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Linuxデスクトップ活用の普及に向けた取り組み - Japan Linux ...

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<strong><strong>Linux</strong>デスクトップ活用の普及に向けた取り組み</strong><br />

<strong>Japan</strong> <strong>Linux</strong> Conference 2009 2009年9月17日<br />

情報技術研究センター<br />

主任研究員 飯尾 淳


自己紹介<br />

飯尾 淳 (いいお じゅん)<br />

株式会社三菱総合研究所 情報技術研究センター<br />

先端情報技術研究グループ 主任研究員<br />

博士(工学)、技術士(情報工学部門)<br />

専門は…<br />

画像情報工学、ユーザインタフェース、東南アジア地域の情報化<br />

オープンソースソフトウェア(OSS)との関わり(当初)<br />

2000年、IPA未踏ソフトウェア創造事業に採択され、動画像処理ライブラリを開発<br />

⇒ 成果をOSSとして公開 (その昔、LCでも発表しました)<br />

OSSとの関わり(現在)<br />

日本OSS推進フォーラム プラットフォーム部会 デスクトップ普及戦略検討TF 主査<br />

North-East Asia (CJK) OSS Promotion Forum WG3 / SWG2 member<br />

OSSを活用した東南アジアのIT化に関する数多くのプロジェクトに関与<br />

その他、関連活動として「Webコンテンツの標準化に関するプロジェクト」、等<br />

Copyright (C) 2009 Mitsubishi Research Institute.Inc.<br />

2


内容<br />

Copyright (C) 2009 Mitsubishi Research Institute.Inc.<br />

1<br />

2<br />

3<br />

4<br />

5<br />

6<br />

OSSのデスクトップ利用はなぜ進まないのか<br />

十分に成熟したOSSデスクトップ技術<br />

デスクトップ普及戦略検討タスクフォースとは<br />

<strong>Linux</strong>デスクトップ普及に向けたこれまでの活動<br />

直近の状況と今後の展望<br />

まとめ<br />

3


OSSのデスクトップ利用はなぜ進まないのか


これ、何だか分かりますか?<br />

Copyright (C) 2009 Mitsubishi Research Institute.Inc.<br />

5


これ、何だか分かりますか?<br />

Copyright (C) 2009 Mitsubishi Research Institute.Inc.<br />

6


これ、何だか分かりますか?<br />

Copyright (C) 2009 Mitsubishi Research Institute.Inc.<br />

7


<strong>Linux</strong>利用のシェア: サーバの場合とデスクトップの場合<br />

Copyright (C) 2009 Mitsubishi Research Institute.Inc.<br />

8


デスクトップ利用が進まない背景と問題点<br />

背景<br />

サーバ利用の場合<br />

利用者 = 開発者・管理者 … IT知識豊富、トラブルには自前で対処可能<br />

デスクトップ利用の場合<br />

利用者 = 不特定多数 … IT知識が豊富なわけでもない、トラブル対処できない<br />

(つぶやき)<br />

「だからといって開発者までOSSデスクトップを使わないことはないのに」<br />

いろいろなしがらみが、そうさせているケースも多い<br />

問題点<br />

特定のOSやアプリケーションが寡占状態になる<br />

競争原理によるイノベーションが生じにくくなる<br />

ベンダ・ロックインによる市場の膠着 → ○○税!<br />

(個人的には…)全体を底上げするために、達人の活動が制限されるのはいか<br />

がなものだろうか!という思いが強い<br />

Copyright (C) 2009 Mitsubishi Research Institute.Inc.<br />

9


FLOSS調査で明らかになった日本の固有な事情<br />

FLOSS調査(そういえば、これも昔、LCで発表しました…)<br />

Free Libre Open Source Software 開発者実態調査<br />

2003年 – 2004年頃、各地域で実施<br />

欧州(本家FLOSS調査) by UNU-MERIT (Maastricht Economic and social Research and<br />

training center on Innovation and Technology)<br />

米国(FLOSS-US) by SIEPR (Stanford Institute for Economic Policy Research)<br />

日本(FLOSS-JP)、アジア(FLOSS-Asia) by MRI<br />

欧米と日本では極端な違いが!<br />

欧米のOSS開発者 … デスクトップでもOSSを利用<br />

日本のOSS開発者 … デスクトップはWindowsを利用<br />

その理由<br />

日本のOSS開発者はWebアプリ開発者が多い<br />

<strong>Linux</strong>サーバにログインして開発 → 自らのWindows端末でテスト・デバッグ<br />

Copyright (C) 2009 Mitsubishi Research Institute.Inc.<br />

10


十分に成熟したOSSデスクトップ技術


Ubuntuのデスクトップ利用例<br />

Copyright (C) 2009 Mitsubishi Research Institute.Inc.<br />

12


数々のOSSアプリケーション<br />

Copyright (C) 2009 Mitsubishi Research Institute.Inc.<br />

13


OSSオフィスアプリケーションカタログ<br />

http://ossipedia.ipa.go.jp/appcatalog/<br />

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14<br />

出典:OSS iPedia (IPA)


