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歴代会長メッセージ (611K - 日本レコード協会

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発 明 によって、それまで 一 握 りの 富 裕 層 しか 楽 しめなかった 音 楽 を、 多 くの 人 々が 聴くことができるようになりました。 音 楽 はレコードという「 複 製 物 」を 通 じて 大 衆 化し、 今 日 の 音 楽 文 化 の 発 展 につながってきました。そして、アーティストや 作 詞 家 、 作 曲 家等 と 共 に 音 楽 を 生 み 出 し、レコードを 通 じてその 音 楽 を 人 々に 届 けるレコード 製 作 者に、“コピーライト”、つまり 複 製 権 が 与 えられました。レコードという 複 製 物 を 独 占的 につくる 権 利 です。この 権 利 こそがレコード 産 業 が 成 立 し 得 る 基 盤 であります。ところが、デジタル 技 術 の 発 達 により、今 日 ではパソコン 等 で 誰 もが 手 軽 に 音 楽 を高 品 質 でコピーすることができるようになりました。これはレコード 産 業 の 基 盤 そのものが 根 本 から 脅 かされることを 意 味 します。CD の 代 金 は、 本 来 それを 購 入 した 人 が、「いつでも、 何 回 でも、 聴 いて 楽 しむことができる」その「 機 会 に 対 する 対 価 」です。タダでコピーしたり、これを 他 人 に 渡 したりすることを 含 んでいるものではありません。レコード 産 業 がこれからも 豊 かな 音 楽 を音 楽 ファンに 届 けるためには、 音 楽 創 造 のサイクルが 堅 持 されることが 必 要 です。今 年 当 協 会 は、 音 楽 関 係 団 体 との 連 携 を更 に 強 化 し、 日 本 の 音 楽 文 化 の 更 なる 発 展のために、 国 家 戦 略 としても 打 ち 出 されている 我 々の 知 的 財 産 権 を 尊 重 して 頂 くよう、 訴 えていく 所 存 であります。皆 様 の 一 層 のご 支 援 ご 協 力 をお 願 い 致 しまして、 新 年 のご 挨 拶 と 致 します。2003 年 3 月会 長 交 替 ご 挨 拶先 ずは 約 3 年 に 亘 る 協 会 長 在 任 中 、 一貫 してご 支 援 を 頂 きました 皆 様 に、 衷 心 より 御 礼 申 し 上 げます。知 的 財 産 権 の 保 護 と 拡 大 が 国 家 戦 略 としても 重 要 視 されている 時 に、その 任 に 最 も相 応 しい 方 に 協 会 長 職 をバトンタッチすることが 出 来 て 安 堵 しています。2000 年 4 月 に 協 会 長 に 就 任 してからほぼ 3 年 、この 間 日 本 のみでなく 世 界 のレコード 産 業 が 縮 小 を 続 け、 今 なおその 傾向 が 続 いていることは 憂 慮 に 堪 えません。こうした 事 態 をもたらした 最 大 の 要 因 が、デジタル 技 術 の 進 展 と 大 衆 化 による「 音 楽のフリーコピー」であることは、いかなる技 術 擁 護 論 があろうとも 間 違 いないことで、 数 多 くの 調 査 結 果 がそれを 証 明 しています。したがって IFPI や RIAA の 仕 事 がそうであるように、RIAJ の 最 大 の 仕 事 は「 音 楽 創 造 のサイクル」を 維 持 するため、如 何 にして 音 楽 著 作 ( 隣 接 ) 権 を 護 るかであります。こうした 信 念 のもとに 私 は 在 任期 間 中 一 貫 して「 不 法 コピーとの 戦 い」の先 頭 に 立 つことが 自 分 の 使 命 であると 心 得てきました。日 本 版 ナップスターと 言 われた、ネット上 で 違 法 なサービスを 提 供 していた 日 本MMO との 法 廷 闘 争 が、 本 年 1 月 29 日 に東 京 地 裁 にて 完 全 勝 訴 の 判 決 を 得 たことは、 法 治 国 家 として 当 然 とはいえ 近 来 にない 快 挙 でありましたし、 海 賊 行 為 への 音 源提 供 を 断 つ 技 術 的 手 段 を 求 めて、CCCDが 多 くの 会 員 各 社 から 本 格 的 に 発 売 され 始めたことは 心 強 いかぎりです。パッケージ、 配 信 を 問 わず、メディアのセキュリティがレコード・ビジネスの生 命 線 であることは 今 更 言 うまでも 無 いことで、 更 なる 安 全 を 求 めて「DVDMUSIC」などの 商 品 化 が 進 められていることは、また 一 歩 の 前 進 と 言 えます。協 会 創 立 60 周 年 を 機 に「RIAJ21 プロジェクト」が 結 成 され、 協 会 運 営 方 法 のドラスチックな 改 革 が 行 われました。 