JAEA-Evaluation-2010-005-CD.pdf:6.17MB - 日本原子力研究開発機構

・これまでに蓄積されて来た核分裂片測定技術と上記ガンマ線分光手法との組み合わせは、
代理反応による短寿命マイナーアクチノイドの核分裂断面積を測定する提案の実験技術の
基礎となり、JST での大型予算獲得につながった。
・アクチノイド原子核の変形効果による、サブバリヤエネルギーでの融合反応の解明は、
26Mg + 248Cm による新同位体 271Hs の生成にも応用された【論文 71】。
・TRIAC で核分裂片を加速する上で重要となるウラン標的等を用いた短寿命核のイオン化
技術は、タンデム加速器における測定可能な短寿命核の範囲を広げ、新たなユーザーによ
る異なる研究課題の提案を生み出した【論文 79, 91, 92,94,国際会議招待講演 8, 18】。
・TRIAC での核分裂片加速を成功に導いた電子サイクロトロン共鳴型(ECR)イオン源によ
る短寿命原子核イオンの電荷増倍技術は、再加速型の短寿命核ビーム加速施設において必
須とされる技術として、この分野の世界的な参考事例となった【論文 65, 89】。
・元素合成実験用に開発された新型のガス検出器は、短寿命核ビームによる原子核反応に
用いる高効率な標準的検出器として、国内外で開発あるいは使用されつつある装置の先駆
けとなった【論文 10】。
・原子核理論の立場から原子核の有限領域性を示したことで,有限多体系の扱いうる範囲
について大きな指針を与えた。
・殻模型に基づく殻構造変化の概念は、平均場模型など他の理論や、世界の不安定核施設
における実験の動機付けとして大きな影響を与えた。
・混合相の状態方程式に関する新たな知見は、基礎的な熱力学の分野での研究成果と言っ
ても良く、他分野プラズマ物理の研究者にも注目されている。低密度での液相-気相相転移
に関する研究成果【論文 13,29,82,国際会議招待講演 10,14】は超新星爆発や原始中性子星
の冷却過程と関連していて、ハドロン-クォークの混合相や中間子凝縮に関する研究成果【論
文 6,13,14,19,29,58,59,80,82,114,国際会議招待講演 9,10,14】は、中性子星の構造や質量と
関連していて今後の発展が期待される。
8. 人材育成への貢献
(1)若手教育
H17 年度下期
博士研究員: 鶴田 薫(九大学術研究員を経て(株)ニューフレアテクノロジー)
牧井 宏之、橋本 尚志
特別研究生受け入れ:秋村 友香(埼玉大)、稲吉 繁一(茨城大)
連携大学院への派遣:丸山 敏毅(筑波大学大学院数理物質科学研究科、客員准教授)
非常勤講師等の派遣:宮武 宇也(東京大学大学院理学研究科)
原子力研修センター講師:丸山 敏毅
H18 年度
博士研究員: 牧井 宏之、橋本 尚志
連携大学院への派遣:丸山 敏毅(筑波大学大学院数理物質科学研究科、客員准教授)
非常勤講師等の派遣:宇都野 穣(東京大学原子核科学研究センター)
宮武 宇也(東京大学大学院理学研究科)
原子力研修センター講師:丸山 敏毅
学生実習生受け入れ: 1 名(甲南大)
夏季学生実習生受け入れ:2 名(東京大学)