者 のケアは 日 本 と 同 じような OP 後 の 身 体 的 フォローをし、<br />

退 院 支 援 教 育 Ns は 退 院 までの 一 週 間 の 間 に 様 々な 患 者 教 育 を 行 なっていた。OP の 翌 日<br />

から 患 者 ・ 妻 にカテーテル 管 理 についての 資 料 ・ビデオを 見 せ、 家 に 帰 ってから 実 際 に<br />

カテーテルの 管 理 ができるよう、 解 剖 の 模 型 を 使 用 して 尿 が 出 る 仕 組 みやカテーテルの<br />

テープ 固 定 ・カテーテルの 抜 き 方 、レッグバックの 使 用 方 法 などを 説 明 していた。 実 際<br />

の 物 品 を 使 用 し 手 技 を 確 認 することで 退 院 後 のイメージが 出 来 るように 患 者 教 育 してい<br />

た。また、 夜 中 でもビデオが 見 られるよう 各 病 室 にモニターが 整 えられており、 患 者 の<br />

立 場 にたった 工 夫 が 取 られていた。<br />

在 院 日 数 を 短 くする 為 に、OP 後 のフォローと 退 院 支 援 が 同 時 に 行 われ、 効 率 よく 機 能<br />

別 看 護 が 取 り 入 れられていると 実 感 した。<br />

3. 泌 尿 器 科 病 棟 Advanced Practice Nurse(APN)による 入 院 患 者 のケアについて<br />

APN は Dr と1000 時 間 の 研 修 を 行 なった 大 学 院 卒 業 Ns であり、Dr とほぼ 対 等 に<br />

仕 事 ができる CN のリーダー 的 存 在 である。 患 者 に 問 題 があれば Dr に 報 告 する 前 にカ<br />

ルテや 検 査 結 果 を 確 認 し、 患 者 の 診 察 をして 問 題 の 解 決 にあたり、 解 決 できないことは


Dr に 相 談 や 意 見 交 換 していた。APN が 病 棟 にいることで 患 者 の 苦 痛 に 早 期 対 応 できる<br />

というメリットがあるばかりでなく、「 考 える Ns」の 育 成 にもつながっていると 感 じた。<br />

Ns と Dr の 中 間 的 存 在 であり、チーム 連 携 が 取 りやすいため、 展 開 が 早 く 質 の 高 い 医 療 ・<br />

看 護 が 行 なわれていた。<br />

MD ANDERSON はがん 専 門 病 院 であるため、がんに 気 付 くのが 遅 れ、 末 期 症 状 が 出<br />

現 してから 来 院 する 患 者 も 少 なくないようであった。これ 以 上 治 療 ができないとわかっ<br />

た 患 者 に 対 しては、その 時 点 でできるだけ 早 期 に 告 知 を 行 い、 次 のステップが 踏 めるよ<br />

うサポートしている。 告 知 をしないと 前 に 進 まないという 考 えのもと、Dr は 患 者 にわか<br />

りやすく 病 気 の 進 行 や 今 後 についての 説 明 を 行 っていた。 動 揺 する 患 者 に 対 して Dr や<br />

APN はゆっくり 話 を 傾 聴 ・ 共 感 し、 今 後 の 展 開 について 緩 和 チームにフォローを 依 頼 し<br />

ていた。 告 知 された 患 者 ・ 家 族 は 衝 撃 を 受 けていたが、しっかりとサポートできる 継 続<br />

医 療 体 制 が 整 っているため、 充 実 した 最 期 の 時 間 を 過 ごせるのではないかと 感 じた。 告<br />

知 の 場 面 は 印 象 的 であり、 今 後 このような 場 面 で 自 分 がどのように 関 わっていくべきか<br />

を 考 えさせられるものであった。<br />

4. 皮 膚 科 外 来 見 学 について<br />

皮 膚 科 外 来 にはメラノーマの 患 者 が 数 多 く 訪 れており、パンチ 生 検 や 生 検 後 のフォロ<br />

ーが 行 なわれていた。 診 察 室 は 全 て 個 室 であり、プライバシーや 個 人 情 報 が 漏 れないよ<br />

うに 考 慮 されていた。 問 診 では 内 服 薬 の 確 認 やペインスケールを 用 いた 痛 みの 程 度 を 必<br />

ず 確 認 しており、 生 検 後 には 本 人 ・ 家 族 に 必 ず 創 傷 処 置 の 方 法 についての 資 料 を 手 渡 し<br />

説 明 をしていた。その 他 にも 生 検 の 説 明 用 紙 やドライスキンのケアの 仕 方 など、それぞ<br />