各 社 の人 的 負 担 を 軽 くしてなおかつ 仕 事 の 効 率 をあげるべく、46 もあった 委 員 会 および 部会 を 僅 か 4 つの 機 能 別 委 員 会 に 集 約 したわけで、 事 務 局 である 協 会 職 員 には 従 来 にない 仕 事 の 負 荷 がかかっておりますが、 皆よくその 本 質 を 理 解 して 任 に 堪 え、 本 人 自身 の 実 力 を 涵 養 すると 同 時 に 業 務 の 質 的 向上 を 齎 しつつあると 私 は 確 信 しています。新 しい 会 長 の 指 導 のもと、この 協 会 事 務局 は 更 に 力 を 蓄 え、 加 盟 各 社 ならびに 音 楽業 界 全 般 のお 役 に 立 つでありましょう。依 田 新 会 長 をはじめとする 新 しい 執 行 部と 協 会 事 務 局 に、 皆 様 からの 倍 旧 のご 支 援をお 願 い 致 しまして、 退 任 のご 挨 拶 といたします。ありがとうございました。会 長 在 任 期 間2000 年 4 月 ~2003 年 2 月( 平 成 12 年 4 月 ~ 平 成 15 年 2 月 )5


2003-2004歴 代 会 長 メッセージ第 18 代 会 長 依 田 巽 ( 株 )ドリーミュージック・ 代 表 取 締 役 会 長音 楽 創 造 のサイクルを 後 世 まで 絶 やさぬために—日 本 レコード 協 会 (RIAJ)はこの 10年 間 、「コンテンツ」「 知 的 財 産 」というキーワードを 推 進 力 に 様 々な 課 題 に 果 敢 に 挑 み結 果 を 出 してきた、 内 外 に 誇 れる 優 れた 業界 団 体 だと 思 っています。1 年 5 カ 月 の短 期 間 ではありましたが、 会 長 在 任 中 に 寄せられた 業 界 各 位 のご 協 力 、ご 理 解 に 改 めて 御 礼 申 し 上 げると 同 時 に 特 に RIAJ 職 員の 皆 さんの 労 をねぎらい、 当 時 の 印 象 的 な出 来 事 を 回 顧 したいと 思 います。「 知 財 」「コンテンツ」が 大 きな 潮 流 に2001 年 より4 年 間 、 音 楽 産 業 ・ 文 化 振興 財 団 (PROMIC)の 理 事 長 を 務 め、 日本 の 音 楽 の 海 外 展 開 の 重 要 性 については 対外 的 に 強 く 訴 えてきましたが、 民 間 の 自 助努 力 が 中 心 であり、 政 ・ 官 ・ 財 が 連 携 したダイナミックな 動 きはほとんど 見 られませんでした。しかしながら、2002 年 2 月4 日 、 小 泉 総 理 就 任 後 初 の 施 政 方 針 演 説 で知 的 財 産 立 国 宣 言 がなされ、レコード 産 業も 21 世 紀 の 日 本 を 方 向 付 ける 重 要 な 産 業のひとつに 位 置 付 けられました。 製 造 業 をエンジンに 成 長 を 続 けてきた 日 本 にとって非 常 に 大 きな 転 換 期 となり、 知 的 財 産 戦 略推 進 事 務 局 、 知 的 財 産 基 本 法 、コンテンツの 創 造 、 保 護 及 び 活 用 の 促 進 に 関 する 法 律等 、 異 例 のハイスピードで 政 ・ 官 のコンテンツ 産 業 振 興 の 体 制 作 りが 進 められていく中 、 私 は 故 富 塚 勇 会 長 よりバトンを 受 け 取り 2003 年 3 月 から 翌 年 8 月 まで 会 長 職を 務 めました。政 ・ 官 のコンテンツ 振 興 機 運 を 受 け、2003 年 8 月 には 日 本 経 済 団 体 連 合 会 ( 経団 連 ) 産 業 問 題 委 員 会 の 中 に「エンターテインメント・コンテンツ 産 業 部 会 」が 設 置され 部 会 長 に 就 任 しました。2003 年 当 時 、経 団 連 にコンテンツ 関 連 企 業 の 会 員 はごくわずかでしたが、RIAJ も 会 員 となり、 私は 部 会 長 としてレコード 業 界 のみならず、映 画 ・ 放 送 ・ 出 版 ・ゲームなどを 含 むすべてのエンタメコンテンツ 産 業 と 連 携 を 取 りながら、 国 への 提 言 などを 行 っていくことになりました。悲 願 の 還 流 防 止 措 置 立 法 化知 的 財 産 の 国 際 競 争 力 を 高 め、 産 業 として 振 興 していくためには、その「 創 造 」「 保 護 」「 活 用 」が 重 要 であるというコンセンサスのもと、 知 的 財 産 戦 略 推 進 事 務 局 にRIAJ からの 要 望 を 具 体 的 に 示 しました。その 柱 となったのは「 音 楽 レコードの 還 流防 止 措 置 」でした。アジア 諸 国 ではインターネットを 通 じてJ-POP カルチャーがリアルタイムで 伝 わるようになり、また 韓 国 の 文 化 開 放 の 動 きもあり、 日 本 の 音 楽 の 海 外 展 開 には 絶 好 のタイミングでした。 一 方 、 不 正 ダウンロードなどの 影 響 で 国 内 の 音 楽 ソフトの 売 り 上げは 減 少 の 一 途 を 辿 っており、 国 策 としてコンテンツ 産 業 を 振 興 するために 海 外 展 開は 絶 対 不 可 欠 でした。しかし、 例 えば 海 賊版 率 が 当 時 90%という 中 国 で 日 本 と 同 価格 の 正 規 盤 を 販 売 しても 結 果 は 明 白 ですし、 市 場 のポテンシャルを 見 込 んで 戦 略 的な 値 付 けをすると、その 安 価 な 海 外 発 売 盤が 日 本 に 還 流 して 日 本 のレコード 会 社 は 自らの 首 を 絞 めることになりかねないため、海 外 展 開 を 躊 躇 していました。