Amoeba proteusの収縮胞の水集積におけるアクアポリンの役割 Role of ...
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Jpn. J. Protozool. Vol. 40, No. 1. (2007)55いて, 等 張 液 を 灌 流 した。その 際 の 収 縮 胞 の 体 積 変化 を 測 定 した。さらに,この 結 果 より, 収 縮 胞 膜 の水 透 過 係 数 を 求 めた。分 子 学 的 手 法 を 用 いてA. proteusからにアクアポリン 遺 伝 子 (ApAQP)のクローニングを 行 った。 続 いて,ApAQPをもとにアミノ 酸 配 列 を 決 定 し,C 末 側に 対 するポリクローナル 抗 体 を 作 製 した。A. proteusのtotalタンパク 質 を 用 いて 抗 ApAQP 抗 体 に 対 するウエスタンブロットを 行 った。さらに,この 抗 体 を 用いて 細 胞 染 色 を 行 い, 分 布 を 調 べた。[ 結 果 と 考 察 ] 収 縮 胞 内 への 水 集 積 機 構 を 調 べるために, 単 離 した 収 縮 胞 周 辺 の 外 液 の 浸 透 圧 を 変 化 させ,その 時 の 体 積 変 化 を 調 べた。 高 張 液 を 灌 流 すると,その 体 積 は 急 速 に 減 少 した。 続 いて, 等 張 液 を灌 流 すると, 膨 張 したが,もとの 体 積 には 戻 らず 破裂 した。このことから, 収 縮 胞 膜 が 半 透 性 であることがわかった。Parameciumにおいて 収 縮 胞 内 の 無 機イオン 活 性 が 高 いことが 報 告 されている(3)。これらのことより, 浸 透 圧 差 を 利 用 した 収 縮 胞 内 への 水 の集 積 が 示 唆 される。さらに, 前 述 した 結 果 より, 収縮 胞 膜 の 水 透 過 係 数 を 求 めると,1.06 (μm/sec・OsM)であった。これは 赤 血 球 やカエル 卵 における 細 胞 膜の 水 透 過 係 数 に 近 い 値 であった(4)。これらの 細 胞 膜には 水 チャネルであるアクアポリンが 存 在 することが 知 られており,A. proteusの 収 縮 胞 の 膜 にもアクアポリンが 存 在 する 可 能 性 が 示 唆 された。そこで, 分 子 学 的 手 法 を 用 いてA. proteusからアクアポリン 遺 伝 子 ( 以 下 ApAQP)の 単 離 を 試 みた。その 結 果 ,AQP 様 遺 伝 子 が 得 られ,それから 推 測 されるアミノ 酸 配 列 にはAQPに 特 異 的 に 存 在 するNPAモチーフを2ヶ 所 もち,6 回 膜 貫 通 型 タンパク 質 であることがわかった。さらに, 単 離 したApAQPのmRNAを 顕 微 注 射 したXenopus 卵 において, 水 輸 送 活 性 が 上昇 したことから, 今 回 単 離 した 遺 伝 子 は 水 チャネルとして 機 能 するAQPをコードしていることが 示 された。さらにこのApAQPのC 末 側 の 配 列 をもとに 抗 体を 作 製 し, 免 疫 学 的 解 析 を 行 った。 抗 ApAQP 抗 体 を用 いてイムノブロットを 行 った 結 果 ,32 kDa 付 近 にシングルバンドが 確 認 できた。これはApAQP 遺 伝 子から 推 定 される 分 子 量 と 一 致 した。さらに, 抗ApAQP 抗 体 を 用 いて 細 胞 染 色 を 行 った 結 果 , 収 縮 胞膜 のみに 蛍 光 が 確 認 できた。これらのことらか,ApAQPは 収 縮 胞 への 水 の 集 積 に 関 与 していることが考 えられた。[ 文 献 ]1. Shimmen, T. and MacRobbie, E. A. C. (1987) PlantCell Physiol., 28: 1023-10372. Nishihara, E., Shimmen, T., and Sonobe, S. (2004) CellStruct. Funct., 29: 85-903. Stock, C., Gronlien, H.K., Allen, R.D., and Naitoh, Y.(2002) J. Cell Sci., 115: 2339-23484. Tazawa, M., and Shimmen, T. (1981) Regulation <strong>of</strong>water and ions. Kumazawa, K. Asakusashoten, TokyoJapan. p.p. 18-77.太 陽 虫 Actinophrys solにおけるグルカン 結 合 タンパク 質 GP40のcDNAクローニング角 田 宗 一 郎 , 洲 崎 敏 伸 ( 神 戸 大 ・ 理 ・ 生 物 )cDNA cloning <strong>of</strong> a putative glucan binding protein GP40from the heliozoon Actinophrys solSoichiro KAKUTA and Toshinobu SUZAKI (Dept. Biol., Fac. Sci., Kobe Univ.)SUMMARY