れ 資 料 が 整 っており、 患 者 への 指 導 や 情 報 提 供 がしっかり 行 なわれていた。<br />

5. 呼 吸 器 外 来 見 学 について<br />

呼 吸 器 外 来 にはセカンドオピニオンで 来 院 する 患 者 が 多 く、MD ANDERSON での 治<br />

療 の 可 否 が 検 討 されていた。 外 来 患 者 に 関 わる APN は 患 者 の 問 診 をしっかり 取 り、 問<br />

題 点 を 明 確 にして Dr に 現 状 の 報 告 していた。その 後 すぐにカンファレンスが 行 なわれ、<br />

今 後 の 治 療 を 確 定 していた。APN は Dr と 同 程 度 の 知 識 が 必 要 であり、 知 識 の 欠 如 は 患<br />

者 の 今 後 の 生 活 を 大 きく 左 右 するかもしれない。 日 本 に APN の 制 度 はないが、 日 本 の<br />

Ns との 役 割 の 大 きさを 目 の 当 たりにし、 今 後 はさらなる 知 識 の 向 上 に 努 めたいと 感 じ<br />

た。<br />

6.WOCN の 仕 事 について<br />

WOCN は 主 に 創 傷 処 置 やストーマの 指 導 のため、 各 病 棟 に 出 向 しケアを 行 なってい<br />

た。<br />

創 傷 処 置 の 際 にはガーゼではなく 専 用 のバスタオルを 使 用 し、ペインスケールを 用 い<br />

ながら 痛 みの 程 度 を 確 認 し、 患 者 が 安 楽 にケアを 受 けられるように 配 慮 されていた。ま<br />

た 家 族 も 一 緒 に 処 置 に 入 り、 傷 の 状 態 や 処 置 の 方 法 について 指 導 を 受 けていた。ストー<br />

マの 指 導 では 必 要 な 物 品 を 紙 に 書 き 出 し、 購 入 方 法 や 必 要 な 書 類 を 家 族 に 手 渡 していた。


どの 病 室 に 行 っても 家 族 がケアに 協 力 的 で WOCN の 話 を 真 剣 に 聞 いており、 退 院 後 、<br />

自 宅 での 処 置 が 必 要 な 患 者 には 家 族 の 協 力 が 必 要 不 可 欠 であると 再 認 識 した。


本 調 査 ・ 研 修 により 得 られた 成 果 を、 本 学 の 施 策 あるいは 業 務 のためにどのように 活 用 す<br />

るか。( 具 体 的 に 記 述 )<br />

1. 現 在 当 病 棟 で 行 なっている 退 院 指 導 は CIC やネフロのガーゼ 交 換 ・ラパック 貼 付 の 方<br />

法 、ストーマのパウチ 交 換 等 であるが、 今 後 、 早 期 退 院 支 援 の 一 環 として、 術 前 からカ<br />

テーテル 管 理 の 指 導 を 行 なう 必 要 がある。ビデオをヒントに 当 病 棟 で 使 用 できるビデオ<br />

作 成 を 検 討 したい。また、 退 院 後 に 家 族 が 協 力 して 患 者 をサポートできるよう、 家 族 の<br />

指 導 を 強 化 していく。そのためにはスタッフ 教 育 に 力 を 入 れ、Ns によってサービスの 差<br />

が 出 ないよう 知 識 の 向 上 を 目 指 す 必 要 がある。<br />

2. 病 棟 には 手 術 や 化 学 療 法 をしたら 自 宅 に 帰 る 患 者 が 多 いが、 症 状 の 悪 化 に 伴 い 在 宅 で<br />

の 生 活 が 困 難 な 患 者 やホスピスへ 転 院 する 患 者 に 対 して、 医 療 サービスが 十 分 受 けられ<br />

るようにチーム 医 療 の 連 携 を 強 化 していきたい。 患 者 の 状 態 を 把 握 し 早 期 にサポートす<br />

るために、チーム 内 でしっかり 情 報 が 共 有 できるよう 記 録 の 充 実 を 図 っていく。また 質<br />

の 高 い 看 護 が 展 開 できるように、 勉 強 会 の 開 催 を 計 画 する。<br />

3.おまかせ 医 療 が 少 しでも 改 善 できるよう、 入 院 時 から 患 者 の 動 機 づけを 行 う。 自 分 の<br />

治 療 を 選 択 できるように 情 報 の 提 供 を 行 ない、Dr の 病 状 説 明 の 場 を 確 保 することや、 退<br />

院 までの 目 標 を 明 確 にし、それに 向 けてどのように 進 んでいくかを 一 緒 に 計 画 すること<br />

で 退 院 までのイメージをしっかり 持 ってもらう。

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