音 楽 レコードの 還 流 防 止 措 置 実 現 までの過 程 については 本 誌 に 生 野 元 専 務 理 事 が 詳しく 寄 稿 されているのでそちらをご 覧 頂 きたいと 思 いますが、その 立 法 化 のために、音 楽 関 係 諸 団 体 との 一 層 強 固 になった 連 携関 係 、 音 楽 文 化 振 興 議 員 懇 談 会 、 音 楽 議 員連 盟 、コンテンツ 産 業 振 興 議 員 連 盟 をはじめとする 国 会 議 員 の 先 生 方 、そして 法 案 を作 成 された 文 化 庁 のご 尽 力 、 経 済 産 業 省 、知 的 財 産 戦 略 推 進 事 務 局 他 のお 力 添 えなどが 不 可 欠 であったことは 言 うまでもありません。消 費 者 団 体 、 公 正 取 引 委 員 会 、ネットユーザーやマスコミからの 反 対 の 声 に、RIAJ事 務 局 中 が 大 変 な 思 いで 対 応 に 追 われたことと 思 いますが、RIAJ 職 員 の 皆 さんが 共に 闘 ってくれたからこそ、 私 は 協 会 長 として 信 念 を 曲 げることなく、 説 明 し 続 けることができました。 特 に 印 象 に 残 っているのは 竹 島 一 彦 公 正 取 引 委 員 会 委 員 長 との 面 会です。「 還 流 防 止 措 置 は 再 販 制 度 と 二 重 の保 護 になるのでは」との 公 正 取 引 委 員 会 の意 見 を 受 け、 約 80 分 にわたる 説 明 を 行 い「 再 販 制 度 のないアメリカの 音 楽 パッケージ 市 場 はあと 5 年 で 崩 壊 するでしょう。日 本 の 音 楽 文 化 の 多 様 性 が 維 持 されている6


「 闘 う」 日 本 レコード 協 会のはこの 再 販 制 度 のおかげです」と 訴 え、後 に 了 承 を 得 ました。その 時 訴 えたことは間 違 っていなかったと 自 負 しています。法 案 は 閣 議 決 定 を 経 て 2004 年 3 月 7日 に 国 会 に 提 出 され、 同 年 4 月 15 日 には 参 議 院 の 文 教 科 学 委 員 会 に 参 考 人 として召 致 されました。ここで 欧 米 からの 輸 入 盤制 限 の 懸 念 について、 会 員 社 のご 協 力 を 得て 示 せるすべてを 誠 心 誠 意 、 説 明 しました。当 時 野 党 であった 民 主 党 の 参 議 院 議 員 の 鈴木 寛 先 生 が「 正 に 今 日 の 場 は 国 会 でございまして、 正 に、さらに 文 教 科 学 委 員 会 でございます。 日 本 国 続 く 限 り 今 日 の 議 事 録 は永 遠 に 残 るわけでありますが、その 席 で 依田 会 長 から 先 ほど、いわゆる 輸 入 盤 をめぐる 法 運 用 の 在 り 方 について 明 確 に 五 大 メジャーの 意 向 が 示 されたと。( 中 略 ) 極 めて 意 味 のあることではないかなというふうに 思 っております」とご 発 言 くださいました。この 言 葉 に 私 は 身 の 引 き 締 まる 思 いと同 時 に、ご 理 解 、ご 支 援 いただいてきた 全ての 方 の 思 いを 背 負 っていることを 改 めて心 に 刻 みました。 同 法 案 は 参 議 院 にて 全 会一 致 で 可 決 され、 同 年 6 月 1 日 の 衆 議 院文 部 科 学 委 員 会 にも 参 考 人 として 出 席 、6月 3 日 の 衆 議 院 本 会 議 で 可 決 されました。翌 2005 年 1 月 1 日 からの 施 行 を 前 に私 は 会 長 職 を 辞 しましたが、 佐 藤 修 会 長 に安 心 してその 先 の 運 用 をお 願 いし、レコード 会 社 悲 願 のアジア 本 格 進 出 の 道 が 開 かれました。 大 変 な 苦 労 ではありましたが、この 法 律 制 定 の 経 験 が 今 も RIAJ の 財 産 となり 活 きていると 聞 き、 大 変 嬉 しく 思 います。現 レコチョクの 成 功もう 1 点 、 印 象 的 だったのは 現 レコチョクの 成 功 です。データ 通 信 サービスを 推 進力 に 一 気 に 携 帯 電 話 の 利 用 に 弾 みがついた2000 年 以 降 、 着 信 メロディが 大 きな 市 場を 形 成 しましたが、 音 楽 を 制 作 、 宣 伝 しているレコード 会 社 には 全 く 収 益 にならないという 構 造 に 危 機 感 を 覚 え、またその 先 にある 音 源 そのものの 配 信 を 視 野 に 入 れて、レコード 会 社 が 原 盤 権 を 拠 にきちんとビジネス 還 元 を 得 られる 仕 組 みを 作 ろうと、2001 年 7 月 、エイベックス ネットワーク〈 現 ・AMI〉、ソニー・ミュージックエンタテインメント、ビクターエンタテインメントの 3 社 でレーベルモバイル〈 現 ・レコチョク〉を 設 立 し( 追 って 東 芝 EMI〈 現 ・EMIミュージック・ジャパン〉、ユニバーサル ミュージックも 出 資 )、 当 協 会会 員 を 中 心 に 14 社 共 同 で、 同 年 10 月 に着 信 メロディ 配 信 サイト「レコード 会 社直 営 ♪」をオープン。