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JAEA-Evaluation-2010-005-CD.pdf:6.17MB - 日本原子力研究開発機構

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255 No については、新たに開発した高分解能α線微細構造測定法を用いて基底状態及び娘<br />

核 251 Fm の励起準位のスピン・パリティ、中性子軌道配位を同定した。またα-γ同時計数<br />

測定実験も行い、中性子数 151 の娘核 251 Fm の励起準位の構造を明らかにした。その結果、<br />

原子番号が大きくなるにつれて中性子数 152 に存在する中性子軌道のエネルギーギャップ<br />

(変形閉殻)が大きくなることを見出すと<br />

ともに、 251 Fm においてそのギャップが特<br />

に増加していることを見出した。この現象<br />

は既存の理論計算では再現することがで<br />

きず、中性子数 152 変形閉殻の性質が未だ<br />

良く分かっていないことを示す結果とな<br />

った。また 256 No のα壊変の娘核 252 Fm の<br />

第一励起準位エネルギーを初めて決定す<br />

ることに成功した。中性子数 152 変形閉殻<br />

252<br />

Fm の第一励起準位エネルギーは、周辺<br />

の Fm 同位体や No 同位体の中では最も低<br />

くなり、中性子数 152 変形閉殻の影響が最<br />

も大きく現れている原子核であることが<br />

判った。<br />

3/2 + 3/2 [622]<br />

+ [622]<br />

110 or 117 keV<br />

9/2 + 110 or 117 keV<br />

9/2 [615]<br />

+ [615]<br />

3/2 + 3/2 [622]<br />

+ [622]<br />

124<br />

102<br />

77<br />

1/2<br />

253<br />

Fm153<br />

+ 1/2 [620]<br />

253<br />

Fm153<br />

+ [620]<br />

1/2<br />

>110 keV<br />

4.2 s<br />

+ [620]<br />

or 3/2 + 1/2<br />

[622]<br />

>110 keV<br />

4.2 s<br />

+ [620]<br />

or 3/2 + [622]<br />

8.28 MeV<br />

257<br />

No155<br />

図7. 261 Rf ならびに 257 No の壊変図<br />

257<br />

Rf のα-γ核分光実験は米国アルゴンヌ国立研究所との共同研究で、反跳核分離装置<br />

と高効率 Ge 検出器を組み合わせて行った。 257 Rf のα壊変では、娘核 253 No の準位構造を<br />

明らかにし、中性子数 152 変形閉殻が No において更に大きくなっていることを見出した。<br />

また、 257 Rf の励起準位に半減期 160μs の核異性体が存在することを見出した。一方 259 Rf<br />

の合成には、数マイクログラムしか入手できない極めて稀少で且つ高放射性のアクチノイ<br />

ド核種 251 Cf を標的とした核分光実験を行った。ここでは、娘核 255 No の励起準位を初めて<br />

観測するとともに、 259 Rf の基底状態の中性子軌道配位が同じ中性子数 155 を持つ 257 No と<br />

同じ 3/2+[622]であることを明らかにした。<br />

以上の研究は、中性子過剰な超重核のγ線核分光実験への初めて試みであり、多くの新<br />

しい知見を得ることができた。特にスピン・パリティや中性子一粒子軌道のエネルギー間<br />

隔・順序等を系統的に明らかにしたことで、実験データを基にした詳細な理論計算の検証<br />

が超重核領域において初めて可能となり、超重核の殻構造解明に大きく貢献する貴重な成<br />

果といえる。<br />

6.4.超重元素の気相化学実験に向けた迅速気相化学分離装置の開発<br />

当初の計画にはなかったが、平成 20 年度より 105 番元素ドブニウム(Db)の気相化学的研<br />

究に向けての装置開発を開始した。6.1.で述べたように水溶液中での Db のフッ化物<br />

形成に特徴的な性質を見出したので、別途気相化学的手法を用いて、Db のハロゲン化物<br />

形成を調べることを目的とした。周期表第 5 族元素はハロゲン化物が揮発性を持つことが<br />

知られており、Db のハロゲン化物の気相化学的挙動を、同族の Nb や Ta の挙動と比較し<br />

つつ、その化学的性質を明らかにする計画である。このため、揮発性ハロゲン化合物のガ<br />

76<br />

83<br />

α<br />

0 keV<br />

8.22 MeV<br />

8.32 MeV<br />

68 s 9/2<br />

261<br />

Rf157<br />

+ [615]<br />

or 11/2 - 68 s 9/2<br />

261 [725]<br />

Rf157<br />

+ [615]<br />

or 11/2 - [725]<br />

8.52 MeV

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