JAEA-Evaluation-2010-005-CD.pdf:6.17MB - 日本原子力研究開発機構
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(AIDA-II)の概要を示す。本実験装置では、イオン交換分離された溶出液をリボン状の<br />
タンタル(Ta)板に滴下しつつ連続的に水溶液を乾燥し、引き続きα線検出器へと自動的に<br />
搬送することができる。これにより試料の捕集終了から約 15 秒で 262 Db の壊変に起因す<br />
るα線の測定を開始できるようになった。また、電場を利用したビーム回転装置を導入し、<br />
Cm 標的などへの熱負担を減らすことで、2 倍のビーム量の使用を可能にした。以上の開<br />
発により Db 実験が可能となり、次に示すような成果が得られた。<br />
図2.開発したオンライ<br />
ン迅速化学分離システム<br />
(AIDA-II)の概略図<br />
実験は Rf と同様に<br />
HF/HNO3 水溶液中で、<br />
同族元素(第 5 族元素)<br />
ニオブ(Nb)ならびにタ<br />
ンタル(Ta)との化学挙<br />
動を比較した(図3)。水溶液中で+5 の酸化状態で安定に存在する擬 5 族元素プロトア<br />
クチニウム(Pa)も比較のため同様の実験を行っている。図から明らかなように第 7 周期に<br />
属する Db は第 6 周期の Ta よりむしろ第 5 周期の Nb に似た挙動を示した。ここで用い<br />
た水溶液中では、Ta は 6 配位のフッ化物錯体[TaF6] - を形成すると報告され、一方 Nb は<br />
オキソフルオロ錯体[NbOF4] - を形成することが知られている。(なお、当グループでも別<br />
の実験にてこれを確認している。)従って、Db が Ta とは明らかに異なり Nb と同じくオ<br />
キソフルオロ錯体[DbOF4] - を形成していることを初めて示唆することができた。今後はさ<br />
らに装置の改良を行い、化学種の決定に向けた系統的な実験を継続していく。<br />
図3.様々なフッ化物イオン濃度における<br />
Dbと周期表同族元素のNb, Taおよび擬5族<br />
元素Paの陰イオン交換樹脂に対する分配係<br />
数(Kd)。白抜きはバッチ方による分離実<br />
験結果で、色塗りはオンラインのカラム実<br />
験(ビーム実験)による結果。<br />
d / mL g -1<br />
K<br />
6.2.電気化学的分析手法の開発と重アクチノイド元素の酸化還元反応<br />
シングルアトムレベルでの新たな分析手法の開発に着手し、電気化学的手法を用いた超<br />
重元素の化学的研究の可能性を新たに見出した。この手法を用いて 102 番元素ノーベリウ<br />
10 4<br />
10 3<br />
10 2<br />
10 1<br />
10 0<br />
10 -6<br />
: Nb Batch<br />
: Ta Batch<br />
: Pa Batch<br />
: Nb Column<br />
: Ta Column<br />
: Db Column<br />
10 -5<br />
10 -4<br />
[F - ] / M<br />
10 -3<br />
10 -2