2002 年 12 月 にスタートした「 着 うた ®」 配 信 サービスは2003 年 に 大 ブレークし、ユーザーの 支 持を 得 ることができました。 音 楽 の 楽 しみ 方の 多 様 化 を 提 供 しつつ、 不 正 ダウンロードに 負 けないインパクトをレコード 業 界 が 先手 を 打 って 発 信 できたものと 自 負 しています。これは 当 協 会 の 事 業 ではありませんが、RIAJ の 活 動 を 通 じて 業 界 がよくまとまっていたからこそ、 機 を 逸 することなく 業 界横 断 の 事 業 プラットフォームを 構 築 できたのだろうと 思 います。2012 年 10 月 1 日 には 有 償 著 作 物 等の 違 法 ダウンロード 行 為 に 罰 則 を 科 す 改 正著 作 権 法 が 施 行 されることになりましたが、デジタル・ネットワーク 時 代 においてレコード 製 作 者 の 権 利 を 正 当 に 守 るための道 は 未 だ 半 ばです。しかし 日 本 は 音 楽 ソフトのフィジカル(パッケージ) 売 上 で 世 界一 、 配 信 を 含 めても 首 位 のアメリカと 僅 差と、 世 界 がうらやむマーケットとなりました。これは RIAJ がコンテンツ 産 業 のキープレーヤーとして、またレコード 産 業 のシンクタンク 機 能 を 持 つ 優 れた 業 界 団 体 として 機 能 してきたことによることが 大 きいと思 います。会 員 各 社 はこの 多 様 性 を 誇 る 日 本 の 音 楽創 造 のサイクルを 絶 やさぬよう、 目 利 きとプロデュース 力 、クリエイティビティを切 磋 琢 磨 し 結 果 を 出 すことで、RIAJ とレコード 産 業 を 支 えていただいた 皆 様 に 恩 返しするべきと 今 後 も 肝 に 銘 じていきたいと考 えています。会 長 在 任 期 間2003 年 3 月 ~2004 年 8 月( 平 成 15 年 3 月 ~ 平 成 16 年 8 月 )7


2004-2007歴 代 会 長 メッセージ第 19 代 会 長 佐 藤 修 ( 株 )ポニーキャニオン 相 談 役プレゼンスを 高 める- 打 って 出 る 日 本 レコード 協 会会 長 在 任 期 間2004 年 8 月 ~2007 年 6 月( 平 成 16 年 8 月 ~ 平 成 19 年 6 月 )前 任 の 依 田 会 長 は、 政 ・ 財 ・ 官 界 に 於 いて、 特 別 に 強 力 な 個 人 的 な 存 在 感 を 持 った、レコード 業 界 の 人 間 としては 唯 一 の 人 でした。その 依 田 さんから 急 遽 協 会 会 長 職 を 引き 継 いだ 私 としては、 彼 のパフォーマンスを 追 随 しようもなく、 私 なりの 会 長 を 務 める 事 になりました。引 き 受 けた 時 の 言 葉 は 「 喜 んでやる 訳 ではないが、やる 以 上 一 所 懸 命 やる」 でした。心 懸 けた 事 は、 外 部 との 折 衝 の 場 には 協 会長 の 立 場 で 積 極 的 に 参 画 し、RIAJ のプレゼンスを 高 める 事 。1972 年 に 洋 楽 宣 伝 課長 会 議 に 参 加 以 来 、 業 務 委 員 、 理 事 、 副 会長 として 各 種 委 員 会 の 委 員 、 委 員 長 を 務 めてきたので、RIAJ で 経 験 した 仕 事 量 は、誰 にも 負 けない 自 負 はありました。それら経 験 を 通 して 私 が 持 っていた RIAJ の 理 解は 次 の 様 なものでした。発 足 時 の RIAJ は、 音 楽 業 界 に 於 いて 圧倒 的 な 立 場 でした。その 後 多 くの 権 利 者団 体 が 設 立 され、 相 対 的 にその 絶 対 的 地位 からいささか 退 いたとは 言 え、RIAJ の持 つ 歴 史 は 業 界 団 体 としては 最 古 であり、RIAJ の 従 業 員 数 、 年 間 予 算 は 最 大 です。また、 理 事 会 、 執 行 委 員 会 以 下 各 協 会 加 盟社 社 員 で 各 種 委 員 会 を 構 成 し、その 委 員 会が 実 行 する 事 業 に 多 くのエネルギーを 費 やしてきました。以 上 の 様 な 条 件 から RIAJ は 自 分 達 で 計画 を 立 て、 会 員 社 の 会 費 による 少 なからぬ予 算 により、 会 員 社 が 協 同 で 事 業 を 実 行 する 事 が 出 来 る 自 己 完 結 能 力 を 持 った 団 体 でした。 他 者 に 金 銭 の 補 助 を 受 けず、 自 分 達だけで 事 業 を 進 められる 協 会 だったのです。ところが 大 きな 変 化 がおきました。2002 年 に 政 府 が 知 財 立 国 宣 言 をしたのです。 従 前 の 重 厚 長 大 な 産 業 から、 知 財 -コンテンツによる 立 国 が 方 向 づけられたのです。