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柱の軸力変動が懸造形式伝統木造寺院建築の 地震 ... - 日本地震工学会

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入 力 地 震 波 はサイト 波 として 清 水 寺 本 堂 に 与 える 影 響 が 最 も 大 きいと 考 えられる、 花 折 断 層 を 震 源とする 清 水 寺 敷 地 内 における 想 定 花 折 地 震 動17) を 用 いた。 花 折 断 層 は、 京 都 盆 地 の 北 東 から 東 側 の 山麓 を 通 る 約 17km にわたる 活 断 層 であり、 南 北 方 向 の 走 行 を 持 つ 右 横 ずれ 断 層 である。この 断 層 が 動 いた 場 合 に 清 水 寺 で 予 測 される 波 形 が 求 められており、これを 想 定 花 折 地 震 動 と 呼 んでいる。建 物 の 応 答 解 析 では、 想 定 花 折 地 震 動 における 当 該 地 点 での 地 表 面 加 速 度 を 用 い、 建 物 X 方 向 ( 東西 方 向 )に EW 成 分 を、Y 方 向 ( 南 北 方 向 )に NS 成 分 を、Z( 鉛 直 方 向 )に UD 成 分 を 同 時 入 力 した。 入力 時 間 は 0.01 秒 間 隔 で 8 秒 間 とした。 図 6 に 想 定 花 折 地 震 動 の 波 形 を 示 す。 水 平 方 向 の 最 大 値 は 約 1G、鉛 直 方 向 は 約 0.3G であり、0.1G を 超 える 水 平 加 速 度 が 5 秒 程 度 継 続 する。加 速 度 [cm/sec 2 ]加 速 度 [cm/sec 2 ]12009006003000-300-600-900-120012009006003000-300-600-900-12000 2 4 6 8時 間 [sec](a) 東 西 方 向0 1 2 3 4 5 6 7 8時 間 [sec]5. 地 震 応 答 解 析(c) 鉛 直 方 向加 速 度 [cm/sec 2 ]12009006003000-300-600-900-1200図 6 想 定 花 折 地 震 動 波 形0 1 2 3 4 5 6 7 8時 間 [sec]17)(b) 南 北 方 向5-1. 柱 脚 部 の 応 答ここでは、 柱 脚 部 の 水 平 、 鉛 直 挙 動 について 検 討 する。図 7 と 図 8 は、 軸 力 変 動 が 大 きかった 西 端 中 央 付 近 ( 図 1 の X5Y3)における 柱 脚 基 部 の 地 震 応 答 解 析結 果 である。 両 ケースとも、 図 7(b)および 図 8(b)に 示 すように、 柱 脚 部 の 軸 力 を 見 ると 浮 き 上 がらないまでも、 軸 力 は 0 付 近 まで 達 している。 軸 力 変 動 幅 は、 初 期 軸 力 約 40kN に 対 して 0~80kN と 大 きい。CASE 1 では、 図 7(a)に 示 すとおり 水 平 バネは 線 形 領 域 にとどまっており、0.1mm 以 下 の 応 答 である。一 方 CASE 2 では、 図 8(a)に 示 す 柱 脚 部 の 水 平 方 向 では 柱 脚 水 平 バネが 非 線 形 化 したのち、 軸 力 が 減 少するために 摩 擦 力 が 低 下 している。 図 8 の 赤 丸 の 点 で 示 されている 軸 力 及 びせん 断 力 は 同 一 時 間 の 値であり、 軸 力 がほぼ 0 になって、そのときの 水 平 力 が 0 近 くになり、 水 平 変 位 が 図 のマイナス 方 向 に増 加 していることがわかる。 図 7 の CASE 1 と 比 較 して 軸 力 変 動 の 影 響 は 水 平 バネの 挙 動 に 大 きく 影 響している。また 図 7(a)の CASE 1 では 線 形 応 答 にとどまり 残 留 変 位 が 生 じないのに 比 較 して、 図 8(a)の CASE 2 では 約 0.25cm 残 留 変 位 がある。次 に 図 9 は CASE 2 の 東 北 角 ( 図 1 の X13Y14)の 地 震 応 答 解 析 結 果 である。 柱 は 浮 き 上 がっているが、その 量 は 図 9(b)に 示 すとおり 10 -8 cm レベルと 非 常 に 小 さい。 図 8(a)の 柱 脚 水 平 バネでは、 縦 に 2 本 の線 が 入 っている。これは 柱 脚 が 浮 き 上 がり、 柱 脚 水 平 バネは 復 元 力 0 で 変 位 が 増 大 し、その 後 柱 脚 が再 び 接 地 し 柱 脚 水 平 バネの 応 力 が 再 び 増 加 していることを 示 している。 水 平 方 向 の 変 位 は 0.1cm と 図8(a)より 小 さい。 最 終 的 な 残 留 変 形 は 0.07cm である。 柱 の 浮 き 上 がりが 生 じることと、 水 平 方 向 変 位の 大 小 には 必 ずしも 相 関 がないことがわかる。- -

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