CNT/SiO2 è¤‡åˆä½“ã®å¼·ç£å ´ä¸‹ã§ã®æˆè†œ

CNT/SiO 2 複 合 体 の 強 磁 場 下 での 成 膜Preparation of CNT/SiO 2 Composite Film by Dip-coatingunder High Magnetic Field産 総 研北 村 直 之 , 福 味 幸 平 , 西 井 準 治東 北 大 ・ 金 研 高 橋 弘 紀 , 茂 木 巌 , 淡 路 智 , 渡 辺 和 雄N. Kitamura 1 , K. Fukumi 1 , J. Nishii 1 , K. Takahashi 2 , I. Mogi, S. Awaji 2 and K. Watanabe 21 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology2 Institute for Materials Research, Tohoku University1. はじめに磁 気 配 向 効 果 を 用 いた 異 方 性 複 合 材 料 の 作 製 技 術は、 電 極 や 導 電 膜 などの 電 子 材 料 、 偏 光 子 や 光 触 媒 などの 光 機 能 材 料 、 化 学 機 能 材 料 など 様 々な 分 野 への利 用 が 期 待 できる。 我 々は、 過 年 度 の 研 究 で 液 晶 分 子が 配 向 した 透 明 シリカハイブリッドのバルク 体 作 製 に 成功 した[1-2]。 本 研 究 は 磁 場 効 果 を 利 用 し、 強 磁 場 中で 異 方 性 複 合 体 膜 を 作 製 することを 目 的 としている。このような 異 方 性 膜 の 連 続 的 製 作 が 可 能 となれば 素 子 やデバイス 作 製 への 展 開 が 広 がる。 昨 年 度 我 々は、 強 磁場 中 で 運 転 可 能 なディップコーティング 装 置 の 開 発 を行 った。 本 研 究 では、 開 発 したディップコーティング 装置 を 用 いてカーボンナノチューブ(CNT)/SiO 2 複 合 体 膜を 作 製 した。カーボンナノチューブは 導 電 性 のワイヤーであり 光 の 波 長 よりチューブ 径 が 小 さい 場 合 、ワイヤーの 方 向 と 偏 光 の 方 向 に 対 して 異 なった 反 射 ・ 透 過 が 生じる。これが 配 列 すれば、いわゆるワイヤーグリッド 型 偏光 子 として 利 用 が 期 待 できる。 本 報 告 では、 複 層 ナノチューブ(MWCNT)を 分 散 したシリカ 複 合 体 の 成 膜 実験 について 報 告 する。2. 実 験 方 法膜 の 製 造 方 法 には、 気 相 法 と 液 相 法 の 二 種 類 があるが、ハイブリッドの 作 製 を 目 指 すことから、 液 相 法 による成 膜 が 適 しており、かつ 液 相 法 の 中 でも 磁 場 中 でも 比較 的 静 的 に 成 膜 できるディップコーティング 法 を 選 択 した。Fig.1にディップコーティング 装 置 のブロックダイアグラムを 示 す。 装 置 は 恒 温 槽 とコーティングを 行 うインサートで 構 成 されている。ボトリングされたコート 原 液 に 基 板を 上 下 させることにより 成 膜 を 行 う。製 膜 プロセスのブロックダイアグラムを Fig.2 に 示 す。ガラスゲル 膜 には TEOS (tetraethoxysilane)を 原 料 として用 い、 加 水 分 解 とそれに 続 く 縮 合 重 合 によりシリカネットワークが 形 成 される[1-2]。ゾルの 加 水 分 解 後 に、 外 径40-70nm、 長 さ 0.5-2µm の 複 層 カーボンナノチューブ(MWCNT:Aldrich 636843)をゾル 液 に 対 して 12wt% 投入 した。CNT は 低 pH 液 中 では 凝 集 沈 殿 するため、アンモニアで 中 和 するとともに、 分 散 剤 として Triton-X100 を数 滴 滴 下 した。ゾルは 中 和 と 共 に 縮 合 重 合 を 開 始 するため、20℃に 温 調 された 恒 温 槽 に 投 入 し 成 膜 を 行 った。基 板 には 厚 さ 1mm の 石 英 ガラス 板 を 用 い、 引 き 上 げ 速度 は 0.4mm/sec であった。なお、 引 き 上 げ 時 の 雰 囲 気に 溶 媒 成 分 のアルコールが 少 ない 場 合 、 膜 の 表 面 が 荒れることが 前 年 度 にわかったので、 成 膜 前 に 雰 囲 気 中にアルコールを 気 化 させた。 引 き 上 げ 後 、 大 気 中 50℃で 膜 を 乾 燥 させ 測 定 試 料 とした。