政 府 が 方 向 を 示 すと、 各 省 はそれに 基 づいて 各 々が 計 画 を 立 案 します。 文 部 科 学 省は 当 然 として、 特 に 産 業 の 側 面 から 経 済 産業 省 は 様 々な 施 策 を 打 ち 出 しますし、 海 外との 問 題 から 外 務 省 も 独 自 の 案 を 示 します。 依 田 さんの 時 代 は 依 田 さんの 固 有 の 力で 対 応 出 来 たのですが、 私 にはその 裏 付 けはありません。 政 府 関 係 者 と 話 してみると、海 外 進 出 のコンテンツと 言 って 頭 にあるのは、アニメ・マンガ・ゲーム・ファッション・映 画 等 で、どうも 音 楽 はそれらの 付 随 と 考えられている 感 じがしたのです。 各 省 が 動き 出 すという 事 は、 金 を 使 って 事 業 をするという 事 です。その 中 に 入 れないで、 大 きな 動 きから 置 いてけぼりを 食 う 不 安 を 感 じました。そこで、「 打 って 出 る 日 本 レコード 協 会 」を 標 榜 し、あらゆる 機 会 に 積 極 的 に 参 加 し、発 言 する 事 に 努 めました。 文 化 庁 文 化 審 議会 著 作 権 分 科 会 委 員 は 当 然 として、 今 迄 になかったコンテンツ 海 外 流 通 促 進 機 構 副 代表 幹 事 、 外 務 省 海 外 審 議 会 委 員 、 経 産 省 コンテンツグローバル 戦 略 研 究 会 委 員 、 映 像産 業 振 興 機 構 ( 対 象 に 音 楽 も 含 まれている)の 理 事 に 任 命 され、 全 ての 会 議 に 出 席 し 主張 しました。 彼 等 からすると 小 さな 産 業 団体 である RIAJ、 及 びレコード 業 界 への 理解 を 深 めてもらう 必 要 がありました。これらの 活 動 が 一 挙 に 効 果 として 表 れたかどうかはともあれ 彼 等 が 政 策 を 検 討 する時 に 音 楽 も 入 れなくてはいけないという 意識 を 持 つ 事 にはそれなりの 役 割 を 果 たした8


と 思 っています。政 府 の 知 財 立 国 宣 言 以 前 、 協 会 長 の 海 外出 張 は、IFPI( 国 際 レコード 産 業 連 盟 )の理 事 会 出 席 が 主 でしたが、 宣 言 以 降 はそれからの 日 本 のコンテンツ 産 業 にとって 非 常に 重 要 な 中 国 、 韓 国 への 出 張 機 会 が 一 挙 に増 えました。 在 任 中 、 中 国 は 五 回 訪 問 しましたが、その 多 くは 博 覧 会 、イベントへの参 加 でした。2005 年 に 北 京 で 開 催 された経 済 産 業 省 主 体 の 対 中 官 民 合 同 ミッションは、 官 民 が 合 同 で 中 国 政 府 に 協 力 と 要 請 を行 うもので、「 国 際 知 的 財 産 保 護 フォーラム」 は 非 常 に 興 味 深 いものでした。 多 品 目の 海 賊 版 に 関 する 議 題 が 中 心 でしたが、 経産 省 の 官 僚 の 仕 事 の 詰 め 方 を 大 変 頼 もしく感 じました。 固 より 数 多 くある 問 題 がそれらの 事 で 一 挙 に 解 決 する 訳 ではないのですが、 会 談 を 重 ねる 事 で 人 間 関 係 が 構 築 され、 信 頼 関 係 が 生 まれるのは 大 切 な 事 だと感 じました。2007 年 に 中 国 政 府 は、 日 本のレコードの 中 国 での 発 売 について、IFPIに 代 わって RIAJ を 認 証 団 体 に 認 可 しますが、これもそれらの 活 動 の 賜 物 と 考 えています。2006 年 にソウルの 韓 国 文 化 コンテンツ振 興 院 (KOCCA)を 訪 問 した 時 は 大 変 驚かされました。 韓 国 のハード 産 業 の 業 種 別の 国 際 マーケット・シェア( 例 えば、 自 動 車 、電 気 製 品 等 )を 示 し、それらの 高 い 数 字 に比 し、コンテンツ 産 業 のシェア( 例 えば 映画 、 音 楽 等 )の 低 さを 並 べ、 院 長 は 自 分 の仕 事 は、この 低 いコンテンツ 産 業 のシェアをハード 産 業 並 みに 上 げる 事 だと 明 言 し、その 為 には 業 種 毎 の 戦 略 を 立 て、 政 府 の 予算 を 含 んだ 全 面 的 な 後 押 しは 約 束 されていると 自 信 満 々に 説 明 するのです。その 時 は半 信 半 疑 で 聞 いていましたが、その 後 の 発展 を 見 ると、それらが 本 気 だったと 理 解 しました。前 述 の KOCCA が 推 進 するコンテンツ 振興 策 の 充 実 振 りに 脅 威 を 感 じて 日 本 経 団 連エンターテインメント・コンテンツ 産 業 部会 部 会 長 の 依 田 さんが 中 心 になり、RIAJ が主 査 として、 各 コンテンツ 産 業 の 業 種 をまとめたポータル・サイトを 立 ち 上 げました。前 に 述 べましたが、2002 年 に 政 府 が 知財 立 国 宣 言 をして 以 来 、 毎 年 知 的 財 産 戦略 本 部 が 推 進 計 画 を 発 表 します。