デスクトップ普及戦略検討タスクフォース


日本OSS推進フォーラム<br />

幹事団・<br />

顧問団<br />

ステアリング<br />

コミッティ<br />

プラットフォ<br />

ーム部会<br />

アプリケー<br />

ション部会<br />

Copyright (C) 2009 Mitsubishi Research Institute.Inc.<br />

企画チーム<br />

クラウド戦略<br />

検討チーム<br />

組込みシス<br />

テム部会<br />

北東アジアOSS推進フォーラムTF<br />

セキュリティTF<br />

メッセージデータベースTF<br />

デスクトップ普及戦略検討TF<br />

16<br />

日本OSS推進フォーラムとは?<br />

日本における情報システムの<br />

ユーザ、ベンダ、学識経験者の<br />

有識者によって構成される組織<br />

人材育成<br />

部会<br />

※ プラットフォーム部会以外の部会に<br />

設置されたTFについては省略


デスクトップ普及戦略検討タスクフォース<br />

技術的には諸条件揃っているにも関わらず、デスクトップ利用が普及しない…<br />

いかにして普及を促すか<br />

効果的に普及させるには何が必要で何をしなければならないか<br />

歴史的経緯<br />

デスクトップ部会 マーケティング研究グループ(2006年度以前)<br />

デスクトップ部会 課題抽出タスクフォース(2006年度、2007年度)<br />

プラットフォーム部会 デスクトップ普及戦略検討タスクフォース(2007、2008年度)<br />

メンバ<br />

MRI、アルファシステムズ、エスエムジー、グリーンテック、AIST、キヤノン、NEC、東芝<br />

DME、NTTコムウェア、クリアコード、ターボリナックス、ノベル、エクスネット、日経BP、<br />

住友電工、BBR、ジャストシステム、等(順不同)<br />

活動状況<br />

月1回程度のミーティング + MLにて議論<br />

ゲスト講師を招いた勉強会<br />

報告書、提言等の作成<br />

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<strong>Linux</strong>デスクトップ普及に向けたこれまでの活動と成果


阻害要因の収集と分析<br />

Copyright (C) 2009 Mitsubishi Research Institute.Inc.<br />

学校 官公庁 自治体 企業<br />

実証実験レポート<br />

OSSデスクトップ移<br />

行に関する阻害要因<br />

の分析と解決策の<br />

検討<br />

19<br />

アンケート<br />

企業利用における<br />

OSSデスクトップ移<br />

行阻害要因の分析<br />

(アンケート集計結果から)<br />

「OSSデスクトップ<br />

普及を阻害する<br />

要因の分析と解<br />

決に向けた取組<br />

みの提案」<br />

出典:「OSSデスクトップ普及を阻害する要因の分析と解決に向けた取組みの提案」


<strong>Linux</strong>デスクトップ普及の阻害要因<br />

Copyright (C) 2009 Mitsubishi Research Institute.Inc.<br />

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具体例(WWWの非互換問題:その1)<br />

Copyright (C) 2009 Mitsubishi Research Institute.Inc.<br />

21


具体例(WWWの非互換問題:その2)<br />

Copyright (C) 2009 Mitsubishi Research Institute.Inc.<br />

22


具体例(WWWの非互換問題:その3)<br />

Copyright (C) 2009 Mitsubishi Research Institute.Inc.<br />

23


WWW非互換問題に対する対策の取組み例<br />

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24


Pirka'rの仕組み<br />

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アンケート調査を実施<br />

目的<br />

列挙した課題に対するユーザ意識の傾向を探る<br />

アンケート配布先<br />

日本情報システム・ユーザ協会(JUAS)<br />

日本OSS推進フォーラム<br />

IPAイベント来場者<br />

全国約2,000自治体(当時)の情報システム担当者<br />

回答数<br />

企業および個人から44回答<br />

自治体から197回答<br />

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26


課題の重要度に対するアンケート結果の分布<br />

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出典:「OSSデスクトップ普及を阻害する要因の分析と解決に向けた取組みの提案(2006年の追補)」<br />