TEOS+Et-OHPhTEOS+Et-OHThermostatic chamberMotor driveMotor ControllerSTIRRING 3hoursSTIRRING 3hoursH 2 O+Acetic acidMWCNTNH 3aq.Driving shaftDip-coating unitSubstrateSample bottleDIP COATINGH=0~13.2TDriving speed:0.4mm/sCirculation systemCSM-15TPower supplyDRYINGFig.2 A flow chart of preparation of compositefilm by dip-coating under high magnetic field.Helium-free MagnetFig.1 Block diagram of dip-coating system underhigh magnetic field.2. 実 験 結 果 と 考 察Fig.3 に 5 回 の 引 き 上 げで 成 膜 されたハイブリッド 膜 の外 観 を 示 す。 膜 厚 は 約 400nm であり、 一 回 の 引 き 上 げ

で 約 80nm の 膜 が 形 成 されることがわかった。ナノチューブの 外 径 とほぼ 同 じであり、 分 散 粒 子 のサイズに支 配 されていることを 意 味 する。 膜 の 表 面 粗 さは 50nm程 度 でこれも 分 散 粒 子 のサイズの 影 響 を 受 けている。これらは、ゾル 溶 液 の 粘 性 が 低 くく、ゾルはナノチューブの 間 を 連 結 している 状 態 であると 考 えられた。ないことが 電 子 顕 微 鏡 観 察 からわかった。このことが、偏 光 異 方 性 を 弱 めていると 考 えられる。Transmittance0.80.60.4non-doped FILMCNT-doped FILM(HH)CNT-doped FILM(HV)10mmFig.3 Photograph of dried MWCNT/SiO 2 compositefilm prepared by dip-coating under highmagnetic field (5 dips under 13.2T).10 回 のコーティングにより 得 られた 膜 ( 膜 厚 : 両 面 で1.5µm)の 光 学 特 性 の 評 価 を 行 った。 磁 場 は 基 板 の 長手 方 向 、つまり、 引 き 上 げ 方 向 と 同 じ 向 きに 印 加 されたので、 長 手 方 向 (V)に 対 して 平 行 の 偏 光 (V)と 垂 直 の偏 光 (H)に 対 する 透 過 特 性 を 測 定 した。Fig.4 に 可 視 から 紫 外 域 における 透 過 スペクトルを 示 す。300nm 以 下 の紫 外 域 は 装 置 の 測 定 限 界 のため 透 過 率 が 減 少 している。HV と HH で 偏 光 の 異 方 性 が 確 認 された(2.2%の 透過 率 差 /1.5µm)。 減 衰 比 は 透 過 波 長 域 において 一 定 でありワイヤーグリッド 型 の 特 徴 を 示 した。 複 合 体 膜 に 偏光 特 性 が 現 われたことは、 磁 場 によってナノチューブに配 向 性 がもたらされたことを 意 味 する。しかしながら、その 偏 光 特 性 は、 全 体 の 透 過 率 の 減 少 度 から 考 えても 小さい。 使 用 したナノチューブが 長 尺 繊 維 であり 直 線 状 で0.2300 400 500 600 700Wavelength/nmFig.4 HH and HV transmission spectra of theMWCNT/SiO 2 composite film in the UV-VISregion. Dashed line represents silica dried gelfilm.4. まとめ強 磁 場 下 で 使 用 できるディップコーティング 装 置 を 用いて 複 層 カーボンナノチューブを 分 散 したシリカ 複 合 体の 成 膜 に 成 功 した。ナノチューブの 分 散 状 態 、ナノチューブの 形 状 やゾルの 粘 性 など 成 膜 に 関 しては 課 題が 残 されており、これらが 解 決 されれば 良 質 な 光 学 膜 を作 製 することが 可 能 となり、 分 散 粒 子 の 配 向 効 果 がより顕 著 になるものと 考 えられる。参 考 文 献[1] 北 村 、 福 味 、 西 井 、 高 橋 、 茂 木 、 淡 路 、 渡 辺 、 日 本セラミックス 協 会 2008 年 年 会 、3D09.[2] N. Kitamura, KINKEN Research Highlights 2007,p.58.