その 中に RIAJ の 要 望 を 出 来 るだけ 多 く 反 映 してもらう 事 が 課 題 になります。しかし、 各 業種 横 断 する 具 体 的 な 提 案 はなかなか 難 しく、 一 方 レコード 業 界 に 特 化 した 事 業 は、RIAJ が 自 己 完 結 型 の 団 体 として 永 年 活 動して 来 た 為 に 他 者 の 金 を 引 っ 張 り 出 して 事業 を 進 めるという 発 想 に 欠 けている 体 質だった 事 もあり、いきおい 著 作 権 思 想 の 普及 という 様 な 抽 象 的 なテーマになりがちでした。そこで 考 え 出 したのが 古 い SP 原 盤アーカイブのデジタル 化 です。この 件 については 前 から 問 題 意 識 を 持 っていました。レコード 業 界 にとっては 大 事 なテーマであるものの、 内 容 的 に 深 く 関 わる 会 社 と 全 く関 係 ない 会 社 の 差 が 激 しく、RIAJ が 予 算をつけて 行 う 事 業 かどうかについては 悩 ましく、 結 論 が 出 しにくかったのです。そこで 2007 年 に、 文 化 庁 に 提 案 して、予 算 を 頂 き、 各 権 利 者 団 体 と 歴 史 的 音 盤アーカイブ 推 進 協 議 会 (HiRAC)を 創 設 し、事 業 化 を 進 めました。 時 期 的 に、SP 原 盤が 散 逸 、 金 属 盤 の 腐 敗 という 問 題 から 最 後の 機 会 に 間 に 合 った 事 は 幸 いでした。 現 在 、デジタル 化 した 音 源 の 国 会 図 書 館 等 での 試聴 回 数 が 大 きく 上 昇 している 事 は 大 変 喜 ばしいことです。このプロジェクトは、 私 がポニーキャニオンという SP 音 源 を 持 っていない 会 社 の 社 長 だったことが RIAJ 内 で説 得 力 を 持 ったと 思 っています。悩 ましかった 問 題 は、 海 外 メジャーからレコードの 公 衆 演 奏 権 の 確 立 と、 徴 収 を 強く 迫 られた 事 です。 予 想 される 作 業 量 によるコストと 収 入 を 考 えると 大 きなメリットが 考 えられず、 特 別 な 対 策 は 立 てられませんでした。やり 残 した 事 は 沢 山 ありますが、 一 番 残念 なのは 放 送 二 次 使 用 料 の 水 準 が、 著 作 隣接 権 者 という 事 で、 著 作 権 者 より 相 当 低 い事 の 是 正 です。レコードが 放 送 で 使 用 されるときの 権 利に 関 して、 著 作 権 法 上 は、 著 作 権 者 は 許 諾 権 、隣 接 権 者 は 報 酬 ( 二 次 使 用 料 ) 請 求 権 を 持 っており、 権 利 の 性 質 に 違 いがあります。その 違 いなどを 理 由 として、 放 送 事 業 者 から隣 接 権 者 に 支 払 われる 放 送 二 次 使 用 料 額 の水 準 は、 著 作 権 と 隣 接 権 の 対 象 範 囲 の 違 いを 考 慮 しても、 著 作 権 者 に 支 払 われる 使 用料 水 準 に 追 い 付 いていないと 言 わざるを 得ません。しかし、 放 送 局 が 放 送 事 業 を 成 立させるためにはレコードが 不 可 欠 です。 良い 音 楽 に 良 い 詞 と 曲 は 不 可 欠 ですが、それだけでは 事 業 は 前 に 進 みません。そして、作 品 を 商 品 にするために、レコードを 制 作し、 製 造 し、 宣 伝 するレコード 会 社 の 投 資によって 仕 組 みが 成 立 しているのです。このような 観 点 から、 隣 接 権 者 に 支 払われる 放 送 二 次 使 用 料 の 水 準 は 著 作 権 者と 同 等 であって 然 るべきと 考 えていますが、 前 に 進 めることができなかったのが残 念 です。9


2007-2011歴 代 会 長 メッセージ第 20 代 会 長 石 坂 敬 一 ( 株 )ワーナーミュージック・ジャパン 代 表 取 締 役 会 長 兼 CEOスローガンは、“ 主 張 するR IAJ、 行 動 するRIAJ”コード 産 業 の 再 生 と 更 なる 発 展 、つまりパッケージとデジタルの 共 生 的 発 展 を 何 とか 実 現 しよう、という 大 きなテーマが 第 一の 課 題 です。そして 違 法 ダウンロードの 撲の 難 問 を 関 係 者 各 位 は 驚 くほどの 能 力 、 誠実 さ、 責 任 感 、そしてチームワークで 乗 り越 えました。この 産 業 界 の 人 材 の 確 かさとキャパシティに 改 めて 感 服 した 次 第 です。滅 、が 第 二 の 題 材 。2010 年 1 月 1 日 か2007 年 7 月 より 2011 年 5 月 まで 会長 を 務 めさせていただきました。 私 が 東 芝EMI 時 代 に 仕 えてきた 二 人 の 偉 大 なる 先達 、 高 宮 さんと 乙 骨 さんの 到 達 した 職 責 を自 分 が 踏 襲 するというのを 考 えると、 不 思議 な 感 慨 を 味 わったことを 憶 えています。