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直近の状況と今後の展開


解決した課題と解決していない課題、取り組むべき作業<br />

解決した課題<br />

多くの技術的な課題は解決ないしは代替案が提示<br />

解決していない問題<br />

リテラシーの問題<br />

データ流通に関する環境的課題<br />

ユーザ教育や情報の入手方法に関する課題<br />

TFが考える「取り組むべき作業」→提言の提示<br />

共通文書形式に関するODF利用の推進<br />

<strong>Linux</strong>プリインストール機器の推進<br />

インターオペラビリティの確保<br />

公的機関や大手ベンダのマーケットドライブによる利用者のマインドセット転換<br />

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Google Chrome OSやAndroidで流れが変わるか?<br />

29


ODFの普及に向けて<br />

OpenOffice.orgの採用がじわじわと増えている<br />

ニュースに登場した組織<br />

会津若松市、四国中央市、等の地方自治体<br />

住友電工、アシスト、トーホー、等の企業<br />

この流れを加速することができないだろうか?<br />

会津若松の事例(下図)<br />

PDFまで含めるとほぼ半数の文書がオープンなフォーマットに移行 OO.oに移行しても時間外勤務は増えていない<br />

出所:会津若松市「OpenOffice導入経過報告」から引用のうえ再構成<br />

Copyright (C) 2009 Mitsubishi Research Institute.Inc.<br />

30


情報提供による好循環への転換<br />

「サポートが無いから導入できない」という不満に楔を打つ対策<br />

サポートが無いから<br />

導入できない 導入事例が無いから<br />

サポート提供しない<br />

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導入事例・情報の提供<br />

サポートを活用して<br />

導入する 導入事例を参考にして<br />

サポートを事業化する<br />

31<br />

出典:OSS iPedia (IPA)


喫緊の課題<br />

「J-SaaS問題」<br />

J-SaaS(ジェイ・サース)とは?<br />

経済産業省が中小企業を対象として進めている業務アプリケーションのSaaSサービス<br />

なにが問題か<br />

J-SaaSウェブサイトのFAQより引用<br />

推奨環境は以下のとおりです。<br />

CPU:400MHz 以上のプロセッサ<br />

メモリ容量:512MB 以上<br />

オペレーティングシステム:Windows Vista/XP(Home Edition/Professional はSP2 以上)/<br />

2000Professional(SP4 以上)<br />

ブラウザ:InternetExplorer version 6/7<br />

OSSもさることながら…<br />

Copyright (C) 2009 Mitsubishi Research Institute.Inc.<br />

携帯端末は?<br />

Mac OS X は?<br />

Windows 7 は?<br />

Internet Exploer 8は?<br />

32


今後の予定<br />

タスクフォースの活動予定<br />

情報提供<br />

日経ITProにて連載予定<br />

ODFの互換性検証に関する情報収集と対応策の検討<br />

ODFを取り扱うソフトウェアが増えてきた<br />

OpenOffice.org, KOffice, AbiWord, Lotus Symphony, Google Docs, MS-Office (!), etc...<br />

現在認識している問題<br />

互換性が十分ではなく、ODF普及を妨げる恐れがある<br />

具体例: MS-Office で、計算式を含むスプレッドシートを読み込むと、式が削除されて値だけになってしまう!<br />

WWW互換性調査の知見を活用できるのではないか<br />

その他、引き続き普及推進に関する議論と情報収集、情報発信を実施<br />

Copyright (C) 2009 Mitsubishi Research Institute.Inc.<br />

33


(参考) ODFの互換性確保に対する取り組み<br />

Opendoc Society (オランダ)を中心とするグループによる活動<br />

http://plugtest.opendocsociety.org/doku.php<br />

The Fraunhofer Institute for Open Communication Systems (FOKUS)による調査<br />

http://www.h­online.com/open/Fraunhofer­ODF­and­OOXML­onlyjust­compatible­­/news/114045<br />

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34


まとめ<br />

サーバとしての用途のみならず、OSSはデスクトップ用途でも有効<br />

技術的にはほぼ問題ない<br />

アプリケーションも豊富に揃っている<br />

なぜデスクトップ用途で普及しないのかを調査、分析した<br />

課題を列挙、アンケートを実施<br />

ほとんどの技術的課題は解消または代替案が提示されている<br />

いくつかの具体的な例を提示<br />

WWWの互換性問題など<br />

まだ活動は継続しなければならない<br />

本格的普及には道遠し<br />

J-SaaSの問題など、解決しなければならない課題も残されている<br />

ただし追い風も吹いてきたことを感じている<br />

Copyright (C) 2009 Mitsubishi Research Institute.Inc.<br />

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Happy Hacking !<br />

なお本タスクフォースの活動には誰でも参加できます<br />

本活動に興味を持ち、私たちとともに議論および活動を進め<br />

たい方は、ぜひ私(iiojun@mri.co.jp)までご連絡下さい

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