100% 外 資 の 会 社 からは 協 会 長 を 出 さないほうがいいと 思 う、と 自 分 で 言 っていたのに 自 分 がなるのは 首 尾 が 一 貫 しないことだな、と 悩 んだこともありました。1 レコード 産 業 個 社 の 権 益 と 立 場 をまもる2レコード 産 業 個 社 の 発 展 と 挑 戦 を 支 援 する3 協 会 がすぐれたシンクタンクとなるの 三 つを 目 標 におきました。これは 2000年 頃 の 故 富 塚 会 長 の 意 をほぼ 継 ぐものであったわけです。その 目 標 達 成 のためには積 極 的 な 姿 勢 、 優 秀 なプロパーの 確 保 と 育成 、そして 議 論 の 場 が 必 要 です。スローガンは、“ 主 張 する RIAJ、 行 動 する RIAJ”としました。課 題大 きな 課 題 は 三 つです。(デジタル 時 代を 迎 えつつも)パッケージを 中 核 とするレら 発 効 した 新 レギュレーション「 違 法 アップロードからダウンロードしたら 違 法 」のルールの 成 立 は 大 きな 前 進 でしたが、あくまでも 啓 蒙 的 措 置 であり、 罰 則 規 定 は 依 然ありませんでした。 今 般 、 罰 則 規 定 が 定 められたのは 大 変 な 出 来 事 です。 著 作 権 保 護思 想 からも 道 徳 律 確 立 の 点 からも 音 楽 創 造のサイクル 蘇 生 の 面 からも、とに 角 とてもいいことです。 国 会 議 員 、 官 僚 の 皆 さんの努 力 、 協 会 および 関 連 団 体 の 方 々の 主 体 的行 動 と 協 力 に 深 く 感 謝 します。さて 三 つ 目は 財 政 再 建 です。IFPI の 年 会 費 を 下 げてもらうことと、 会 員 社 を 増 やすこと、それと 年 収 増 強 のための 収 益 の 上 がるチャンネルの 新 たなる 解 釈 による 確 保 です。ジョン・ケネディ IFPI 会 長 には 無 理 強 を 聞 いてもらい 気 の 毒 なことをしましたが、IFPI 年会 費 はとにも 角 にも 下 げることに 成 功 しました。 協 会 役 員 の 皆 さんの 力 技 は 大 したものでした。レコード 券 ( 音 楽 ギフトカード) 停 止これは 辛 いことでした。レコチョクさん、ソニー・ミュージックさんの 大 いなる 協 力 、数 社 からの CFO クラスの 人 材 の 頭 脳 とアイディアの 提 供 をいただいて、レコード 券ビジネスの 廃 業 と 混 乱 制 止 、 整 理 を 完 逐 することができました。 事 例 研 究 、 法 律 の 解釈 、 金 融 の 諸 問 題 、 顧 客 に 対 する 諸 事 項 の説 明 、 一 般 に 告 知 する 広 報 の 在 り 方 、 等 々海 外 活 動IFPI 関 係 ではロンドン、ニューヨーク、香 港 、その 他 では 上 海 、 北 京 などを 訪 れました。IFPI の 会 長 を 務 めていたジョン・ケネディ 氏 は 元 々 弁 護 士 で、1990 年 代 にアラン・レヴィー 社 長 の 招 きでポリグラム・UK の 社 長 に 就 いた 人 でして、 結 構 気 のおけない 付 きあいをしたもんです。ケネディは 銀 座 のうかい 亭 の 鉄 板 焼 きステーキが 大好 きで、ロンドンのピカデリーにも 大 きな BENIHANA・レストランができたので今 度 一 緒 に 行 こう、と 言 っていたのにアッという 間 に 辞 めてしまったので 叶 いませんでした。IFPI 会 議 では、 日 本 のことは 日本 独 自 に RIAJ がやる、IFPI の 基 準 を 押しつけないように、と 強 く 主 張 しました。現 RIAJ 理 事 の 畑 さんは 大 活 躍 でした。 美麗 なプチ・ホテル THE DUKES のバーでIFPI 会 議 の 日 本 側 成 功 を 祝 って 畑 さんとウォッカ・マティーニを 飲 んだのはいい 思い 出 です。ルシアン・グレンジ 社 長 、マックス・ホール 西 欧 ・ 日 本 地 域 社 長 などのユニバーサル 勢 も IFPI でよく 働 くので 感 心しました。 会 議 においては 大 きな 声 でよく喋 ることが 必 要 なんだな、と 改 めて IFPI会 議 で 気 付 きました。ニューヨークではソニービルの、かの 有 名 な 迎 賓 室 を IFPI 会議 用 に 借 りられたのでイイ 気 分 でした。この 豪 華 な 特 別 室 で 盛 田 さんや 大 賀 さんが 日本 パワーを 発 揮 したのだ、と 思 うと 感 慨 ぶ10


としました。かいものがありました。北 京 や 上 海 では 北 京 音 楽 情 報 センター(JAMIC・ 当 時 )の 朱 根 全 さんにお 世 話 になり、 色 々 教 えてもらいました。 中 国 国 家版 権 局 の 役 人 と 会 議 をしたり、2008 年 の上 海 万 博 を 見 学 したり、 日 本 館 の 人 気 に 嬉しくなったり、 演 説 をしたり、とかなり 忙しかったです。 事 務 局 の 阿 部 さんの 顔 の 広さには 随 分 と 助 けられました。本 格 的 な 高 級 中 国 料 理 を 経 験 した 時 には、 日 本 のそれとは 大 分 異 なるので 印 象 的でした。シウマイとか 海 老 チリなどは 全 くなく、マーボドーフも 出 ません。 知 らない料 理 ばかりで、 中 でもとりわけ 大 きいナマコには 驚 きました。12 センチくらいの 長さで 2 ~ 3 センチの 太 さ。 毛 もついています。 我 慢 して2 本 食 べたら 同 席 の 日 本 人も 中 国 人 も“お 好 きのようなので 是 非 !”と 皆 私 にくれるので 参 りました。ナマコは中 国 では 大 層 贅 沢 な 食 材 なのだそうです。予 想 しておりましたが 中 国 人 は 白 酒 (バイチュウ)で 乾 盃 をやるのが 習 慣 ですね。白 酒 は 50 ~ 60 度 のアルコール 度 で、 小さいおちょこで 飲 むとはいえ、 強 烈 です。40 代 、50 代 の 男 性 が 飲 みっこを 仕 掛 けてきましたが 私 もウォッカやジンで 日 頃 きたえていますので、 勿 論 応 じました。“ 中国 の 名 誉 のために 勝 つ”とスピーチして 飲むので、かなり 大 袈 裟 です。10 杯 くらいで 大 体 勝 ちました。 何 にせよ 競 争 は 面 白 いことです。山 田 公 使 と 一 緒 に 審 査 員 をした“ 中 国 人による 日 本 語 歌 唱 の 日 本 の 歌 コンテスト”も 興 味 津 々でした。 嵐 のレパートリーやB’z の 歌 を 中 国 の 若 者 がとても 上 手 に 歌 います。 中 国 人 にこれ 程 日 本 のポップスが 浸透 しているのか、と 感 動 した 次 第 であります。交 流音 楽 文 化 振 興 議 員 懇 談 会 会 長 の 島 村 宜 伸先 生 とは 協 会 の 役 員 等 と 共 に 食 事 会 、 飲 み会 、 民 謡 の 会 、パーティなどで 多 面 的 に 御交 誼 を 頂 戴 しました。 先 生 の 麻 生 総 理 大 臣に 対 する 篤 いコーチングは 政 治 家 として 見事 なものだったが、 音 楽 文 化 興 隆 のための我 々に 対 する 御 指 導 も 有 難 かった。 先 生 は持 ち 前 の 江 戸 っ 子 的 男 らしさで 必 ず 約 束 をまもり、ベットラ・デ・オチアイ( 今 や 人気 で 予 約 のとれないレストラン)や 銀 座 の割 烹 などに 連 れていってくださった。 日 本酒 を 傾 けつつ 中 曽 根 大 勲 位 のことや 政 治 諮議 を 伺 うのはとても 楽 しかったと 記 憶 しています。杉 良 太 郎 さんと 知 り 合 えた、といいますか 仕 事 を 通 じて 情 誼 を 頂 いたのも 特 別 の 経験 でした。 東 日 本 大 震 災 の 際 、 難 儀 する 方 々を 励 まし、 炊 きだしを 提 供 する 行 為 には 感服 したものですが、その 杉 さんが 違 法 ダウンロード 撲 滅 を 目 的 に 罰 則 規 定 立 法 化 に 向けて 協 会 をサポートしてくれ、 強 力 なロビイングをやって 下 さったのは 千 軍 万 馬 の 味方 を 得 たも 同 然 でした。 正 義 漢 そのもので、困 っている 人 をみると 助 けないわけにはいかぬ、という 杉 さんは、まさに 男 が 惚 れる男 そのもの、でした。終 わりに4 年 弱 の 会 長 任 務 はやり 甲 斐 のあるものでした。 私 はこの 間 に「 共 棲 のマーケティング」と「 棲 み 分 けのマーケティング」を構 築 し、CD パッケージとデジタルの 双 方の 発 展 を 期 しました。 然 し、ことは 容 易 である 筈 もなく、 今 現 在 (2012 年 7 月 )、CD パッケージと DVD は 比 較 的 好 調 でありますが、デジタル・ビジネスは 厳 しい 状況 にさらされています。でもイイ 感 じも 出現 しています。アイドル 系 ビジネスの 隆 盛 、これは CD、DVD、デジタルと 多 岐 にわたって 好 調 です。それに 加 えて“ 大 人 ミュージック(エイジ・フリー)”も 益 々 拡 大 しています。 又 、 洋 楽 も 含 めて“ストラテジック・カタログ” 展 開 は 軌 道 にのってきました。円 高 、デフレ、 少 子 高 齢 化 、 増 税 、 発 電量 問 題 、 更 にはギリシャ 金 融 危 機 に 端 を 発する 欧 州 の 経 済 問 題 、 中 国 問 題 、 世 界 不 況 、と 難 題 は 果 てしなくあります。けれど 困 難はいつの 時 代 にもあるのです。 問 題 に 打 ち勝 つか、 馴 れて 内 包 化 してしまえばいい( 場合 も 多 い)のです。 為 替 や 貿 易 差 損 、 資 源問 題 もほとんどない 平 和 的 な 産 業 分 野 が 音楽 ビジネス、 著 作 権 ビジネスです。 叡 智 を尽 くして、できれば 楽 観 的 に 新 たな 成 功 に挑 戦 しましょう。RIAJ の 大 活 躍 に 期 待 します。会 長 在 任 期 間2007 年 7 月 ~2011 年 5 月( 平 成 19 年 7 月 ~ 平 成 23 年 5 月 )11

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